しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2017年05月

練習時間の少ない社会人にとって練習時間の確保は死活問題である。
週に2~3時間ほどしか練習できないので、その時間は集中して有意義に使いたい。

ping-pong-shadows


が、実際にボールを打つだけが練習ではない。ボールを打たない練習によって足りない練習時間を補うのは社会人に必須のスタイルである。

その最も手軽な練習が素振りである。私は今日も1時間は素振りをした。狭い自宅で?いや、天下の公道や駅の構内や職場で、である。


--------

卓球の質問」に多く質問が寄せられているが、回答もたくさん寄せられている。
私の苦手な技術面の情報発信を補っていただき、ありがたいことである。

その中にこんなやりとりがあった。

【問】私はフォアドライブを肩をかなり落とし、両足のつま先が大分右を向く程に体を右に向け、溜めて打ってしまいます。ループの時はそれでも良い(?)のですが、ラリー中こんな打ち方をしていてはいくら自分の時間を作ろうと意図したボールを打っていても間に合いません。どうしても前を向いてほぼ平行足でフォアドライブを打つ方法がわかりません。

質問者の質問内容から判断するにかなりレベルの高い人だと思われる。それに対してこんな回答が寄せられた。

【Q6 前を向いてほぼ平行足でフォアドライブを打つ方法…。コツなど…】について

【高速】【連続】【威力】をクリアするドライブを打つのは、もはやフォームだけの問題ではありません。この3拍子揃う打球は、ご自身の体幹が充分で、その上で地面から得る力を球に伝えないと難しいです。

「もはやフォームだけの問題ではありません」

こんなことをサラリと言えるのは、とても素人とは思えない。明らかに指導のプロの見解である。
そして注目すべきは以下の発言である。

「地面から得る力を球に伝えないと難しい」

私もこのことがずっと気になっていたのである。強打を打つ時、手打ちではなく、ようやく身体を使って打てるようになってきたが、その「身体」というのも限定的である。意識が上半身にばかり行って、下半身のほうは手付かずだったのである。足の裏でしっかり地面を踏みしめる力を利用しないと瞬間的に強い力が出ない…と思っていたときにこの回答を目にし、「これは私にも役立つ」と感じた。

前提として”強い体幹が必要”と断った上で、詳細な説明がある。

この回答のためにどのぐらいの時間をかけてくださったのか。30分では書けまい。私は生活の中で常に卓球のことを考えており、その中で「このネタは、記事にして公開する価値があるかもしれない」と思ったら、そこから文章化に入るが、それは最低でも2~3時間はかかる。ときには5~6時間もかかるのである。このように整理された回答が10分や20分で書けるわけがない。
プロに個人指導を頼んだら、1時間で4000円や5000円はかかる。この回答にはそのぐらいの価値があると思うのである。

■フォームの確認(細かくても意識しにくいので大ざっぱ):
1. テイクバック時、フリーハンドの肩の後ろを相手に見せない。背中を見せるなど論外。打球後はフリーハンドを意識して正面に戻す。すると上半身はそれ以上に横を向かない。

2. テイクバック時、ラケットハンドの肩を落とすのではなく、少し腰を落として軽く腰を捻った分がテイクバック。太ももの横よりお尻側にラケットが回るのは論外。

上の回答の「論外」から察するにバックスイングで体幹をひねりすぎてはいけないということらしい。

3. 全て打球点の高いところを打球、或いは台上で打球する意識を持つことで、高速ラリーについていける。

4. テイクバックで捻った腰を正面に戻すイメージでフォロースルーを止める。体幹が弱いと必ずブレ、連続で強い打球ができない。

この「正面に戻す」というところから、スイング時も振りすぎないことが大切ということである。引きすぎないし、振りすぎない。体幹の回転する幅はコンパクト(30°ほど?)に、そして早めの打点で打つというのがここまでのポイントである。

5. 打球パワーは地面を足裏で掴む、蹴る、体重移動との連携で生まれる。足腰が弱く体幹不充分だと強力なパワーが得られない。

足の裏でしっかり地面を捉え、ふんばるだけでなく、積極的に「蹴る」という動作につなげ、同時に体重移動を実現するということである。

前記事「常住卓球」で、日常の徒歩による移動を卓球の練習として利用できないかという提案をしたが、私はこの回答を目にして以来、歩くときに地面をふんばり、さらに地面を蹴るという歩き方を実践してみることにした。もちろん下半身だけでなく、上半身も連動させ、やや前傾しながら

