しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2020年03月

卓球の練習が減って(あるいはできなくて)、不安に思っている人も多いかと思われる。
私も不安である。卓球の練習時間が減ると、ただでさえ下手なのが、もっと下手になる。せっかくつかんだ技術の感覚が定着する前に忘れてしまう気がする。
週2で練習できていたのが、週1になってしまったら、先月、せっかく3歩ぐらい前進したのが、2歩後退ということにもなりかねない。気が焦る…。

うちでできる卓球の練習って何かないだろうか?

ランニング、筋トレ、素振り、球突き、トップ選手の試合動画を観て研究…。どれもあまり楽しそうじゃないなぁ。

自宅でできる練習をいろいろ探してみたが、渡辺貴史氏の次の動画が参考になる。


・壁打ち:一定のリズムと力で同じところに当てないとうまく続かない。こういう練習をすると力を抜いて打つ感覚が身につくかもしれない。

・サーブ練習:台なしで、床に落とすようにサーブを出す。切る感覚を養えるかもしれない。
・フォームの確認:鏡を見ながら、卓球雑誌の連続写真を真似してみる。自分のフォームと何が違うかを比較する。ビデオで撮ってあとで確認という方法もあるが、連続写真を実際に真似してみると、気づきがある。
・自分の試合動画の分析:自分の失点パターンや得点パターンが何かを自己分析する。
・フットワークを交えたシャドープレー:細かいフットワークを意識して。

どれも有意義な練習である。しかし、それでも何かもの足りない…。

-----------
鬱々と悩んでいてもしょうがない。
いっそのこと、卓球のことを忘れて、週末に旅行でもしてみたらどうだろう?九州なんか、行ってみたいなぁ。以前、天草に行ってみたいと思ったのだが、交通の便が悪くて断念したことがある。






しょうこちゃんねる」より

shoko

「好きな卓球ができなくなってほんとにつらくって、当時は明るい未来とか全然想像できなかったんですね。でも、今はこの人生も悪くないなぁっていうか、今ずっと下ばかり向いてるんじゃなくって前を向いて明るく楽しく行きていこうとポジティブに考えられるようになったら、いろんな世界が広がって本当に楽しいなって思えるようになりました。」(高橋尚子氏)

考え方次第で毎日が充実してくる。週に1回でも、2週に1回でも卓球ができるというのはすばらしいことである。自分の置かれている状況をもっとポジティブに考えたほうがいい。不満を抱いて我が身をかこってばかりだと、人生に満足できなくなる。できないことにばかり目を向けず、自分のできることをできる範囲で一所懸命やる。それが人生を楽しむコツだと、しょうこ氏の動画を観て気づかされた。

卓球の練習時間が減って、手持ち無沙汰なので、なんとなくお蔵入りの用具の手入れでもしてみようと思い、ラケットを出してきた。

う~ん、なんだか乾燥して白い線が入っているように見える。グリップもひび割れっぽい感じになっているなぁ。
kansou

そういえばギターの手入れにオイルを使うというのを聞いたことがある。銃などでもオイルで手入れするということがあるようだ。

rifle

gun
この光沢!美しい。

卓球のラケットにもオイルが使えないだろうか。ラケットのグリップがこんなテカテカ、ツヤツヤになれば、ラケットへの愛着も深まろうというものだ。練習後、自宅で就寝前にオイルやらワックスやらでキュッキュとラケットの手入れをするのは楽しそうだ。革製品のように使えば使うほど味が出るということになればなおよい。

ネットで調べた情報によると、オイルには乾性油、半乾性油、不乾性油の3つの種類があり、木材の手触りなどを良くするのは、亜麻仁油、クルミ油などの乾性油で、これは酸化して固まる性質を持つという。逆にオリーブオイルやツバキ油などは不乾性油で凝固しにくい性質を持つのだという。要するに乾性油は空気に触れさせておくと、乾いてサラサラになるが、不乾性油はいつまでもベタベタということである。

ニスが木材の表面をコートするのに対して、オイルは木材に浸透して固まるので、表面は木材の味わいを残しているのだという。というと、テカテカ、ツヤツヤにするにはさらなる加工が必要なのだろうか?

