卓球打ち方には二つの方向性がある。
一つは当てて弾く方向。もう一つはこする方向。
前者を突き詰めると、スピードは出るが威力と安定性に難がでてくる。
後者を突き詰めると、スピードが犠牲になり、空振りの危険性が高まる。
しかしこの両者のいいとこ取りができる打ち方があるのではないだろうか。
最近その新しい打ち方を試みている。上級者には目新しいことではないかもしれないが、中級者には福音である。この打ち方を試みて手応えを感じたので、報告したい。
|o→
上は飛んでくるボールを横から見た図である。oはボールを表し、|はラケットを示している。
このようにボールに対して90°の角度で打つというのが前者の打ち方である。その際、ボールの力はラバーを通してラケットの木まで到達し、コンという音がする。
一方、下のようにブレードを約45°に傾けて上方に向かってこするのが後者の打ち方である。
/♂
この場合、ボールの力がラケットの木の部分にまで到達せず、ラバーおよびスポンジの部分だけで「薄く」擦り上げている。木にボールが当たる音、コンがない。
多くの人のドライブは、このどちらかに偏りながら、ほどほどのスピードと回転でバランスをとっている。
しかし、この角度(あるいはもう少し寝かせて30°ぐらいの角度)で上方にこすらず、シュート回転をかけて斜め(かなり横気味)にこすってみる。打球する場所はブレードのグリップよりである。その際、ラケットのヘッドは前方を向いている。
すると、ボールの力が木まで届いていないにもかかわらず、ボールがしっかりと前に飛ぶ。こすっているとも当てているとも言いがたい、「こすりあて未分」の状態で、「当て」ていないのに押せる。
これは真剣白刃取りの原理と同じだと思われる。
真剣白刃取りは向かってくる刃の力に対して「当て」ていない。それなのに刃は止まる。それどころか押し返すこともできる。摩擦力だけで刃は止まる。これと同じようにラバーの摩擦力だけでボールを前方に飛ばすと、そこそこ回転もかかり、安定する。それでいてスピードのあるボールが打てる。摩擦力で飛ばすといっても、ループドライブのように「こすりあげている」という感じではないし、ブレード面を水平に近くし、「上からこすって飛ばしている」という感じでもない。イメージ的にはブレードの面(ヘッドからグリップの方に向かって)をボールが転がっていき、あるところまで転がったら、ボールがラバーのグリップ力だけで止まりそのまま押し出される。当てているようなこすっているような、そんな打ち方である。
シェークハンドの上手な人がバックハンドで相手のドライブをブロックするときも、こんな打ち方をしている。ブレードをかなり寝かせて、ラケットのヘッドを飛んでくるボールに向けて前に押し出している。
こうすれば、当てずにボールを前に押し出すことができる。
これをフォアハンドで打つとき、シュートドライブのようにボールに向かって斜め前方にスイングして打球する。
言葉で説明するのは非常に難しいが、この打ち方の感触が非常にいいので、これからもいろいろ検証してみたい。
【追記】2013/6/16
この記事を書いた後、何度も「白刃取り」について考えてみた。
あれは私の妄想なのではないだろうか?傍から見たら、ただの当て・こすり半々のドライブなのではないだろうか?そうかもしれない。しかし、私の記憶には打球した時の或る感覚―イメージがある。それが今までのドライブとは違う感覚なのだ。それは間違いない。「白刃取りのイメージ」という比喩は適当でなかったかもしれない。別の喩えで言うなら「ゴリ押し」という言葉が近い感じなのだ。木の反発力をあまり使わず、ラバーだけでゴリっと押す感じでドライブするような…。また報告できるぐらいこの打ち方が確立でき、それを表現できる言葉を獲得できた時に改めて報告したいと思う。
一つは当てて弾く方向。もう一つはこする方向。
前者を突き詰めると、スピードは出るが威力と安定性に難がでてくる。
後者を突き詰めると、スピードが犠牲になり、空振りの危険性が高まる。
しかしこの両者のいいとこ取りができる打ち方があるのではないだろうか。
