NHKで松平健太選手のドキュメンタリーを観た。
健太選手のプレーに対する考え方やこだわりなどが分かり非常に興味深かった。
健太選手は、体力的に優位な相手に勝つためには、自分が動きまわって攻撃するよりも、ブロックで相手を振り回すほうが有効だということに幼いころから気づいており、「守りは攻め」というのが健太選手の持論なのだという。

これで思い出したのだが、以前、TAKZINEというWRMのPR誌の中で、やっすん氏の紹介とブロックの特集があった。そこに驚くべきことが書いてあったのだ。曰く、

中級者まではブロックを磨きさえすれば勝てる

というのだ。その理由として、攻撃型選手として、積極的に攻撃するためにはどこに打たれても対応できるフットワーク練習、連続攻撃してもブレない体幹を築く必要があるが、この技術を身につけるのはかなりの困難が伴う。毎日部活のある中高生ならともかく、週に1~2回しか練習できない中年プレーヤーにはハードルが高すぎる。
バックに回りこんでフォアで打ってから、すぐにフォア側に動くステップというのを教えてもらったことがあるが、あんなのは私には無理だ。複雑すぎていつも足がもつれてしまう。あれはもはやダンスの域に達している。
それに比べてブロックはほとんど足を動かす必要はないし、こちらがうまく誘導すれば、次に来るコースも限定できるし、相手を右に左に振り回すのは優越感を満足させてくれる。さらに練習相手にも好かれる。バシバシ打ちたいという人はたくさんいるので、ブロックで受けてくれる人はありがたい存在なのだ。

もちろん、普通のブロックだけでは勝てない場合もあるので、変化ブロック等、攻撃的なブロックを身につけなければならない。TAKZINEの特集には効果的なブロックがいろいろ紹介してあった。

ブロックの練習というのは、相手にフォアドライブ等を練習させてあげているという認識だったが、これからはブロック練習それ自体が楽しみになりそうだ。

【付記】
ドライブ主体の卓球が空手だとすれば、ブロック主体の卓球は、相手の力を利用する合気道みたいなものかな、と思った。では、柔道は?カット主体の卓球だろうか。 

【追記】 130922
現在、神戸で女子ワールドカップが開催中である。
香港の姜華珺選手と平野早矢香選手の試合を見たが、姜選手(確かバック表ソフト)のような プレーがブロック主体の卓球というのだろうか。平野選手を右に左に揺さぶっている。高度すぎて私にはできそうにないが。