しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2020年12月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

2020年の拙ブログを振り返る

あっという間に年末だ。
除夜の鐘

今回は毎年恒例の一年の振り返り記事である。
1年分の記事を読み返すのはかなり骨が折れる。しかし、これをやっておかないと、この1年に気づいたことや、私なりの「発見」が定着しないまま消えてなくなってしまう。特に最近は脳が壊れかけているので、物忘れが激しい。忘れる前にもう一度リハーサルしなければならない。読者諸氏もこの1年の拙ブログの歩みをもう一度振り返っていただきたい。

拙ブログの記事のうち、卓球練習における発見や技術的な気づき、卓球に対する考え方などをまとめた。私のレベルでの「発見」や「気づき」なので正しいかどうか保証できない。おそらく上級者やプロの指導者から見たら、納得できない主張も多々あることだろう。
基本的に用具関係、試合観戦、その他のどうでもいいつぶやきなどは無視した。私の自身の卓球に対する意識がどの程度変わり、進んだのかを確認するための作業である。

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1月
「軸を作る――新年の抱負」
自分のプレーの軸になる得意技術を作りたい。ストップやツッツキが上手になりたいが、それらが上手になると、攻撃のためにドライブもセットで上達させなければならない。あるいは攻撃されたときのためにブロックやカウンターも上達させなければならない。それぞれの技術が有機的につながっているので、結局一つの技術だけを磨くのは意味がない。


「用具の「性能」とは」
用具の性能の違いというのは、結局のところ、限界近くまで性能を引き出せるような力のある人でなければ意味がないのではないか。ということは、限界よりもはるかに低い性能しか引き出せない初中級者層にとっては、同価格帯のラバーの性能の違いを感じることはできないということにならないか。


「「孤独力」――自分と向き合う」
自分の卓球が行き詰まっているとき、情報を遮断して一人卓球についてじっくり考えてみるといい。どうして自分はいつも先手を取られるのか。上級者のプレート何が違うのかなどを一人で考えてみるのは、がむしゃらに練習するよりも有意義な時間になる。


「イメージを持ったサーブ練習」
サーブ練習は理想のイメージを持って練習しなければ意味がない。
長さ、軌道、高さ、回転量等を理想のイメージに近づけるようにサーブ練習をするならば、1分に2~3球しかサーブを出せない。量より質を重視し、1球ごとに集中してサーブ練習をしなければ意味がない。


「裏面の角度が分からなくなった」
裏面ドライブを打つ際、摩擦に頼らず、しっかりと角度を作ってボールの後ろから押すように打つのが安定するコツではないか。ペンの場合、角度を作るガイドとしてラケットのレンズを意識するといい。


2月
「もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から」
岡田選手の「ニュートラル」と「戻り」の再定義によって自分のプレーがどこで遅れているかが明確に理解できるようになった。自分の打球が相手コートにつく前にフォロースルーを終えていなければならない。


「威力と早さのジレンマ――フォア打ちで練習する」
姿勢だの、体幹だの、下半身だのといった身体の基本的な使い方を意識するには、最も単純な練習――フォア打ちが適している。打球に意識のリソースを使わずに済むので、身体が上手に使えているかどうかに意識を集中させることができる。


「回転軸の転換」
今まで回転軸を縦軸と横軸の2つだけで考えていたが、前後軸も考慮しないと現実のプレーで不可思議なミスが起こってしまう。逆に前後軸を考慮に入れることで相手のミスを誘ったり、先手を取れたりする場合もある。


3月
「ツッツキは大切ですか?――早い人と戦う場合」
ツッツキが試合でどのように有効かという問いに対する一つの解答。
早いリズムの人と戦う場合は、相手の得意な打ち合いにもっていかず、ツッツキを多用して、試合の流れにいわばブレーキを掛けるような戦術が有効である。

「打球タイミングの取り方――初心者への指導のために」
初心者にはフォームや体の使い方よりも、打球タイミングを優先して教えるべき。藤井氏の考え方によると、「相手の打球の瞬間」と「自分のタメ(腹をへこます)」が同時で、「自コートにバウンドした瞬間」と「自分のスイングのスタート」が同時。


4月
「ショートってすごい!――ペンホルダーならではの技術」
ペンのバックハンドは、裏面のほうが一般的だが、表面ショートには、裏面にはない良さがある。打点の速さ、台上で押せる、ナックル気味の球が出る、などメリットがあるが、最も大きなメリットは戻りの早さだと感じる。

「いったん立ち止まって…レクリエーション」
練習を休んで、心をいったんリセットし、改めて練習に取り組めば、新鮮な気持ちで卓球に向き合えるのではないか。

「ショットの強弱の使い分け」
ショットの力の入れ具合を、強弱の2つではなく、その間の「中」が使えるようになれば、安定性が増す。また力の入れ具合だけでなく、当ての厚さやスイングの大きさ、なども「中」が使えるようになれば、卓球の幅が広がる。