よく分からないが、おもしろそうだ。とりあえずオイルを買ってみよう。

木材の仕上げには、このWATCOというオイルが定番のようだ。私はまったくのDIY初心者なので、以下の情報の信頼性は低いと考えてほしい。色がいくつかあるが、私の選んだのは暗色系の「エボニー」である。



--------------
用意するもの:
・オイル(ラケットの塗装なら100mlもあれば十分。ネットで200mlが千円強~。)
・使い捨てポリエチレン手袋(100均で買える120枚ぐらい入ったやつ)
・メラミンスポンジ(100均で大量に買える)
・ダンボール(作業台として)
・ペットボトルの下半分(オイル容器として)
・耐水ペーパー/紙ヤスリ(目の細かいやつ)
・筆(100均で買える)

「正しいオイルの塗り方」(カッコ内は私が実際にやったやり方)

1.紙やすり等で木材の表面をならす(メラミンスポンジでこする)
2.刷毛でオイルを塗る(メラミンスポンジでオイルを塗る)
3.15~30分浸透させる
4.吸いきれなかった 油をウエスで拭き取る(メラミンスポンジでオイルを拭き取る)

*お好みで二度塗り
*乾かないうちにすぐに耐水ヤスリをかける
*ウエスで拭き取り、1時間ほど自然乾燥
*表面に染み出したオイルをもう一度拭き取る

5.24時間以上、自然乾燥させる
----------------------
「作業を終えて」
・「ワトコのオイルは臭う」などとネットで言われていたが、私は気にならなかった。なんというか、ニッキ飴のような匂いがしたが、不快な匂いではなかった。
・はじめにペットボトル容器に小分けするときに少しこぼしてしまった。注ぎ口の構造上、非常にこぼれやすい。
・オイルといっても、粘度は高くない。サラサラしていて、塗るときは水彩絵の具と何も変わらない感じだった。素人でも簡単である。つい、べっとりと塗りすぎてしまうが、ほどほどにしておいたほうがよかったかもしれない。
・筆はほとんど使わず、私の場合、メラミンスポンジ(激落ちくんとか)を使ってみたが、特に問題なかった。スポンジのほうが塗りやすいと思う。

------------
mini racket
ジュウイックのミニラケット。未加工。

実験前 - コピー
もう使うことのなくなったふつうのラケット。ラケットコート済。

オイルフィニッシュをして24時間後…
mini finished

元の、安っぽいブレードの色合いから、渋い色合いになったと思うが、グリップは単に油汚れが着いただけのように見える。


racket finished
こちらのラケットはラケットコートをしてあったからか、あるいは木材の材質でこうなるのか、なんだか土砂災害で埋もれたような、汚らしい色合いになってしまった。もう少し明るい色(あるいは薄い色)を選んだほうがよかったのかもしれない。

いや、ブレードのほうは汚らしいが、グリップだけなら深みが増して渋い色合いになっている。
grip finished
ちなみにレンズは外さず、そのまま塗っても大丈夫だった。

触るとわずかに、しっとり感があるが、油が他に移るようなことはない。手触りも大きく変わっていない。
しかし、イメージしていたものとはずいぶん違う仕上がりになった。エバンホルツのような感じをイメージしていたのだが。あの銃のツヤはどうやったら生まれるのだろう?

