今、たくさんの児童虐待が報告されている。この問題は、大きな社会問題となっている。児童虐待は子供の人権を無視した許しがたい犯罪である。自分のおなかを痛めた子供をどうして虐待するのか。今の親は、親としての自覚がないのではないか。
感傷的共感タイプの例;
小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』より

私が学生だった頃、レポートの書き方などという授業は大学になかった。「大学生なんだから、レポートの書き方ぐらい知っていて当然。わざわざ大学で教える必要などない」というのが大学側の立場だったので、何も分からず社会問題についてレポートを書かされ、上の文章のように社会問題を嘆き、弱者に同情するような主観的な「レポート」を書いてしまった。これを読んだ先生は呆れていたことだろう。これでもレポートのつもりかと。

レポートというのは客観的でなければならない。「かわいそうだ」「ひどい」「おかしい」を連呼する主観的な文章はレポートとは言えないのである。

今の私ならどんなレポートを書くだろうか。
 
WRMの卓球知恵袋は3人の講師がそれぞれ卓球技術指導動画を出しており、その指導方法―ストラテジーにそれぞれの個性が感じられるので、比較分析してみたい。

対象は最近の発表された「卓球知恵袋」の動画2本ずつである。末尾の数字(1:40等)はその項目が終わった時点を表している。比較しやすさを優先して、切りのいい数字にしたかったため、1~2秒の誤差がある場合もある。

やっすん講師
「粒高ラバーの選手が嫌いな回転」9/2発表


 
概要・指導対象者について 0:40
粒高の回転の特長についての解説 1:40
結論(粒高はどんなボールを苦手にするのか) 3:40
実演 5:36

「試合に勝つために必要な前後のフットワーク」8/30発表

 



どうして「前後のフットワークが必要か」について 2:00
具体的な練習法の解説 3:50
実演 7:38


やっすん氏の動画の特徴は全体の構成がシンプルで、「導入(あるいはその有用性の説明)」「本題」「実演」の3つ、あるいは4つに分かれていることである。初めの2分ほどはこの技術がどんな時に役立つか、どうしてミスしてしまうのかといった周辺的な話題を諄々と語り、なかなか本題に入らない。そして十分引きつけてから、本題を詳しく語り、実演にもかなりの時間を割いている。


ぐっちぃ講師
「フォアドライブのラリー(引き合い)のコツ」8/31発表


 
テーマについての説明・指導対象者 0:25
実演 0:40
打ち方の詳細 その1 1:55
実演 2:30
コメント・補足 2:55
打ち方の詳細 その2 3:50
実演 4:05
コメント・補足 4:30
実演 4:45
コメント・補足 5:10
実演 5:30
まとめ 5:45
まとめの実演 6:48


「モーションサーブのコツ」8/28発表


 
今回のテーマについての概要(3つのモーションの存在)0:30

1つめのモーション
やり方、効果の説明 2:00
実演 2:15

2つめのモーション
やり方、効果の説明 3:45
実演 3:52

3つめのモーション
やり方、効果の説明 5:50
実演 6:50

まとめ・総合コメント 6:50
まとめの実演 7:50

ぐっちぃ氏の動画の特徴は実演を細切れに挟み込む手法にある。一つ一つの項目が短く、1つの説明が終わると、すぐにそれを短い実演で確認する。次々と場面が変わり、展開が早く感じる。また、ナンバリングを使って冒頭で「…で大切なことは3つあります。1つ目は…」のように現代の標準的なプレゼンテーション技法に則っているので、頭に入りやすい。そして最後にまとめの実演として、細切れの実演を改めて確認して終わる。非常に洗練された構成である。



xia講師 
「ミスを減らす!やわタッチを習得せよ」9/1発表


 
概要 0:25
指導対象者 1:10
具体的な練習方法の説明 1:35
実演 1:55
コメント・まとめ 2:33


「裏面を試合中にスムーズに振るための練習法」8/25発表


 
テーマについての説明 0:20
指導対象者 1:10
練習法の具体的な説明・実演 1:45
コメント・まとめ 2:38

xia氏の動画の特徴はその全体的な時間の短さである。時間が短いので、集中できないときや興味のないテーマでも気軽に見られる。そして解説の型がしっかりできており、「概要」「指導対象者」「実演」「コメント」のように決まった型に沿って進むので、視聴者は構成を把握しやすい。

それぞれの動画にそれぞれの個性があり、優劣を決めることはできないが、どのような視聴者に適しているかのだいたいの傾向は見いだせそうである。

まずやっすん氏の動画だが、やっすん氏と同じ問題意識を持った大人の視聴者に適していると思われる。やっすん氏の動画は解説が詳細で、深く考えた末の結論であると思われる。しかし導入部の説明が長いので、子供や同じ問題意識(「どうしても粒高に勝てない」等)を持っていない人は途中で飽きてしまう。導入部の問題提起の答えを知りたくて、本題まで観ても、本題の説明も長いので、実演まで観るにはかなりの集中力が要求される。その結果、特に自分の問題意識と合わない場合は、途中を飛ばして、最後の実演部分のみを観ることになるだろう。しかし、一方で自分の問題意識とピッタリ合っている視聴者にはいろいろ考えさせられて楽しめると思われる。実演動画も画面を2分割して比較してあったりして手が込んでいる。
 
次にぐっちぃ氏の動画だが、多くの視聴者に歓迎される動画だと思われる。一つ一つの項目が短く、説明も簡潔なため集中力のない子供でも飽きずに最後まで観ることができる。口調もハツラツとしていて、視聴者の気持ちに訴えてくる。強いて難を言えば、分かりやすすぎる点が問題といえるかもしれない。よどみなく次から次へと展開していくので、自分で立ち止まって考えるいとまがなく、スッと頭に入ってしまう。その結果、スッと忘れてしまうおそれがある。

最後にxia氏についてだが、動画を観る時間の余裕のない人や、端的に答えだけ知りたい人、応用的な技術よりも、基本的な技術の習得を必要としている人に合っていると思われる。xia氏の深い考察などはブログのほうで語っており、動画では理論的なことよりも、練習法の実例を簡単に上げるにとどめている。


なお、私が最近、観た動画の中ではやっすん氏の「ドライブを回り込んで打った後の2種類の戻り
」が出色の出来だった。



おそらく私が同じ問題意識を持っていたからだと思われる。前陣の重心移動のやり方などは、なるほどと感心させられた。やっすん氏の動画はそのときの自分の問題意識によって当たり外れが大きいのではないだろうか。

…とここまで書いてみたが、全然客観的な考察ではない…。推敲を重ねて首尾一貫させるほどの気力もないので、今回はここまでとしたい。この歳になっても、レポートを書くというのは難しいなぁと再確認した次第である。