5月
「膾炙練習――「無駄な」練習時間を取り戻す」
youtubeなどで「コツ」を学び、練習で何度も試して習得する、という順序は本来逆なのではないか。一見効率的な習得方法に思えるが、いきなり「正解」を学んでそれを繰り返して定着させるというやり方では、その技術は、定着したように見えても、本当の意味では身についていないのではないか。なぜなら失敗を修正するというプロセスを経ないからである。


「日ごろは何とも覚えぬラケットが… ――ランニングから学ぶ」
ランニングで脇を締めて走ると力が逃げずに前に向かう。これはフォアドライブ時に左半身で壁を作るのに似ている。ランニングの体の使い方の中にも卓球に応用できるものがある。


6月
「もう一つの「理解」」
理解には知的理解と、感覚的理解とがある。頭で、論理で理解するのと、身体で理解することである。だが、理解の方法とはこの2つに尽きるのだろうか?他の理解の方法はないのだろうか?

7月
「直感は告げる――卓球練習で大切なこと」
ミスしないように、ボールの高さを気にする人が多いが、深さを気にする人はまれだ。練習中にボールの深さを意識するようにすればミスが減る。

「おなかの力はすごい――感覚の開発」
腕を伸ばせなくなったので、腕を使わず、お腹を突き出すようにバックドライブを打つと、力を入れずに安定したドライブが打てる。それに膝の屈伸を加えれば、さらに安定する。

「一点、一瞬、集中力」
打球時にラケットのどのへんで打つか、身体との距離はどれぐらいか、などをあいまいにすると、いいショットが打てない。ボールとラケットが当たる点を意識することが必要である。打球時に力を入れる時間も、ダラダラと力を入れるのではなく、当たる瞬間まで脱力し、瞬間的に力を入れるといい。プレー中、ずっと集中していると疲れてしまうから、集中力は相手が打球する瞬間にマックスにするといい。


8月
「スケール・メリット――テニスと卓球の比較」
テニスでは歩くように上半身と下半身をひねってショットを打つのが推奨されている。これはそのまま卓球のショットにも適応できるだろう。フォアハンドは右足に体重が乗っている状態でスイングをはじめ、左足に体重が乗り切る前に打球するのがいい。また、テニスでは打球する瞬間にラケットを引くような打ち方がいいのだという。

「手首って使うの?使わないの?――プロネーションを使う」
前回に引き続き、テニスとの比較。
テニスではプロネーション(回内)という運動を使ってラケットヘッドを素早く回す。卓球でもこのテクニックが応用できないか。高島氏の提唱する8の字打法はこれに相当するかもしれない。


「四の五の言わず、フットワーク練習」
フットワーク練習は、上手にブロックしてくれる相手が必要だが、家でシャドープレーをすれば、フットワーク練習と似たような効果が得られる。


9月
「動きを止めないシンプルな方法」
一つ一つのアクションが終わって、反対方向に切り返す場面というのは卓球のあらゆる場面で起こっている。この時、反動という力がわずかに働くが、この反動を意識的に利用するかどうかで動きの滑らかさが変わってくる。

「調整打――流れが悪いときにとりあえずすること」
難しいボールが返球されてきたとき、無理に強打で打ち抜こうとしないで、1球つなぐドライブやツッツキを入れて、安全に行った後に強打を打つべきだ。レベルの低いプレーヤーはこれができずに難しいボールを無理に打ち抜こうとする。

「シェークの人の視点」
ペンのフォアドライブはヘッド側ではなく、グリップエンドを前にして振ると面が開けて、回転がかかりやすい。


10月
「カットマンの嫌がること──攻撃型の視点から」
ツッツキのような、次に相手に打たれるのが分かるショットを打つときは、打つ前から後ろに下がる準備をしておくといい。そうすると次の相手の強打を止められたり、こちらが打ちに行けたりする可能性が高まる。

「踊るように 歌うように」
基本練習を延々と続けることによって、タイミングの遅れや打球ポイントのずれが確かめられる。

「初中級者が見落としがちなこと――ボールを触る位置について」
ボールの2時ぐらいの位置を触って下回転を持ち上げようとしても安定しない。3時あたりを触ってドライブをかければ、さして力を入れずとも安定する。


11月
「「基本」から「基礎」へ」
中級後半になったら、ドライブ、ブロックといった「基本」打法の習得よりも、素早い判断、身体の使い方、正しい打球タイミングといった「基礎」力の養成に力を入れるべきである。

「おじさんでも多球練習」
効率的にたくさんのボールを打つには多球練習がいい。対人課題練習だと、お互いにミスをするので効率が悪い。また、多球練習は試したい技術のパラメータを少しずつ変えることによって科学的に最適の打ちかたに近づけることができる。