とりあえずの結論:ブレードにはオイルを塗らないほうがいい。

また機会があれば、後日の経過などをレポートしたい。

※この手のオイルは自然発火しやすいそうなので、ウエス等を捨てるときは水に浸して捨てなければならない。

【追記】200328
「エボニー」は白い部分に塗らないほうがいいと思う。手垢にまみれた感じになるからである。グリップに白い部分があったら、「エボニー」は塗らないほうがいいだろう。逆にグリップが茶色なら、「エボニー」を塗ることで色が濃くなり、高級感が出てくる。

ワトコオイルよりももっと手軽で効果のある仕上げは、蜜蝋仕上げだと思う。

みつろうクリーム

髪の毛用のワックスみたいな感じで、少量をグリップに塗ると、美しい艶が出てくる。おすすめである。



ごぶりんずTVの「ちょっと、試合して!!」という企画が非常に勉強になる。まるで自分のプレーを批評されているように感じるのだ。

中級者のまお氏がごぶりんずの上級者と試合をするという企画である。これは言うまでもないことだが、企画名は卓レポの「ちょっと、それ貸して」に掛けてある。
mao

まお氏はおそらく典型的な中級者で、伸びしろが非常に大きい。私から見ると、かなり上手い目の人と感じる。打球後も足が動いているし、特にサーブは(ミスしなければ)かなりレベルが高いと思う(私はちゃんと返せる自信がない)。ただ、上級者を相手にして過剰に警戒しているからか、ミスが多い。おそらく

「一発打たれたら終わりだ。打たれる前にこちらから打たなければ」

という気持ちが先走りすぎているのではないかと思う。深いツッツキを送って「さぁ、来い!」とブロックで待てる余裕があれば、もっといい試合ができたように感じる。中級者同士の試合なら、もっと良い内容の試合ができたはずである。この1回目の試合ではまお氏は実力は半分も出せていなかったのではないか。



試合後のヤンマ氏のコメントは

「レシーブミスが多すぎる」
「当てるだけのレシーブで、一工夫がない」

というものだった。なるほど。見返してみると、積極的にレシーブできたボールがほとんどなく(ヤンマ氏のサーブがうますぎたのだろうが)、ツッツキレシーブが台からほどよく出ていて打ちごろである。

コメント欄にもアドバイスがあって、

「サーブからの待ちや、準備が遅かったり色々なボールに対応出来てないのと、相手がストップしたとき低くてもフリックできなきゃ打たれるのと、」

というのが参考になった。ショートサーブを出したら、ストップに対してフリックで待っていなければ主導権を握るのは難しいということか。

2試合目は、残念ながらさんざんな内容だった。ほぼ自爆である。おそらくまお氏は実力の1割も出せていないのではないか。私も格上の人と対戦するときによく陥る心理なのだが、なんとかして強打しなければという強迫観念のようなものに支配されてしまうのである。



しょー氏からのアドバイスは

「ミスが多い」
「何をしたいのか分からない」
「レシーブがヤバい」

というものである。2番めのアドバイスはサーブを持ったら3球目でどう攻めるかの「待ち」がないという戒めである。おそらくまお氏も3球目の待ちを持っていたと思われるが、しょー氏のレシーブが厳しかったのではないか。3番めのアドバイスはレシーブ時にラケットが顔から離れてしまっている――つまり腕を伸ばしすぎているということである。

2試合目の視聴者からのコメントは非常に参考になるものが多かった。

「バックが入るならプラマイゼロになるかもしれないけどはいらないなら回り込むかツッツキがいいと思う そうしたら確実にバックの打ちミスは無くなるしフォアで打つ意識ができるから動き出しも早くなって得点増える」

無理に調子の悪いバックを振るよりも、フォアで打つことを意識すれば、動き出しが早くなる?たしかにたとえ回り込めなかったとしても、フォアハンドで待っていれば判断が早くなりそうである。

「攻撃できないなら、確実に入れることができる範囲で速く切れたツッツキをして絶対にブロックをミスしないように待つ。」

これは私が冒頭で考えたことと同じである。やっぱり思うように攻められないときはこういう戦術が有効なのか。

「フォアもバックも左足が打球ポイントへ入っていない気がします。
なので、フォアの溜めは早くて深いけど、上半身の溜めだけでムリに打とうとして、弾いたりニュルッとした打ち方になってしまうのかなと。」

まお氏は左利きなので、利き足が力の伝わるポイントまでしっかり踏み込めていない――ボールに近づいていないということである。なるほど、ポジショニングには全く意識が行っていなかった。私もこういうミスが非常に多い。