最近その新しい打ち方を試みている。上級者には目新しいことではないかもしれないが、中級者には福音である。この打ち方を試みて手応えを感じたので、報告したい。
|o→
上は飛んでくるボールを横から見た図である。oはボールを表し、|はラケットを示している。
このようにボールに対して90°の角度で打つというのが前者の打ち方である。その際、ボールの力はラバーを通してラケットの木まで到達し、コンという音がする。
一方、下のようにブレードを約45°に傾けて上方に向かってこするのが後者の打ち方である。
/♂
この場合、ボールの力がラケットの木の部分にまで到達せず、ラバーおよびスポンジの部分だけで「薄く」擦り上げている。木にボールが当たる音、コンがない。
多くの人のドライブは、このどちらかに偏りながら、ほどほどのスピードと回転でバランスをとっている。
しかし、この角度(あるいはもう少し寝かせて30°ぐらいの角度)で上方にこすらず、シュート回転をかけて斜め(かなり横気味)にこすってみる。打球する場所はブレードのグリップよりである。その際、ラケットのヘッドは前方を向いている。
すると、ボールの力が木まで届いていないにもかかわらず、ボールがしっかりと前に飛ぶ。こすっているとも当てているとも言いがたい、「こすりあて未分」の状態で、「当て」ていないのに押せる。
これは真剣白刃取りの原理と同じだと思われる。
真剣白刃取りは向かってくる刃の力に対して「当て」ていない。それなのに刃は止まる。それどころか押し返すこともできる。摩擦力だけで刃は止まる。これと同じようにラバーの摩擦力だけでボールを前方に飛ばすと、そこそこ回転もかかり、安定する。それでいてスピードのあるボールが打てる。摩擦力で飛ばすといっても、ループドライブのように「こすりあげている」という感じではないし、ブレード面を水平に近くし、「上からこすって飛ばしている」という感じでもない。イメージ的にはブレードの面(ヘッドからグリップの方に向かって)をボールが転がっていき、あるところまで転がったら、ボールがラバーのグリップ力だけで止まりそのまま押し出される。当てているようなこすっているような、そんな打ち方である。
シェークハンドの上手な人がバックハンドで相手のドライブをブロックするときも、こんな打ち方をしている。ブレードをかなり寝かせて、ラケットのヘッドを飛んでくるボールに向けて前に押し出している。
こうすれば、当てずにボールを前に押し出すことができる。
これをフォアハンドで打つとき、シュートドライブのようにボールに向かって斜め前方にスイングして打球する。
言葉で説明するのは非常に難しいが、この打ち方の感触が非常にいいので、これからもいろいろ検証してみたい。
【追記】2013/6/16
この記事を書いた後、何度も「白刃取り」について考えてみた。
あれは私の妄想なのではないだろうか?傍から見たら、ただの当て・こすり半々のドライブなのではないだろうか?そうかもしれない。しかし、私の記憶には打球した時の或る感覚―イメージがある。それが今までのドライブとは違う感覚なのだ。それは間違いない。「白刃取りのイメージ」という比喩は適当でなかったかもしれない。別の喩えで言うなら「ゴリ押し」という言葉が近い感じなのだ。木の反発力をあまり使わず、ラバーだけでゴリっと押す感じでドライブするような…。また報告できるぐらいこの打ち方が確立でき、それを表現できる言葉を獲得できた時に改めて報告したいと思う。
コメント
コメント一覧 (2)
この記事でしろのさんが模索しておられる打ち方は卓球王国2012年5月号及び卓球レポート2013年1月号に掲載されている吉村真晴選手の打ち方と似ているように思うのですがどうでしょう?
コメントありがとうございます。
吉村選手が身体の前面でシュート気味にドライブを打つというのはなんとなく読んで知っているのですが、なにぶんヘタッピなもので、しっかりとした理論として吉村選手のスイングを理解できていないと思います。いつも自己流で解釈・修正・再解釈の繰り返しです。吉村選手の打ち方をもう一度見なおしてみると、何かのヒントが得られるように感じました。ご教示ありがとうございました。