12月
「名前のない技術」
一見すると、同じ打法に見えるが、上級者と初中級者では細かい点で大きく異なる。上級者は名前のない数々の地味な技術に支えられて安定した打球ができるのに対して初中級者は、そのような地味な技術を持っていない。上級者のうわべだけをまねするのではなく、目立たない地味な技術にも目を向けななければならない。

「卓球一人練習――フットワークとバックドライブ」
板とまな板立てを使ってリターンボード的な一人練習ができる。またメトロノームを使えばフットワークのシャドープレーがより効果的なものになる。

「足元の暖まる暇もない――ファルケンベリ実践記」
ファルケンベリフットワークの実践記。判断や反応速度がはやくなった。


「飽識の時代だからこそ、断識」
卓球情報はほどほどにしないと、情報に振り回されて自分のプレーを見つめなおすことができなくなってしまう。youtube動画などの卓球情報は適度に利用すれば薬になるが、知りすぎは毒になる。

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以上、34本の記事を取り上げた(追記:6月分は間違って去年のものを取り上げていたので、修正した)。疲れた。頭が痛くなってきた。
しかし、すっかり忘れていたことを思い出せてよかった。特に「もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から」「手首って使うの?使わないの?――プロネーションを使う」はもっと考えを進める余地があると思われる。

今年4月(3月末?)からの自粛期間のせいで卓球がまったくできなくなったのは大きな出来事だった。終わってみれば「ああいう充電期間もたまにはいいものだ」などと思えるが、その最中は気が気ではなかった。そして現在、またコロナ禍がぶりかえしそうな不安な年末である…

来年は平穏無事な通常の生活が戻ってきますように。

来年も「しろのたつみ」をどうぞよろしくおねがいします。

飽識の時代だからこそ、断識

多くの卓球人がそうであるように、私も毎日毎日youtubeの卓球動画を見てしまっていた。

次から次へとおもしろそうな動画がアップされていて、知らなかったことや、考えを改めさせられることなども多く、役に立つ。知識も広がる。しかし、その知識に振り回されてばかりで、自分でゆっくり卓球について考える時間がなくなってしまう。

ああ、この感覚を私は知っている。

スーパーに行って惣菜が安いと、翌日食べきれないほど買い込んでしまったり、ユニクロやGUがセールをやっていると、すでにタンスがいっぱいなのに、必要のない服を大量に買いこんでしまったりしたときの感覚である。卓球用具でも同様のことをしているのは言うまでもない。このように次から次にモノを買っていくと、モノを使うよりも買うことのほうが目的になってしまい、服を着たり、用具を使ったりするのはどうでもよくなってしまう。

今までの経験から、こういうものは単に冷蔵庫や部屋のスペースを圧迫するだけで、いずれ処分しなければならなくなるのは分かり切っている。

知識も同様である。

興味を広げ、いろいろな知識をため込んでも、いずれ脳のメモリが破綻する。結局残るのは、どうしても知りたい1つか2つのことだけで、それ以外の知識は、本当に知ろうとしていることをジャマするノイズにさえなってしまうのだ。

これではイカンと思ってyoutubeの卓球動画を見るのをやめてみようと思ったが、やっぱりつい見てしまうので、せめて見るのは週末だけにして、平日は見ないように決めた。知識を溜め込むのを断つという意味で、「断識(だんじき)」である。

世間では健康目的の断食が行われていると聞く。曰く、体をリセットする、老廃物が排出される、胃腸が強くなる、痩せられる、頭が冴える…等の効果があるらしい。心身の病気は、食生活が原因になる場合が多い。同様に脳の発達も入ってくる情報に左右されるはずである。「断識」にはどんな効果が認められるだろうか。

・1日目
禁断症状とでもいうべきものは特に認められなかった。youtubeは、なければないで特に困ることはない。別に依存症というわけではないらしい。
生活のことや仕事のことなど、あれこれ考えるべきことが多いので、慢性的に頭痛を持っているのだが、youtubeを見なかったおかげで頭痛がマシになったように感じる。時間的な余裕ができて、何かに追い立てられるような不安も軽減された。

そこで自分の卓球を振り返ってみる。
「先週、Kさんと試合をして2週連続で負けたのはなぜだろうか」
「レシーブで中途半端に払ったり、つっついてしまったりするのがよくないのかもしれない。ストップか、払うにしてももっと工夫しないとダメだろう」

・2日目
ときどき手持無沙汰な瞬間が訪れる。こういう隙間時間にyoutubeを見ていたのだが、見ないようにしたので、他のことをしてみる。
「部屋の片づけでもしてみよう…。エッこんなシャツ持ってたっけ?シャツやら短パンやら、未開封のものが20点近く出てきた。そういえばこのラケット、ほとんど使わず、ラバーを貼ったまま3年ぐらい放置しあるぞ。接着層は大丈夫だろうか。早く使わなきゃ、次にラバーを剥がすときが心配だ。」
本来、隙間時間にやるべき身の回りのことを後回しにしていたことに気づかされた。

