しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2017年03月

「ご注文は?」
「じゃあ、いつもの。」
itumono

ドラマやマンガでしかみたことがないが、喫茶店でよくあるシチュエーションである。こういうやりとりをやってみたいと常々思っていた。

フォアとバックの基本打ちを5分ずつぐらいやり、相手に「5分ずつぐらいでお互いに課題練習しましょう。そちらの課題練習からでいいですよ」と言われて、「じゃあ、こちらはフォアでドライブするので、バックでブロックしてもらって、こちらのバック側2/3に返してもらえますか」と最近は答えることにしている。親しい相手なら「じゃあ、いつもの。」となる。これが私のいつもの練習である。

社会人なので、自分の練習ができる時間は限られている。初心者のような人とも打たなければならないし、同レベルの相手と打てたとしても、課題練習などを交互にしなければならないので、完全に自分だけの練習ができるのは1回2時間の練習で正味2~30分だろう。相手の課題の練習相手をするのが自分の練習にならないというわけではないが、やはり相手の練習のときは相手の求めるボールを返すのが最優先なので(前記事「こういう人、結構いるよね」)、自分が今、最も必要とする練習ができるわけではない。2~30分でできる練習となると、このフットワーク練習が最も達成感がある。

2~3年前は「そちらの好きな練習をどうぞ」と言われてよく困ったものだ。
一体私はどんな練習をすればいいのだろう?自分の課題といわれても、ほぼすべてが課題といっても過言ではないし、私の弱点に特に有効な練習というのも思いつかなかった。

「じゃあ、ショートサービスを出すので、バック側に長くつっついてください。3球目をバックにドライブしますから、そこからフリーで。」

などと、以前はとりあえず自分が気持ちよく強打できる練習をリクエストしてしまっていたのだ(前記事「3球目攻撃の難しさ」)。しかし、実際の試合でこちらのショートサービスを「どうぞ打ってください」とばかりにゆっくりバック側に長くつっついてくれる親切な対戦相手は稀だ。今、振り返って考えてみると、この3球目練習はあまり効果があったとは思えない。

最近私はとにかくフォアドライブを安定させたいと思っている。未熟な技術はいろいろあるけれど、それらをまんべんなく練習するよりも、一つでも自信のある技術を身に付けたいと思ったからだ。

以前は

「今日は調子が良い!フォアドライブがよく入る。」

などと思っていたが、フォアドライブに限らず、基本的な技術が入るかどうかは調子の波に左右されてはいけないはずである。

フォアドライブを安定させるというのは、どんなボールに対しても一定のボールを返せるようになるということである。相手が一般的な裏ソフトの場合と、表ソフトや粒高の場合ではブロックの球質が全く異なってくるし、ブロックが上手な人なら一定の場所に返球されてくるが、ブロックが下手な人なら荒れたボールが返ってくる。ふつうに当てるだけの打ちやすいブロックをする人もいれば、プッシュしてくる人もいる(初めのうちはこれにずいぶん悩まされた)。こちらが速いボールを打てば速く返ってくるし、遅く打てば遅く返ってくる。

体に近いボール/体から遠いボール
浅いボール/深いボール
下回転が強いボール/弱いボール
速いボール/遅いボール
等々。

この練習を通して、どんなボールが来てもこちらで調整して一定のボールを返せるようになるというのは私が思っていたよりもずっと難しいことだと分かった。


ワンコースであっても200本連続でドライブを成功させるのは私には至難の業だ

以前「今日はフォアドライブがよく入る!」といっていたのは、ようするに相手のボールがたまたま打ちやすい位置に、打ちやすいスピードと回転で返球されてきただけだったのかもしれない。翌週には全く入らなくなっていたということも珍しくなかったからである。相手のブロックに対してフォアドライブを連打するぐらい、大したことはないと思っていたが、実際に10~20本ほど連続して打ってみると、それほど単純な練習ではないと感じるようになってきた。

上で例に上げた4つの要素の組み合わせをおおざっぱに考えてみると

・体からの距離(左右):遠・中・近
・深さ(前後):浅・中・深
・回転の質:上・ナックル・下
・ボールのスピード:遅・中・速

3の4乗で81通りのボールが来ることになる(他にも様々な要素があるとは思うが)

体に近いフォアミドルのボールを打つときと、体から遠いボールをフォア側に移動して打つ場合は、体の使い方や打ち方を少なからず変えなければならない。思ったよりボールが浅く、打点を落としてしまった場合はスイング方向を上にして、ゆるいボールでなければ安定して返球できないし、逆に深いボールのときは当てを薄くして、ラケットを上の方から出さなければならない。

一見同じようなボールに見えても、その内実は多種多様である。私は以前はこのような多様なボールに対して3~5種類程度の打ち方で対応しようとしていたと思う。それでその3~5種類程度の打ち方にうまく当てはまらないボールはミスしてしまっていたのだろう。今は球質をもっと細やかに見分けることができるようになり、より精度の高い打ち分けができるようになってきたので、かなりフォアドライブが安定してきた。

というか、そのように1球1球細かく打ち方を変えるよりも、フットワークを使って同じポジションで打つようにすれば、5種類ぐらいの打ち方で大抵のボールに対応できるようになると思われる。