右足一歩前に出し、地面をつかむ(同時に右上半身を右に小さく回す)
         ↓
右足に力を込め、やや蹴る(同時に右上半身を正面に向ける)
         ↓
体重を左足に移動(左手でバランスをとる)
         ↓
      以下、繰り返し

これが私が最近取り組んでいるフォアハンドの「素振り」である。ラケットもいらないし、腕でスイングのアクションをする必要もない(まさに「フォームの問題ではない」のである)。下半身のふんばりと上半身の旋回だけの素振りである。これを通勤時や、職場での移動時に実践している。
一歩一歩足の感覚を確かめ、同時に上半身と下半身がずれないよう連携して歩くのは、それだけで楽しい。歩いているだけだが、素振りをしている実感がある。はた目にもそれほど挙動不審ではないはずだ(たぶん)。重い荷物を背負っているので身体に負荷がかかっており、駅の階段を上ったりすると、筋トレにもなる。

平野早矢香氏の講演のビデオを観たのだが、その中で氏は多球練習のボールは生きたボールではないが、身体に動きを覚え込ませるために有効な練習だという旨のことを言っていた。



私の「素振り」も下半身と上半身の連携を身体に覚え込ませるのに有効だと思っている。


IZCp2

記事には関係ないが、ふと、卓球のフィギュアがあったらほしいと思ってしまった。
他にも卓球のガチャガチャとかあったら、絶対やるのになぁ。


フットワーク練習はいつもながら楽しい(前記事「いつもの練習」)。
相手にバックでブロックしてもらって台の2/3の範囲をフォアハンドドライブで動き回るのだ。
まだバック深くに来たボールをバックハンドでうまく対応することができないが、台から2メートルほど下がってフォアドライブを連打する爽快感と達成感は何物にも代えがたい。試合でもこんな豪快なラリーができたら、さぞ気分のいいことだろう。

週末の練習では格下の女性が相手だった。

ヘボン01

いつもどおり相手にブロックしてもらい、フットワークの練習をさせてもらうことになったが、

「みたところ、社会人になってから卓球を始めた感じだ。少なくとも高校までガッツリという人ではなさそうだ。男性が全力で強打したら、さすがに止めにくかろう。台からあまり下がらずに軽く打つのがお互いの練習にとっていいはずだ」

と、普段ほど下がらず、半分以下の力でドライブを連打してみたところ、

「あ!違う」

と、いつもとの感触の違いに驚いた。

普段なら、8割以上の力で打つため、せいぜい5~6本ほどで、こちらか相手か、どちらかがミスをするのがふつうだった。しかし、今回は4~5割ほどの力で軽くドライブを打っていたため、フットワークが軽快である。10本以上連打でき、お互いにミスせずうまくいくと、20本ぐらいまで連打できるのだ。

「そうか…。全力で打つということは、身体に負荷がかかり、いわば重い荷物を持ちながら動いているようなものだったのだ。おのずから戻りも遅くなり、フットワークも鈍る。」



強打した後のグッとふんばるアクションに相当時間が取られると思うのだ。

また、軽いドライブはあまり力を入れないため、打球時にすぐに相手の動きに注意を向けられ、次球への対応が早くなる。体勢も崩れにくい。

私は試合だろうが練習だろうが、同じような意識でがむしゃらに打ったり動いたりしていたが、試合と練習は区別しなければならないということに改めて気づいた。過去に同じようなことを何度も書いている(前記事「試合で発揮できる力」「今はその時だろうか?」)のだが、少し時間がたつとすぐに忘れて試合でも初めから全力で強打してしまう。

ネットの動画等で上手な人が全力で連打するフットワーク動画などを目にする機会が多いが、あれはあえて負荷を高める練習であって、一般の社会人の試合ではあんな強打しながらのフットワークは使わないほうがいいのかもしれない。強いボールを打てば、その分速いボールが返ってくるし、こちらのミスも多くなる。私のレベルの試合でいきなりあんな強打を打つ必要があるのだろうか。それよりは初めのうちは5割ほどの力でミスなく確実にドライブを打ち、絶好球が来た時にはじめて決め球の強打を1~2本打てば十分なのではないか。レベルの高い人なら、こちらの弱いドライブをカウンターしてくるかもしれないが、私のレベルの試合でカウンターを打たれることなどほとんどないし、まして相手のバック側を狙えば、バックハンドのカウンターをくらうことなど皆無である。

