久しぶりの練習は、案の定、例の練習とはかなり違ったものだった。
ラケットってこんなにずっしりと重かったっけ?185gぐらいだったと思うが、スイングすると、なんだか腕が引っ張られるような感じだ。
アッ痛!なんだこれは思い切りスイングすると腕が痛い。
そうなのである。ここ1ヶ月、運動らしい運動をしていないために筋肉だか、筋だか分からないが、硬化しているのを感じていたのである。腕を真っ直ぐ上に伸ばすと痛い。シャツを着たり、脱いだりすると痛い。これが噂の五十肩というやつか。
ドライブを打ってもボールがちっとも走らない。全力のドライブが、「ギュン!」ではなく「ポワ~ン」という感じなのである。これでは攻撃というより、つなぎである。
しかし、これはこれでおもしろい。
女性がドライブではなく、ミート打ちを多用する理由を身を以て知った気がする。適度に下回転のかかったチャンスボールを弱いインパクトで「ポワ~ン」とドライブするのではなく、「バシッ」とミートしたほうが断然楽で、威力もある。あるいはドライブを打つにしても、柔らかいラバーでないと、しっかりボールが食い込まない。フォア面を柔らかいラバーに替えてみるというのもおもしろそうだ。
今までは「ドライブのボールが軽い」などと言われると、罪悪感を感じてしまい、硬いラバーに替えて全身の力を一点に集中して打たなければならないという強迫観念のようなものを感じていたが、中年にはそんなドライブは無理なのである。
「ドライブが軽くたっていいじゃないか。別に全国大会とかに出るわけでもあるまいし。」
そういう執着がなくなると、気分も軽くなる。柔らかいラバーでドライブはつなぎでもいいと割り切ると、不思議と足の動きが良くなってくる。特に私の苦手な前後の動きが良くなってきたのである。おそらく今までドライブの威力を優先していた結果、そこに多くのリソースが割かれていて、動きが遅くなっていたのだと思われる。
スイング時に腕が痛くなるというのは、おそらくこういうことなのだ。
スイングの描く弧線が
大きく、直線的な場合は腕が痛くなり
小さく、曲線的な場合は腕が痛くならない
腕を伸ばして、腕の力で打とうとすると、体が痛みでブレーキをかけてくれる。こういう機能が身についたというのは、考えようによってはラッキーなのではなかろうか。体幹がうまく使えるようになるための矯正具を内蔵したようなものである。
しかし、ずっとこのままというのもちょっと不安である。少し体を鍛えて筋力を補強したほうがいいのかもしれない。ちょっとランニングでもしてみようかな。初めから何キロも走るのは無理だから、できる範囲で1キロぐらいから走ってみよう。
晩ごはんを食べて、腹もこなれた頃合いに人通りの少ない道を少し走ってみた。が、わずか200メートルほど走ったところでもう限界である。
無理は禁物だ。走ることに執着してはいけない。ウォーキングに切り替えて、疲労が少し回復したところでもう一度チャレンジである。
だんだん疲労が回復してきたので、もう一度走ってみることにした。ただ、今度はやみくもに走るのではなく、体の使い方を意識して走ってみよう。疲れにくい走り方というのがきっとあるはずだ(前記事「昔の人はえらかった」)。
お腹に力を入れて走ってみる、腕を大きく振ってみる、姿勢を真っ直ぐにしてみる、腰を回してみる…いろいろ試してみたが、一つ発見があった。脇を締めて走ると疲れにくいのだ。
こんな感じでキュッと脇を締めて走ってみる
なんだこれは!楽に体が前に進むぞ!今まで脇を拳一個分空けて走っていたのだが、胸を張って脇をぴっちり締めて、腕を真っ直ぐ前に大きく振ると、腕を振ったエネルギーがほとんど逃げずに体を前方に進めてくれる。
「この感覚はどこかで…そうだ!フォアドライブのときに左半身で壁を作るという動きに似ている。」
脇を締めることで上半身がしっかり固定されブレなくなった。そして下半身は、腰を回すようにして走ってみる…まだ足に力が入っている。足に力を入れるのは一瞬であるはずだ。なぜならドライブで力を入れるのは一瞬で、それ以外のときは脱力しているのがいい、という教えがいろいろな卓球動画で言われているではないか。ドライブのインパクトに比定されるのは、ランニングでは足の接地であるはずだ。接地の瞬間だけ足の力を入れ、それ以外は足が脱力していなければならない。
そんなこんなで今日のランニングを終えた私は、脇を締めるという収穫を得て帰宅し、卓球とランニングの体の使い方の共通性に思いを馳せるのであった。