このようにフォアハンドでの単純?なフットワーク練習を半年ほど続けているが、私は今、ようやくフォアハンドドライブが打てるようになってきたと感じている。今までは打ちやすい限られたボールに対してしか打てなかったフォアドライブが、今はどんなボールでも6~7割がた安定してフォアドライブが入るようになってきたのだ。そうすると、不思議なことに試合などの実戦のボールに対してもかなり安定してフォアドライブが入るようになってきた。ツッツキ打ちの練習などほとんどしていないのに、このブロック対フォアドライブの練習だけで、足が動くようになり、3球目のフォアドライブが安定してきた。「いつもの練習」を続けることにより、今まで気づかなかった球質の違いを見分けられるようになり、「このボールを前方向にスイングしたら、絶対オーバーするから、上方向に山なりのドライブを打たなければ」のようにボールに対する判断がより精密になってきたためである。

今のフォアドライブの練習が一段落したら、今度は切り替えの練習にも挑戦したいと思っている。フォア・バックの切り替えもやってみると、いろいろな発見があることだろう。このように単純な練習でも、長期間取り組むことは多くの初中級者にとってゲーム形式の練習よりも有益なのではないだろうか。

以前の私は足に根が生えたように動かなかった。

決して動く気がなかったわけではない。当時は私なりにフットワークが大切であるとは感じていたのだが、どうしても動けなかったのだ。

フットワークの基本としてよく言われる3歩動というのも頭では分かっていた。

・右利きの人がバック側に動くとき
1.左足をちょっと左(進行方向)に出してとっかかりを作る
2.左足で右足を寄せる
3.左足を大きく一歩左に出す



「相手のボールがこちらのバック側に来たら、まず左足を半歩出すぞ!出すぞ!」
と頭で考えていても、実際にボールが来たら、足は動かず、あっという間にボールが到達してしまい、結局動かずに返球するということがよくあった。

頭では分かっているのに足が動かない。3歩動とか、そういうステップ以前の段階で問題があるはずだ。
そう悩んでいたのだが、相手にバックブロックで止めてもらって左右に動くフットワーク練習を続けていくうちに少しだけ足が動くようになってきた。

今回は、以前の私のようにプレー中どうしても動けないという人のために私の経験を話したいと思う。
例によって非常にレベルが低く当たり前の情報である。

report080802

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動くようになって初めて気づいたことだが、卓球で動ける時間は非常に限られている。

その時間制限を考えれば、根が生えたように動けないというのは言わば当然のことなのである。
台上のゆっくりしたショートサーブで自分が打球してから相手が返球し、こちらに返ってきて、3球目を打つまでの時間は約1.6秒(ストップウォッチで実際に測ってみた)ほどである。意外に長い時間だと思われたかもしれない。しかし給料と同様、そこからいろいろ引かれて、手取りは半分以下になってしまうのである。ちなみにゆるいフォア打ちの場合はボールが往復するまでに約1秒。3球目をガンとドライブしてブロックされたボールを5球目で打つまでの時間が約0.8秒だった(0.1秒ほどの誤差があるかも)

自分が打球している最中に動くというのはあまりないことである。フォア側に大きく動きながら打てる場合もあるが、小さいフットワークでの微調整ではふつうは打球時には動けないと思う。やはり一度止まって、しっかり足で踏ん張りつつ打つとなると、その踏ん張っている時間は打てないことになる。そしてラケットを振っている時間も動けないだろう。さらに打つ体勢に入る前にフォアかバックかどちらで処理するかの判断でも時間を取られる。そうすると、台上で与えられた1.6秒のうち、自由に動ける時間は半分ほどの0.8秒以下となると思われる。

A フォアかバックかどちらかを判断し
B 足を踏ん張り(バックスイング)
C ラケットを振る(スイング)

上の3つのアクション以外にも、一瞬迷ったり、考えてしまったりすれば、動きが止まってさらに時間をロスしてしまう。前陣で比較的速いラリー中(軽いドライブ等で起こされた後)に与えられる時間は1秒未満と思われる。そこから踏ん張ったり、振ったりして0.2~3秒ほど引かれ、ボールのスピードが速くなればさらに0.1~0.2秒余裕がなくなるのだから、自由に動ける時間は0.6秒以下?になるのではないだろうか。
こんな短い時間でちょっとだけ動いた後、すぐに自分が打つ番が回ってきて、またどのあたりで打つか見当をつけ、足を踏ん張り、ラケットを振るというアクションをしなければならなくなる。動こうと思っても、細切れでしか動けない。こんな1秒にも満たない短い時間で動けというのが無理な話である。

それで以前の私は前陣のやりとりでは全く動けず、手を伸ばして打ってしまっていたわけである。この短時間に動くためには工夫が必要である。

【工夫】
その1
ドライブ等で起こした(起こされた)瞬間に半歩、あるいは一歩下がることである。ロングサーブを出したなら、出し終わった瞬間に半歩下がることになる。前陣にいると、ほとんど動く時間がないので、一歩、あるいは半歩下がって時間を作るわけである。ボールが速く、強くなれば相手も同様に後ろに下がるので、さらに時間に余裕ができる。

