先日、久しぶりに上手な人と試合形式で練習したのだが、練習の成果が全く出ない。ドライブも押さないで打てるようフォームを改善しているはずだし、フットワークの練習も多少はやっている。おかげで練習ではドライブやブロックがかなり安定してきた。が、試合ではまったく思ったように打てない。以前は負けたことのなかった相手にも負けてしまった。技術的には向上しているはずなのになぜ?

たしかに技術的には以前より向上しているはずである。しかしそれが試合で活かせない。これはずいぶん前から気になっていたことだ。「技術」と「試合」との間には、それをつなぐ何かがある。それが決定的に欠けているから私は試合で勝てないのだろう。それは一体何なのか?

『卓球王国』2014年4月号の「新・戦術ノート」23でタイミングの重要性についての記述をみつけ、「これだ!」と思った。

タイミングが取れない選手の多くは、ボールを「追いかけて打つ」のがクセになっている。相手の打球が発射されてからタイミングを計りにいくと、ほとんどの場合、ベストな打球タイミングを逃すことになる。逆に言えば、タイミングを合わせるのが上手い選手は、相手が打球する前に、すでにタイミングを合わせ始めている。

ふだん私がやっている練習は主にフォームや安定性の向上を目的としたワンコースの単調な練習が多いので、ボールがどこに来るかを考えずに済む。その結果、フォームの調整や腰の使い方などに専念して打球できる。しかし、こと試合となると、どこにボールが来るか分からない。フォームを点検しながら打球すると、どうしても1テンポ反応が遅れてしまい、「追いかけて打つ」ことになってしまう。したがって余裕を持って練習通りの打ち方ができないということになる。私に決定的に欠けていたのはこれだったのだろう。さらに私が技術的には向上しているのに試合では弱くなっているという事実から考えると、どうやら卓球では合理的なフォームや身体の使い方よりも、タイミングのほうが優先されるということになる。もしかしたら、試合ではタイミングこそが他の全てに優先される要素なのかもしれない。

先日の練習ではダブルスの練習もした。
それまで私はダブルスがあまり好きではなかった。二人で台をめぐって打球するのは窮屈だし、ミスをすると相手に迷惑をかける。シングルほどラリーが続かないのももの足りない。ラリー中はパートナーがどこに打つか分からず、自分が打つ番になると、ボールがいきなり飛んでくるような錯覚に陥る。パートナーがうっかりボールを浮かせてしまい、相手が打った強打を、心の準備もなしに、唐突に受けさせられるハメになったりするのだ。

kasumin
本日2/23は石川佳純選手の誕生日らしい。

しかし、ダブルスをやっていると、とっさのボールに早めに対処しなければならないことから、ボールの流れを読んで、次に来るボールを予測しようというクセがつくような気がする。私の実力では、シングルの場合はボールを打つことだけで精一杯で、次のボールを予測する心の余裕がない。忘我の境地である。しかし、ダブルスの場合、自分の打つ番が1回おきなので、次に来るボールを予測し、タイミングを早めに合わせる余裕が生まれる。もしかしたら、ダブルスは予測の訓練になるのかもしれない。そんな経緯で、私はダブルスが好きになった。ダブルスで次のボールを予測して、早めにタイミングを合わせられるようなクセがつけば、私の行き当たりばったりの不安定卓球も少しは形になるかもしれない。