上手な大学生と練習させてもらった時にこんなことを聞いてみた。

「そんなに上手なのに、どうして大学で卓球部に入らなかったんですか?」

その人は、小・中・高とがっつり卓球をやって、県でも上位に入れるような成績を残した人だった。

「小・中・高・大と、ずっと卓球漬けというのもなんだか虚しいじゃないですか?全国で上位を狙えるわけでもないし、大学時代のときぐらい、卓球のことを忘れて、他のことにも取り組んでみたいですよ。」

なんだか、どこかで聞いたことのある言葉だ(「あたし、ついていけそうもない…」)。なるほど、このぐらいのレベルの人ともなると、全国レベルの選手の強さを知っていて、そういう人たちには逆立ちしても敵わないということを身をもって知っているのだろう。あるいは満足の行くまで卓球をやったという充実感があるのかもしれない。

「週1回ぐらい、運動不足解消を兼ねたレクリエーションとして卓球するだけで十分です。」

私が今、熱心に卓球に取り組んでいるのは、小中までしか卓球をやらず、社会人になって卓球を再開するまでの20年ほどの空白期間があったからだと思う。空白期間が長かったからこそ、それを補おうと、今熱心に卓球をしているように思う。
逆に小・中・高・大まで、すきまなく卓球をやった人は、もうこれ以上強くならないので、ほどほどでいいという気分になるようだ。 恋愛関係にも「長すぎる春」という言葉があるように、モチベーションというものも、途中に区切りや空白がないと、長く持続させることが難しいものである。

最近、スイング時に前腕が痛くなってくる。腕に力が入りすぎているのだ。ボールに効率的に力を伝えたいと思うあまり、始終力を込めてしまうせいらしい。よく指導者に手に力が入っていると指摘されるのだが、力の入れどころというのは、力の抜きどころがあって初めて成立するものである。効率的な力の伝達というのは、入れどころと抜きどころのメリハリがはっきりしていなければならないだろう。ずっと力を入れ続けていたら、そこにさらに力を入れることはむずかしいし、モチベーションと同じで、ずっと力を入れ続けていたら、持続しない。

フットワークも同様かもしれない。全力で左右に移動し、全力で元の位置に戻るということを続けていたら、全力で動いたさらにその上に力を加えることはできないから、あまり素早く動けず、停滞してしまう。また下半身に意識が集中しすぎて、上半身が疎かになってしまう。左に回り込んだ後、右に移動するといった場合、たとえば、左への第1歩だけに力を込めて、2、3歩目は力を抜き、次の右への1歩目にはグイッと力を込めて、2、3歩目は力を抜くというふうにメリハリをつけなければ、流れるような素早いフットワークにはならない気がする。

力を入れる方法についてはいろいろな意見や工夫を聞いたことがあるが、積極的に力を抜く方法についてはそれほど注目されていないように思う。しかし、緊張と弛緩は相補う関係なので、どちらか一方だけでは機能しない。聞く人がいなければ、話す人が存在できないように、力の抜き方を知ることが力の入れ方を知ることでもあるのではなかろうか。

スイングにおける力の抜き方に関しては、以下のブログに興味深い練習法が紹介してあった。
力を抜いて入れるの感覚
ラケットを使わず、手でボールをキャッチするという練習法らしい。今度試してみたい。