しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2018年05月

今日は卓球ができないので、しかたなくうちで試合の鑑賞である。
香港オープンで連日熱戦が繰り広げられているが、その感想などを書いてみたいと思う。
単なるおしゃべりであり、技術的なものでもなく、オチもないことを予め断っておく。

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昨日の女子準決勝の伊藤美誠選手とワン・マンユ選手の試合がすごかった。
伊藤選手はフォア面でのスマッシュ、バック表のドライブ、チキータ、フォアサイドからのバックフリックなど多彩なプレーを披露してくれた。表でドライブをかけるというプレーが多くの表ソフトユーザーに希望を与えたのではないかと思う。

前半はワン選手が伊藤選手のプレーに全く対応できず、一方的な試合になるかと思ったらワン選手が盛り返し、最終ゲームへ。

mima smiling
苦しい場面でもコーチとのアイコンタクトで笑顔を見せる伊藤美誠選手

残念ながらゲームオール、デュースで伊藤選手は敗れてしまったが、先月は劉詩文選手を破り、昨日は若手筆頭のワン選手をここまで追い詰めるとはすごいの一言に尽きる。伊藤選手の強さはいまや中国の一軍を脅かすほどになっているのだろうか。

そして男子でも意外な展開になった。
張継科選手と吉村真晴選手との試合である。いくら衰えたとはいえ、セルボール時代には圧倒的な強さを誇った元世界チャンピオンである。先の世界卓球で代表落ちした真晴選手に勝機はあるのか?

という予想を覆し、吉村選手は強かった。大きなラリーでも張選手に打ち負けていない。中・後陣からのボールのスピードや安定感が張選手と比べても遜色なかった。

真晴選手はなんとか張選手を下し、準決勝へ。2年前のリオ・オリンピックの頃なら考えられなかったことだ。

しかし、準決勝で韓国のチョ・スンミン選手にあと一歩のところで敗れてしまう。このチョ選手というのはいろいろな大会で日本代表を苦しめている実力者である。いいところまでは行くのだが、ワールドツアーで優勝を飾ったという記憶はない。今大会ではもしかしたら優勝しそうな勢いである。

そして反対の山では吉村和弘選手が兄と同様韓国のイム・ジョンフン選手と対戦する。
和弘選手はバックハンドが強い。身体の外側に外れたボール?でもバックハンドで強く返球できる。

backside外側
こんなボールに対してもバックハンドが安定している

外側2
このバックハンドも苦しい体勢ながらよく返球した

バックハンドにロングボールを打たれて、バックハンドドライブで強打しようという場面で、ボールが目測よりも10センチほど外側に来てしまった場合、急に力が入らなくなるのは私だけだろうか。
フォアハンドなら、予想よりも10センチほど外側に逸れたボールは、少し腕を伸ばしてそこそこの力で打つことができるのだが、バックハンドではそうはいかない。振って当てるのが精いっぱいで、下手をすると振ることすらできない。体幹の幅から10センチほどインパクトの位置がバック側に出てしまうと、バックハンドが強く打てなくなってしまう。和弘選手のプレーを観て、バックハンドでしっかり打つためにはポジショニングをしっかりして、体幹の幅からインパクト位置が出ないようにしなければならないと思った。

そしてしっかりした体勢で打ったバックハンドはもちろん威力抜群である。
バック強打



フルゲームジュースに及んだこの死闘を制したのは和弘選手だった。

いよいよ決勝である。

兄、真晴選手のかたき討ちである。

ところでこのイム選手のコーチはなんとも憎めない人で、実況やカメラも気になってしかたがなかったようだ。
親子?
顔がイム選手とよく似ているので親子かもと思った

ゆらゆら
ずっとイスを前後にゆ~らゆら

ゆらゆら2
緊迫した場面でもリラックス

逆転されて
逆転されて「あらら」とばかりに笑顔

こんな様子を放映されて、「緊張感が足りん!」と協会の偉い人から叱られなければいいのだが。

そして決勝戦。

両選手ともに過度に緊張していて反応が遅れたり、凡ミスを連発したりしている。
チョ選手は弱気を振り払うかのように積極的に攻め、和弘選手は後手に回ることが多かった。

強烈なフォアドライブ
威力のあるドライブを打つチョ選手

和弘選手は自分が攻めるよりも、できるだけミスをしない卓球でチョ選手に挑んだようだ。
相手に先に攻撃させる消極的な卓球ではサンドバックになってしまいそうだが、和弘選手は単に相手に先手を取らせたのではなく、相手の打ちにくいところに鋭いツッツキを送ったり、エンドラインぎりぎりの深いボールを返球したりしてチョ選手のミスを誘ったようだ。