・3日目
ちょっとやることがなくなったときに、昔撮った自分のプレーの動画を見てみる。
「一つ一つのアクションが遅い。ボールを打ってからすぐ次の動作に移らなければならないのに、打った後、少し止まっている。敏捷性のかけらもない。それでいてボールだけは速いボールを打とうとがんばっているのだから笑止なことである。あんな大振りでドライブを打ったところで力が分散するだけなのに。」
時間があるのでもう一度見てみる。
「あ、ここ、後ろに下がりながら打ってる。こういうプレーをすると、次のアクションに移るとき、大きく時間をロスしてしまうんだよな。」
なんだか自分の反省点がいろいろ見えてくる。
もう一度見てみよう。

・4日目以降
youtubeを見ない代わりに卓球ショップのサイトやらメルカリやらを見てしまう。もう用具は使いきれないほどあるのに。これも見ないようにしたほうがいいな。

週末にyoutubeの卓球動画を見てみよう。おもしろそうなものがいろいろあるだろうから、本当に興味のある動画だけを厳選してみることにしよう。

約5日間、断識してみたが、youtubeがなければないで困ることはなく、時間的なゆとりが生まれて精神的に充実していた。

振り返ってyoutube卓球動画とは何か考えてみた。

youtube卓球動画というのは、いわば、テーマパークのようなものではないだろうか。
プロの試合動画を見せてくれたり、プロの指導者、上級者のユーチューバーが手を変え品を変え、私たちを飽きさせないようにいろいろなものを見せてくれる。そこで私たちの普段の卓球環境では見られないような非日常の卓球を見ることができる。youtubeでしか得られない知識もあるし、平凡な毎日にちょっとした刺激を与えて、私たちの目先を変えてくれるという効果もある。しかし、それは「見せてもらう」という性格のものである。基本的に私たちは参加できず、あくまで観客に過ぎない。ただ何かおもしろいことが起こるまで待っているだけである。

一方、私の日常の卓球というのは、いわば山登りである。山を前にしてただ待っていても、山は私たちに何かおもしろいものを見せてくれるわけではない。おもしろいものがなければ、自分で見つけなければならない。まず自分が登らなければ何も始まらないのである。
重い荷物をもって、山道を歩き、多くの不便をクリアして頂上まで到達する。昼ご飯を食べ、道端の草木に目を落とし、古の人たちの見た風景を私たちも見る。ただそれだけである。誰かがコメントしてくれたり、説明してくれたりすることもない(ガイド的な人がいれば別だが)。すごい大発見や、今までにない出会い、びっくりするような演出もない。すべてが想定内である。が、それでも楽しい。誰かに「してもらう」ではなく、自分で「する」余地があるからである。
trail

いつか「京都一周トレイル」を踏破してみたい。

ふだんの卓球環境は「山登り」である。自分で施設を予約したり、相手を探したり、いろいろめんどくさいことがある。家で寝転がって待っていても、卓球ができるわけではない。
そうやってある時間に卓球できることになっても、何か特別なことが起こるわけでもない。普段通りの卓球の練習である。しかし、本当に何も起こっていないのだろうか?実は練習中にその「何か」がひょっこり顔を出したりしているのではないか。よく注意していなければ気づくこともないが、「絶対何かがあるはずだ」という意識で探してみると、ふだんの練習中に案外いろいろな「何か」が起こっていることに気づく。卓球は、これだからおもしろい。

youtube卓球動画を見るのも、このブログを読むのも、結局は観客であるに過ぎない。
知識はため込むものではなく、自分の卓球のために使うものである。
消化しきれないほど多くの知識をため込んでも使いきれない。
考える材料は、ほどほどがいい。それを使って自分の卓球を「する」(考えることも含めて)のが一番おもしろい。

【追記】
あとで思ったのだが、youtubeは間食に似ている。


【作ってみた】大根の漬け物

今回は卓球要素なし。

今年は天候がよく、野菜が豊作だったんだとか。
しかし、先日、悲しいニュースがあった。飲食店からの注文が減少しているのに加え、大根が豊作すぎて売っても採算が取れず、毎日数十トンが廃棄されているのだという。

食べ物が捨てられることほど悲しいことはない。そういえば最近スーパーでも野菜(白菜とかキャベツとか)が安いと感じていたのだった。立派な大根も1本100円以下で手に入る。消費者にとってはうれしいが、生産者はさぞつらいことだろう。大根および生産者を救うために何かできないものか。

大根を使った料理と言えば、私は駄菓子屋で売っていた桜大根を思い出す。
桜大根
毒々しい赤い色で体に悪そうだが、これが甘酸っぱくてめっぽううまい。50円ぐらいで売っていたような気がする。私がよく行った駄菓子屋では大きな梅干し漬け用のジャー(?)の中に大量に手作りして売っていた。

