ITTF Legends Tour という企画があることは知っていた。往年の名選手を招いてエキシビション・マッチをしてもらうというものらしい。動画が上がっていたので、あまり期待せずに観てみたのだが、なんとそこには江加良の姿が!若い人は知らないかもしれないが、’85、’87年の世界チャンピオンである。中ペン表ソフトでガンガン打っていく選手である(前記事「昔の卓球は今、通用するのか」)。

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1988年ソウルオリンピックでの江加良(Jiang Jialiang)

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老いを感じさせない江加良 今年50歳?

 

出場選手は以下の6人

ヨルゲン・パーソン 48歳
アペルグレン 53歳
江加良 50歳
J.M. セイブ 44歳
ワルドナー 48歳
ガシアン 45歳

ワルドナー、パーソン、セイブはたぶん今でも現役選手?だし、アペルグレンも、ときどき試合に出ているのを見かける。ガシアンは私が卓球を休んでいた頃に活躍した選手なのであまり思い入れがない。

が、江加良は違う。レアかつ私の最も思い入れのある選手の一人である。江加良の最近のプレーなんて観たことがない。メディアによると、最近はゴルフばっかりやっていて、卓球の方はすっかりお留守らしい。youtubeのなかった時代、『卓球レポート』等の写真付き記事が私にとって世界の卓球を知る唯一の手段だった。そんな江加良の現在のプレーが観られるなんて!これを見逃す手はない。

しかし、卓球から遠ざかっている江加良が半分現役の他選手たちに伍していけるのだろうか。いや、最新の用具に江加良の往年の前陣速攻が加われば、かなりいい試合ができるのではないだろうか。

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江加良のまさかの裏面打法
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結果は観てのお楽しみだが、 ITTF Legends Tour は古い卓球ファンには非常におもしろい企画だったと思う。こういうのを日本でもやってくれればと思う。
近畿大学の高島規郎氏や同志社大学の田阪登紀夫氏、TSPの小野誠司氏といった元世界レベルの人が関西にいるのだから、関西の卓球協会が同様の企画をやってくれないだろうか。京都の龍谷大学には王会元氏もいるし、吉富永剛氏も京都にいたはずだ。大阪には新井周氏もいる。近畿大会の決勝戦の後などにこういう元世界レベルの選手のエキシビションマッチをやってくれたら、決勝戦まで残る観客も増えるかもしれない。若い人たちにとっても、昔の卓球に刺激を受けるのではないだろうか。温故知新である。