しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2019年09月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
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動作の楽しみ――台に着かない練習

フットワーク練習がしたい。
卓球上達に欠かせないと言われるフットワーク練習。まだほとんど続かないが、数か月も取り組めば、きっと20~30往復ぐらいラリーが続くようになるに違いない。そしてそのころには体の動きが俊敏になり、卓球も大いに上達していることだろう。しかし、フットワーク練習には上手にブロックしてくれる練習相手が必要である。台の2/3の3点にブロックできちっとボールを回せる人は私の周りにはあまり多くない…。
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前記事「卓球の番組小学校」のことを思い出して、ふと

「そういえば、山中教子さんも京都のご出身だったなぁ。どこの小学校だったのだろう」

と気になって、『卓球王国』18年12月号を引っ張り出してきた。この号の「伝説のプレーヤーたち」で山中氏が取り上げられていたのだ。

yamanaka noriko
当時、美人選手として有名だった山中氏

上京区の室町小学校のご出身だということが分かった。室町小学校は上京第六番組、第七番組、第十三番組を起源に持つらしい。同志社大学を少し北に上がった辺りだ。

なんとなく山中氏の記事を読み進めていく。その後、御所の西にある上京中学に進学し、卓球部に入部したという。中学の顧問の先生は厳しく、新入生は球拾いばかり。拾ったボールを先輩に渡すやり方がまずいと、野球のノックのように球拾いの練習までさせられた。

しかし、それから山中は少しずつ、ボールを拾っては先輩たちにタイミング良く、さっとボールを渡すのが楽しくなってきた。

退屈なボール拾いにも、動作の楽しみを見出すその感性。

「動作の楽しみ」…。そうか!体を動かすというのは楽しいことだったんだなぁ。

目からうろこが落ちる思いだった。
私はランニングとか、ウェイトトレーニングとかが大嫌いである。なぜなら退屈だからである。一方で台に着いてボールを打つ練習は大好きである。なぜなら楽しいからである。しかし、よく考えてみると、台に着かない練習というのは楽しくないのだろうか。ランニングだって足だけでなく、腕も腰も動かす。それは卓球の動きにも重なるものである。台に着いてボールを打っているとき、私は足をどれだけ動かしているというのか。上半身を動かすばかりで下半身は申し訳程度にしか動かしていないではないか。「フットワーク練習がなかなかできない」などと、かこっているが、ボールを打ちながら足を動かすのは楽しいけれど、ボールを打たないで足を動かすのは退屈だというのだろうか。どちらも「動作の楽しみ」という点からみれば、大差ない。自分の思った通りに素早く、無駄なく、体の各部を有機的に動かすことが退屈なわけがない。そう考えると、日常の動作でも楽しくなってくる。

テーブルの端にある醤油を取って席に戻ってくるのだって、考えようによっては楽しいことである。駅まで歩くのだって、階段を上るのだって楽しい。すべての動作に卓球の動きをイメージして、重ねてみれば、日常の単純な動作でも楽しくなってくるではないか。

「だって卓球って、そんなに複雑じゃないでしょう。単調ではないけれど、複雑ではない。ちゃんとボールのところまで体を運んで、タイミングを合わせて、しっかり入るように自分の体で打てばいい」

スイングの角度がどうとか、体重移動がどうとか、それ以前に「ボールのところまで体を運」ぶというのが私にはできていない。そして体を運ぶという動作はランニングの中に豊かに含まれている。またウェイトトレーニングの中にはボールを「体で打」つという動作が含まれている。

ボールを拾いに行くのだって立派な練習だ。最近はボールを豊富に使い、いちいちボールを取りに行くことは少ないが、ボールを拾いにいく動作はフットワーク練習に重なるものがある。めんどくさいと思いながら、だらだらと拾いに行くのではなく、フットワーク練習だと思ってボールを拾いに行けば、それも楽しみになる。