測ってみると、全力のドライブでも、前中陣から打てば、次の打球までに1秒以上余裕ができることが多い。瞬間的に後ろに下がるのは簡単で効果的な方法である。中陣で全力のボールを打ち合う派手なラリーよりも、前陣でパチパチ打ち合うほうがおそらく時間的余裕がない。

その2
次の工夫は打球後に軽く跳ねることである。
右利きの人がフォア打球時に右足から左足に体重移動をして、打球後に左足にギューっと体重がかかっている状態で、その力をフワッと抜いたとき、トトンと右足、左足の順に軽く歩くように跳ねる癖をつけるのである。こういう癖がつくと、打球後に動けるようになる。何もないところから急に動き出すのはなかなか難しい。左足に負荷をかけておいて、それを解放した反動で、トトンとやれば、少しだけ動ける。トトンができるようになれば、それをトトーンやトートーンにすることはそれほど難しいことではない。ただし左足のギューが弱いと力を抜いたときのトトンがやりにくいので、しっかりした体重移動が重要だと思われる。
「動かなくちゃ!」と思っても何もない状態から瞬時に動くのは難しい。準備(ギュー)が必要である。

その3
最後の方法はバックスイングと足の動きを重ねることである。
トトンのトンにバックスイングを重ねると、時間の節約になるだけでなく、フォアハンドなら腕の動きに引っ張られて足も大きく動かせる。

これらのことができてはじめて3歩動のステップに進めると思う。とりわけ2番めの「ギュー・トトン」ができないことにはステップのはじめの一歩が踏み出せないと思われる。

【まとめ】
世のフットワークの指導書には3歩動や1歩動といったステップについての解説があるが、全然動けない人が急に3歩動等のステップで動けるようになるわけではないと思う。あくまでも私の経験だが、ステップを練習する以前に身につけなければならないこと(たとえば上述の3つの工夫)があると思われる。

もやしの価格に関するこんなニュースがあった。
せめて1袋40円で売ってほしい
 
もやしといえば、安くておいしく、栄養もあり、 貧乏学生の強い味方というイメージがあったが、最近、40~50円がふつうになりつつあるようだ。それでも安い野菜には変わりないけれど。
moyashi
焼肉のタレといっしょに炒めるだけでおいしいもやし

記事を読むと、もやしの価格が安いと、そのスーパーが安いというイメージができるとされていて、仕入れ値以下の価格――1袋20円以下とか?で客寄せのために売るスーパーも少なくないのだという。それで

「もやしは安い」

というイメージがなかなか抜けない。もやし農家にとっては頭の痛い問題だろう。高価な生産設備を導入したのに、種の値段が上がり、年々利益が減っていく。転業しようにもうまくいくかどうか分からないし、子供も来年は大学で教育費がかかるし…。

これは対岸の火事ではないと感じた。
卓球用具も最近はネット通販で3割、4割引きは当たり前という風潮だからだ。私は卓球ショップの経営のことなど何も知らないので、間違っているかもしれないが、おそらく実売4000円のラバーを1枚売って、400円とか500円程度の利益しか出ないのではないだろうか。そうすると、1日10枚のラバーを売ったとしても、1日4000~5000円のもうけしか出ない。コンビニでアルバイトをしたほうがずっと稼げる(あくまでも根拠のない勝手な思い込みなので、実際はもっと儲かっているかもしれないが)。

ぐっちぃ氏のブログ「卓球の仕事は大きく3パターン」「卓球の仕事がしたい」で卓球メーカーに就職するのは狭き門であると説明されていたが、卓球ショップのほうも非常に厳しいらしい。

卓球ショップ単体で新規でやって生き残れる確率は・・・
本当にやばいものになってます

ネットの店舗と比べて、実店舗は商品が手にとって触れるとか、知識の豊富な店員さんに購入のアドバイスをしてもらえるとか、そのようなメリットがあることはあるが、そのようなメリットよりも、100円でも安い方がいいと答える卓球人も少なくないのではないだろうか。最近は実売1万円を超えるラケットも普通になってきたし、ラバーも実売4000円ぐらいする。ちょっと離れた実店舗に買いに行くなら、往復の交通費まで上乗せされるのである。用具の安さは魅力である。

もやし生産農家は「もやしは安い」というイメージを払拭するために「スーパーのみなさん、安く売りすぎないでください」と呼びかけたわけだが、同じように卓球メーカーも「ネットショップのみなさん、安く売りすぎないでください」と呼びかけたところであまり効果がないように思う。ネットショップは何も悪いことをしているわけではない。消費者の期待に答えているだけなのだから。

そもそも実店舗がなくなったら、不都合なのだろうか?