非常にあたり前のことだが、強打は、決定率が高まる反面、ミスも多くなるし、次球への対応も遅くなる諸刃の剣なのである。完全な体勢なら厳しいコースへ強打が打てるが、不完全な体勢で甘いコースへ強打を打つと、速いボールが返球され、かえってこちらの首を締めることになる。むやみな強打は打たぬに如かず。


最近、基本練習ばかりなので、ちょっと実戦的な練習もしてみたいと思い、相手のストップをフリックしてからオールという練習をしてみた。が、フリックなんてこれまでほとんど練習していないので、なかなかうまくいかない。しばらく練習して、ようやく成功率が半分以上になってきたことはきたが、なんとかフリックを相手コートに入れても、おそろしくスピードが遅く、下手をするとツッツキよりも遅いぐらいである。こんなフリックをするぐらいなら、ツッツキかストップで返したほうがマシなんじゃなかろうか…。

今まで私の台上処理は、ツッツキかストップである。しかも厳しいコースを狙うわけでもなく、ただ無難に入れるだけなので、相手になんの脅威も与えられず、高いレベルの人との対戦ではたいてい台上で先手をとられてしまう。
メダルを決めた瞬間

ロンドンオリンピックの対シンガポール戦で石川佳純選手がメダルを決めた瞬間のフリック。パーンと軽く深いボールが相手の懐を深くえぐる…あんなフリックがしてみたい。が、私のフリックは遅いし、高いし、パーンではなく、ぽよ~んといった感じなのだ。大きく分類すればフリックになるのだろうが、これが本当にフリックと言えるのだろうか、鋭さが全くない。

その時の練習相手は格上のかなり上手な人だったが、その人に聞いてみた。

「こんなへろへろフリックじゃ、相手に絶好球を送っているようなものですよね?」

しかし、返ってきた答えは意外なものだった。

「いや、それでいいんじゃないですか?私のフリックもスピードは決して速くはなく、だいたいそんな感じですよ。」

え?フリックって台上から速くて厳しいボールを送って相手にミスさせるものじゃないの?

「台上でそんな速いボールを打とうとしたら、ミスが多くなるし、速いボールを打って、もし返された場合、自分の戻りが間に合わなくなりますから。私にとってフリックは相手のリズムを狂わせるためのもので、フリックで得点しようとは思っていませんよ。」

そうだったのか…。フリックって攻撃的な打法ではなかったのか。
もちろんレベルの高い人だったら、決定打としてのフリックを多用するのかもしれないが、オジサン卓球ではそんなリスキーなことをするよりは、ツッツキと見せかけて、軽く払う程度のフリックのほうが実用的である。

上手な人はこういうところがしたたかである(もちろん褒め言葉である)。

レベルの低い人は早い段階でむやみに決定打を打ちたがる。何の布石も打たず、3球目からドーンというボールで決めにいく人が多い。相手もドーンと打たせないようにレシーブするわけだから、それを無理にドーンと打っても決まるわけがない。しかしなぜか根拠のない自信があって、「きっと入る!」などと思ってミスを連発する。

2球目や3球目でチキータをする人も同じなのかもしれない。

上級者が2球目からいきなりチキータで強打しているからといって、私のレベルで同じようにしたらいくら練習しても成功率は半分以下なのではないだろうか。チキータしやすいボールを相手に返球させるためにサーブで誘導なりなんなりしているならともかく、なんとなくサービスを出し、3球目でチキータを狙ったところでうまくいくとも思えない。

チキータなんていう高等技術じゃなくても、3球目フォアドライブだって同じことだろう。

レベルの低い人は、3球目でドーンと決めてやろうと待ち構えている(私もその例に漏れない…)が、おそらく上手な人は「3球目は相手にブロックさせることが目的で、決めに行くのは5球目からだ」ぐらいに思っているに違いない。

ここから結論らしきものを導き出すなら、上手な人はガッツイていない。3球目がチャンスボールならもちろん決めに行くだろうが、そうそうチャンスボールは来ないので、3球目は相手を崩すことに専念し、次で決めに行くという戦術をとる。そういえば、決定打の前に準備打をはさまなければならないということをよく聞く。一見、攻撃的に見えるショットも、上手な人にとっては準備打にすぎない。その分かりやすい例がフリックである。