「自分もレシーブミスが多い時よくあったんですが、フォア前のレシーブが、足を入れてからではなく、手が先に行ったり、足と手が一緒に台の中に入りうまく出来てなかったりしているので、それを意識するとまた変わってくるのでは?」

利き足をしっかり踏み込んだ上でレシーブ。これが中級者にはなかなかできない。打ち慣れている人ならできるのだが、試合ではつい台に浅く入って、ボールにしっかり近づく前に手を伸ばしてしまう。

「レシーブの時もドライブの時も初動で上に動いて重心が高くなってるから安定感がないんだと思います。あと体が大きいので前に張り付きすぎずもう一歩下がってしっかり振っていった方がプレースタイル(やりたいこと)を見つけられる気がします。」

姿勢がつい高くなってしまう…。そして台に近づきすぎている。あぁ、まさに私のことである。

「3球目以降などラリーになったときにボールを目で追うことに夢中のように見えます。加えて他の方々もおっしゃっているように姿勢が高いように思いますこの2点により戻りが遅くなってしまっているように見えます。」

ボールを追いかける、姿勢が高い、これこそ戻りの遅さの原因である。

「回転かける時はしっかりかける、かけない時はかけない等を考えてやるといいと思いました。レシーブドライブのミスが多いから、しっかり振り切って回転をかけるといいと思います!!」

ドライブが入らないときはスイングが振り切れず、途中で止めてしまう。あるあるである。

「まおくん、オーバーミスが、あるの姿勢が高いからだと思いました。レシーブの時は姿勢が高いからネットミスが起きると思いました。」

姿勢が高いままツッツキなどをすると、ネットに引っ掛ける。ラケット越しにボールを見るぐらい低い姿勢ならツッツキのミスが減る。

「地面を蹴ってないですね!地面を蹴らないと俊敏な動きが出来ないのでお上手なフォアが活かせないですよ!」

姿勢が高いと地面が蹴れない。膝を曲げて重心を移動方向と反対の足に預けないとしっかり蹴れないということを私も痛感している。ということは姿勢が高いから重心移動ができず、床も蹴れないということだろうか。

以上のコメントをまとめると、

・腕を伸ばしてレシーブしない(顔をラケットに近づける)
・ツッツキの質を高める(できればフリックも)
・しっかりボールに近づく(足から入る)
・台から距離を取る
・スイングを振り切る
・ボールを追いかけず、戻りを早くする
・姿勢を低くする(重心移動をして床を蹴る)

ごぶりんずTVの動画へのコメントは質の高いものが多いように感じる。今度はまお氏がリラックスして実力を発揮している対戦動画を見たいものである。


コロナ騒動で練習できる時間が減っているので、ちょっと愚痴をこぼしてみた。

--------

卓球シューズの寿命ってどのぐらいなんだろう。
プロや練習量の多い強豪校の中高生の場合は2~3か月でシューズに穴が空いたりして履けなくなってしまうのかもしれないが、一般層なら2年ぐらいは余裕で持つと思われる。それどころか以前、試合会場で20年以上前のモデルを履いている人さえ見たことがある。卓球のシューズって丈夫だなぁ。

私のシューズは使い始めてかれこれ3年になるのだが、この間、上手な人に指摘されたのは「靴底のゴムが完全に硬化しきっている」ということである。それってつまり…

「ええ、もう寿命ですよ。」

あぁ、シューズの寿命というのは、生地が破れたり、穴が空いたりしなくても、アウトソールがカチカチになったら、それが寿命なのか。なるほど、どうりで最近練習場の床が滑りやすかったわけだ。見た目はまだ全然きれいで、あと2年は履けそうなのに…。内心私は喜んだ。これでやっとストックしておいたシューズが1足下せる。それでもまだ2足ストックがあるのだが。シューズが安売りされていた時、衝動買いしてしまったのがまだ2足も残っているのだ。今回新たに下したシューズがまた2年以上持つとしたら、ストックしておいた最後のシューズを下せるのは5年後ぐらいになってしまう。下したときにはすでに靴底がカチカチになっていて、新品なのに寿命というおそれもある。