もちろん実店舗が必要だという人も存在するだろう。たとえば初心者である。マークVとかライズ、はたまたヴェガとかファクティブで卓球を始めたばかりの人が、「今度はもう少しスピードが出るラバーに換えてみたい」とか「7枚合板や特殊素材入りのラケットを使ってみたい」とか、そういうときに近くに実店舗があって自分に合った用具は何かという相談に乗ってくれるなら、多少高くても実店舗で買いたいという人はいるはずである。

しかし、私の場合で言えば…あまり不都合はない。ただし、用具を売ることに特化した実店舗の話である。ぐっちぃ氏の記事にもあったように卓球教室や卓球場に併設されている店なら話は別である。そういう卓球場なり教室なりでなじみの店員さんや指導者がいて、お世話になっているとしたら、多少高くてもそういう実店舗で用具を購入したいと思う。たとえばよく利用する卓球場で練習をしているとき、店員さんがそれを見て

「フォア側に動いてボールを打つとき、打点がちょっと遅れているみたいですよ。」

などと軽いアドバイスをしてもらったり、大会の情報などを教えてもらったり、そんなふうに卓球場利用以外にもちょくちょくお世話になっているのなら、そのような無償のサービスに対して多少なりとも報いてあげたいという気になるものである。そういう卓球場で用具が購入できるなら、購入したいと思う。

そして練習後にちょっとした飲食ができるコーナーがあって、そこで飲み物などを注文してまったりできるというのなら、なおいいと思う。というか、練習後でなくとも、フラッと訪れて、そこでコーヒーなんかを飲みながら、店員さんと卓球談義なんかができたらいいなと思う(前記事「シュタムティッシュ」)。

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「いらっしゃい」
「今日は練習するつもりはないんだけど、近くまで来たもんだから。ホットコーヒーいただけますか。」
「はい、少々おまちください。ホットコーヒー1つ入りましたぁ~!」
「ところで、ラザンターというラバーが話題になっていますよね。ラザントが「速い」という意味だから、ラザンターは「もっと速い」なんですかね?」
「さぁドイツ語はさっぱりなもので。でも、いい評判をよく聞きますね。」
「ここでも買えるんですか?」
「在庫はありませんけど、注文すれば買えますよ。でも、ネットショップより高いですよ。」
「いいですよ。ここで買えば、貼り付けサービスもありますし。R42っていうのがよさそうなんですけど。赤で特厚お願いします。」
「じゃあ、注文しときますね。ラザンターR42ウルトラマックス赤1枚入りました~!」
「ところでマスター、Kっていうカットマン知ってる?いつも頭にバンダナを巻いてるやつ。」
「あぁ、Kさんね。Kさんは本職はペンらしいですよ。ときどき遊びでカットも引くみたいですけど。」
「遊びって…。そういうレベルじゃなかったよ。俺、あいつのカットが全く打てずに3コロで負けたんだよ。それでカット打ちの練習しなきゃなって思って。誰かいい人いない?」
「そうですねぇ。何人か心あたりがあるので、今度あたってみますね。練習相手を承諾してくれたら、連絡します。」
「なんだか、お腹も空いてきたよ。新メニューのたまごサンドいただけますか?」
「はい、コロナのたまごサンド1つ入りました~!」

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こんな感じで卓球ショップにカフェが併設されているだけでなく、地域のコミュニティーセンターとしての役割も果たしてくれたらありがたい。地域の卓球情報や練習相手の斡旋などをしてくれるというわけである。
そういえば、日本にも最近スポーツバーというのがあるらしい。

スポーツバー

私もロス・アンジェルスで一度だけ入ったことがあるが、アメリカでは店でハンバーガーとかを食べながら、大画面のテレビでスポーツを観戦するという文化が根づいている。卓球場にもあんなふうに大画面のテレビを置いて、世界卓球や、オリンピックのときは深夜営業をして、卓球ファンがいっしょにテレビで観戦しながら盛り上がるというのは楽しそうだ。

しかし、卓球愛好家だけの閉じられた空間というのはよくないかもしれない。もっと非卓球人にもオープンな空間であるべきではないだろうか。

20世紀には想像もできなかったが、最近、いたるところにフィットネスクラブのような施設ができている。コナミのスポーツクラブやカーブスのような施設に通う人は多い。それだけ需要があるということなのだろう。

curvestop

上の写真のような簡単な運動器具なら卓球場に置くことも十分可能なのではないだろうか。筋トレをしたい卓球人もいるだろうし、フィットネスクラブも兼ねてみるというのはどうだろうか。そこでポイントになるのは、スポーツ医学などの知識を持った専門家だろう。こういう人が常駐していて、筋トレのアドバイスなどをしてくれるなら、卓球人のみならず、一般人も利用しやすいかもしれない。そして隣で卓球の練習をしているのを見たら、「ちょっと私も習ってみようかしら?」などと卓球に興味を持つ人も出てくるに違いない。

それから、卓球人の多くは不要になったラケットの5本や10本は持っているものである。都会では居住空間が限られているので、ふだん使うラケット2~3本以外は処分したいと思っている人が多いと思われる。しかし、ジャスポに買い取ってもらっても、定価の2%が買取価格とあるので、定価1万円(実売7000円ほど)のラケットが200円(のポイント)にしかならないことになる。それなら知人にあげたほうがマシだと思う人もいるのではないだろうか。ヤフオクで売るという手もあるが、手続きが面倒だし、面識のない人と取引をするのは怖いという人もいるだろう。そこで実店舗で中古ラケットを扱うというのは、リスクもあるけれど、うまみのあるビジネスになると思う。中古のラケットなどは、やはり手にとって確認できたほうが消費者としてはありがたい。