あれをもう一度食べてみたいなぁ。

調べてみると、とんでもなく簡単に作れることが分かったので、作ってみた。こうすることで大根を大量に消費すれば、われわれ消費者は食費が節約できるし、廃棄される大根も少しは減るかもしれない。

作り方
大根1
1.まず、大根を薄く切る。

大根2
2.それをボウルに入れて、塩を少し(大きなスプーン1杯ぐらい?)かけ、ラップをして置いておく。

3.数時間すると、水分が出てくるのでそれを捨て、すし酢をかける。
すし酢
これだけである。

すし酢の量は全体が濡れる程度でいいと思う。
それでまた数時間置いてできあがり。桜色に染めるのは面倒だから省略。
もし味が薄いようなら水分を全部捨てて、改めてすし酢に漬けてみるといい。

1本100円の大根と塩とすし酢だけで何の工夫もしないで作れる。私の朝ご飯はこれと納豆だけでOKである。

食費を節約したい人、健康的な朝ご飯を食べてみたい人におすすめである。

大根村
これで大根村の人々もきっと喜んでくれるに違いない。





足元の暖まる暇もない――ファルケンベリ実践記

ここ2~3か月ほど、フットワーク練習ばかりしている。
というのは下の動画で横山友一氏がこんなことを言っていたからである。

「2本1本のフットワークあるじゃん。バック・回り込み・フォア。…あれ、一日5分でいいから、毎日やってみてよ。…(そうすればフットワークが)良くならないわけない。」
yokoyama
【卓球】1ヶ月1日5分間のフットワークを続けたら上達すると思いますか?(中間報告)【検証動画】 - YouTube


「フットワークが良くならないわけがない」!。なんと心強い言葉。

これは私もやってみるしかない。

とはいうものの、練習を毎日やるのは社会人には難しい。週に1~2回ではダメだろうか?5分が7日あれば、35分。週に1回35分のフットワーク練習をまとめてやる(集中学習)というのではやっぱり効果が薄いだろうなぁ(前記事「卓球書代用考(心理学書)」)。短い時間でもいいから、毎日やる(分散学習)のほうが絶対効率がいいはずである。だが、週に1回35分の練習を3か月やったらどうだろうか?これで毎日5分を1か月やるのと同じぐらいの効果にならないだろうか?

そんなことを考えて、だいたい3か月ぐらいフットワーク練習をやってみた、今回はその実践報告である。学生時代にフットワーク練習をさんざんやった人にはおもしろくもなんともない、私の失敗談と「発見」である。これからフットワーク練習をしてみようという初中級者の参考になればと思い、書いてみることにした。

2本・1本のフットワーク、通称ファルケンベリ・フットワーク。バック側に来る1本目のボールをバックハンドで返し(A)、バック側に来る2本目のボールを回り込んでフォアハンドで打ち(B)、フォア側に来る3本目のボールをフォアハンドで飛びついて打つ(C)。次はまたバック側の1本目をバックで(A)…の繰り返し。

Falkenber

「練習事典」(『卓球王国』)より

・1か月目
「よーし始めるぞ!バック側に2本、フォアに1本の繰り返しでお願いします。」
こういう練習でむやみに威力のあるボールを打つ人がいるが、それではラリーが続かない。威力は二の次で、まずはミスなく続けることが大切なのだ。ほわ~んという山なりのボールで十分なのである。

「バックで1本目(A)、回り込み(B)、飛びつ…(C)、あれ?」

3本目のフォアハンドがノータッチで抜かれてしまう。ほわ~んとしたボールのはずなのになぜ?

いろいろ試してみた結果、ほわ~んとしたボールを送ろうとして、スイングもほわ~んとなっているため、時間のロスが甚だしかったのである。ボールは山なりの「ほわ~ん」でもいいと思うが、スイングは切れのある、そこそこ素早いスイングでなければならない。

ポイント1:スイングが遅すぎると間に合わない

そんなことを注意しながらフットワーク練習を続けるのだが、ミスばかり。バック(A)・バック(B)・フォア(C)が1セットだが、2セット続けばいいほうで、たいてい1セット続くか続かないかで終わってしまう。ボールのスピードは大したことはないのである。軽いフォア打ち程度のスピードしか出ていないのに、角ったり、ネットにかけたり、オーバーミスしたりでコントロールが定まらない。これはどうしてだろう?
kadoru
カドってボールを上に飛ばすカドゲン氏。

上の動画のカドゲン氏もカドったりオーバーしたりで、ミスばかりだった。その気持ちが私にもよく分かる。おそらく準備の時間が足りないのである。来るボールに対して「よし、来い!」と待ち構えていればミスなどありえない程度の遅いボールなのに、簡単にミスしてしまうというのは、ボールの来るところまで足を運ぶのが精いっぱいで、心と体勢の準備をする時間がないからなのである。なんとかラケットにボールを当てることはできるものの、コントロールする時間的な余裕がないのである。前の晩に翌日の準備をせず、朝、あわててその日の準備をしたら、忘れ物をしてしまうのと同じである。ボールに間に合ったからといってボールがきちんと打てるわけではない。ボールが到着する時間と、自分がそこに到着する時間が同時ではいけない。ボールが来る前に到達地点で待っていなければならない。