ラケットってこんなにずっしりと重かったっけ?185gぐらいだったと思うが、スイングすると、なんだか腕が引っ張られるような感じだ。
アッ痛!なんだこれは思い切りスイングすると腕が痛い。
そうなのである。ここ1ヶ月、運動らしい運動をしていないために筋肉だか、筋だか分からないが、硬化しているのを感じていたのである。腕を真っ直ぐ上に伸ばすと痛い。シャツを着たり、脱いだりすると痛い。これが噂の五十肩というやつか。
ドライブを打ってもボールがちっとも走らない。全力のドライブが、「ギュン!」ではなく「ポワ~ン」という感じなのである。これでは攻撃というより、つなぎである。
しかし、これはこれでおもしろい。
女性がドライブではなく、ミート打ちを多用する理由を身を以て知った気がする。適度に下回転のかかったチャンスボールを弱いインパクトで「ポワ~ン」とドライブするのではなく、「バシッ」とミートしたほうが断然楽で、威力もある。あるいはドライブを打つにしても、柔らかいラバーでないと、しっかりボールが食い込まない。フォア面を柔らかいラバーに替えてみるというのもおもしろそうだ。
今までは「ドライブのボールが軽い」などと言われると、罪悪感を感じてしまい、硬いラバーに替えて全身の力を一点に集中して打たなければならないという強迫観念のようなものを感じていたが、中年にはそんなドライブは無理なのである。
「ドライブが軽くたっていいじゃないか。別に全国大会とかに出るわけでもあるまいし。」
そういう執着がなくなると、気分も軽くなる。柔らかいラバーでドライブはつなぎでもいいと割り切ると、不思議と足の動きが良くなってくる。特に私の苦手な前後の動きが良くなってきたのである。おそらく今までドライブの威力を優先していた結果、そこに多くのリソースが割かれていて、動きが遅くなっていたのだと思われる。
スイング時に腕が痛くなるというのは、おそらくこういうことなのだ。
スイングの描く弧線が
大きく、直線的な場合は腕が痛くなり
小さく、曲線的な場合は腕が痛くならない
腕を伸ばして、腕の力で打とうとすると、体が痛みでブレーキをかけてくれる。こういう機能が身についたというのは、考えようによってはラッキーなのではなかろうか。体幹がうまく使えるようになるための矯正具を内蔵したようなものである。
しかし、ずっとこのままというのもちょっと不安である。少し体を鍛えて筋力を補強したほうがいいのかもしれない。ちょっとランニングでもしてみようかな。初めから何キロも走るのは無理だから、できる範囲で1キロぐらいから走ってみよう。
晩ごはんを食べて、腹もこなれた頃合いに人通りの少ない道を少し走ってみた。が、わずか200メートルほど走ったところでもう限界である。
無理は禁物だ。走ることに執着してはいけない。ウォーキングに切り替えて、疲労が少し回復したところでもう一度チャレンジである。
だんだん疲労が回復してきたので、もう一度走ってみることにした。ただ、今度はやみくもに走るのではなく、体の使い方を意識して走ってみよう。疲れにくい走り方というのがきっとあるはずだ(前記事「昔の人はえらかった」)。
お腹に力を入れて走ってみる、腕を大きく振ってみる、姿勢を真っ直ぐにしてみる、腰を回してみる…いろいろ試してみたが、一つ発見があった。脇を締めて走ると疲れにくいのだ。
こんな感じでキュッと脇を締めて走ってみる
なんだこれは!楽に体が前に進むぞ!今まで脇を拳一個分空けて走っていたのだが、胸を張って脇をぴっちり締めて、腕を真っ直ぐ前に大きく振ると、腕を振ったエネルギーがほとんど逃げずに体を前方に進めてくれる。
「この感覚はどこかで…そうだ!フォアドライブのときに左半身で壁を作るという動きに似ている。」
脇を締めることで上半身がしっかり固定されブレなくなった。そして下半身は、腰を回すようにして走ってみる…まだ足に力が入っている。足に力を入れるのは一瞬であるはずだ。なぜならドライブで力を入れるのは一瞬で、それ以外のときは脱力しているのがいい、という教えがいろいろな卓球動画で言われているではないか。ドライブのインパクトに比定されるのは、ランニングでは足の接地であるはずだ。接地の瞬間だけ足の力を入れ、それ以外は足が脱力していなければならない。
そんなこんなで今日のランニングを終えた私は、脇を締めるという収穫を得て帰宅し、卓球とランニングの体の使い方の共通性に思いを馳せるのであった。