最近、働くお母さんが増えている。しかし保育所のような施設の整備が不十分で待機児童が溢れているという。子供を預ける施設が足りないというのは女性の社会進出にとって深刻な問題である。韓国ではそういうお母さんのために子供の習い事のビルがあるらしく、そこには学習塾やピアノ教室、体操教室、水泳教室などが集まっていて、年会費を払えばどのフロアの教室も自由に利用できると聞く。幼稚園や小学校からスクールバスが出ていて、子供は放課後、そのビルで夜まで預かってもらえるらしいのだ。卓球場も学習塾と提携して、子供を預かるという方面に進出してはどうだろうか。ただし、学習塾と卓球教室だけである。余計な才能を伸ばしてはいけない。勉強に疲れたら、卓球一択!これでお母さんは子供の学力の心配もなくなり、日本の卓球のレベルも底上げされるに違いない。

以上、実店舗の卓球ショップがネットショップに負けない方法について考えてみたわけだが、単に用具を販売するだけでなく、

A:卓球場・卓球教室
B:カフェ・スポーツバー
C:コミュニティーセンター
D:フィットネスクラブ
E:中古用具販売
G:保育所・学童保育所

のような機能を備えれば、ネットショップに対抗できるのではないだろうか。これが私が考える未来の卓球ショップである。

CPUはおつけしますか? こちらのファンを買うついで
圧倒的なパワーレス ほら インターネットがきれいでしょ?
MOSAIC.WAV「パソコンよくわかんない」

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「このパソコン、インターネットはきれいですか?」

もしあなたがパソコン売り場の店員で、年配の客にこういう質問をされたら、どう答えるだろうか。

「いや、インターネットというのはきれいとかそういうんじゃなくて…」

「インターネット」「ウェブサイト」「ウェブページ」「ブラウザ」「ピクセル」「メモリ」…とイチから丁寧に順を追って説明しても、それがその客に伝わるかどうか…。

理系の、特にコンピューターを専門にしてきたような人たちは普段の会話の中にもカタカナが氾濫している。そういう人と、PCに縁のない年配の人とがコミュニケートすることは想像以上に難しい。

「このプロジェクトをアサインしてほしいんですよ」

のような会話をする人がSEに多くて困ると友人が最近ぼやいていた。彼らは別にペダンティックな会話をしたいわけではなく、カタカナ言葉が空気のように当たり前の環境で生きてきたために語彙も自然とカタカナだらけになってしまったのだろう。パソコン売り場の店員の説明はもちろん「正しい」。しかし、客の求めている説明はそういう「正しい」説明ではないかもしれない。

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卓球の指導者になるような人は、選手としてもある程度の実績を残した人が多く、自分自身も子供の頃からきちんとした指導者について最短距離で上達した人たちばかりだろう。「間違った」打ち方、「間違った」体の使い方はすぐに矯正され、自分の打ち方、体の使い方がおかしくて、基本打法が安定しないといった悩みはほとんど経験したことがないのではないかと思われる。気づいたときにはフォアもバックもふつうに振れるようになっていて、そういうレベルよりもずっと高いレベルで悩んでいたものと思われる。

私は小学5~6年あたりから卓球を始めたが、指導者につかなくても、フォア打ちや軽いフォアドライブ程度なら自然にできるようになり、いくら練習してもできるようにならず困ったという記憶はない。だから、今、初心者にフォア打ちが安定しないとか、ドライブのかけ方がわからないと言われても、ピンとこない。彼らの気持ちが分からない。

「フォア打ちの正しい打ち方は、肘の位置はこうで、ラケットのスイング方向はこうで、バックスイングをとるタイミングは…」と一応教えてみるが、なかなかうまく打てるようにならない。どうしてこんな簡単なことができないんだろう?私の教え方が間違っているのだろうか?

うまく言えないが、私が本なり雑誌なりで徹底的に勉強し、「正しい」打ち方を教えようとしても、空回りに終わるような気がする。細かく、詳しく説明すればするほど初心者は混乱し、おかしな打ち方になっていくのではないだろうか(前記事「外に求めるな」)。私は初心者が何が分からないかが分からない。そして当の初心者自身も自分の何が問題かが分からないからやっかいだ。その初心者がぶち当たっている「壁」を取り除かない限り、いくら「正しい」説明をしても上達しないと思われる。

同様に指導者――低いレベルの悩みをほとんど経験することなく最短距離で上達していった人たちは、私たち初中級者のぶち当たっている壁が何なのか本当に分かるのだろうか。自分がほとんど経験してこなかったことなのに?

