しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2020年02月

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回転軸の転換

この動画、すごくないですか?

 
「ユージくんの3球目が強い理由はここにあり!」

ジャイロ回転

私は今まで

「あのボールは下回転が強い横下回転だ」
  とか
「ナックルっぽい横回転だな」
  とか、

そんなふうに上下回転(横軸)と左右回転(縦軸)の2つのパラメータだけでボールの回転を考えていたが、ジャイロ回転(前後軸)というものが実際には試合中の至るところで発生しているはずである。その回転軸の変化をうまく捉えて回転を利用したショットが打てれば、より安定した強打が打てるようになるし(夢の「台上ドライブ強打」とか)、不可思議な凡ミスも減るはずである。

そう考えると、これは私の回転の理解に対するコペルニクス的転回だと言える。今まで2つのパラメータで判断していた回転が、前後軸を加えた3つのパラメータで処理できることになるのだから。

ユージくんはクロスへの順横回転サーブをストレートにストップされたときに軸の転換が起こるという1例を示してくれたが、他にもいろいろあるに違いない。この例で思い出したのは、以下の動画である。



WRMのxia氏がTTCタカハシの濱ちゃんと練習している動画である。
ダブルストップ

順横回転を出し、相手がストップしてきたところをダブルストップすると、なぜか上回転になっていて、ボールを浮かせてしまうというテクニックである。これも回転軸の転換が起こっていると思われる。

軸の転換はどのようなきっかけで起こるのか?

おそらく縦軸(横回転サーブ)に対して横軸(ストップ)をぶつけたときに軸の転換が起こるのだと思われる。ただし鋭いツッツキで回転を下回転に上書きされてしまった場合はこの転換は機能しない。ということは上回転のラリー中には軸の転換が起こりにくく、台上の横回転系のボールに対して起こりやすいということである。反対に相手が横軸(下回転)のボールを打ってきたときは、縦軸(横回転)系の返球をすると軸の転換を引き起こすことができるのだと思われる。

このように軸の転換を自在に操り、相手の返球を惑わしたり、自分の攻撃に結びつけることができれば、自分の卓球のレベルを一歩前進させることができるだろう。

卓球とアイドル

「私もついにテレビデビューしたんですよ。」

2020年全日本卓球選手権決勝のyoutube動画を職場の同僚に見せながらおどけてみた。

「え!?ホント?どれどれ。これが張本くんですよね。じゃあ、相手がしろのさん?」

「ほら、ここ見てくださいよ。観客席の上の方に私が映ってるでしょ?」

--------

上の会話から分かるように同僚はまったく卓球を知らない人だったが、人間のできた方だったので、私の、さして興味のない卓球話にも乗ってきてくれた。

「そういえば、あの強い女の子、どうなったんですか?ミ、ミ…。」

「あぁ、伊藤美誠は残念ながら準決勝で負けちゃったんですよ。今年は早田ひなっていう子が優勝したんです。」

「もうひとり、強い女の子がいましたよね?ミ、ミ…。」

「あぁ、平野美宇はランク入り――つまりベスト16にも残れませんでしたよ。」

「次から次へと強い選手が出てくるんですね。ひなちゃんはいくつなんですか?」

「伊藤美誠や平野美宇と同い年です。伊藤美誠は中国の一軍にもときどき勝てるぐらい実力があるんですが、早田ひなが今、日本で一番強いかもしれません。」

hina優勝

「この子がひなちゃん?顔、ちっちゃ。なんだかアイドルみたい。佳純ちゃんもきれいでしょ?卓球選手ってきれいな子が多いんですね。」

kasumi skII

「言われてみればそうかもしれませんね。準決勝で石川佳純に敗れた橋本帆乃香って子も何気に美人ですし。」

honoka
最近その美脚に注目が集まっている気がする…

「テニスの強い女子って、もっとゴツい感じで卓球みたいな女の子らしい人がぜんぜんいないんですよ。」

「あぁ…テニスはボールが重いから、卓球よりもずっと筋力が要求されますもんね。」

-------------

こんな会話をしていて、もしかしたら卓球女子選手って一般人にもアピールできる可能性を秘めているのではないかと思うようになった。世の中には「推し」のためにわざわざ新幹線に乗ってコンサートやイベントに駆けつけるファンがいると聞く。卓球選手ももっと露出を増やして一般層の目に触れれば、「ひな推し」だの「ほのか推し」だのといった非卓球人のファンがTリーグに詰めかけたりしないだろうか?

