最近、ロングサービスからの展開がおもしろい。
今まではできるだけミスせず、2球目でいきなり打たれないようなショートサービスばかり出していたのだが、最近ロングサービスがおもしろいと思うようになった。

ショートサービスのいいところは相手に強打されることのないことだが、その反面、甘いボールが返ってこない。短いストップや、切れた速いツッツキなどが返ってくる。その結果、こちらも3球目で優位に立てず、実力差がモロに出てしまう。
それに対してロングサービスは相手に決断を迫る。相手のバックサイドを切る、長い順横回転ロングサービスを出せば、相手はそれをツッツキなどで短く止めることは難しい。このサービスが切れている場合、私レベルのプレーヤーでは適切に返球するのが難しい。無難に短くツッツけない。どうしても台から出る長いレシーブになってしまう。こちらから打って出るか、はたまた相手のフォア側に長く厳しいレシーブをし、相手に打たせるかの決断を迫られることになる。打ちたくはないのだが、長く送ると相手が打つ気満々で待っているので送るわけにも行かず、やむを得ず打たされてミスばかりしてしまうのだ。「行くも地獄、戻るも地獄」とは正にこのようなことをいうのではないだろうか。

最善のレシーブはバックドライブでストレートに強打だろう。しかし切れた横回転をバックハンドでドライブするなんて危険すぎる。そこで軽く払ったり、角度をつけてフォアかミドル(回転の影響でたいていミドル)あたりに受け身のレシーブを送る。上手な人はそのへんで待っていて、一発で打ちぬかれてしまう。

こんな経験から、自分でもロングサービスを積極的に使ってみようと思うようになった。そして先日、上手な人のバックサイドから出す順横回転ロングサービスを観察していたのだが、私のと違う。私のサービスは台に対して90°横を向いて、身体の真正面で打球するのだが、上手な人は身体の真正面ではなく、やや右(つまり後ろ)で打球しているのだ。言葉では説明しにくいが、ギリギリ、ボディーハイドサービスにならないような、身体がインパクトを隠すような位置で、低い打点・やや後方から打っている。私も真似して後ろのほうから打ってみたのだが、速くて切れたサービスが打てた。後ろで打つと、スナップが効果的に使え、非常に切りやすい。しかも台の端から端まで使えるので、スピードがかなり乗ったサービスが出せる。このような速いサービスは回り込みにくく、相手にバックハンドでの難しい処理を迫ることになる。
あとは相手の長いレシーブに備えて、こちらはドライブで待っていればいいのだ。ただ、レシーブにも横回転が残っているので、こちらもそれほど打ちやすくはないのだが。

もう一つはバックサイドからのYGサービスである。ティモ・ボル選手が出しているようなやつだが、このサービスは相手のバック側の深い位置に、サイドライン沿いに速いサービスが打てるというメリットがある。これも相手は無難に短く止めにくいので、打たされることになる。



上の動画の3・4球目は下回転ぽく見せているが、上回転サービスではないだろうか。そして5球目は速いロングサービス。YGサービスはバックサイドから、長短、上下回転、フォア・バックと自在にサービスが出せる(下回転とフォアサイドに出すのは難しいが)ので、サービス時に足でダンッと踏み込んで打たれると心臓に悪い。突然速い横回転サービスが迫ってくるかと思ったら、短いサービスだったり、フォア側にストレートに速いサービスがきたりする。横上だろうと思って角度を合わせると、予想以上に上回転が強くて絶好のチャンスボールを提供してしまう。どっちにくるのか、長いのか短いのか、上回転なのか下回転なのか分からない。次第に相手の「ダンッ」に苦手意識が芽生え、つい受け身になってしまう。この手のサービスに不慣れな相手には絶大な効果をもたらす。通常は速くて長いサービスをバック側に送っておき、時々短いサービスやフォア寄りのサービスをまぜると、格上が甘いレシーブを連発してくれるのだ。先日、このサービスを上手な人(高校の県大会でベスト4か8ぐらい)に試してみたのだが、全部フォアハンドで強打されて打ちぬかれてしまったorz。

「上・横回転だったら、全部打っちゃいますよ~ :-) 」
「そのサーブ出すなら、そちらのバックサイドからこちらのバックサイドのネット寄りに直線的に出されると、ちょっと打ちにくいかも」
「バックサイドに立たず、ミドルに立って、フォアに出したらどうですか?」

とのことだった。上手な人には回転がバレバレなので、絶好のチャンスボールになってしまい、要注意だ。

まとめ
ともあれ、ロングサービスからの展開はおもしろい。最近私がロングサービスを使うようになって、びっくりしたことがある。実力は以前と変わらないのに、サービスだけで格上相手に割と善戦できるようになったことである。上手になったわけではないのだが、自分が打ちに行けるボールが増えたように感じるのだ。サービスを替えただけでプレー全体が変わってくるなんておもしろい。内向的な女性が髪型やファッションを変えたら、性格まで変わってきたというのに似ている。
中級者が上級者相手に無難なショートサービスばかり出していては、ジリ貧である。ショートサービスばかり出している人は、一度ロングサービスからの展開を考えてみてはどうだろうか。