山中は近所の堀川通りをランニングするときの姿勢でさえ、前へ無駄なく進みながら故障をしない走り方を研究し、「きれいに走る」ことを心がけた。プレーするうえでは、より早く、もっと強く、自分の体がよく動いて、そこにラケットを持たせたら良いボールが出る。体の使い方を工夫することは、山中にとっては勝利以上に魅力的なものだった。

そういえば、以前「常住卓球」という記事でも同じような主張をしたことを思い出した。が、大切なことなので繰り返し記しておきたい。

安定したツッツキ

5往復にも及ぶ激しいラリーを制し、ようやく1点とったかと思うと、次のポイントは、わずか2球目でこちらのレシーブミス。

なんだかむなしくなってくる。さっきの目の覚めるようなラリーで獲った1点は一体何だったんだ…。それも相手のサーブの質が高かったわけでもない。単純な下回転サーブだったのだが、私が想定したよりも少しだけ回転量が多かったためにツッツキをネットにひっかけてしまったのである。

こういう経験から、ツッツキの安定性について考えるようになった。いくら切れていても、安定しなければツッツキの意味がない。ある程度の回転量の幅があっても、そこそこの低さで安定して返せるツッツキというのはないものだろうか。



やっすん氏はツッツキには2つの感覚があるという。一つは前に押す速いツッツキ、一つは上に飛ばす遅いツッツキ。

前者は低く鋭くなるが、ミスが多くなる。逆に後者は時にはかなり浮いてしまうが安定性が高い。ツッツキは後者の感覚で打つのがいいのかもしれない。

また、次のような考え方もある。

下の動画はカットの安定性を高めることを解説した動画だが、ツッツキとカットには共通点が多い。カットが安定するなら、ツッツキも安定するはずである。



上の動画でオカピー氏は次のように説く。

(カットせず)ただ当てるだけでもボールは入る。だから、ボールを飛ばすことは考えず、回転のことだけに集中すれば安定するのだと。

当てたら入る

前に飛ばさない

つまり、オカピー氏の言いたいことはこうである。

「カットが安定しないのは、前へ飛ばそうとする意識と、回転をかけようとする意識の、2つの意識でカットするためだ」と。

2つの意識を持ちながら打球すれば、どちらもおろそかになる。ある程度角度を合わせて当てれば、それだけで入るのだから、前へ飛ばそうする意識は捨てて、回転のコントロールだけに集中すべきだと。

そのためには厚く当てるということが前提条件となってくる。厚くしっかり当てて、とりあえずそのままでも入るという状態を作っておいて、回転をコントロールするという作業に集中するわけである。

私もツッツキの際、つい低く鋭く返そうとして、薄く切りがちである。そうではなく、とりあえず厚く当てておき、ネットにかからないような角度を作ることだけに集中し、余裕があれば少し回転もかけてみる。そのようにすれば、ミスが減るのではないか。

最近見たアジア選手権2019での許昕選手のプレー。

決勝から。

掘るツッツキ1

掘るツッツキ2

掘るツッツキ3
 
許昕選手はラケットをシャベル(関西ならスコップ)のように使って、ボールの底のほうをこすっているように見える。



3ゲーム目後半からの連続写真。
掘る

掘る4

掘る3

掘る4
ちょっと分かりにくいが下から上にラケットを持ち上げている。

全てのツッツキがこのようにしゃくりあげるようなスイングというわけではない。
張本選手の下回転サーブは相当切れているはずだが、全くミスなくつっつけるのは、もしかしたらこの「しゃくる」ようなスイングが効いているのかもしれない。

あまりまとまらなかったが、上の3つの考え方をいろいろ試していけば、安定したツッツキにたどり着けるかもしれない。




 

卓球の「番組小学校」

明治2年、京都に全国初の「小学校」が誕生した。

番組
地域のコミュニティーセンターであるだけでなく、
火の見やぐらとしての役割も果たしていたらしい


もちろん、江戸時代から寺子屋や藩校といった教育機関もあったが、身分や貧富を問わず通える(通わなければならない?)大規模な「学校」というのは日本で初めてだったようだ。