私は以前、速いボールを打とうと腕にガチガチに力が入っていた。たしかにたまに強烈なボールが打てることもあったのだが、あまり安定しなかった。それで腰を使って打つとか、フリーハンドの使い方を工夫するとか、雑誌などを読んでいろいろ試してみたのだが、あまりうまくいかなかった。そうではなく、インパクトの直前までは力を入れず、打ったら素早く力を抜く(これがけっこう難しい)、それを呼吸のように繰り返すということを周りの人に教えてもらってから、安定してボールに威力が出るようになった。
かつての私と同じ悩みを抱えている人がいたら、私はその人の気持ちが分かり、うまく指導(というか、アドバイス)できる気がする。しかし自分がほとんど経験しなかった初心者の悩みの場合はうまく指導できる自信がない。

それぞれのレベルで自分の上達を妨げている「壁」があると思われる。
その「壁」を取り除くには指導書の説明よりも、経験談のほうが有効な場合もあるかもしれない。
同じような経験をした(あるいは現在経験している)人が、自分が試してちょっとうまくいった解決法を教えてあげる。上級者の目線で完璧に「正しい」解決法を教えてあげるのではなく、自分がその問題をどうやって克服したか(あるいは克服しつつあるか)という経験を共有する場というのが必要だと思っている。それがたとえ「間違った」アドバイスであっても構わない。「小坊主のザル」になりさえすればいいのだ。

ネット上で卓球上達の悩みを相談する場があることはあるが、そのような悩みに対して指導者みたいな人が「○○理論ではこう教えていて、現在それが最も正しいと言われている指導法である」のように大上段に構えて「正しい答え」を教えてくれる。もちろん最終的にはその答えが正しいのだけれど、それが初中級者にはピンとこないことが多い気がする。そのような「正しい答え」は本や雑誌にも書いてある。しかしそのような「正しい答え」よりも、決して上手ではない、同じぐらいのレベルの人が、「こんなやりかたを試してみたら、けっこううまく行ったよ」という経験談のほうがレベルの低い人にはピンとくることが多いのではないか。

【まとめ】
専門家である指導者の説明は結局は「正しい」と思う。彼らはプロなのだから。私もそのような指導者に話を聞くことがあるが、素人が逆立ちしてもかなわないぐらいの豊富な知識に基づいた効率のいい指導法を知っている。しかし指導者じゃない人の指導にも聞くべき価値があると主張したい。学校の勉強でも、先生の説明よりも、友達の説明のほうが分かりやすかったりするではないか。

教え合う

うまくいくかどうかわからないが、そのような指導者じゃない人の経験談を語る場を設けたい。
質問のある人はコメント欄に以下のような書式で質問していただきたい。それに対して同じような悩みを経験した人の経験談をコメントするという形式である。あくまでも「経験談」なので、正しい説明である必要はない。モットーは「間違ってもいいじゃない、にんげんだもの」である。

※決まり
1.「名無し」とか「あ」とか、そういうテキトーな名前は書かないこと。
2.人のコメントを批判・否定しないこと。人は人。自分は自分です。
3.回答する側もあまり熱を入れず、淡白にお願いします。君子の交わりは淡きこと水の如し。
4.考え中



上の決まりに反するようなコメントは公開しません。それから
・メールアドレス欄に何かを書いてもらったほうがなりすましを防げます。
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【質問】質問をまず簡潔に書く。
例:粘着ラバーで速いボールを打つ方法を教えてください。

【状況説明】回答がつきやすいように説明は具体的に。
例:先日、「ブレイクプロ・ブルースポンジ」というラバーを買いました。弾みがよく扱いやすい粘着ラバーということだったのですが、打ってみたら、ふだん使っている日本メーカーのテンションラバーと全く違う感覚でびっくりしました。フォア打ちからボトっと落ちて、ネットに引っかけてしまい、まったく弾みませんでした。テナジーとスペクトルは全く違うラバーですが、粘着ラバーは裏ソフトと表ソフトの中間ぐらいの違いがあるように感じました。テナジーとは全く違うラバーです。使いこなせません。せっかく買ったのに、このままお蔵入りしてしまうのは惜しいので、上手に使えるようになりたいです。同じような経験をした人(一般的なテンションラバーから粘着ラバーに転向した人)がいたら、アドバイスおねがいします。


【追記】170320
新たに質問用の記事を立てたので、そちらをご利用ください。
http://shirotatsu.blog.jp/archives/50890357.html

【追記】170321
ブレイクプロ・ブルースポンジをもう一度少しだけ打ってみたら、前よりも柔らかく、はずみもよく感じた。もちろんふつうのテンションラバーよりは固く、弾まないことには変わらないが。補助剤(已打底)の作用か何かだろうか?
 

去年も東京オープン(正式名称は「TOKYO OPEN 2017 第69回東京卓球選手権大会」)を観戦に出かけたが、今年は最終日を観戦した。ペンホルダーの選手をビデオ撮影したので紹介したい。

入場待ち

卓球東京オープンを知らない人のために簡単に紹介すると、

・毎年3月の初旬(今年は3/1~5)の5日間に行われる。
・場所は千駄ヶ谷駅前の東京体育館。
・レベルは上は日本代表に準ずる選手まで出場。海外からの出場も少し。韓国からの出場が多い(去年は世界ジュニアチャンピオンの張禹珍選手も出場)。
・個人戦(ダブルも)のみ。混合はなし。一般のレベルの他にカデット~90歳代までの幅広い年齢別のカテゴリーあり。
・入場料は一日あたり1000円(中高生は500円)。一度出ても再入場可。
・去年は4日めに観戦に行ったが、3階席はまばらだったものの、2階席は半分以上埋まっていた。
・ビデオ撮影可。

