卓球ができないとき、自宅でよく素振りをする。その際、鏡を見ながらするかどうかでずいぶん効果が違ってくることに気づいた。鏡を見ながら素振りをすると、自分のイメージしているフォームと実際のフォームにギャップがあるのを発見するのだ。

「けっこうブレードを寝かせて打っているつもりだったけど、意外に立ってるなぁ」
「あんなに面が寝ていたら、空振りしやすいぞ」


有名選手のフォームをイメージしながら振ってみるのだが、ずいぶん身体の動きが違っていたりして、それを修正しながらまた振ってみる。

素振りというと、フォアロングやフォアドライブ、バックのハーフボレーぐらいが一般的だと思うが、それだけでなく、ツッツキやフリックの素振りをすると、面の角度などがイメージと違っていることに気づかされる。

「なるほど、それでよくボールをネットに掛けるのか」

などと実際の姿を見て納得する。

サービスの素振りは更に効果がありそうだ。同じフォームでフォアとバックに打ち分けてみたり、ロングサービスとショートサービスを打ち分けてみたり。鏡を見ながら何度もフォームを修正することで、よりわかりにくいサービスが出せるようになるはずだ。
上手な人がスマッシュを打つときはギリギリまでフォアとバックのどちらに来るか分からない。スマッシュやフリックのフォームも同じフォームで左右に打ち分けられるように工夫すれば、試合での効果が期待される。

単発のショットだけでなく、鏡の前でラリーをしてみるのもいいかもしれない。サービスから3球目攻撃をしてみたら、

「あっ!いつもこんなに大振りしてるのか」
「上半身が浮き上がっている!」

といったことに気づくかもしれない。

また、フットワークにも応用できるかもしれない。フットワークまで確認するためにはかなり大きな鏡が必要だろうが、これができれば、左右に動いたとき、どこで身体がブレるのかが分かるだろう。

【まとめ】
鏡を見ながらの素振りというのは、子供の頃にたまにやったことがあった(剣道用かわからないが、卓球場に大きな鏡が備え付けられていた)が、ある程度打てるようになってからは、鏡の前で素振りをすることは皆無になってしまった。しかし、鏡を見ながらの素振りで入念にフォームを何度も修正していけば、美しいフォームが作れるだけでなく、意外な問題点を発見したり、より効率的にボールが打てるようにもなるはずだ。とりわけ効果が大きいのは、ラリーの最中に「ここで、いつものあの角度でスイングしたら、絶対ボールをオーバーさせる」のように自分のラリー中の姿勢を正確に意識できるようになることだろう(参照:「オーバーミスの原因を探る」)。

鏡を使っての素振りは卓球ができないとき、自宅で手軽に試せる効果的な練習方法だと思われる。

【追記】130910
レベルの高いチームなら、選手たちがよく指導者に怒鳴られるのを見かける。
「そこでスイングするとき、ジャンプしてる!何回言ったら分かるんだ!」
しかし、そんなことなかなか自分で分かるものではない。プレーをビデオ撮影して、そのビデオを観ないと、自分の実際の動きというのは分からないものである。
かなり上手な人でもビデオなどで撮影する習慣がない人なら、セルフイメージと実際のギャップがあるのではないだろうか。繰り返し自分のプレーを撮影したり、鏡をみて素振りしなければ自分がどんな欠点を持っているかいつまでたっても気づけないと思う。