丹羽選手の写真を見ると、よくこんなふうに腕を頭上で直角に近く曲げている。

niwa

niwa02

期待の若手、宇田選手も同じようなフォームだ。
uda

あんなフォームでよくボールが前に飛ぶなぁ。下回転を持ち上げているところだろうか?それとも身長の関係で腕が上に回るのだろうか。このスイングを仮にAタイプと呼んでおこう。

ただし、上級者はみんながみんなこんなフォームというわけではない。
たとえば、水谷選手はもっと目の前にラケットを持ってくる写真が多い気がする。

mizutani

これをBタイプと呼んでおこう。
仮にだいたい同じ球質(例えば下回転)のボールを打っているとして、Aタイプのフォアハンドはボールを顔ぐらいの高さで打っているということだろうか。それに対してBタイプはボールを胸あたりの高さで打っているということになろうか。Aタイプはボールを身体の側面近くで打っていて、Bタイプは身体の前方で打つ打法となるだろう。おそらくAタイプは低いボールを打つのに適していて、Bタイプはある程度高いボールを打つのに適しているのだろう。

Aタイプはあまりスピードが出なさそう(相手のボールが速ければスピードは出るかもしれない)であるが、安定性は高そうである。一方Bタイプはスピードは出そうだが、安定性が低そうである。Aタイプは姿勢・背が低い人に適していて、Bタイプは姿勢・背が高い人に適していると言える(たぶん)。ノッポのサムソノフ選手がAタイプの打ち方をしているイメージがない。もしかしたら、前陣の人はAタイプのフォアハンドで、中陣の人はBタイプが合っているのかもしれない。総合的に言うと、Aタイプのほうが使い勝手が良さそうである。ただ、後ろに下がって大きなラリーをしているときは、Bタイプのほうが合いそうだ。
xu xin
この人もこんな打ち方をするんだ…。

振り返って自分のフォームはどうだろうか。
私は身長175センチほどで、ペンホルダーだが、一般的にペンホルダーのフォアハンドはラケットが下から出て、前方に向かいやすいので、Bタイプになりやすいと思う。そうすると、低い下回転のボールをフォアハンドで持ち上げるのが苦手そうである。そういうボールをついBタイプのフォームで打ってしまいがちだが、思ったより面が下を向いているときが多いかもしれない。気をつけてできるだけAタイプに近い形にしたほうがいいと思う。

最近、気づいたのだが、ペンホルダーのフォアハンドはラケットの面が真正面を向きにくい。構造上ボールの真後ろを触りにくいので、ボールのやや右側を触ってしまいがちである(右利き)。その結果ふつうにドライブを打つと、カーブドライブになりやすく、狙ったところよりも左側(クロス側)のほうへ打ってしまう。横下のロングサーブを持ち上げるときなど、ボールの真後ろを触りたいのに、ボールの右のほうに触れてしまう。さらにボールを身体の前方でとらえがちなので、側面でとらえる場合と比べて、面が下を向きやすい。

シェークハンドのフォアハンドの特徴:
・ブレード面が真正面を向きやすい
・身体の側面で打ちやすい
・ラケットが上から出やすい

ペンホルダーのフォアハンドの特徴
・ブレード面が左を向きやすい
・身体の前方で打ちやすい
・ラケットが下から出やすい

自分ではまっすぐに打っているつもりでも、ペンホルダーの上記の特徴から、自分が思っているよりも歪んでボールを打っていると思われる。下回転のボールをフォアハンドでドライブするときに、身体をかなり開いて(右を向いて)、身体の側面に近いところでインパクトし、スイングを上前方ではなく、上右方向に振ると、ツッツキ打ちが安定したように感じた。おそらく右方向にドライブを振ってやっとラケットが真正面を向くのだと思う。ペンホルダーのフォアドライブで下回転打ちが安定しない場合、身体の向きを右方向へ向けたり、スイング方向を右方向にしたほうがいいと思う。
自分のフォームを鏡でよく観察し、自分がボールをどんな状態で打っているか確認しておかないと、無駄に安定性が落ちるように思う。