アイドルから学んだ19歳の意外な思考回路」というネットの記事で平野美宇選手がアイドルが支持されるための戦術を卓球にも援用したいといった発言をしているが、卓球選手もトークが上手で愛される人柄であれば、注目されるようになり、最近伸び悩んでいる卓球人気が再び上昇するのではないか…

…などと一瞬思ったりもしたが、そんなわけないか。やっぱり卓球選手は強くてなんぼである。国際試合でも大いに活躍できる実力がなければ、いくらおしゃべりが上手で美人でもテレビなどへの出演依頼も来ないし、一般層は興味を持ってくれない。とはいうものの、卓球女子選手の美しさを多くの非卓球人に知ってほしいものである。

なお、私はアイドルとかには全く興味がない。

威力と早さのジレンマ――フォア打ちで練習する

最近、戻りの早さ(前記事「もう一つの戻り」)を心がけてプレーしているおかげで、格上の人との対戦でもそこそこ善戦できるようになってきたと感じている。しかし、その一方で全力でドライブを打つことができなくなってきた。いや、打とうと思えば打てるのだが、しっかりバックスイングを取って下半身を使ってドライブを打つと、相手の早さについていけなくなるのである。私はフォアドライブの威力はまぁまぁだと自負していたのだが、それが打てないとなると、自分の持ち味がなくなるのではないかと残念に思っている。

格上の相手に対して全力のフォアドライブを打とうとしても、そうそう打たせてもらえない。相手はチャッチャカ台上で早い打点で返球してくるので、しっかり体を使って打つためには、時間的な余裕が必要で、素早くボールの到達点で待ち構えていなければならないが、そんな素早いフットワークはあいにく持ち合わせていないので、詰まりながら、頂点を過ぎた打点で打つことになってしまう。そんな中途半端なドライブを打ったところで、相手は余裕をもって十分な姿勢でブロックしてくるので、決定打になることは少ない。コースを突いたり、連続ドライブ強打が打てればいいのだが、残念ながら私には無理である。格上の人と対戦するときは、ドライブ強打はほぼ打てないものあきらめて、封印しなければならない。

一方、ドライブ強打ではなく、相手の早さに対抗して、こちらも前陣であまり動かず、早い打点で軽打――相手からのボールに合わせて小さく振るようなショットを連打したほうがいい展開になることが多い。早さに加えて威力のあるショットが打てれば最高なのだが、私のレベルでは無理である。早さを求めれば、威力を犠牲にしなければならなず、威力を求めれば早さを犠牲にしなければならない。

周りを見てみると、早さと威力が両立できている人はごくまれである。全国大会などに出るような人は早い中にもドライブ強打を織り込むことができるが、フットワークに過大な負担がかかるそんなプレーは中級者には無理である。

私の周りには威力を志向している人のほうが多いように感じる。若い人で練習の時にはものすごいドライブ強打を打っている人が、試合になると、ツッツキやミート打ち、カウンターの上手いオジサンに翻弄されているのをよく見かける。オジサンは台から下がって腰の入ったドライブなどめったに打たない。若い人はドライブ強打が打てそうな、ゆっくりしたツッツキのようなボールを待っているが、オジサンは前陣の早い打点でパシパシとさばいて若者にドライブ強打を打たせる隙を与えないのである。

