連日の猛暑で熱中症で倒れる人が続出という報道をよく耳にするが、3~40年前と比べて日本の気候はそんなにも変わってしまったのだろうか。たしかに数字の上では現在のほうが暑いのかもしれないが、私にはそういう実感があまりない。3~40年前の日本だって夏の暑さは相当なものだったと思う。おそらく昔と違ってあちこちにエアコンのある環境が当たり前になってしまったので、肌寒い部屋から急に炎天下の屋外に出るといったことを繰り返した結果、人体の体温調節機能が未発達な子供が増えているのではないだろうか。昔の子供は暑いのが当たり前の環境の中で鍛えられていたので、暑さに耐性ができていたように思う(もちろん昔も熱中症で倒れた子供はいたが)。
今年の祇園祭(前祭)も暑かった
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今日はお世話になっているNさんのお宅にうかがって、昭和の東山高校の練習についていろいろお話をうかがった。
しろの「Nさんが高校1年のときはどんな練習をしていたんですか?」
Nさん「7月までは球拾いとトレーニングしかやらんかったんや。先輩が練習してる台の後ろで中腰になってな、ボールが飛んできたら、それをサッと動いてキャッチして、すぐに先輩に渡す。キャッチし損ねたりしたら、部活が終わってから正座で説教や。それで7月までに部員の半分がやめてしもた。」
し「つまり3年生が引退するまでボールを打たせてもらえなかったということですね。」
N「そうや。厳しかったでぇ。今の高校生だったらとても続かんわ。」
し「じゃあ、夏休みになって、台でボールが打てるようになったらどんな練習をしたんですか?」
N「ずっと先輩の打つボールを止めたり、3点に回したり、先輩のサーブをつっつく役や。自分の練習なんか全くでけへん。おかげで守備がうまくなったけどな。送るボールが指定された位置から10センチもずれたらめちゃくちゃ怒られたんや。」
し「それでよくインターハイに行けましたね。」
N「守備がうまくなると、卓球が底上げされるいうんかな…。こういう技術を早い段階で身につけとかんといくら練習しても伸びへんで。」
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非常に耳の痛い話である。
私は守備技術――とりわけブロックが苦手である。
というのも、上手な人のドライブをブロックする練習をほとんどしていないからなのである。オジサンになると、周りに強烈なドライブを打ってくれる人が非常に少なくなる。しかも10分ごとに課題練習をするということになると、私はいつも攻撃系の練習を選択してしまう。試合で即効性があるのが攻撃の練習なので、つい守備の練習をおろそかにしてしまう。しかも社会人になると、上手な人はたいていこちらに合わせてこちらに練習させてくれる。上手な人が全力で攻撃して、それをこちらに止めさせるなどという場面がほとんどない。下手な人はやたらと攻撃したがるが、そういう人の攻撃は安定もしないし、威力もないのであまり守備の練習にならない。
1年生の夏から2年生の夏(3年生の引退)までの丸1年間、来る日も来る日も体力的に充実した若者の全力の攻撃をミスなく止め続け、しかも厳しいボールコントロールを要求されていたら、いやでも守備技術が上達することになるだろう。それだけ守備力が高くなれば、上手な人から練習相手を申し込まれることも増えるだろうし、結果として質の高い練習もできるようになる。私は守備が未発達なのでよく分からないが、守備が上手くなると、試合でもこちらから攻撃できるチャンスが増えてくるのではなかろうか。
社会人になって守備を徹底的に練習する機会のなんとありがたいことよ。こういう機会の豊富にある学生は幸いである。