私も草卓球レベルで経験があるが、こういう緊張する場面ではいつもどおりのショットが全く打てない。それどころか手が震えてサーブ・レシーブも満足にできなくなったことがある。ジリ貧なので強気に無理に攻めようとしても、ミスを連発してしまう。こういうときには和弘選手がやったように、強気に攻める卓球ではなく、ミスをしない卓球をするという戦術がいいのかもしれないと思った。安定して低いツッツキやストップ、コースを突いたフリックなどが打てるように練習しなければなぁと思った。



禍福はあざなえる縄のごとし。
今大会で勝利の美酒に酔った選手が安心して伸び悩んでしまったり、勝利を逃した選手が臥薪嘗胆をした結果、東京オリンピックで好成績を残せるということもあるかもしれない。


嘆き
絶好球をミスして天を仰ぐチョ選手

運動でも勉強でも、「まず動く、そして考える」ことが大切です。そうして何度も成功や失敗をくり返しながら工夫を重ねると、きっと、自分にとって最高のものを実現できます。

勉強で「まず動く」というのが何を指すのかはっきり分からないが、運動に関しては「まず動く」というのは大切だと思われる。というのは、最近は卓球の情報が非常に多いので、動く前に考えてしまうことが多いからだ。

「考えてから動いてもいいじゃないか」

という意見もあろうかと思われるが、私も「動いてから考える」のほうがいいと思う。というのは、「動いて」の後なら疑問が生じやすいからである。初めから「正解」を知ってしまっていて、疑問がない状態で考えると、なんというか、考える幅が狭くなってしまう。

わたしが走り方を工夫し始めたきっかけは、高校生のとき、当時取り組んでいた走り方にぎもんを感じたことでした。それは、「ひざを高く上げて」「あしを思い切り後ろにける」、つまり大きな動作で走るというものです。そうすれば、速く走れるといわれていたのです。

カール・ルイス

といっても、何もない、まっさらな状態から考えるのも難しい。考える「たたき台」のようなものがあると、考えやすくなる。ここの「大きな動作で走る」というのを「大きな振りでスイングする」に置き換えれば、卓球にも通じる問題になりそうだ。

あるとき、「ひざを高く上げるような大きな動作をせずに走ったらどうなるのか。」と思いつきました。

たしかにひざを高く上げることは必要です。でも、それは地面をより強くふむために必要なのであり、ただ高く上げることに意味があるわけではないのです。同じひざを高く上げる動作でも、地面を強くふむことを意識して行うことが大切なのだと気がつきました。

卓球で小さなスイングで振ったらどうなるのだろうか。やはり威力のあるショットにはならないのだろうか。大きなスイングはボールをより強く打つために必要なのであり、ただスイングを大きくすることに意味があるわけではない。そうではなくて小さなスイングでインパクトを強くする方法があるのではないか?インパクトを強くするために本当に必要なことは何なのか。

このように、いろいろためしながら、自分に合ったあしの動かし方やうでのふり方を考えました。そうすることによって、自分にとって最高の走り方を見つけることができた気がします。人によって、ほねの長さや筋肉のつき方はちがいます。ですから、習ったことをなぞるだけでは、自分に合った走り方を身につけることはできません。何がむだか、そうでないかは自分で動いてみて発見するしかないのです。(高野進「動いて,考えて,また動く」より)