小学課業表」というカリキュラムをみると、四書五経、日本外史、万国公法、真政大意といった、いかめしい科目が並んでいて、封建時代が終わって間もない庶民の子供がどこまで理解できたのかわからないが、とにかく世の中にはこういうありがたい本や考え方があるということぐらいは知ることができたはずである。

お上に頼らず、地域の全ての住民が出資(竈代として1戸につき現在の数千円を出し合った)して作った小学校であることから、京都市民はこの小学校を地方自治の観点から誇りに思っている(ただし、今では大半の小学校が閉校・合併されている)。京都の中心部を64の「番組」という区域に分けて、それぞれの番組に小学校が作られた。例えば湯川秀樹が卒業した京極小学校(上大組28番組と29番組で合同設立)は、御所の東に作られ、現在も残っている。その後、明治政府が全国に学制を敷き、小学校を作り始めたのは、その3年後だったという。(KYOTO SIDE より)

小学校という、地域に欠かせないインフラを政府に先駆けて、市民が自腹まで切って作ることができたのはどうしてだろうか。おそらく今では考えられないほど地域の絆が強く、地域の一体感や危機意識も強かったのだろう。近所付き合いも希薄で、地域のことは人任せで誰かがやってくれるだろうという現代の風潮とは隔世の感がある。最近、京都市が「レジエント・シティー」とかいうのに選ばれたらしいが、その決め手となったのは京都市の地域の伝統と絆の強さだと聞いたことがある。

京都は近世まで学問の中心であり、教えられる人がいて、学びたい人がいて、学ぶことは正義だという考え方があったので町衆(市民)は自腹を切ってでも小学校を作ろうと考えたのだろう。

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最近、世間の卓球に対する関心が低下しているように感じる。
去年はネットのニュースで卓球の記事をよく見かけたものだ。世界選手権はもちろん、ワールドツアーのレギュラーイベント、チャレンジシリーズでも、日本人選手が優勝したり、中国選手に迫ったりすれば、ニュースに取り上げられていたが、現在、開催中のアジア選手権2019インドネシアについてのニュースを全く見ない。卓球ブームはもう終わりかけているのだろうか。

私は別に卓球が世間で話題にならなくても困らないが、卓球界にお金が入らなくなって、卓球イベントが開催されなくなったり、卓球メーカーがつぶれたり、卓球場や卓球教室が廃業するとなると、非常に困る。今のところ、東京や大阪での卓球業界はそこそこ利益が出ているのかもしれないが、地方の卓球場や卓球教室の経営は赤字を出さないだけで精いっぱいなのではないかと思う(前記事「オジサンの夢」「卓球教室経営」)。卓球場がつぶれて、卓球をしたいときにできる場所がないというのは絶対に困る。社会人がいつでも卓球できる環境というのはどうしても必要なインフラである。地域のクラブがあるじゃないかという人もいるかもしれないが、週に1~2回しかないし、2時間程度しか使えない。しかも幅広いレベルの人と打たなければならない。初心者やムチャ打ちでミスばかりして、みんなに敬遠されている人とも打たなければならず、自分のための練習ができるのは2時間のうち、せいぜい20~30分程度である。これで上達しろというのは無理な話である。

そこで地域の卓球人がお金を出し合って、場所を借りて指導者を雇い、練習するということはできないだろうか。教えられる(管理できる)人がいて、練習したい人もたくさんいるし、卓球の練習はもちろん正義である。指導者がレベル別に練習相手をマッチしてくれれば、自分の近いレベルの人と打てて、お互いにいい練習ができる。例えば一人あたり月に5000円出資するというのは社会人にとって無理な金額ではない。有志を20人集めれば、月に10万円になる。そのうち5万を指導者に支払い、週に1回4時間ぐらい卓球場を借りて思う存分卓球をする(社会人なので、夕方の20時~0時まで)。この時間帯を1万円で貸し切りにしてくれる卓球場は探せばありそうだ。社会人なので20人がずっと練習するわけではない。22時から参加する人もいれば、21時過ぎには満足して帰る人もいるだろう。半年に1度総会を開き、お金の使い方や指導方針を見直すこともできる。