最終日ではなく、一日前のほうが多くの選手が残っている可能性が高いので、4日めに行きたかったが、都合が悪く、最終日の観戦になった。タイムテーブルをみると、16時ごろに一般とジュニアのシングルの決勝があるが、その時間まではいられなかったので、一般男子シングルの準々決勝が終わった13時頃に会場を後にした。

最終日までにペンホルダーの加藤由行選手、松下大星選手、松村夏海選手が敗退。最終日に残っている有名なペンホルダーの選手は宋恵佳選手、温馨選手だった。
宋選手はビデオに撮った。

宋恵佳(中国電力) 対 成本綾海(同志社大学)
https://youtu.be/Vz3Xp0hhR4U


宋恵佳(中国電力) 対 椛澤かえ(エクセディ)
https://youtu.be/2U5l1PpaPUo

宋選手はボールはそれほど速くないものの、安定性が高く、コースが厳しい印象である。

カデットでは麦進琳選手(東京学館浦安中)が最終日に残っていた。

麦進琳(千葉県) 対 玉井嵩大(北海道)
https://youtu.be/vqT6d74-sOE

ジュニアでは佐藤弘毅選手(明徳義塾)がいた。フォアドライブの威力が凄まじかった。フルセット・デュースの激戦だった。佐藤選手はストップなどをあまり使わず、豪打で打ち抜くスタイル。

佐藤弘毅(明徳義塾) 対 吉田俊暢(専修大北上高)
https://youtu.be/yb0RrzFGMzs

ペンホルダーではないが、アツい対戦として印象的だったのは月舘駿介選手(日大豊山高)対 柏友貴選手(関西高)の試合だった。こちらもフルセット・デュースの接戦。
https://youtu.be/GgXV7Yu97NQ



今週は関東方面を訪れた。
せっかく東京に来たので、東京でしかできないことをしてみたいと思い、有名な卓球教室で練習でもしてみたいと思ったが、ネット環境がなかった(私はスマートフォンを持っていない)ので、詳細が分からず、練習の方は断念した。

それでWRMで、今話題のカレンダーを買いたいと思っていたので、WRM高田馬場店を訪れることにした。

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こういう方面に卓球メーカーが進出するというのは今まで聞いたことがない。相変わらずWRMは攻めている。どれだけおしゃれなカレンダーかこの目で確かめてみたいので、購入したかった。

しかし、心配なことがある。

私が拙ブログで過去にWRMの製品について批判的なことを書いていることだ。WRMの人にしてみれば、「偉そうに上から目線で我が社の製品を批評しやがって、鼻持ちならないヤツだ」ぐらいに思われていても不思議ではない。

高田馬場店は以前訪れたことがある(前記事「WRM高田馬場店への行き方」)ので、もしかしたら顔が割れているかもしれない。しかし、3年も前のことだし、小一時間話しただけなので、私の顔なんて覚えていないはずだ。しかし、もし万が一覚えていたら…。非常に気まずい雰囲気になるに違いない。いや、そんなはずはない。私はそれほど特徴のある外見ではないし、普通の客とちがう点などな…あー!髭剃ってくるの忘れた!服装も変なスウェットシャツにシャカパンだし、これじゃ部屋着のまま顔も洗わず店に来てしまった人みたいだ。しかし、企業訪問じゃあるまいし、卓球ショップにきちんとした格好で行かなかったからといって変な人だと思われることもないだろう。考え過ぎ、考え過ぎ。WRMに批判的なことを書いた負い目があるから、なんだか自意識過剰になっているようだ。

余計なことを言うと、疑われるかもしれないから、必要なこと――「ラバーガール」のカレンダー購入だけをして、ボロが出ないうちにすぐに帰ろう。しかし、せっかく東京まで来たので、2~3分ほどで店を後にするというのも味気ない。不審がられない程度のふつうの会話をして帰ろう。

どんな会話をしようか。

「この店の1ヶ月の売上はどのぐらいですか?」

あほか!なんでよそのうちの懐具合なんて質問するんだ。中国人か!

「店員さんは彼女がいますか?」

そんなことを聞いて何の意味があるんだ!

もっと場面にふさわしい、ふつうの質問をしなければ。
卓球ショップなのだから、卓球についての質問だ。

「この店で扱っているラケットでどれがおすすめですか?」

卓球の話には違いないが、そういう、電気屋に行って「一番いいパソコンはどれですか?」的な質問をする人と同様、知性を疑われてしまう。

私は用具に詳しくないので、あまり高度な質問をしたら、知識のないくせに変に通ぶっていることを見透かされて、軽蔑されるかもしれない。もっと素朴な質問にしよう。

「5枚合板と7枚合板は打球感がどう変わるんですか?」

うん!こういうふつうの質問にしよう。おそらく一概に言えないだろうから、いろいろな話題に発展するかもしれない。

「ラケットによって重心が先端寄りのものと、グリップ寄りのものがありますが、この店のラケットで中央に重心があるものはありますか?」

これもいい!よし、あとは出たとこ勝負だ。

昼過ぎにWRMを訪れると、幸いなことに客は誰もいなかった。チャパリータ氏と単氏が店番をしているはずだ。

「いらっしゃいませ」

「あ、こんにちは。」

あれ?違う!新入社員のハジメ氏とチャパリータ氏だった。

「ここのラケット、触らせてもらってもいいですか?」

「もちろん、どうぞ。」

「今、新しいラケットが次々と登場して、王道シリーズって、影が薄いですけど、このグリップデザインは古びないですよね?飽きが来ないというか、余計な飾り気がなく、ソリッドでかっこいいですね。スベスベしてて、さわり心地もいいですよ。」