人によって体の作りが違うのだから、理論先行で、自分の体を理論に合わせるというのでは本末転倒である。自分の体に合った打ち方、自分だけにしかできない打ち方を、時には理論の助けを借りて、模索するというのでなければならない。
最近は情報が氾濫していて、自分の体がどうなっているのか、自分にとって打ちやすい打ち方は何かということをつい後回しにして、安易に理論に従ってしまいがちである。

人間は,自分の手を動かし,頬に風が当たっていろんな感じを受け,それで脳が刺激されて進化してきたんだと思います。脳が先に進化して,それからいろんなことができるようになったわけではありませんからね。(「「動いて,考えて,また動く」で伝えたいこと」)

卓球で言えば、ボールを打った感覚を確かめ、それに刺激されて考えるというプロセスが大切なのではないだろうか。一度、理論などは全て忘れ、一番自分に合った打ち方を虚心に自分の体に聞いてみたほうがいいのかなと最近思っている。

健康のために街なかを走っている人をよく見るが、ときどきうっとりするような美しい走り方をしている人をみかける。
city running

まるで「動く歩道」がその人の足元にあるのではないかと錯覚するような滑らかな動きで水平移動していく。地面反力を効果的に使って柔らかく走っている。体幹がぶれないので、ほとんど力を入れずに楽々と走っているように見える。専門的なことはよく分からないが、こういうのを「軸が通っている」というんだろうな。

correct

卓球でも「軸」の感覚について言及されることが多い。一本の棒が頭から股の間までを貫いているような意識でスイングするといいなどと聞いたことがある。今まであまり疑問に思っていなかったのだが、よく考えると分からない点が多い。

卓球における軸のイメージというのは、上の図のような細い棒のようなものだろうか。あるいはもっと太い丸太のようなものだろうか。太さのイメージが変わることによってスイングの運動も変わってくるだろう。細い棒のようなイメージよりも太い丸太のようなイメージのほうが体幹を旋回させるイメージが強くなる。グルグルとよく回りそうなイメージである。固さはどうなのだろう?ガチガチに硬くて決して曲がらないようなイメージなのか、あるいはある程度柔らかくてしなったりするイメージのほうがいいのだろうか。卓球では前傾姿勢なのだから、まっすぐの棒のイメージではなく、支点を持った棒のイメージのほうがいいのだろうか。
そもそも実在しない軸について「何が正しいか」などというのは愚問かもしれないが、イメージが鮮明であればあるほどそれを意識したときの身体の動きも鋭くなっていくだろうから、イメージもバカにできない。

身体の軸はコマの様に縦に延びる軸の感じですが、上半身の傾きにより変わる為、常に垂直ではありません。(「体幹軸とは?」)

ネットでこんな記事を見つけた。この記事によると、支点がある棒ではなく、傾く棒をイメージするといいらしい。

そして体幹軸は、単にその軸だけではなく腕全体の内旋外旋につながり、それが円運動に発展し、結果的に野球では投球フォームになりテニスではボールを打つフォームになっている訳です(^ ^)(「体幹軸の感じ方」)


あぁ、これはなんとなく分かる。しかし、軸を意識して体幹を旋回させることによって腕の旋回が生まれ、円運動に発展するなんて…夢のある話だなぁ。これぞまさに「体全体を使ったスイング」と言えるだろう。


軸ということを考えることによって身体を効率的に使うことができるようだ。


フットワークの向上にも役立つらしい。




とりとめもない内容だが、今回は以上である。


質の高いボールが打ちたい。
上級者が打つような、回転のよくかかった、伸びのある、深いドライブ。そんなドライブが打てるようになるためにフォームを変えたり、力の入るポイントを探したり、打点を変えてみたりしてきた。

質の高いボールを打つという目的がまずあって、そのために何が必要かを模索するということを今まで続けてきたように思う。しかし、もしかしたら私は根本的な間違いを犯していたのかもしれない。

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【前回】からの続き

振り遅れというと、たとえばこちらが打ったフォアドライブをカウンターされ、とんでもなく速いボールが返ってきたとき、ラケットに当てるのが精一杯…といった場面が分かりやすいだろう。誰でも