私のレベルではフリックは相手を崩すという用途に限定して使うのが正解なのではなかろうか。

前記事「ペンの裏面バックハンド」で対下回転のバックハンドドライブを安定させるためにいろいろ試行錯誤を重ねたが、思い切ってプロの指導者に相談してみることにした。
肩の使い方、ラケットヘッドの向き、ラケットへのボールの入れどころ等、何が正しいか相談してみたのだが、

「そういうこと以前に距離感が合っていませんよ。」

ということだった。

たしかに私は、これだ!という角度でボールを捉え、安定して打てているときに、ふいにボールを落としてしまうことがあった。

「なぜだ?私は体幹を意識してひねったり、適切な角度でボールを打っているはずだ。」

現にさっきまでちゃんと力のこもったボールが打てていた。それが、同じように打ったはずのボールがネットを越えず、ボトッと落ちてしまう。

その原因が「距離感」とは、どういうことなのか。

それはつまりこういうことなのだ。
名称未定-1

同じようなフォームと打点でも、ボールが身体から離れていると、腕を伸ばすことになり、無意識にラケットの前傾が深くなってしまう。腕に入る力も弱くなり、その結果、下回転のボールを打つ時にネットを越えられなかったというわけなのだ。フォームやラケットの角度と違い、これは自分ではなかなか気づきにくいことだ。しかもその距離のズレが10~20センチほどなので、夢中で打っている時には自分の距離が不適切だというのは、上級者ならいざしらず、私では全く気づかなかった。その後、距離感に注意しながらバックハンドドライブを打ってみると、非常に安定した。

いいことを教わった。自分一人でこの問題を解決しようと思ったら、いたずらに時間ばかりを費やしてしまうところだった。やはり自己分析がきちんとできないレベルにはプロによる定期検診が必要である。

しかし、距離感というのはバックハンドドライブだけの話だろうか。

私は長年「下回転サービスが入らない病」を患っている(前記事「万能ラケット角度」)。
ある日、急に下回転サービスが入らなくなり、長いときは数週間その症状が続き、練習相手に非常に迷惑をかけてしまうという罪な病である。この宿痾を克服するのに距離感という視点が有効だと思われる。

週末の練習で、この発作が起きかけた時、私は距離感ということを思い出して、4~5センチほどボールに身体を近づけてサービスを出してみたところ、手応えがあった。

「あっ!違う。発作のときの『ラケットに力が入らない』という感覚が消えた!」

わずか4~5センチの違いなのに、この安定感は何なのだ?

もしかしたら、サービスだけでなく、あらゆる不安定の原因(の少なくない部分)がわずか数センチの、ボールと身体の距離感に起因するのでは…?

いやいや、軽率にそんな大それた命題を口にしてはいけない。それで全てが解決するなんてうまい話があるわけがない。

が、ボールと身体の距離感というのは、侮りがたい影響をプレーに与えることは間違いない。


私のようなレベルの低いプレーヤーの考えることがどれだけ正鵠を射ているのか、はなはだ怪しいものである。正しいかどうかは置いておいて、以下のことを実践してみたら、なかなかよかったという報告として読んでいただきたい。

-------------

私にとって裏面バックハンドは「入ればラッキー」という位置づけである。
入るときは入るのだが、入らないときはまったく入らなくなる。試合の序盤で裏面を振ってみて、あまり入らないときは、「今日はやめやめ…」と裏面を封印して、表面のショートだけで試合をする日もある。「フォアハンドさえ入れば、あとはフットワークでなんとかなる」という考え方も最近は心もとなくなってきた。やはり裏面が振れたほうがいい。そのためには裏面を安定させなければならない。

というわけで最近は裏面バックハンドドライブに取り組んでいる。
今まではあまり深く考えずに裏面を振っていたのだが、これからきちっと考えて裏面バックハンドを安定させなければ。

これまでペンホルダーの裏面を振るときに気をつけていたことは、あまり人差し指をグリップに引っ掛けず浅く握って裏面の角度を出しやすいようにするということぐらいだった。ペンホルダーの構造上、裏面はストレートに打ちにくい。どうしてもクロスのほうに面が向いてしまう。そこで角度が出せるようにグリップを浅く握っていたのだった。