そもそも地域の卓球協会がこのようなサービスを提供してくれればいいのだと思うが、そのような動きはなさそうだ。「お上」が動いてくれるまで待つよりも自分たちで行動したほうが早い。

でも、こんな夢をいろいろ思い描いていても、実際に行動するのは様々な困難が伴うだろう。何かいい方法はないだろうか。

ネットで私の想像したような試みを探してみたところ、近いものが見つかった。


クラウドファンディングというのを利用して寄付を募り、東京に卓球場をオープンするという試みらしい。私の考えた出資したメンバーで指導者を雇い、練習場所を確保するというのとは違うが、こちらのほうが規模が大きく、卓球場を借りるのではなく、所有するという形態は、番組小学校により近いものと言えよう。ここが地域の卓球コミュニティーセンターとなり、多くの人を巻き込んでいけば、卓球を仕事にできる人も増えていくのではないか。

さすが日本の首都である。東京にはこんな計画を行動に移してしまうような人々が存在する。

彼らの運動をモデルにして、卓球における「番組小学校」が日本各地に広まっていくことを願わずにはいられない。

【付記】
もう一つ、北海道でも同じような試みがあるようだ。
Ping T Studio


感覚を閉じる

「スッキリ」というテレビ番組で早田ひな選手が取り上げられていた。


選手のボールコントロールの良さを試す、お約束のコーナー、台上の小さな的にスマッシュでボールを当てるというコーナーがあった。

スマッシュで的当てをしながらアナウンサーがインタビューをする。

「今のはどこを狙ってる感じなんですか?」
「すべてをぼんやり見ながら打ってる…」
「割と全体でとらえて…」
「全体で。」

(実は相手とラリーしているときに見ているのは…)
「ボールは見えないので、相手のラケットの面の角度でだいたいでもう…」

ボールは見えない

ラリー中にボールを見ていない!?
しかし、考えてみると、私も台上のゆっくりした展開ではボールを見ているが、ラリー中はほとんど見ていないということに気づいた。ボールが相手のエンド(陣地)にあるときと、自分のインパクトの寸前に一瞬ボールのだいたいの位置を確認するが、それ以外はボールを見ていない…と言いたいところだが、未熟な私はついつい自分のエンドにボールがあるときでも、ボールを見てしまうことがしばしばである。プレーが順調に行っているときは、ほとんどボールを見ないでプレーしているのだが、うっかりボールを浮かせてしまうといったイレギュラーなことが起こったり、難しいボールに対する返球に自信がないときなどにはボールをじっくり見てしまい、戻りが遅れ、相手に得点されてしまう。

人間の感覚のうち、最も大きなウェイトを占めているのが視覚である。そしてその視覚が開いていることによって他の感覚が鈍くなってしまうと思われる。卓球のプレー中に視覚を完全に閉じてしまったら、プレーなどできないが、ある程度視覚の精度を低めることによって他の感覚がより開かれるのではないかと思う。

左肩痛で2軍調整中の中日・バルデスが19日、ブルペンで驚きのピッチングを披露した。 39球を投げた後に、ビックリのリクエスト。「目をつぶって投げるから」。なんと、助っ人は両目を閉じて捕手に向かって投げ始めた。「キューバで20歳ぐらいのときにコーチから習ったんだ。6、7年ぶりにやったけどね」。だが、これがストライクゾーンに面白いほど吸い込まれる。「目を閉じると、感覚が研ぎ澄まされて、フォームのチェックポイントの修正ができるんだ」。(SANSUPO.COM 16.4.19より)


「手を直接見ながら」、手を「グーパーグーパー」の要領で開いたり閉じたりしてみてください。
「いつ」「どのくらいの力で」「どれくらい」指を動かしているかを、感じてください。

次に「目を閉じて」、同じように手をグーパーしてみてください。

いかがでしょうか?
目を閉じたときの方が、筋感覚をはっきりと意識できたと思います。

視覚を使うと視覚が優先され、筋感覚は弱ってしまうのです。
言い換えると、筋感覚は普段あまり使っていない感覚なのです。

(TS.VOCAL SCHOOL「筋感覚」を体験してみよう より)