「あぁ、今のは振り遅れて返せなかったんだ」

と気づく。しかし、振り遅れという現象は、そんなに分かりやすいケースばかりではない。実際には振り遅れていても、入ってしまうことがままあり、初中級レベルでは当の本人がそれと気づかずに打っていることが非常に多いのだ。「切れ味の悪い包丁で切るような感覚」というのは、まさにこういうことなのである。

私はこのバック対オールの練習を通じて自分の振り遅れというものを自覚できるようになった。相手のラケットを見ずに、ボールだけを見て打っていたときは、来たボールに間に合わせようと必死で一打一打が力んでしまい、後味の悪い打球感になることが多かった。入ることは入ったが、ボールに振り回されている感がぬぐえなかった。それが今は、相手のラケットをモニターすることによってわずかだが時間的な余裕をもって打てるようになってきたので、力が抜けて打球感も爽快である。「ボールに打たされている」という消極的な感覚ではなく、「ボールを打っている」という積極的な感覚である。両者の感覚を比べると、同じロングボールを打っているとはとても思えないほどの違いである。

反応が遅いと、一歩が踏み出せず、体から遠い(あるいは近すぎる)位置で打球することになるし、突然、ボールを「突きつけられる」ものだから、適切なラケットの角度を作る時間もなく、とまどっているうちに頂点を逸してしまい、落ちはじめた打球点でドライブを打った結果、ネットに引っ掛けてしまっていたのである。気持ちよく入る頂点付近の打点と振り遅れて打つ打点は、ボールにしたらわずか1~2個分に思える。その5センチほどのわずかな違いが卓球にとっては致命的なのである。

下回転のボールを振り遅れて打つと、ネットにかけてしまうことが多いが、逆に上回転のボールを振り遅れてしまうと、今度はオーバーミスである。よくブロックをオーバーミスさせてしまったとき「抑えが足りなかった」「もっと面を寝かせないと」などと考えてしまいがちだが、ようするに振り遅れているから適切な角度を作る前にボールが当たってしまい、ボールをオーバーさせてしまうのである。ワンコースでドライブを相手に打ってもらえば、そうそうミスしないのに、試合の時は同じ相手の打つドライブが止められないというのは振り遅れている可能性が高い。

相手のラケットから目を離さず、相手の打つ気配を察してバックスイングをとるようになると、ドライブだけでなく、ブロックからフリック、ツッツキにいたるまであらゆる打法の安定性が高まってくる。もしかしたら、これって卓球において最も大切なことなのではないかと思えてきた。

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唐突に話は変わるが、マンガ連載でもっとも大切なことは何かと問われたら、どう答えるだろうか。

クオリティーの高い絵とユニークなテーマ、よく練られたストーリー、愛すべきキャラクター…といった答えが出てくるかもしれない。しかし、そういう高い理想よりも、もっと現実的な問題――締め切りに間に合わせることこそマンガ連載において最も大切なことだという意見にも一理あるだろう。

寺田克也

たとえば憧れのイラストレーターや作家がいて、その作品にできるだけ近づくために絵に凝ったり、情報の精度を高めたりすることは、立派なことである。

だが、それらの努力は決められた締め切りに間に合うという前提があってのことである。絵やストーリーに凝ったために原稿を落としてしまったというのでは本末転倒である。逆に締め切りに間に合わすために絵やストーリーのクオリティーを下げ、何としても締め切りに間に合わすという態度こそプロのマンガ家に求められるものではないだろうか(知った風なことを書いてしまったが、私はマンガを描いた経験など皆無である)

私はこれまで卓球で大切なことは「いかに質の高いショットを打つか」だと思っていた。たぶん私だけでなく、レベルの低い人はたいていこう思っているにちがいない。だからその目的を実現させるためにフットワークを使ったり、下半身でタメをつくったりするのだと思っていた。

しかし、もしかしたら卓球で最も大切なことは「いかに自分のインパクトを頂点に間に合わせるか」なのかもしれない。振り遅れないで、的確に頂点付近の打点をとらえるために戻りを早くして、フットワークを使い、体勢を整える。そのようにして常に高い打点を保持することができればミスは大幅に減る。それができた上で、時間的な余裕があれば、打球コースやボールの精度・威力にも意を用いるべきであって、質の高いボールを打とうとして適切な打球点を逸してしまうというのではミスを連発することになってしまう。厳しいボールが送られてきたときは、むしろ打球のクオリティーを下げ(大振りを避け)、打球点の高さを最優先する。これが初中級者に求められる卓球なのではないか。