ラバーのストックも10枚ぐらいあるし、ラケットもインナーフォースALCとかノスタルジックとか買ったものの一度も使っていない。ウェアなどもいっぱいである。もう、用具は要らない、使いきれないと思いつつもどうしても購入をやめられないのは、最近用具の相場が安いというのもあるが、なかなか練習できない心の隙間を用具を買うことで埋めようとしているからなのである。

量販店の安売り合戦と、メルカリ等の中古用具市場の拡大によって用具の相場は急激に引き下げられた。また中国ラバーの普及がそれに拍車をかけるかもしれない。

用具や情報と違い、練習環境を安価で提供することは難しい。
社会人で卓球好きなら、新しいラバーやラケット等の用具に毎月一万円ぐらいかけるのは普通のことである(たぶん)。それが現在、用具相場が下落し、半分ほどの支出で済んでいるということになると、余ったお金は練習環境に投資するというのが筋だろう。

郊外の卓球場に交通費をかけて出掛けるのではなく、仕事帰りに街中の卓球場で週に一回一時間ぐらい自分の好きな練習ができたらと思わずにはいられない。いちいちパートナーと都合を合わせて練習するのは大変だから、一人で練習に行っても、常駐のパートナーが場所代込みで1時間3000円ぐらいで相手をしてくれるところがあちこちにあったらと思わずにはいられない。そうすれば私の用具の無駄遣いもやむに違いない。1時間3000円は高い?いやいや、上手な練習パートナーに三点でブロックを回してもらい、フットワーク練習を一時間みっちりするのである。たった一時間とはいえ、質のいいブロックをしてもらって、動きっぱなしなら、かなりの充実感があり、3000円の値打ちはあると思う。

最近、立ち飲み屋というのが流行っていて、サラリーマンが「帰りにちょっと飲んでいこう」などといって一人2~3000円ぐらいで仕事帰りに飲んでいくのが流行っているらしい。同じように駅近に台が2台だけの小規模な卓球場でもあれば、「帰りにちょっと打っていこう!」という需要があると思うのだが。

神戸の地下鉄、高速神戸駅につながっている地下街に「メトロ卓球場」という卓球場があるという。
メトロ

こんな立派な卓球場じゃなくてもいいから、京都の街中にも仕事帰りに気軽に寄れる卓球場ができてほしいものである。


最近、紅双喜のキョウヒョウ3を使っている人をよく見かける。2~3年前までは私の周りで中国ラバーを使っている人は珍しかったように思うが、最近は、ある程度以上のレベルの裏ソフトの人は5人に1人ぐらいの割合でキョウヒョウ3を使っている印象である。ネオなのか、省狂なのか、はたまたニッタク発売のPROなのかよく分からないが、とにかくキョウヒョウを使っている人をよく見かける。

4月にはラクザやディグニクスでも粘着が発売されるらしいし、翔龍も評判がいい。粘着ラバーっていいのだろうか。

以前、ブレークPROという粘着テンションを貼って、2~3回使ってみたが、通常のテンションラバーとはかなり感触が違うので、すぐに剥がしてしまったことがある。

「私も当時よりは進歩していると思うので、今、粘着ラバーを使ってみたら、案外使いやすいのではないだろうか…。」

そんなことを考えて、粘着ラバーを探してみたところ、キョウヒョウ3ネオの通常版は3500円ほどだった。高くはない。しかし、省狂と呼ばれる上位バージョンもあり、こちらは9000円ぐらいする。まぁ、私のレベルなら、通常版で十分だろう。気に入らず、すぐに剥がしてしまうかもしれないし。

粘着ラバーをネットで探してみると、PF4というラバーがY卓球店という店でなんと税込み990円!