ポイント2:余裕をもって少し早めに到達地点で待っていなければならない。

だが、言うは易しである。到達時間ちょうどにラケットを出すのでは間に合わないとなると、ボールの到達時間よりも少し早く移動しておかなければならないということになる。つまり一連の動きの中でどこかを省略して時間を稼ぐか、足をもっと素早く動かさなければならないのである。

・2か月目
まず実践したのが(A)のバックハンドの振り終わりと、(B)の回り込みをつなげることである。バックハンド(裏面)を左から右に振る動きをフォアハンドのバックスイングとつなげるのである。これで少し時間が節約できる。さらに回り込みの時にしっかり体重移動をして右から左へ体重を移し、その左足でしっかり床を蹴ることで(C)の飛びつきへの移動を速くするという方法である。
この方法で早めに(C)の地点に行ってボールを待ち構えて打つことに成功した。だが、かなり足への負担が大きい。続けていると太ももが熱くなってくる。下半身の筋力が必要なようである。

ポイント3:バックとフォアのスイングをつなげる
ポイント4:左足でしっかりと床を蹴る

余裕をもって(C)まで行くのには成功したのがだが、こんどは(C)での打球が安定しない。ストレートに打てず、相手のミドル気味に打ってしまうのである。しかも腕に力がこもらず、手打ちである。おそらく体の向きがおかしいのであろう。(C)で正面を向かず、やや右を向きながら打球したら、ミドルへボールが行かないのではないか?
打球時の体の向きを右気味にして打球すると、あまりミドルのほうへボールが行かなくなった。だが、手打ちの違和感は変わらない。

・3か月目
手打ちの違和感を解消するためにいろいろ試した結果、左肩をしっかり入れるのが効果があるように感じた。(B)から(C)に移るとき、私はどうやら体を開いてしまっていたために(C)で手打ちをせざるを得なかったようだ。そこで(C)でバックスイングをとるときに左肩をしっかり入れて、体が開かないようにして打つと、腕に頼らず打てるようになったかなと思う。

ポイント5:バックスイングの時に体を開かないようにする

なんとか(A)から(C)までしっかり打てることが多くなってきた。が、まだまだ安定しているとは言えない。相手のブロック力に大きく左右されるのである。ブロックが上手な人に回してもらえば、(A)から(C)まで3セット、4セットと続くが、ブロックが下手な人に回してもらうと、1セットぐらいしか続かない。ブロックではなく、ドライブをかけてくる人や、プッシュ気味の人だとうまくリズムがとれなかったり、間に合わなかったりするのである。

しかし、そういう人を相手にしても続けられるようにならないと、この練習ができるようになったとは言えない。あちらが調整できないのなら、こちらが調整してラリーを続けるしかない。その調整法であるが、(C)はストレートにボールが来るはずだが、フォアサイドを切って返球してくる人がいる。私がペンなので、フォアに少し横回転が入っているのかもしれない。そこで(B)でフォアを打つとき、ややシュート気味に、ボールを左側を触って打球してみる。すると、うまくいけば相手のブロックがストレートよりもややミドル寄りに返ってくるので、(C)が打ちやすくなる。フォアサイドを切られることが少なくなった。

ポイント6:回り込みでシュート気味に打つと、次が楽

全体的にもっと移動のスピードを上げられないものか?ガバっと足を開き、膝を十分曲げ、あばら骨を台に引っかけるような低姿勢での移動を試みてみた。スピードが上がったかどうか分からないが、ボールを下から見るようになったため、打球が安定した。ただし、脚の筋肉への負担は倍増した。

ポイント7:ボールを下から見るような低姿勢にすると、打球が安定する。

さらなるスピードアップのために脇を締め、腕が伸びないようにして、スイングをコンパクトにしてみる。極端に言うと、フォアを打つとき、ラケットのヘッドを4時の位置にして、3時の位置まで上げる、このわずか1時間の差だけで打球するようにしてみる。

現在、こんな感じでやっているが、ブロックの上手い人に回してもらえば、3~4セット、ミスなく続くが、そうでない人が相手なら2セットぐらいしか続かない。さらなる改善の余地があると思われるが、とりあえず形にはなってきたと思う。

2本1本という練習ができるようになるために練習が必要というのは、なんだか本末転倒な感じがするが、この練習は私にとってそのぐらい難しい練習だった。

で、肝心の効果はあったのだろうか?