上の二つの例は「筋感覚」が鋭くなる例である。視覚を閉じることによって体の内側から体を感じることができるようになるのだと思う。卓球でも「すべてをぼんやり」見ることによって自分が体をどのように動かしているかに敏感になるのではないかと思われる。腰を回すタイミングとか、姿勢、どの筋肉に力が入っているかなどが把握でき、フォームが修正できるようになれば、上達も早まるだろう。

私の場合、視覚に充てていたリソースを一部解放したら、聴覚が敏感になった気がする。相手の打球音、バウンドする音がよく聞こえるようになった結果、打球のリズムが安定し、ミスが減ったような気がした。

視覚ばかりに頼らず、他の感覚も利用してみると、今まで気づかなかったことに気づくことが期待できる。

「エネルギーの方向」という考え方

社会人から卓球を始めた年配の女性でドライブをしっかり打てる人は少ないと思う。
もし、そのような女性に下回転に対するドライブを教えてほしいと言われたら、どのように教えればいいのだろうか。

私ならこんなふうに説明するかもしれない。

「ボールがバウンドして上がってくる途中の頂点前の打点(バウンドと同時にスイングスタート)で、ボールをしっかり引きつけて、ボールが当たる瞬間だけ力を込めて打てばいいですよ。腕の力は打球の瞬間以外は抜いておいてください。前に打つのではなく、上方向に。山なりのボールが出るように回転をかけてください。」

私は指導経験などないのだが、結果は容易に想像がつく。この説明では年配の女性が下回転打ちができるようにはならない。「頂点前」といっても、絶対に頂点を過ぎてからインパクトするだろうし、「引きつけて」といっても、ボールが十分近づく前に力を入れて、ボールを迎えに行ってしまうだろうし、「力を抜いて」というのも無理だろうし、「上方向に」と言っても、前方向にスイングするに決まっている。

年配の初心者・初級者に下回転打ちをどうやって教えればいいのか。その一つの解答がが以下の動画である。

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「(下回転打ちについて)どのように習ったことがありますかって伺ったらですね、回転がかかっているボールに対して『倍返し』…倍に回転をかけ直して入れなきゃだめだから。でもあなたは力がないので、だいぶ難しいですよと言われたらしいんですね。」

「倍返し」。この説明はよく分かる。下回転を上回転で持ち上げるには、下回転の回転するスピード以上のスイングスピードでボールを擦り上げなければならない。切れた下回転サービスやカットを持ち上げるには、かなりのスイングスピードと力が要求される。ちょっと気を抜くと、ボールをネットにかけてしまう。


「ドライブは物理的に考えると超簡単!」

だが、上の動画のオカピー氏は言う。
「猛烈に切れていても、物理的に考えれば入ります。腕力とかの力は全然関係ないです。」


角度打ちの原理
橋下徹氏に少し似ている…。

オカピー氏は物理学の考え方で下回転打ちを説明している。

エネルギーの方向   図1


垂直にしたラケットに下回転のボールが当たった時、もちろん、ボールは下に飛ぶ。しかし、真下ではなく、前下に落ちる。その落ちる角度Aと同じ角度Bを作るように下から(C)エネルギーを加えれば、軽い力でボールは水平に飛ぶのだという。