PF4 DHS

PF4といえば、昔、学生時代に先輩がチョコレート色のラバーを使っていた記憶がある。それとは別もののようだが、同じ紅双喜の製品だし、キョウヒョウ3のエントリーモデルのようなものだろうか。

「たった1000円だし、試しに買ってみよう」

と注文してみた。「中厚」と「MAX」というのがあったが、粘着初心者なので「中厚」を買ってみた。届いたものをみると、特厚かと思うほどスポンジが厚い。

「そういえば、裏面に貼っていたライガンも、そろそろ替えどきかな」と思い、ファクティブに替えてみた。

両面、新品のラバーである。ちょっと気分がいい。早く打ってみたいが、とりあえず部屋で球突きでもやってみよう。まずはファクティブから。

「コーン、コーン」

柔らかく、適度な弾みで、悪くない。弾みすぎないのがいい。次はPF4である。

「コンッ!」

あれ?球突きができない…。硬い+弾まない+強粘着で、軽く突いただけではバウンドせずに、ラバーにボールが貼り付いてしまうのだ。

嫌な予感がする…もしかしてとんでもないラバーを買ってしまったのかもしれない。週末の練習でフォア面に貼ったPF4で軽くフォア打ちをしてみると、飛ばなすぎて早速ネットミス。なんなんだこれは?弾まないといっても限度があるだろう。こんなラバー使い物になるか!

ラクザを貼ったスペアのラケットに替えての練習。

「あぁ、やっぱりこういうラバーは安心感があるなぁ。思い通りにボールが飛んでくれる。」

-----------
そんなことを言っていた私も、今やフォア面はPF4以外には考えられないほどPF4に夢中である。よく「粘着はしっかりインパクトできればいいボールが行くが、詰まったりすると棒球になってしまう」などというが、私のレベルでは全く問題ない。詰まって打ったボールがオーバーしないで台に収まってくれるというのはすばらしいことである。これがテナジー的なラバーだったら、不十分な体勢で打ったボールをオーバーさせてしまうことが多かっただろう。私のレベルではとにかく入ってくれることが最優先なのである。

弾まないのでサーブは切れて、短くなりやすく、レシーブも安定性が増した気がする。ブロックも止まりやすい。

フォアドライブのスピードに難があるのでは?などと心配する向きもあろうが、今は「ボールが遅い」と言われるどころか、逆に「前よりボールが走っている」と言われるぐらいである。十分な姿勢でしっかりと打ったボールならテンションラバーを使っていたころと遜色ないようだ。それよりもしっかりと掴む感触があり、回転量が上がっているのを感じる。相手に「今のボール、エグかったですね」などとよく言われる。たしかに使い始めた頃はびっくりするぐらいショットのスピードが遅くなったが、使用回数を重ねるごとにラバーが柔らかく(感じられるように)なり、弾みも上がっていった。この手のラバーは使い始めは弾まないが、使っていくうちに弾むようになってくるらしい。といってもテンションラバーよりは弾まない。

PF4を使って以前よりも強いインパクトを意識するようになった。強いインパクトでも飛ばしすぎない安心感があるのである。同じ理由でカウンターに対する恐怖も軽減された。相手が打ってきたドライブに対してドライブをかけ返しても、ボールがぶっ飛んでいかない。

PF4の良さを一言で言うなら、「しっくりくる」である。速いボールも出そうと思えば出せるし、守備的な技術では安定性が高まる。こんな良いラバーが送料込みで千円強というのはお得である。

--------

これを卓球メーカーや卓球ショップの視点から見れば、脅威だろう。現在、売れ筋のラバー(ロゼナ、スーパーヴェンタス、ファスターク、ラクザ等)は1枚4~5000円ぐらいが平均的な価格だと思われるが、1000円強のPF4のほうがいいという人が増えてきたら、果たして現在の売れ筋ラバーを扱っている業者は生き残っていけるだろうか?