今までは質の高いショットを打つことが目的で、そのためには打球点を落とすこともやむを得ないという態度だったが、今は高い打点で打つためにはショットの質を下げることも辞さない…というふうに私の中で考え方が変わってきた。初中級者の卓球の本質とは、もしかしたら「高い打点をつないでラリーを展開していく」ということなのではないのか…

私の考え方があらゆるシチュエーション、あらゆる層に受け入れられるとは思わない。
ループドライブのように頂点よりも低い打点が適切な場合もあるし、ストップやカウンターのようにより早い打点が有効な場合もあるだろう。全ての打法で頂点打が有効とはいえない。
また、私よりももっとレベルの高い中上級者にとっては、話はこれほど単純ではないかもしれない。
しかし、初中級者の卓球においては早く戻って高い打点に間に合わせるというのが最も優先されるべきことなのではないか。

今、私の中でパラダイムの転換が起こりつつある。

WTC-2018

口上

このGWに世界卓球がスウェーデンで開かれている。現在予選リーグが進行中である。本戦は女子が5/2から、男子が5/3から6日まで。

今大会の日本男子チームの試合は予選からかなりアツい。卓球人ならもちろん、非卓球人にもこのおもしろさを是非知ってほしいと思い、私なりに観戦ガイドを書いてみようと思った。できるだけシンプルに書きたいのだが、つい情報が多くなってしまった。

前記事「卓球の見方、楽しみ方」で非卓球人の卓球についての疑問に答えてみたので、卓球をあまり知らない方はこちらもご参照いただきたい。



世界卓球とは
正式名称は世界卓球選手権。卓球の国際大会の中で最も権威のある大会。卓球選手の多くは世界卓球かオリンピックでメダルを取ることを目標にしている人が多い。

個人戦と団体戦が交互に毎年行われ、今大会は団体戦。ダブルの試合はなく、すべてシングルの試合。国同士の対戦はシングル(3ゲーム先取)の5試合が行われ、3試合を先取した国が勝利。団体戦は各試合、5名の選手の中から3名の選手が出場できる(2名はベンチ)。組み合わせは次のようになる。

A--X
B--Y
C--Z
A--Y
B--X

AB(あるいはXY)の2名の選手が2回出場し、C(あるいはZ)の選手が1回出場する。際立って強い選手が2人いれば、残りの選手が弱くてもチームは勝てる。しかし、際立って強い選手が1人と、かなり強い選手が1人か2人というチームが多い。



各国の強さ
日本は50~60年代にかけて団体優勝を数多くなしとげたが、80~90年代に低迷。メダルに届かなくなった。しかし00年代から現在に至るまで男女ともにメダルに手が届くようになってきた。前回のクァラ・ルンプールの大会では男女ともに銀メダル。

現在の各国の強さを私なりに示すと以下のようになる(あくまで主観)。

男子
(甲)中国


(乙)日本 ドイツ 韓国
(丙)イギリス フランス 香港 台湾 
(丁)ブラジル インド ポルトガル等

中国が圧倒的に強い。次のグループに日本がつけているが、中国以外の国々はそれほど実力差がないので、コンディション次第では(丙)(丁)のグループが(乙)のグループに勝つ下剋上も十分ありうる。しかし、中国と(乙)の間にはかなり差があり、偶然が何度も重なり、運がよくないと、中国には勝てない気がする。

女子
(甲)中国

(乙)日本
(丙)香港 台湾 北朝鮮 シンガポール 
(丁)韓国 ドイツ オーストリア オランダ等

中国が強いのはもちろんだが、日本も中国の背中に手が届くような位置にいる。が、(乙)(丙)間の差もあまりないので、日本が実力を出しきれない場合は(丙)のグループに負けることもありうる。
逆に日本選手がみな調子がよく、中国選手が極度の緊張や故障などで本来の実力が出せない場合、日本が中国に勝つこともありうるのではないか。

