先週末に東京オープンがあった。会場には行けないので、youtubeに動画が上がっていないかチェックしたのだが、残念ながら発見できなかった(今、チェックしたらtv2ne1というページにいくつか動画が上がっていた)。しかたがないので試合結果のスコアをみて楽しむしかなさそうだ。そして結果だけを卓球王国のサイトで見たのだが、

優勝:三部航平(青森山田高)
準優勝:坪井勇磨(青森山田高)
第3位:高木和卓(東京アート)
第3位:塩野真人(東京アート)

となっていた。

「あれ?これはジュニアの試合結果と間違えたかな?」

と思ったが、3位に東京アートの2選手が入っているので、一般の試合のはずだ。

「三部・坪井選手が高木和・塩野選手に勝ったのか、すごいな。でもおかしいぞ。世界卓球2014代表の丹羽孝希選手、水谷隼選手、松平健太選手、岸川聖也選手はどうなったんだろう?」
 
どうやら出場していないらしい。第一シードは、大矢英俊選手。しかし、初戦敗退。

「え~!大矢選手を破ったのは一体どんな選手だろう?強い選手同士はすぐに当たらないはずなのに。」

トーナメント表を確認してみた。トーナメント表は大きく8ページに分かれていた。参加選手は377名。全日本の男子シングルス出場者が272名、大阪オープンが320名なので、東京オープンがいかに大きな大会かということがよくわかった。

シングルス その1をみると、大矢選手を破ったのは愛工大の上江洲光志選手だった。
kamiesu

「上江州選手か、ときどき名前を聞くなぁ。しかし、実業団のトップ選手を破るとはすごい。丹羽・松平選手以外にも実業団トップ選手を破るような大学生がいたんだなぁ。」

そしてその上江州選手は先の全日本で注目された青森山田の坪井勇磨選手に敗れる。
tuboi

「坪井選手の強さは本物だったんだ。大矢選手を下した上江州選手をストレートで破ってしまうなんて。」

シングルス その2では、専修大の王凱選手がシチズンの軽部隆介選手を破ってトップで決勝トーナメントへ。
ougai

「王選手か。ときどき名前を聞くなぁ、しかし実業団のトップ選手を…【以下略】」

シングルス その3では全日本でいつもランク入りする時吉佑一選手が初戦敗退。破ったのは愛工大の森本耕平選手だった。
morimoto
「森本選手か、よく名前を聞くなぁ。しかし時吉選手を…【以下略】」
しかし森本選手は惜しくも東京アートの高木和選手に敗れ、決勝トーナメントへの進出はならず。

シングルス その4では全日本準優勝の町飛鳥選手を破り、青森大の上田仁選手が決勝トーナメントへ。
jin

上田選手は安定して強い。上田選手は京都府出身なので個人的に親近感を覚える。

シングルス その5ではエリートアカデミーの村松雄斗選手を早稲田の大島祐哉選手が破って決勝トーナメントへ。

oosima

大島選手も京都府出身。イケメンで卓球も強いなんて、うらやましすぎる!

シングルス その6では塩野選手が順当に明治大の松下海輝選手を破り決勝トーナメントへ。
シングルス その7では韓国の徐延和選手が協和発酵キリンの下山隆敬選手を破り決勝トーナメントへ。

シングルス その8では東京アートの張一博選手が専修大の厚谷武志選手に敗れるという波乱があった。
atuya
「厚谷選手か、聞いたことないなぁ。しかし実業団トップ選手の張選手を【以下略】」
しかし、大金星を上げた厚谷選手は残念ながら、三部航平選手に敗れ、決勝トーナメントには進めず。

ベスト8は
坪井(青森山田高)
王(専修大)

高木和(東京アート)
上田(青森大)

大島(早稲田大)
塩野(東京アート)

徐延和(大宇証券取引所)
三部(青森山田高)
 
そして坪井選手が王選手を4-3で破り、高木和選手が上田選手を4-2で破り、塩野選手が大島選手を不戦勝?で破り、三部選手が徐選手を4-1で破り、冒頭の結果となった。高校生2人が決勝を争い、実業団の2人がそれに続き、大学生は一人もベスト4に残れず、という結果になった。上位4選手の試合はいずれもセットカウント4-3のデュースにまで、もつれこむ大接戦だった。

【所感 その1】
今回出場しなかった水谷、岸川、丹羽、健太選手が出場したらどうなっていたのだろうか。もしかしたら、この一角は今回出場した高校生や大学生に崩されるということもありえたかもしれない。
三部、坪井両選手は若い選手なのでまだ十分に研究されていないという強みがあったと思われるが、それにしても現在の高校生・大学生のレベルの高さには驚かされる。もはや実業団の選手と、学生トップ選手との差はほとんどないようだ。

【所感 その2】
素人判断ながら、これらの上位進出選手が飛び抜けているということはないと思われる。つまりベスト32ぐらいの選手たちに大きな差はなかったのではないだろうか。高校生や大学生の若い選手の中には上位進出選手に準ずる技術を持つ選手も少なからずいたのではないか。しかし、惜しくも上位進出できなかった選手たちは精神力や運などで、あと一歩のところで及ばなかったのではないかと思われる。そのような選手のうち、将来卓球に無関係な仕事に就かざるをえない選手が少なくないことが惜しまれる。社会人になってからも実業団に入って選手として活躍できる選手は毎年4~5人ほどだと聞いたことがある。それ以外は選手を引退し、指導者などの道に進めるなら、今まで磨いてきた技術を活かせるが、全く関係ない仕事に就き、卓球は趣味で続けるという人も多いらしい。

【所感 その3】
スポーツ新聞に競馬の結果が細かく記してあるページがある。文字と数字ばかりのあのページを熱心に読んでいる人を不思議に思っていたが、私も今回、東京オープンのスコアを同じように熱心に眺めていたので、我ながらおかしく感じられた。