それを考えると、前陣にいて大きく動かず

早さ>威力

という優先順位でプレーするのが中級者のレベルでは強いのではないかと思う。

早さと威力とは相反するベクトルを持っているので、両立するのは難しい。大きく動けない私のようなプレーヤーは威力の方は諦めて、早さに磨きをかけるしかない。

そんなときに思い出したのが鹿南8の神山氏の下の動画である。



フォア打ち、バック打ちのとき、氏が気をつけている点について述べている。

1.上下に動かないようにする
2.打球のコントロール(方向や深さ、高さ、回転量)をチェックする
3.ラケット面のボールが当たる位置をチェックする
4.視野を広げて(相手や台の全体を見ながら)打てるようにする。

なるほど、私も練習のはじめにフォア打ちを5分ほどするが、どのぐらいの力で打てば、どのぐらいボールが飛ぶかといった感覚の確認しかしていなかった。いろいろ確認しながらフォア打ちをすれば、その日のプレーが良くなるのかもしれない。たかがフォア打ちとあなどっていてはいけない。フォア打ちにもいろいろ意味を持たせないと。

これまで私はフォア打ちというのは時間の無駄なので、できるだけ早く済ませたいと思っていた。実際の試合なら、3球ほどフォア打ちをしてすぐ試合である。フォア打ちに5分も10分も時間を割くのは時間の無駄だ…と思っていたが、果たしてそうなのだろうか?

たとえば、私は低い姿勢でいると、腰が痛くなるので、つい姿勢が高くなってしまうが、姿勢を低くする練習というのはあるのだろうか?
あるいはフォアハンドを打つときに重心を常に右から左に移す練習というのは、いつやればいいのだろうか?
ボールと体の距離や打点を常に一定にして打球できるようにする練習や、打球時に体幹から力を発生させて、それを腕に伝えるようにする練習は?

試合に近いオール形式の練習だと、どこにボールが来るか分からない中でさまざまな球質に対応しなければならないので、姿勢だの、体幹だの、下半身だのを意識する余裕がない。一方、フォア打ちという最も単純な練習なら、自分の身体の使い方だけに意識を集中することができる。ワンコースでドライブ対ブロックのような練習でもいいと思うが、フォア打ちのほうが実戦の早いピッチのプレーに感覚が近い(おそらくレベルの高い人はこれにフットワークを組み込んだ練習をするのだろう)。フォア打ちというのはボールを打って飛ばす練習というより、身体の細かい使い方の練習だと考えたほうがいいように思う。こういう練習を繰り返すことでふだん鍛えられない身体を上手に使った打球が身につき、ひいてはそれが威力の向上にもつながるのではないだろうか。
フォア打ち
フォアハンドがスゴイ!有延大夢選手のフォア打ち。
https://www.youtube.com/watch?v=19La4CjbnRs&t=57s

威力を志向するというのは、何も中陣に下がって大きなスイングで全力強打することだけでなく、前陣でコンパクトなスイングの中にもキレのあるショットを打つことも含まれるのではないか。そのようなキレのあるショットを打つためにフォア打ち等の基本練習で身体の上手な使い方を身につけるのが有効だと思われる。

威力と早さとは両立し難いと考えていたが、身体を効率的に使えば、早い中にもそこそこの威力のある打球ができるような気がしてきた。


セカセカしない――卓球の女性比率を考える

卓球の女性比率はいびつである。
社会人のクラブでは男女比率が8:2とか、9:1とか、ひどいときは全員男というところもある。なんとかこの比率を是正したいと常々思っている。

中学の部活のときは、女性比率が極端に低いとは必ずしも言えない。男女比は6:4ぐらいではないだろうか。それが高校・大学と進むにつれて男女比はどんどん開いてゆく。

以下のデータはネットで10分ほど探して見つけたもので、いいかげんなものである。どのような意図でどのような対象に調査したものか、きちんと確認していない。目安程度に考えていただきたい。


H29

運動部活等に関する実態調査報告書」によれば、中学卓球部の男女比は17.5:12.0である。大雑把に言えば5.9:4.1と言えるだろう。それが高校卓球部の男女比になると11.1:5.7となり、その差は広がっている。大雑把に言えば、6.6:3.4。
なお、卓球のライバル、バドミントンでは中学の男女比は14.8:18.3で、高校の男女比は14.3:12.3である。大雑把にいうと、それぞれ4.4:5.4と5.4:4.7である(小数点以下は適当に四捨五入)。