非常に権威のある大会なので、選手はいつも以上に緊張しており、ふだんの実力が出せないこともよくある。また、今大会の水谷選手のように故障を抱えている場合もあり、例年、格下が格上を倒すケースもあるのだが、中国選手に限って言えば、大きな大会では格下の選手にめったに負けない。リオ・オリンピックで水谷選手が中国選手を破ったのは、その稀な例外である(それでも日本は1-3で中国に敗北)。運や調子が悪くても、とりあえず勝てるぐらいの実力差が中国選手とそれ以外の国の選手との間にはある。


どうやって観るか
現地に行かず、試合を観る方法としては、テレビとネットがある。ただし、ネットでは日本選手のライブ中継は行われない(Paraviというサイトでネット中継をするらしいが、有料かもしれない)。試合の翌日に録画をyoutubeで観られるのみである。結果がわかった上で観戦するのはおもしろさ半減なので、ぜひテレビで観てほしい。

テレビ東京系列(あるいはBSジャパン) 放送スケジュール

ネット上の過去の試合動画 テレビ東京卓球チャンネル

ネットの動画は数分のダイジェスト版と20~50分ほどの完全版がある。テレビ東京の動画は専門家の解説があり、分かりやすいので、オススメである。

テレビ東京が世界卓球の放映権を買っていることに対して「テレビ東京のせいでネットで生中継が観られない」と批判的な人がいるが、私は「テレビ東京のおかげでGWにテレビで卓球が観られる」という立場である。人によって意見が異なる。


出場選手
各選手についての私の個人的な見立てなので、主観が多分に含まれているが、無味乾燥なデータよりは分かりやすいと思う。なお、現在の世界ランキングは、新システムに移行した直後で、実際の実力を反映していないため、あえて記さなかった。掲載順は私の現在の評価順である。

日本代表

男子
水谷隼  選手:
28歳。総合力では世界でもトップレベル。そうそう負けないが、今大会では腰を痛めているので本来の実力が発揮できないおそれも。

張本智和 選手:
14歳。ポテンシャルは世界有数。特にバックハンドの強さに定評がある。日本では強いが、経験不足のためか世界ではときどき負ける。

丹羽孝希 選手:
23歳。サーブと前陣での早いプレーが持ち味。調子に波があり(あるいは相性で試合が左右されがちで)、格下にあっけなく負けるときもあるが、調子(あるいは相性)が良いときは大物食いをする。

松平健太 選手:
27歳。芸能人はだしのイケメン。天才的なセンスを持つが、最近はこれといった結果を残せていない。

大島祐哉 選手:
24歳。イケメン+ポテンシャル。運動能力の高さで評価が高いが、現在プレースタイルを改革中で、最近はよく負けている。

女子
石川佳純 選手:
25歳。去年は「2000年トリオ」に押されていたが、今年はより強くなったように感じる。実力と安定感は世界でもトップレベル。今大会では中国選手に勝つ可能性が一番高そう。

伊藤美誠 選手:
18歳。意外性のあるプレーを持ち味とする現在の全日本選手権保持者。今大会でも調子がよさそう。スマッシュ(こすらないで叩くショット)が得意。

平野美宇 選手:
18歳。去年の前半に全日本優勝、中国トップを3人破ってのアジア大会優勝という快挙を成し遂げたが、去年の後半は低迷。今大会では調子がよさそう。前陣での高速連続ドライブ(こすって回転をかけるショット)が得意。

早田ひな 選手:
18歳。中国選手にも対抗できるパワフルなプレーが持ち味。実力的には伊藤、平野選手よりやや劣るが、今大会では両選手に劣らないような、いいプレーを見せてくれた。「2000年トリオ」の一人。

長崎美柚 選手:
15歳。次代を担うとされている有望な選手。実力的には上の4選手より劣るため、今大会ではおそらく出場の機会はないだろう。
































…しかし、女子日本代表の顔面偏差値の高さが気になる。

busu05
ダヴィンチ・ニュース「朝起きたらブスだった」より




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