「絶対に入ります!地球上にいるかぎり」



これをマシンを使って実演したのが上の動画である。

落ちる角度

この通り、下回転のボールをラケットを垂直にして当てるとかなりの急角度で下に落ちる。

それを図1のCでボールに触って上前方向のエネルギーを意識してこすりあげると、

軽く入った

軽く打っても余裕でボールが持ち上がる。上の写真では確認しづらいが、中央右の白い線が水平気味に飛んでいくボールである。

「下回転のボールは、その回転スピードの倍のスイングスピードでこすり上げなければならない」
という方法に比べると、非常に簡単な返球方法である。

オカピー氏の下回転に対する特徴的な考え方はスイングスピードに拠らず、「エネルギーの方向」という概念を用いている点である。エネルギーの方向という考え方を応用すれば、たとえばフォアフリックが一挙に簡単な技術になる。私はフォアフリックをする時、どうやって下回転に負けないスイングスピードを生み出せばいいかと考えていたのだが、そうではなく、エネルギーの方向に気をつけて擦り上げればよかっただけなのだ。カット打ちもそうである。こちらが必死で回転をかけてスピードドライブを打てば打つほど、カットマンはキツいカットで返球してくる。そうではなく、やはりエネルギーの方向を考えて、軽くこすって、浅く落とせば次のカットも甘くなる(と思う)

ただ、このように軽く打つだけでは、単に返すだけにとどまり、得点には結びつかないかもしれない。そこで、エネルギーの方向を意識しつつ、威力を持った下回転打ちを紹介したのが以下の動画である。



「体幹を圧縮させることによって、足がフッと浮くんですよ。それに合わせて体を回転させると…全身が同じ圧力で回ってくれるので、スピードが出ます」
体感を圧縮

この動きは古武術からヒントを得たそうである。

圧縮させて回転

「体幹を圧縮する」ということを意識すれば、腕の力が抜けて、スイングスピードも速くなりそうだ。


下回転を返球するにはスイングスピードではなく、エネルギーの方向性を優先的に考えれば、卓球のさまざまな場面で応用がきき、よりミスの少ない卓球が可能になるだろう。



動画レンタル「松下大星の裏面打法」

ある晩のこと、無性に豆腐を食べたくなり、近所のスーパーを22時頃訪れた。

信吾港町

その店は豆腐をいつも88円で売っているのだが、ちょうどその日は78円になる特売日だった。すると、なんと豆腐が一丁も残っていない…。いつもは20丁ぐらい置いてあるのに、その日に限って完売だった。たった10円安いだけではないか。そんな目の色を変えて買い込むほどのことか!?

思い起こせば昭和の時代、新聞のチラシに50円引きクーポンとか100円引きクーポンとかが付いていても、恥ずかしくて使う気にはならなかった。今なら、50円引きクーポンなんてRPGのレアアイテムのように貴重なものだ。使わずに使用期限を超えてしまうなんて考えられない。時代は変わった。

そんなこんなで、来月から消費税が10%に増税されるのだという。

すわ!一大事。

9月中に卓球用具を買いだめしておかなければ。ラクザ7は実売、3450円に8%の消費税がかかって3726円。それが10月になると、3795円で、71円も高くなる。
ラケットは何かほしいのがなかったっけ? 神選手愛用の馬琳エキストラスペシャルをちょっと使ってみたいな。6555円に8%の消費税がかかって7079円。10%になったら、7211円。132円高くなる。

…しかし、100円前後高くなるからって、それがどうしたというのだ。別に無理して駆け込み購入しなくてもいいだろう。

歳を取ると、新しいラケットにラバーを貼って、気に入らなくて別のラバーを貼って…というのがとても億劫になってくる。いつものラケットに同じ銘柄のいつものラバーを貼り替えるだけで十分だ。買い物はラケット以外のものがいい。他に買っておくものはないだろうか。シューズは使っていないのが2足あるし、ウェアの類もタンスの中にいっぱいある。かばんもストックが1つあるし…。何も買いたい物がない。

そんなときに卓球王国WEBで技術DVDがネット上の動画で見られるというニュースを見た。
http://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=5&pg=HEAD&page=BACK&rpcdno=1380#1380

「松下大星の裏面打法」が1週間レンタルで500円。これは安いのか?

