WRM知恵袋を見て、また発見があったので、報告したい。
ただ、これは私のレベルでの理解なので、上級者からみると、「全く見当違いだ」ということになるかもしれない。しかし、それでもいいのだ。私の中では確実に一歩前進なのだから。たとえ間違った認識であっても、認識しようとしないよりはマシである。「どうせ私のようなヘタクソの考えることなんて当てにならない。とにかく上級者に『正解』を教えてもらった方が効率がいい」という、他人任せの考え方はかえって進歩の障害になると思う。教科書の「正解」をただ頭に詰め込むのと、自分の立てた仮説を教科書の「正解」と比較してみるのと、どちらがより深く理解できるか考えてみるといいだろう。そういう意味で、間違った考え方でも意味があるのである。
8:35ぐらいの「ラケットで勢いを殺す練習」を観てほしい。球撞きをしている途中でバウンドをさせないようにして、ボールをラケットに乗せて静止させるという技術である。これは私も暇つぶしによくやるのだが、ぐっちぃ氏のやりかたは私のやりかたと違う。ボールが落下するのに平行してラケットを下ろし、横から巻き込むようにボールを掬い取るのだ。私はいつもラケットを真下で構えて、面を上に向けてそのまま真下で止めるようにしていた。だから失敗が多かった。ぐっちぃ氏のように滑りこませるように斜めからボールの落下点にラケットを持って行くと、失敗が少ない。これで積年の疑問が氷解した。球持ちがいいというのはこういうことを言うのではないだろうか。
上手な人の打ち方は安定している。先日参加させていただいた講習会(「卓球の基本」)で撮ったビデオを見なおしていて感じたのだが、私がミスをしている打球と、先生がミスせず打球しているのを比較してみると、先生の打ち方はボールに対してやや弧線を描くように打っているのに対して、私の打ち方はかなりフラットにぶつけるように打っていたのだ。大雑把に言うと、以下のようになる。矢印はラケットの進行を表す。
上が私の打ち方で、下が先生の打ち方。私はこのままぶつけるように打球するが、先生のほうは、やや弧を描いて打球時にグリっと当てこするように打っている。それをみて、同じ角度のままぶつけると、安定しないのではないか、打球した瞬間に角度を変えたほうがいいのではないかと思い始めた。
ぐっちぃ氏の球撞きは横から巻き込むようにしてボールの斜め下をかすめて、下に滑りこんだため、ボールの勢いが殺され、その結果、接地時間が長くなる。ロング打法の場合も同じ理屈なのではないだろうか。球撞きの場合とラケットの進行方向が逆なので、紛らわしいが、上の先生の当て方というのもボールのベクトルに対して真正面から対抗せず、やや斜めにこすりながら当てることによってボールの勢いを殺し、接地時間を伸ばしている。この打ち方はしっかりこすっている――つまりドライブをかけている――わけではない。普通のロング打法なのだが、微妙にこすりながら当てているのだ。
私はこのことに実は以前からぼんやりと気づいていた(「こすらずあてず」「招き打ち」)。ボールに対してフラットに当てないことで安定するということは、よく言われることだが、どうしてそれがいいのか、うまく言葉にできなかった。しかしそれがようやく分かった。ボールの勢いを殺し、ボールとラバーとの接地時間を伸ばすことによってボールが単なる返球ではなく、自分から力を加えた「自分のボール」になり、安定するのだ。言い換えれば、打球を安定させるにはボールの接地時間を伸ばさなければならないということだ。
すべり台の最後はカーブしている。それによって子供がケガせず止まることができる。同様にボールとラケットがぶつかり合わず返球するには、インパクト時にラケットが弧線を描くように当てればいいのではないか。すべり台の最後のカーブの知恵をスイングに取り入れられないものだろうか。
この理論が当を得ているかどうかこれから検証が必要だが、少なくともサービスでは有効な考え方だと思う。下回転を出すときにボールの落下地点でラケットを水平にスライドさせてこするよりも、ボールの落下方向に対して斜めからラケットを入れて水平にこすったほうが接地時間が長くなるし、空振りも少なくなるはずだ。
まとめ