参考までに別のデータ(孫引きだが)にもあたってみた。「にいがたの地域活性化を応援するブログ」によると、H30年の卓球部男女比は
中学で158475人:99677人。大雑把に言うと、6:4
高校で53430人:22680人。大雑把に言うと、7:3

中学6:4 → 高校7:3(あるいは6.6:3.4)

のように男女比の差が広がっている。

大学の卓球部の人数のデータが見つからなかったので、それっぽいデータを挙げてみる。
第72回東北学生卓球選手権大会組み合わせを見ると、男子シングルスのエントリー232名、女子シングルスのエントリーが72名。大雑把に言うと75:25。
全日学(第86回全日本大学総合卓球選手権大会)関西予選のエントリーを見ると、男子シングルス386名、女子シングルス168名となっている。大雑把に言うと、70:30。
関東予選では男子シングルス551名、女子シングルス197名。大雑把に言うと74:26。

高校の部活の男女比率よりもやや進んでいると想像される。

これが社会人になると、20代~30代の女性で卓球をやっている人はガクンと減るように感じる。8:2、あるいは9:1…。どうして女性は卓球から離れていくのか。

職場の女性(中学時代卓球部所属)に話を聞いてみた。

「未経験者は娯楽としてのピンポンでも楽しめるかもしれないけれど、ある程度経験があると、ピンポンでは物足りない。だからといってフットワークを多用するような競技卓球にはついていけない。そこそこラリーが続いて、体を動かしたという達成感が欲しいけれど、社会人の卓球では『身体を動かした』という達成感を得にくい」

という意見だった。この意見がどの程度女性全体の意見を代表しているのか分からないが、テニスやバドミントンと比べて卓球には足をしっかり動かして移動する要素や大きくスイングして上半身を動かす要素が足りないのかもしれない。

いやいや、フォア側、バック側に交互にボールを送ってオールフォアで打球するようなフットワーク練習は、移動要素満載じゃないか、という反論があるかもしれないが、卓球でそれをやると、ボールが早すぎて、全力で走り回らなければならない。スイングを大きくして力いっぱい打てば、なおさら返ってくるボールが早くなる。

喩えて言えば、大人になって、運動不足解消の手段としてジョギングやトレッキングなどに取り組む人は多いが、100m走や400m走は遠慮したいという心理に似ているのではないだろうか。カットマンに憧れる女性が多いのも同じ理由かもしれない。

そういう必死に取り組むスポーツじゃなくて、テニスやバドミントンのように娯楽としてゆっくりしたプレーをする場合でも、そこそこ身体が動かせるというのを若い女性は求めているのだと思われる(もちろん、競技としてのテニスやバドミントンの運動量は卓球にまさるとも劣らないと思うが)

卓球から若い女性が離れていく原因を私なりに推量してみると、卓球はプレーが忙しすぎるという理由ではないかと思う。卓球も、あまりセカセカしないで、身体を動かす達成感が感じられるような工夫が必要だと思われる。せっかくラージボールがあるのだから、若い女性にもっとアピールしてほしいと思う。


もう一つの「戻り」――岡田崚選手の卓球論から

ツッツキの練習を続けていて、気づいたことがある。

私のプレーの中で、ツッツキのあとの戻りが最も遅いということである。それに気づかせてくれたのが下の動画である。


MurajiLab. feat岡田選手 6限目 戻るってどういうこと?

「戻り」とは何か?