裏面というと、裏面ドライブを思い浮かべるが、それよりもまずはハーフボレーを習得したいと思った。裏面で打つ時、ドライブは打てるが、ミートっぽい打ち方がうまくできなかった。
表面のバックハンド(プッシュ)は後ろから前への動きが非常にやりやすいが、裏面でプッシュのように後ろから前へ水平にラケットを移動させるのはやりにくい。つい下から斜め上にこすってしまう。どんなボールもこすってドライブをしようとすると、打球点が遅くなるし、姿勢も崩れがちである。速いロングボールはこすらずにミート気味に打つほうが、発動時間も短く、効率がいい。ドライブを安定させる前にまずはハーフボレーを安定させなければ。

この問題はボールを懐に引き込むことで解決した。
今までは自分の体のかなり前方で打球していたのだが、それだと初めからラケットが前方に出ているので、これ以上前に出せず、前に押しづらい。これを自分の脇腹のあたりまで引きつけて打つと、ラケットの前後の移動がやりやすくなった。ラケットの向きは斜めか横向けにしている。腕はほとんど動かさず、腰と手首をほんの少し動かすだけで早いピッチでハーフボレーを打つことができる。

これで順回転のボールをミート気味に打つのはかなり安定したのだが、下回転のボールを持ち上げるほうは手付かずである。

それまでの打ち方でもタイミングと角度が合えば、ツッツキ打ちが入らないことはないのだが、なぜかボールが落ちたりすることが多かった。

ラケットを横に移動させてドライブをかけたり、もっと上方向に両手を開きながらこすったりしてみたが、あまり安定しない。

_D3S5717

しばらくいろいろ試行錯誤していくうちにラケットのグリップ寄りからボールを入れたほうが安定するように感じた。これはなかなか効果があった。
裏面の入れ方
Bの先端から入れるやり方は手首を動かす余地があまりないが、Aのようにグリップの根本あたりからボールを入れると、ラケットのヘッドが回転し、手首を動かす余地が生まれる。

このような打ち方でドライブを打ってみると、前よりも安定したことはしたが、ときどき力が入らず、打てないことがある。体から少し離れたボールを打つときや、タイミングが早すぎたときなどである。
肘を支点にして前腕だけで振っているのだが、もっと全身を使って打ってみようと思った。

体を縮こませ姿勢を低くし、体の軸を中心にして伸び上がりながら、体幹を回すように打ってみた。やや力がこもるようになり、スイングも鋭くなったが、まだ不十分な気がする。

次に右肩を深く入れてみることにした。右肩が相手の正面を向くぐらい右肩を入れて、右肩を回すように打ってみると、かなり安定した。さらに足の位置も変えてみた。フォアハンドの打ち方のまま、少し左足前で打っていたのを相手に対して平行気味に変えてみた。左足が前に出すぎていると、腰が回転する余地が少なくなるからである。

これでときどき威力のあるボールが入るようになり、打っている感覚も、力がこもる感じがする。が、何かが足りない。

練習相手に

「バックハンドが安定しないんですが、何か気づいた点があったら、コメントおねがいします。」

と頼んでみたら、相手が

「体重移動が少ないように見えます。」

と教えてくれた。そういえば、体重移動のことは全く想定外だった。
ここまでのポイントをまとめると、

1.ボールはグリップの根本あたりから入れる
2.体を縮こませ、沈める
3.右肩を入れる
4.足の位置を相手に対して平行気味に

そして
5.打球時に体重を左から右へ移動

この5つのポイントに注意することによって私の裏面バックドライブはかなり安定してきた。

その後、十分練習する時間が取れていないので、まだ確信は持てないが、上のポイントで大きな間違いはないと思われる。



後でぐっちぃ氏の上の動画「なぜ、強い選手は切れた下回転を一発バックドライブできるのか?」を観てみると、ポイントとして以下のものが挙げられていた。

A 瞬間的にタメを作る
B 面を寝かせたまま、打球時に一気に前腕を返す
C 体全体を縮こませておき、打球時に一気に体を開く

AとCはだいたい同じことのように思える。私のポイントで言うと、2と重なる。3(右肩を入れる)と5(体重移動)にもかするかもしれない。Bの前腕を返すという部分は1(根本から入れる)にかするかもしれない。

以上、あまり自信はないが、ペンホルダーの裏面バックドライブが全然安定しないと悩んでいる人にとって何らかの参考になれば幸いである。

【追記】170520
はりいさんのコメントに「両手の甲を向かい合わせにして…」という打ち方が紹介されており、それを実践してみたところ、非常によかったので、コメント欄もご参照いただきたい。