球撞きの「ラケットで勢い を殺す練習」を単なる曲芸か何かだと勘違いしていたのがそもそもの間違いだった。あれはボールの勢いをうまく殺すことが球持ちをよくすることにつながると教えてくれていたのではないか。ボールを安定させるにはボールに自分の力を加えて打たなければならない。しかし速いボールを打球する時は相手のボールの勢いが強すぎて自分の力(あるいは回転)を加える前に飛んでいってしまう。そこでボールの勢いを殺しつつ自分の力を加えて打つ必要があるのだ。そのためには飛んでくるボールのベクトルに真正面から対抗してはならない。こするのと当てるのとの中間のようなラケットワークでボールとの接地時間を長くして打球すると、安定するのではないか。
【追記】131018
卓球知恵袋で興味深い動画が発表されていた。
これも上述の球撞きに通じるものがあるように思われる。
ただ、これは私のレベルでの理解なので、上級者からみると、「全く見当違いだ」ということになるかもしれない。しかし、それでもいいのだ。私の中では確実に一歩前進なのだから。たとえ間違った認識であっても、認識しようとしないよりはマシである。「どうせ私のようなヘタクソの考えることなんて当てにならない。とにかく上級者に『正解』を教えてもらった方が効率がいい」という、他人任せの考え方はかえって進歩の障害になると思う。教科書の「正解」をただ頭に詰め込むのと、自分の立てた仮説を教科書の「正解」と比較してみるのと、どちらがより深く理解できるか考えてみるといいだろう。そういう意味で、間違った考え方でも意味があるのである。
8:35ぐらいの「ラケットで勢いを殺す練習」を観てほしい。球撞きをしている途中でバウンドをさせないようにして、ボールをラケットに乗せて静止させるという技術である。これは私も暇つぶしによくやるのだが、ぐっちぃ氏のやりかたは私のやりかたと違う。ボールが落下するのに平行してラケットを下ろし、横から巻き込むようにボールを掬い取るのだ。私はいつもラケットを真下で構えて、面を上に向けてそのまま真下で止めるようにしていた。だから失敗が多かった。ぐっちぃ氏のように滑りこませるように斜めからボールの落下点にラケットを持って行くと、失敗が少ない。これで積年の疑問が氷解した。球持ちがいいというのはこういうことを言うのではないだろうか。
上手な人の打ち方は安定している。先日参加させていただいた講習会(「卓球の基本」)で撮ったビデオを見なおしていて感じたのだが、私がミスをしている打球と、先生がミスせず打球しているのを比較してみると、先生の打ち方はボールに対してやや弧線を描くように打っているのに対して、私の打ち方はかなりフラットにぶつけるように打っていたのだ。大雑把に言うと、以下のようになる。矢印はラケットの進行を表す。
上が私の打ち方で、下が先生の打ち方。私はこのままぶつけるように打球するが、先生のほうは、やや弧を描いて打球時にグリっと当てこするように打っている。それをみて、同じ角度のままぶつけると、安定しないのではないか、打球した瞬間に角度を変えたほうがいいのではないかと思い始めた。
ぐっちぃ氏の球撞きは横から巻き込むようにしてボールの斜め下をかすめて、下に滑りこんだため、ボールの勢いが殺され、その結果、接地時間が長くなる。ロング打法の場合も同じ理屈なのではないだろうか。球撞きの場合とラケットの進行方向が逆なので、紛らわしいが、上の先生の当て方というのもボールのベクトルに対して真正面から対抗せず、やや斜めにこすりながら当てることによってボールの勢いを殺し、接地時間を伸ばしている。この打ち方はしっかりこすっている――つまりドライブをかけている――わけではない。普通のロング打法なのだが、微妙にこすりながら当てているのだ。
私はこのことに実は以前からぼんやりと気づいていた(「こすらずあてず」「招き打ち」)。ボールに対してフラットに当てないことで安定するということは、よく言われることだが、どうしてそれがいいのか、うまく言葉にできなかった。しかしそれがようやく分かった。ボールの勢いを殺し、ボールとラバーとの接地時間を伸ばすことによってボールが単なる返球ではなく、自分から力を加えた「自分のボール」になり、安定するのだ。言い換えれば、打球を安定させるにはボールの接地時間を伸ばさなければならないということだ。