働き者のお母さんはジッと座っていられない。
うちの年老いた母もそうである。
「ゆっくり休んでて。自分のことは自分でやるから。」
などといっても、玄関の靴が乱れていればきれいに揃えるし、取り込んだ洗濯物が目に入ればきれいに畳んでいく。家族のために何かしてあげたいという気持ちももちろんあるのだと思うが、それだけでなくジッとしているのが何か落ち着かないらしい。

そういう境地に達したら、人の何倍も効率的に働けるようになる。

フットワーク練習の最大のメリットは、そういう癖のようなものが身につくことではないだろうか。私はフットワーク練習をすれば中陣から縦横無尽に動き回り、豪快なラリーができるようになるのだと思っていたが、そうではなく、打球ポイントへの移動が容易になり、詰まったり、ノータッチで抜かれたりということが少なくなるというのがフットワーク練習の効果なのではあるまいか。ボールに対する反応が早くなるのである。

以前はボールを打った後、その場にじっと動かず、次のボールがどこへ来るのかを観察していたものだが、最近は打球後にとにかくチョコチョコ動かないと落ち着かない。おかげで以前なら簡単に抜かれていたボールになんとか手が届くようになってきた。相手の返球を見て「このボール、回り込めるんじゃないか?」などと思えるようになってきた。それが現時点での効果である。

おそらくさらにフットワーク練習をつづければ、移動スピードも速くなり、豪快な卓球ができるようになるのではないかと思われる。が、オジサンの体力ではそこまで期待しないほうがいいかもしれない。


卓球一人練習――フットワークとバックドライブ

以前、こんな記事を書いた。

 卓球がもし、ビデオゲームのように一人で上達できるスポーツだったらと想像してみる。ビデオゲームなら、自室にこもって一人でひたすらプレーすれば、かなりの程度まで上達することができるだろう。卓球もそのように一人で上達できるとしたら、自分のことだけ考えて、自分の時間を自分のためだけにつかって、自分の練習だけをすればいいことになる。…しかし、幸いにも卓球は自分ひとりでは上達できない(サービスは例外だが)。どうしてもパートナーや指導者の協力がなければ上達できないようになっている。

卓球は一人では上達できない。ふだん当たり前に存在するパートナーがいなければ自分の上達もないということを肝に銘じてパートナーの上達を手助けするような練習をするべきだ。それが「情けは人のためならず」で、結局は自分に返ってくるのだから。

効果的な卓球の練習はどうしても相手との協力が必要だということを主張したのだが、最近考え方が変わってきた。卓球の練習は一人でも、ある程度ならできるのではないかと思うようになってきたのである。もちろん対人練習が理想的だとは思うのだが、自分と相手の時間の都合がなかなか合わず、練習できないときが多いと、一人効果的な練習ができないものかと思う。私が最近試している練習は以下の二つである。

まず、シャドープレーである。
家のテーブルを卓球台に見立てて、オールフォアで、フォア・バックの1本1本のフットワークをやってみる(前記事「四の五の言わず、フットワーク練習」)。30秒×5セットぐらいやれば、かなり疲れるのだが、ただ左右に動いてラケットを振っているだけでは味気ない。これにちょっとした調味料を加えてやると、とたんに質の高い練習に早変わりする。

metronome

メトロノームを使って実際にブロックしてもらうテンポを再現しながらフットワーク練習をするわけである。しかも最近はわざわざメトロノームを買わなくても、ケータイなどのアプリでメトロノームが無料で使えるのである。

メトロノームのアプリが数えきれないほどあって、どれを使っていいのかよく分からないが、私は広告などが一切入らない、無料のシンプルな下のメトロノームをインストールしてみた。今のところ、満足している。
simple metronome

simple metronome

これで120BPM(first beat accent:every3beats)という設定で1本1本のフットワーク練習をやってみたら、良い練習になった。

もう一つは家ではできないが、台を使った独り練習である。
前記事「独り練習」でリターンボードというのを紹介したが、アマゾンでも「ラリーパートナー」という製品が売っていた。残念ながら、今は売り切れらしい。

同じようなリターンボードを自作している卓球教室があった。
板コーチ
板コーチチャレンジ
https://www.youtube.com/watch?v=0UQbepx5qdE

このような製品はとても便利だと思うが、持ち運びが難しい。私が卓球場に持って行って、よく使うのは100円ショップで売っているMDFボードとまな板立てである。これを「板トレーナー」と名付けよう。

MDF

まな板立て

これを卓球台の隅に立てて、ボールをぶつける。ラバーを貼っていないから、軽い下回転になって返球される。それをドライブ強打するという練習である。特にドライブの感覚をつかむのに適していると感じる。

市販のリターンボードのように何球も連続して打つことは難しい。たいてい1発ドライブを打ったら、高く跳ね返ってしまい、2発目は打てない。だが、それで問題ない。下回転打ちの感覚は十分つかめるからである。