--------
今日は東日本大震災の記念日。
あの悲劇をいつまでも忘れず、語り継いでいきたいと思う。

地域のクラブに来ている小学生の女の子に卓球の「指導(っぽいこと)」をときどきするのだが、なかなかうまくいかない。どうしてうまくいかないのか、私は指導者ではないので分からないが、おそらく教える順番が悪いのかなと思われる。

-------------

青春・自然・全力愛を旗印に活動するアイドルユニット「Ru:Run」に著名な卓球指導者の平岡義博氏が卓球を指導するという企画の動画を見た。平岡氏といえば、今を時めく全日本チャンピオン宇田幸矢選手を育てた指導者である。完全な初心者が一流の指導者の手でどのように成長していくのか興味深く視聴した。


平岡氏は自身の卓球理論に基づいた指導で、効率的な体の使い方を基礎から丁寧に指導する。こんなぜいたくな指導で卓球がうまくならないほうがおかしい。上達しないはずがないのである…

平岡指導

平岡指導2

が、そのまさかが起こってしまった。彼女たちは一向に上手にならなかったのだ。

平岡氏「今、すごい短期間の間に実はいろんな要素を入れてやってみた。だからそんなに簡単にできるわけないと思う。これができなきゃダメだよってほどじゃないことなんだけど、今、やってみたら、『この人のこういうところがうまくいかないな』っていうのが分かりました。…それぞれ得手・不得手があって、それを今度は各々に合った感じでやっていきます。」

平岡指導3

平岡指導4

彼女たちの「運動神経」は想定外だったようで、さすがの平岡氏もお手上げだったのである。平岡氏は指導方針の大幅な変更を余儀なくされた。

私が小学生に「指導」するときも、こんなことがよくある。

「手を使って打たないで、胴体を捻るようにしてスイングしなさい。手の力はできるだけ抜いて。」
「遠いボールは手を伸ばして打たないで、足で近づいて打ちなさい。」

などと言って、多球練習などをさせてみるのだが、ちょっとは形になって来たかなと思って自由に打たせるとそれまでの「指導」が全く定着していない。手打ち丸出しのメチャクチャな卓球に逆戻りである。

次のエピソードでは、ここまでの練習の成果を試す課題「フォアハンドでのラリー往復10回」に挑戦する。



おそらく撮影はわずか数時間だったのだろう、平岡氏の指導はほぼ定着していない。子供たちと同じように、指導前の状態に逆戻りしているように見える。しかし、我流の卓球でミスせずラリーを続け、なんとか課題をクリアしていくメンバーもいる。これを見て思ったのは、完全な初心者にまず教えることは、フォームや体の使い方ではなく、打球タイミングではないかということである。

打球タイミングさえ正しければ、そして押しすぎなければ、とりあえずボールが入る。これからは私も小学生を「指導」するときにまず打球タイミングを教えてみようと思う。たとえフォームが変でも、打球タイミングが合って、ラリーが続くようになったら楽しいだろうし、そこからフォームや身体の使い方を一つづつゆっくり教えてみたら、上手になるかもしれない。
しかし、打球タイミングってどうやって教えたらいいのだろうか。参考になる動画を探してみたのだが、案外見つからないものである。

卓球三昧の藤井貴文氏の以下の動画が見つかった。



氏のブログにこんな解説がある。
卓球においてリズムは二拍です。よく、ためてから打ちなさいと言いますが、「ため」と「打ち」の二拍はとても重要です。相手の打球した瞬間に「ため」、そして自分の台にボールがバウンドしてからスイングを始めてボールを「打ち」ます。ボールが自分の台にバウンドしてからスイングを始めると振り遅れるのではないかと思われる方は多くいるかもしれませんが、それくらいの方がタイミングが取れます。

「相手の打球の瞬間」と「自分のタメ(腹をへこます)」

が同時で、

「自コートにバウンドした瞬間」と「自分のスイングのスタート」

が同時になるようにするというのがいいらしい。それをやや強調して示したのが上の動画のようだ。

-----------

自分の打球タイミングを反省してみると、私は次のようにタイミングを取っていると思われる。

バウンドの軌道
上のような軌道のボールを打つタイミングを取るために以下のようにイメージしてみる。

バウンドの軌道3
ボールが自コートでバウンドすると、現実のボールは台の上に跳ね上がるが、そのボールが台をすり抜けて下に潜り、それから重力に反して上に「落ちていく」と考えるのである。中年にはグラディウス4面の逆火山をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれない。


