4月に入って漫然と過ごしてしまったために、もう4月も後半に入ってしまった。
これではいけないと思い、今年度の計画をたてることにした。
計画をたてることのメリットは2つある。

一つは計画をたてる過程で自分に何が足りないか意識できること。
もう一つは目標とその効果、そしてそれを達成する手段が明確になることだ。

卓球で考えればどうなるだろうか。
「上達したい」というのはあまりにも漠然としすぎている。そこで「1ゲームで2~3本サービスエースがとれるようなサービスを出せるようになりたい」というのはまぁまぁ具体的でいいかもしれない。

サービスというのはおもしろいもので、相手のサービスを見れば、だいたいのレベルが分かる。「えっ?サービスだけ上手い人とか、サービスだけ下手な人だっているでしょ?サービスでレベルを測ることなんでできるだろうか?」と思うかもしれないが、不思議とサービスだけ上手い人とか、サービスだけ下手な人は少ない。

切れたサービスが出せるかどうか。
わかりにくいモーションのサービスが出せるかどうか。
同じモーションで長短左右・切る切れないが出せるかどうか。

といったことで卓球のレベルが分かる。「切れたサービス」というのはあいまいだが、要するに「弾き」の力を使わず、ほぼ完全にラバーとボールの摩擦の力だけでボールが進むようなサービスである。「切れたサービス」が出せない人は3球目からの展開も大したことはないし、手首を使って複雑にモーションを入れているような人は、やはり次の攻撃なども安定していてうまい。サービスは下手だが、ラリーは上手いという人にはほとんどお目にかかったことがない。逆にサービスは上手だが、それ以外はさっぱりだという人にもほとんどお目にかかったことがない。サービスがうまいと、その後のラリーもうまい。「サービスはラリーの第一球目」などと言われるが、試合ではサービスとラリーを切り離して別物だと考えるのは間違いなのだろう。
こちらのサービスを特定せず、とにかく「相手が自分のバック側に返球してきたときのラリー展開」というのは想定しにくい。そうではなくてラリーというのはサービス込みで構成しなければならないのだろう。そうだとすると、サービスでエースをとれるという目標だけでなく、サービスからの展開を確実にするという目標も射程に入れてもいいかもしれない。

ラリーを構成するには、まず自分に都合のいいコースに返球させるようなサービスを出すべきだ。しかしそんなことは可能なのだろうか?相手だってこちらの裏をかこうと必死なのにこちらの思ったとおりにコースに返球させるなんて。

考えられるのは3つ。

サイドラインを割るサービスと速いロングサービス。
それから、超切れている横回転サービス。

サイドを切るサービスならどうしてもクロスに返さざるをえない。相手のバッククロスにサイドを切るサービスを出したら、こちらのストレートに返球される確率は低いだろう。
また、速いロングサービスなら、相手に考える時間を与えないので、相手もつい同じコースに返してしまう。つまり、相手のバッククロスに速いロングサービスを出したら、相手は反射的にこちらのバック側に返してくる。もちろんこのサービスは意表を突かなければならないので、何度も出せない。
そして超切れている横回転サービスをバッククロスに出したら、ストレートに返すのは難しいと思う。バックか、せいぜいミドルに返ってくるのではないだろうか。
これ(たぶん間違っていないと思う)を手がかりに3球目からのラリーを構成すれば、ポイントを有利に進められるはずだ。

そのために何が必要だろうか。
・同じモーションからストレート(速いロングサービス)とバッククロス(サイドを切る)にサービスを出せる
・横と横下回転を分かりにくく出し分けられる
・超切れているサービスを出せる
・相手に回転を読まれづらいモーションをつけられる

う~ん、ハードルが高すぎる。計画は実現可能でなければならない。とりあえず、超切れた横回転をサイドを切って出せるように練習することにしよう。

最近出た「男子卓球の真実」第1巻を見ると、超切れたサービスというのがよく分かる。こんなサービスを出すには技術だけでなく、用具も影響してくるのだろうが、これらのサービスの半分の回転量でも我々のレベルなら十分ではないだろうか。


「男子卓球の真実」第1巻サンプル

「男子卓球の真実」第1巻は約40分。前半は丹羽選手、町選手、吉田選手、上田選手、森薗選手、三部選手といった青森山田高(三部選手は青森山田中、上田選手は青森大か?)の主力選手の多様なサービスの紹介。後半はサービスからどのように攻めていくかという展開の紹介。
試合では各選手とも同じようなサービスを1~2種類だけ使っているように見えるが、切っているバージョンとナックルのバージョン、同じモーションからフォアにロングサービス等、いろいろバリエーションがある。このような一つのモーションから複数のバリエーションを持ったサービスを一つ身につけておけば、一生使える気がする。
そして後半のサービスからの展開が非常に興味深い。
もし自分が青森山田の選手たちのようにサイドを切る切れたサービスが出せたとしたら、どう待つか、あるいは自分が彼らに対した時にどうレシーブするかというのを考えると試合の展開が想像できて勉強になる。これはまさに「詰将棋」だと思った。

「男子卓球の真実」第1巻は非常に完成度の高いDVDだった。そして第2巻はフットワーク編だという。予告編として丹羽選手の「V式フットワーク」の映像が映っていたのだが、「これは早送りではありません」という注意書きがあるぐらい速い。こちらも非常に期待できそうだ。ただ、できれば、BGMは変えたほうがいいと思う。