以下にいろいろ技術的なことを試行錯誤しているが、まったく当てにならないので、技術的なことは参考にしないほうがいいと思われる。

--------

いつのころからか、 打球時のラケットの響きが気になるようになった。
言葉ではうまく伝えられないのだが、ラケットの奥の方からかすかに響いてくるような違和感で、気にしないでおこうと思えばあまり気にならないのだが、気にしまいと思うとかえって気になってくる。

私はあまり手に響かないラケットが好きなので、ラケットを重くしようとも思ったが、これ以上重くしたら、プレーに支障が出そうだ。そこでいいアイディアを思いついた。打球時に一瞬力を抜くのである。そうするとラケットは響くかもしれないが、その響きは手にはあまり伝わらない。インパクト時に力を抜くような打ち方にしてみると、ラケットの重さで腕が引っ張られるような感覚を覚え、力が抜けて、ドライブの連打が容易になる。

しかし、本当にインパクト時に力を抜くというのは有効なのだろうか?

一般的にはインパクト時に力を入れるのがいいとされているではないか。

私はインパクトの直前に一瞬手に力を入れ、インパクト時には力を抜くというやり方を試しているのだが、果たしてこのようなやり方が本当にいいかどうか分からない。力を入れるタイミングというのは、パソコンで言えば、BIOSの設定をいじるようなものなので、下手にあれこれ変えてしまうと、根本から打ち方がおかしくなってしまうので、注意が必要である。

打球感というのは主観的なものだが、打ち方などのフォームは人からも見える客観的なものである。私は最近、フォアドライブのフォームも変えてみた。
許昕選手のフォアドライブを真似てみたのだ。

xu 02xin

あの、腕を肩の高さで伸ばして、体の真横でインパクトし、遠心力を最大限に使うようなフォアドライブのフォームを試してみたところ、非常にいい感じである。低いボールを肩の高さで打つためには姿勢をかなり低くしなければならない。さらに肩の高さではなく、目の高さ、いや、頭の高さでインパクトしてみる。そのためにはスタンスを広くとり、限界まで低い姿勢で打ってみる。すると、ドライブが非常に打ちやすい。

これはいいと思い、上手な人に私のフォアドライブをブロックで受けてもらい、感想を聞いてみた。

「ボールをずいぶん前方でインパクトしているので、スピードは出るんですが、威力を出すには、もっと引き付けて体の側面あたりで打ったほうがいいんじゃないですか?」

え?私はボールを真横でインパクトしているつもりなのに、はたから見ると、体の前で打球しているように見えるらしいのだ。スピードは出るのに威力が出ない…言われてみれば、あまり回転もかかっていない気がする。

姿勢の低さはどうか聞いてみた。

「まぁ、悪くないですよ。もう少し低いほうがいいと思いますけどね。」

これ以上、どうやって低くしろというのだ…。

私は『一流選手の動きはなぜ美しいのか』(前記事「体の使い方に対する誤解」)のエピソードを思い出した。

自分の声を録音して聞いた時に誰でも違和感を感じるものだ。内側から聞くのと、外から聞くのでは大きな差がある。卓球のプレーというのも内側からの感覚と、客観的な動きはかなりの隔たりがあるようだ。自分ではいい形で体を動かしているつもりでも、外から見ると、歪んでいるというのはよくある話だ。セルフイメージを信用しすぎてはいけない。外からの目で自分の卓球をチェックしてもらわなくては。

私にとって指導者というのは、いろいろな技術を教えてもらう人というよりは、自分の悪いところを指摘してくれる医者のような存在である。技術の習得というのは結局自分で繰り返し練習して身につけなければならないものだから、毎週卓球教室に通って手取り足取り教わらなくてもいいと思う(そうやって教われるに越したことはないが)。しかし、セルフイメージや自分の卓球の方向性というのは自分では判断しかねることが多い。それらが的外れの場合は、いくら練習しても間違った方向に進んでしまうおそれがある。それで卓球のプロに自分の悪いところや、自分の卓球の方向性を指摘してもらう必要があるのではないか。

学生時代にかなり上手だった人でも社会人になると練習ができず、気づかないうちにフォームが崩れてきたり、動作の一つ一つが遅れてきたりするものである。そういうおかしな点を放っておくと、変なクセになって、ますます自分の卓球がおかしくなってくる。はじめから卓球がおかしい人はなおさらである。