まず、1本板にぶつけて(サービス相当)、返ってきた下回転(あるいはナックル)をドライブ。大きく跳ね返ってきたら手でキャッチ。それの繰り返しである。ちゃんとキャッチできないことも多いので、かごにボールを山盛りにしておくといい。プラボールは弾みすぎるので、セルボールがおすすめである。1本目の「サービス」は、台の奥ではなく手前にバウンドさせると返球が低くなりやすい。そんな調整をしながら上手に続ければ、5秒に1本ぐらいのペースでドライブが打てる。1分で12本。10分で120本。対人練習で相手に「下回転サーブを出すのでバック側につっついてください。それをこちらがバックドライブするので…」とか、そんな練習をすると、こちらがサーブミスしたり、相手がツッツキをミスしたりして、けっこう時間をロスするので、板トレーナー練習のほうがずっと効率がいいだろう。

板トレーナーによって、どのポイントでインパクトしたら力が伝わるか、ボールとの距離や体の向き、姿勢の低さ、スイングの大きさなどをいろいろ試してみて、理想的なスイングが固まってくると、ミスも減ってくると思われる。

今まで一人練習というと、サーブ練習や球突きといった練習が一般的だったと思う。サーブ練習は確かに効果があるが、球突きのほうはあまり効果がある練習とは思えなかった。それで一人練習はあまり効果がないと思い込んでいたのだが、上述のメトロノーム・フットワーク練習と板トレーナー練習はかなりやりがいのある練習である。これを数か月続ければ、効果が現れるのではないかと思う。


名前のない技術

私はブロックがあまり得意ではなかった。
練習の時にちゃんとブロックできないと、相手に迷惑をかけるのでなんとかして上達したいとは思って、練習の中でできるだけブロックする機会を増やしたり、ブロックが上手な人にコツを聞いてみたりしてきたのだが、一向に上達しなかった。

それがある日突然、ブロックが得意になってしまった。

相手の切り替え練習のためにこちらがブロックすることになったのだが、ミスする気がしない。そのうち相手がどんどん球威を上げて全力で打ってきたのだが、こちらは台から少し距離を取って、平常心で淡々と返球できている。

一体何が起こったのか?

指導者ではないので、どういう理由でブロックが得意になったかをうまく分析できないのだが、イメージで言うと、ラケットではなく、鉄板を指でつまんで、ぶら下げているようなイメージで、ボールがラケットに当たるまで全く力を入れず、ブラブラの状態にしておき、ボールが当たって、その「鉄板」が振動したのを確認してから、ゆっくり前方にラケットを押すような感覚である。その際、ボールはブレードの中心ではなく、下半分に当てるように心がけている。

ボールの威力をラケットの振動で殺した上でボールを「乗っけて」持っていくような感覚である。今までは当たる瞬間に力を入れていたのだが、ほんのコンマ数秒、力を入れるタイミングを遅らせたのである。

こういうのをどう説明すればいいのか分からない。感覚の問題だと言ってしまえばそれまでなのだが、こういう、力を入れるタイミングを遅らすような技術に対する呼び名がないものだろうか。

たとえば「体重移動」とか、「ボールを持つ」とか、「薄くとらえる」といった、卓球の技術を説明する言葉があるが、インパクトの時に力を入れるタイミングを微妙に遅らせるという行為を的確に言い表す言葉が思い当たらない。

最近見た動画でこんなやり取りがあった。

(ラリー中にナックルが来た場合)上手な人は…上に弾く。…ふだん前に振っているフォア打ちをちょっと上に振るんだよ。…こするんじゃなくて、上にフォア打ちしてるんだよ。」

上にフォア打ち
「試合に勝てないので横山コーチに勝ち方を聞いたらまさかの展開に…」
https://www.youtube.com/watch?v=_6rw5NIKSm8

なるほど。そうだったのか。
弾くベクトルをやや上方向にずらしてフォア打ちをする。これはフォアフリックにも言えることなんじゃなかろうか。「フォアフリック」というと、身構えてしまうが、上にフォア打ちをすると考えれば、なんだかフォアフリックが簡単にできそうな気がしてくる。

このような「弾くベクトルを上方向にずらす」という技術も、ナックル打ちに限らず、いろいろ応用が利きそうだ。こういう技術にも適当な名前が付けられていない。

私は最近フットワークを意識して練習しているのだが、実戦的な練習では、打球後に必ず2歩ステップを踏むよう心掛けている(前記事「ズンチャッチャ」)。移動するにしても、しないにしても、打球したら、とりあえず2歩、ステップするのである。こうすると、足が止まらず、フットワークがよくなるのである。非常に単純な「技」だが、これをするかしないかでプレーが大きく変わると思う。

こういう名前のない「技」が卓球には無数にあって、たとえば上級者が言う「ツッツキ」と初中級者の言う「ツッツキ」はかなり違ったものだろうと思われる。上級者の「ツッツキ」は名前のない数々の技術に支えられており、安定性や次の攻撃への移行がスムーズである。おそらく初中級者の「ツッツキ」とは、見た目は同じでもずいぶん違った技術なのではないだろうか。そのような名前のない技術の存在を意識するかしないかで卓球の伸びしろが大きく変わってくると思われる。

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