当時、復活不可能と言われた3周目以降の逆火山の復活パターン


バウンドの軌道2
その台をすり抜けてボールが上に「落ちていく」軌道にラケットを合わせて、弧を描いてラケットを振り上げ、台上のボールと出会うところが打球タイミングと考えると伝えやすいと思う。


こちらはタイミングの取り方というより、ボールと身体の位置関係を教えてくれる

このようにタイミングを取れば、ある程度までのスピード・回転のボールには対応できると思われる。


世間でよくツッツキは大切だと言われるが、どういう場面でどういうふうに大切なのだろうか。

レベルによって重要性が異なると思うのだが、私のレベルでの経験談をお話ししたい。

格上のペン表の人とゲーム練習をしたときのことである。相手のスピードに全くついていけず、こちらからはほとんど攻めさせてもらえなかった。
ショートサーブを出せば、深くフリックされて詰まったところをスマッシュ一閃。バック側にロングサーブを出しても非常に早い打点でこちらのフォア側にプッシュされる。こちらは十分なバックスイングをとる時間がとれないので合わせるような返球しかできないため、それをスマッシュで狙われてしまう。
このバックプッシュの早さは異常である。
シャンシャオナ
ペン表の強い人、シャン・シャオナ選手

シェークの人や裏面のバックドライブは比較的ゆっくり返ってくるので、こちらも対処のしようがあるが、バウンド直後の打点を捉える速いナックル気味のバックプッシュには完全にお手上げである。表には下回転のロングサーブが効くと言われるので、下回転のロングサーブをバックに出してみるのだが、乗っけ打ちのような速いボールがストレートに来て、これも強く打つのが難しい(下の動画によると、外から弾くミート打ちらしい)。たとえそこそこの力でドライブを打ったところで、待ち構えているスマッシュやナックルプッシュの餌食である。

ちょうどタイムリーな動画があった

打点のスピードに圧倒的な差があるのが問題だった。なんとか相手のスピードに対応できるよう、こちらもできるだけ早い打点で厳しい返球をしようとがんばってみたのだが、ミスが多くなり、簡単に試合に負けてしまった。

もう1試合させてもらったのだが、今度は開き直って相手のスピードに逆行するようなゆっくりしたプレーを心がけた。相手のロングサーブに対して裏面ドライブではなく、ツッツキ。相手がそこそこの強打をしてきたら、中陣まで下がって回転量重視の遅いドライブ。こちらはショートサーブ主体で先に攻めずツッツキやストップで粘り、できるだけ相手に先に打たせるようにした。先に打たせるといっても、もちろん決定打ではなく、持ち上げさせるようなボールをである。

そうすると、不思議なことに相手の動きが悪くなり、私が攻撃する機会も増えてきたのである。

なるほど。はじめに私はなんとかして自分の打点を早くして、相手の土俵で戦おうとしていたのだが、そうすればするほど相手の思うツボだったのである。前陣でパシパシ打ち合ったら、ペン表の人に敵うわけがない。そうではなく、相手を自分のリズムに引き込む戦術が有効だったのである。

結局フルセットでその人に負けてしまったが、いろいろ勉強になった。自分のリズムを崩さず、ゆっくりした台上の展開から、軽く打たせて、こちらのドライブ強打というのが私のスタイルのようである。相手によって対応は違うだろうが、自分よりも早いリズムの人と戦う場合はツッツキを多用して、試合の流れにいわばブレーキを掛けるような戦術をとったほうがいいようだ。

ツッツキがどのように有効かというのは、人によって違うと思うが、相手が打ち合いの得意な人なら、打ち合いに持っていったら自分が不利になる。私の場合、打ち合いの展開にさせないためにツッツキが有効だった。

このページのトップヘ