私は裏面でのショートに不安を抱えている。裏面ドライブも打てることは打てるが、もっと安定性を増したいし、裏面のプッシュも使えるようになりたい。ちょうど上級者の技術動画で裏面を研究したいと思っていたところなのだ。

考えてみれば、私は技術DVDをメルカリとかで1500円とかで買って「安い!」とか言っていたのだが、1週間の制限があるとは言え、たった500円というのは激安ではないか。「サービスはマジックだ(前)」を中古で1000円弱で買って、その買い物に満足したが(前記事「バイバイの動き」)、結局3回ぐらいしか観なかった。「松下大星の裏面打法」もそんなに繰り返し観ない気がする。おそらく2~3回も見れば満足し、十分もとは取れると思う。日本一高い京都の地下鉄に乗ったら、往復で500円を超えることもしばしばである。500円というのはそんなに躊躇するような金額ではないはずだ。よし、清水の舞台から飛び降りたつもりで購入してやれ!

Vimeoという動画サービスのページに行って、クレジットカードの番号とメールアドレスを記入し、会員登録する。そして「松下大星の裏面打法」をレンタルするボタンを押すだけ。1分もかからない。
DVDを4000円ぐらい出して買うよりもずっとスマートである。LiliとかWRMといった他社でもVimeoのサービスを使って今まで無料だった動画を有料にし、薄利多売で販売したら、みんなが幸せになれると思う。

動画の構成は以下の通りである。

A【グリップの解説】
B【各打法のポイント】
裏面ショート 裏面ツッツキ 裏面ブロック 裏面プッシュ 裏面カウンタープッシュ 裏面ハーフボレー 裏面前陣ドライブ 裏面カウンタードライブ 裏面3球目スピードドライブ 裏面3球目ループドライブ 深いツッツキに対する裏面ドライブ 裏面フィッシュ&裏面中陣ドライブ 裏面フリック 裏面チキータ 台上裏面バックドライブ

C【裏面チキータのよくある失敗例】
D【その他のプレー】
台上からの連携プレー 台上BDからカウンターBDの例 台上BDからFDの例 台上BDから回り込みFDの例 フォア側に回り込んでチキータ(BD)の例 ダブルスでの回り込み裏面チキータの例

E【フェイントプレー】
裏面チキータと見せかけて裏面ツッツキ 裏面チキータと見せかけて裏面ストップ 裏面チキータと見せかけて裏面サイドスピンストップ 裏面ツッツキと見せかけて裏面フリック 裏面チキータと見せかけて裏面フォア前ストップ 

F【裏面打法のスーパープレイ】
松下大星選手 加藤由行選手 宋恵佳選手 小野志保選手のプレーが合計で4分ほど。

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以下、見た感想である。

Aの【グリップ】にはたとえばこんなコメントがある。

・グリップはフォアハンドのときは指全体に力を入れる。
・バックハンドは親指と後ろの指に力を入れて、人差し指は力を抜いて添えるだけ。
松下式グリップ

このように各項目に簡単なコメントを付し、実際に打球する映像(とスロー映像)、実際の試合でのプレー映像を続ける。Bはこんな感じである。Cの「失敗例」というのは新鮮で非常に勉強になった。Eの「フェイントプレー」も実際の試合でも使えそうなので参考になった。Fの「スーパープレー」はボリュームがなさすぎて残念。個人的には加藤由行選手のプレーをもっと観たかった。



一通り、観てみて、この動画は前記事「要素構成主義を超えて」で取り上げた「表ソフトの教科書」と同じような印象を受けた。基本的には「単体の技術の実演」+「簡単なコメント」という構成が中心である。これを見て、裏面が打てるようになるかは微妙である。ある程度打てる人が参考にするという性質のものだろう。「表ソフトの教科書」は4000円ほど出して買ったので辛辣に批評してしまったが、「松下大星の裏面打法」がわずか500円で見られるなら、十分値打ちがあると思った。

以下、補足である。

・画質:パソコンのブラウザで観たら、360Pしかなかった(Vimeo有料会員ならもっと高画質で観られる?)。
・序盤に重複あり(「ツッツキ」の後で動画が切れており、もう一度初めから再生される)
・中盤に音ズレあり

【補足】190911
【裏面チキータのよくある失敗例】の部分に【その他のプレー】を含めてしまっていたので、修正した。
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