そのような問いかけから始まるこの動画は、私にとって多くのことを教えてくれた。
打法を説く動画はたくさんあるが、これほど卓球の本質に迫った動画というのは多くないように思う。

岡田選手は自分の打球が相手コートにバウンドしたときには自分は「ニュートラル」の状態になければならないとする。岡田選手は「ニュートラル」と「戻る」を定義し直しており、その定義は難しくて、動画を一度見ただけではなかなか頭に入ってこなかった。

戻りというと、一般的?には体の前に両手を待機させ、すぐに次の動作に移れる状態のことだと思われるが、岡田選手は異なる視点で戻りをとらえなおす。

一般的な「戻り」
一般的に考えられている1打球後の「戻り」の状態

自分の打球から、次の打球までを岡田選手の定義で考えると以下のようになると思われる。( )内は従来の定義。

「フォワードスイング」
→「インパクト」
→「フォロースルー」
→「ニュートラル」(戻りの途中)
→「ニュートラル」(戻り完了・上の写真の状態)
→「ニュートラル」(バックスイング)
→「戻り」完了(バックスイング完了)
→「次の自分のフォワードスイング」

「ニュートラル」というのは、従来の定義で言う、戻りやバックスイングなどを含む概念である。
「ニュートラル」とは、意識が自分の打球から解放されている状態――いつでもフォアかバックに引ける状態ということなので、おそらく「フォワードスイング→インパクト→フォロースルー」以外の全ての状態を指していると思われる。打球(インパクト)というのは一瞬なので、より単純化すれば卓球のスイングというのは

「フォワードスイング+フォロースルー(含インパクト)」/「ニュートラル」

の2つの相に分かれると考えたほうがよい。

「フォワードスイング+フォロースルー」中は、意識がそれに集中していて、他のことができないのに対して「ニュートラル」のときは、フォアにもバックにも意識が対応できるので、時間がある程度長くても大丈夫である。ただ、いつまでも「ニュートラル」の状態に留まっているのは危険である。

相手がスピードの遅いループドライブを打ってきた場面を想像してみよう。

自分が打球して、フォロースルーを終えて、すぐに「ニュートラル」の状態に入ったとする。相手は打点を落としてゆっくりしたループドライブをフォア側に打ってきた。それを察するとすぐにこちらはフォアでブロックやカウンターを打つ姿勢に入り、バックスイングを引き、「戻り」が完了する。

このように相手の打球が遅い場合は「ニュートラル」の状態でしばらく待つことになる。が、相手のボールがどこに来るかがほぼ特定できたなら、速やかに「戻り」(バックスイングを引いていつでも打球できる状態)に移らなければならない。

岡田選手は下の体勢で戻りが完了していると考える人が多いと指摘している。
一般的な「戻り」

この姿勢のまま「もう安心」と相手からのボールを待ってしまうと、時間を大きくロスすることになる。相手のボールを待つなら、この状態からさらにバックスイングを引いて、いつでも打球できる「戻り」を完了させておかなければならない。

岡田選手の卓球理論は、ボールが相手コートに着地する時点までには「ニュートラル」でいなければならないという明確な基準を示してくれたことで、一般層のプレーヤーにとって非常に有益であると思われる。

なぜ有益かというと、この理論を使えば、自分がどこで間に合っていないかが分かるからである。

多くの初中級者は戻りが遅い。しかしどのへんで時間をロスしているかというのは自分ではなかなか気づかないものだ。私の場合は自分の打球が相手コートにバウンドした音を聞いてから、俄に我に返ったように動き始めるが、それではいけない。自分の打球の音を聞く前にフォロースルーから意識が自由になっていなければならない。さらにその意識の自由に甘んじているだけでなく、相手の打球に応じて速やかに「戻り」に移らなければならない。前記事「キュー(CUE)」で私は相手のボールが自コートにバウンドしてからバックスイングを引く癖があると述べたが、これを岡田氏の理論に当てはめると「ニュートラル」のまま安心してしまい、「戻り」に入るのが遅れているということだったのである。

なお、『卓球王国』20年2月号の中澤鋭氏の連載「「脱・手打ち」のスイング改造術」では、「戻り」を、打球後に重心が左右のどちらにも偏らず、身体の中心にある状態と定義している。こちらも非常に有益な連載なので、一読を勧めたい。



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