すべり台の最後はカーブしている。それによって子供がケガせず止まることができる。同様にボールとラケットがぶつかり合わず返球するには、インパクト時にラケットが弧線を描くように当てればいいのではないか。すべり台の最後のカーブの知恵をスイングに取り入れられないものだろうか。
この理論が当を得ているかどうかこれから検証が必要だが、少なくともサービスでは有効な考え方だと思う。下回転を出すときにボールの落下地点でラケットを水平にスライドさせてこするよりも、ボールの落下方向に対して斜めからラケットを入れて水平にこすったほうが接地時間が長くなるし、空振りも少なくなるはずだ。
まとめ
球撞きの「ラケットで勢い を殺す練習」を単なる曲芸か何かだと勘違いしていたのがそもそもの間違いだった。あれはボールの勢いをうまく殺すことが球持ちをよくすることにつながると教えてくれていたのではないか。ボールを安定させるにはボールに自分の力を加えて打たなければならない。しかし速いボールを打球する時は相手のボールの勢いが強すぎて自分の力(あるいは回転)を加える前に飛んでいってしまう。そこでボールの勢いを殺しつつ自分の力を加えて打つ必要があるのだ。そのためには飛んでくるボールのベクトルに真正面から対抗してはならない。こするのと当てるのとの中間のようなラケットワークでボールとの接地時間を長くして打球すると、安定するのではないか。
【追記】131018
卓球知恵袋で興味深い動画が発表されていた。
これも上述の球撞きに通じるものがあるように思われる。
コメント
コメント一覧 (6)
ドライブは小さなボールを擦る感じではなくて大きなボールを擦るイメージだと伝えています。バスケットボールレベルではなく、石油タンク?あの大きな丸い建物位ですか~
わずかなカーブですよ(^-^)v。
卓球に関して言えば、まず上手い人、強い人のマネをしますよね、
すると上手い人達が先生となって教えてくれます。
でも、フォアロング一つにしても色々な教え方があります。
それはそれで、全部正解だと思っています。
ただ、年齢、体力、目標等人それぞれ違いますから
正解でもないと思います。
正解は自分で探すしかない。
なので、しろのさんのように色々模索研究してるのは
大変素晴らしい事だと思います。
社会人の方は、練習時間が限られますが、
逆に考える時間と言うのは沢山あるのかもしれません。
上達する最短距離の技術を身に付けて下さい。
そしてここに書いて下さい。大変勉強になります。
まずは一生ついていけるような先生を見つける事ゾナ
コメントありがとうございます。
仰ることは、つまり、ドライブでないときは、こすり過ぎてはいけないということですね。ありがとうございます。
ちなみにあの、ウルトラマンの中でよく破壊される「石油コンビナート」にある丸いものは、たぶんガスタンクだと思いますよ。
コメントありがとうございます。
「正解」って難しいですよね。型にはまらないけれど、強いって人もいますしね。
私もいくつかの卓球教室に通いましたが、先生によって「正解」が全く違っていました。
今の教室では「フォアドライブでは腕をねじってヒジを上げろ」と言われています。
ただ、おっしゃるとおり「正解」は一つではないにしても確かにあると思います。
「正解なんかないんだ、どんな打ち方でも自分の勝手だ、全部正解なんだ」という懐疑論は「人生に正解なんかないんだ、何をやっても(たとえ倫理にもとる行為でも)全部正解なんだ」という虚無主義に陥ってしまうと思います。バランス感覚が大切ということでしょうか。
私の場合、実践・検証の機会があまりないのに、思い込みで「間違った」ことまで書いてしまい、後で反省させられることが多いです。
私の思い込みを、読者のみなさんが卓球を考える契機にしていただければ幸いです。
ありがとうございます。また、一つ賢くなりました。辞書で調べようのない「うんちく」は全てたつみ辞書って事で…宜しくお願いしますm(__)m
過分の褒め言葉ありがとうございます。
しかし、私の知識というのは、どれも中途半端です。
胸を張って「○○についてなら、誰にも負けない」という分野がないです。
用具と同じで、何か一つのことを極めたいと思う今日このごろです。