ふだん、卓球教室などに通わず、地域のクラブで週に1回だけ練習するような中高年は半年に1度ぐらい卓球教室に行って、プロに自分のおかしなところを指摘してもらったほうがいいように思う。人間でも40代になると、体のいろいろなところにガタが出はじめ、50代になると肩や腰を傷めて卓球のプレーに支障をきたす人も出てくる。卓球も同様で、長い間我流で卓球をしていると、いろいろなところに不調が出てくるのではないだろうか。

卓球教室で個人レッスンを受けると、1時間4000~5000円ぐらいかかるだろうか。私にとってはかなり高額だが、1万ぐらいのラケットを買ってはみたが、想像していた打球感と違って、2~3回使ってお蔵入りさせてしまうことを考えたら、半年に一度ぐらい卓球のプロの「卓球検診」を受けたほうがずっとお得な気がする(私はそうやってお蔵入りさせてきたラケットが10本はある)。ただ、そのときビデオ撮影ができないと効果半減である。

忙しくて卓球教室に毎週通えないという社会人も、定期検診だと思って半年に一度ぐらい卓球教室の個人レッスンでプロの客観的な意見を聞いてみたほうがいいのではないかと思う。

連休で少し余裕ができたので、何か記事を書いてみようと思ったが、まだ十分考えがまとまっていない。このネタを1~2週間寝かせておくと、またしばらく書けなさそうなので、おもしろい結論はでていないが、覚書としてネタだけ記しておこうと思う。

-------------

「始まりが半分だ」
という韓国のことわざがある。
「どんなに難しいことでも、初めてしまえば半分終わったようなものだ。」という意味である。

フットワークで最も大切なことは、ステップの順番やそのスピードではなく、いかに早く始めの一歩を踏み出せることではないだろうか。

もちろん、高いレベルのプレーヤーにとっては歩み出しのスピードが早いことは当たり前で、その次の段階――いかに早くて効率的なステップができるかということが大切になってくるかと思うが、私のようなフットワーク偏差値の低い人間にとっては、まず第一歩をいかに早く踏み出せるかで、動けるかどうかが決まってくる。この第一歩でぼんやりしていたり、マゴマゴしていると、動き出せないうちにボールがこちらに到達してしまうという残念な結果になってしまうと思うのである。
だから最近は、とにかく第一歩を素早く出すという方針で練習している。

私は台上のプレーでの動き出しが特に遅いと自覚している。
たとえば短いフォア前のサーブへの動き出しである。
「サーブはどこに来るのかな?」
などとぼんやり待っているとフォア前にサーブを出されて「おっとっと」となって、その後のラリーも後手後手になってこちらから攻める機を逸してしまう。

逆にこの第一歩さえ早く動ければ、「半分終わったようなもの」である。あとは勝手に足が動くし、こちらが攻撃するチャンスもめぐってくる。フットワークで大切なのは、まずは動き出しの第一歩で、その後はそれほど考えなくても大丈夫なのである(私にとっては)。


--------
日曜の朝になんとなくテレビをつけると、朝から激アツの戦いが繰り広げられている。
「デュエル・マスターズ VSR」である。

777648

たしか子供がカードゲームで勝負するというストーリーのはずなのだが、なぜかドラゴンや魔神が出てきて、炎を吐いたり、爆発したり、レーザービームを放ったり、山が吹っ飛んだり、宇宙空間に飛んでいって対決したりと、想像を超えるスケールの演出が印象的である。
images
ミスター味っ子の味皇さまと同じニオイを感じる。

さらに主人公の切札勝太の声優(小林由美子)が天才的なべらんめぇ調のセリフでデュエルをいやがおうにも盛り上げる。なんだか「白浪五人男」あたりの口上を聞いているような気分になってくる。

このアニメのストーリーには全く興味がなかったが、常軌を逸した演出と、主人公のアツい語りは私の心に訴えるものがあった。それがこの3月で放送が終わってしまい、私は喪失感を覚えた。切札勝太のべらんめぇ調のセリフが聞けなくなるなんて。

が、この4月から切札勝太の息子の切札ジョーが主人公の新たなシーズンが始まった。

「逆風も!風は風!!」
「引き金は二度引かねぇ…一発だ!」

など、またまたアツいセリフ満載の楽しい日曜の朝を迎えられそうである。
題名の「言葉じゃねぇ、足で語るぜ」は「Theラーメン」というクリーチャーのセリフによる。

ra-men

このページのトップヘ