「ああ、王道はその筋では有名なデザイナーがデザインしたんですよ。」

「なるほど、そうだったんですか。王道01と02はどう違うんですか?」

「それほど違いはないですよ。7枚合板に近いものなら、04のほうがいいかもしれませんよ。」

(あ、それは私が以前、「打球感が気に入らない」と批評してしまったやつだ…。)

「そうなんですか。でも私は特殊素材が入っていないもののほうが好みなんです。」

「じゃあ、OSPのラケットがいいかもしれませんね。」

「最近、話題のやつですね。でも、売り切れじゃないんですか?」

「サンプルならあるんですよ。見てみますか?」

…とこの後、非常に深い話になるので割愛。

チャパリータ氏はこのメーカーのラケットに惚れ込んでいるらしい。

「あの~カレンダーを買いに来たんですけど。」

「ありがとうございます!」

「卓球メーカーがああいう商品を出すって発想がなかったんですが、いろいろコネがないと、できないですよね?」

「そうですねぇ。知り合いとかにあたって、カメラマンとか、メイクさんとか、みんなほとんどボランティアみたいな感じで協力してくれたので、経費がずいぶん削れたんですよ。」

「そういえば、今度の日曜日の晩にイベントがあるんですよね?」

「そうなんです。よかったらぜひ来てください。」

「いやいや、こんなオジサンが行ったら浮いちゃうでしょ。」

「そんなことないですよ。大丈夫です。」

まぁ、私は日曜日は東京にいないので、参加できないが、もし可能なら参加したいものだ。表参道という場所らしいが、若い人がよく訪れる街のような気がする。こういうイベントは若い人が中心になって大いに盛り上げてほしい。チャパ氏の用具に関する造詣の深さから察するに用具クイズなんてのもあるかもしれない。ネットでは話せない裏話とか、上手な人と卓球ができたりするとしたら、うらやましい。

ところでrubbergirlという単語をネットで調べてみると、

An incredibly hot bodied female aged(legally!) between 18 and 40

とある。きっとムチムチでお色気満点な女性たちが来て、酒池肉林が楽しめるのだろう。

カレンダーというと、私は会社とかがタダで配布している筒状のものをイメージしていたが、

calender

A4サイズを二つ上下につなげたサイズで、思っていたより小さかった。rubber03

もっと大きいサイズのほうがよかったのになぁ…

あ!また批評しそうになった。危ない危ない。
しかし、多くの人がボランティアでこれだけ手間をかけて作ってくれた製品なのだから、文句を言ったら罰が当たるな。発想を転換して、小さいサイズだからこそ、メール便で安い送料で購入できるというメリットもある。

rubber02

日付の下には大きな大会やWRMのセール等が記されている。なるほどアジア選手権は4/9~なのか。世界卓球は5/29~だ。

ハジメ氏の笑顔に癒やされながら、30~40分が過ぎた。

なんだか緊張して質問ばかりしてしまったな。新幹線の時間もあるし、そろそろ帰らないと。
おそらく私は変なことを口走ったりはしなかったはずだ。が、これ以上いると、余計なことを口走ってしまいそうで自分が怖い。

そして私はWRMを後にした。

うん、短いながらも、なかなか楽しく過ごせたではないか。いい思い出になった。

あ~!OSPのラケットを試打させてもらうのを忘れた!!
 

【追記】 170311
今日が東日本大震災の日だということをすっかり忘れてこんなおちゃらけた記事を書いてしまった。
犠牲者のみなさんのご冥福をお祈りします。
 

3/4(土)にジャパン・トップ12が開催されたが、私は5(日)の第69回東京卓球選手権(以下東京オープン)を観戦に行った。早朝に行ったので、幸運にも8:30~8:50までの会場での練習を見ることができた。
私はいつもどおり、ペンホルダーの選手を中心に観戦しようと思っていた。私のお目当てだった加藤由行選手も松下大星選手も前日までに敗退してしまったし、吉田海偉選手は出場してないし、ジュニアの選手に期待していた。
試合前の練習でペンホルダーの選手がいないかどうか探していると、会場中央のコートで練習している中ペンの選手が目に止まった。
見たことのない選手だった。韓国から何人か選手が来ていたから、韓国人かもしれない。そして小中学生とおぼしき子供の相手をしていたので、もしかしたら指導者かもしれない。名前がわからないので、着ているTシャツから、「ヤサカさん」と呼ぶことにしよう。私はその美しいフォームに目が釘付けになった。以下、ヤサカさんの美しいプレーを紹介したい。

まず、裏面のブロックがとても安定している。



私は裏面ブロックが苦手である。ヤサカさんのプレーをよく観察し、参考にしようと思う。
それにしても手首の曲げ方がすごい。腕をまっすぐ前に伸ばしてカクっと曲がっている。ペンホルダーであの角度を出すには親指をかなり深く入れるか、人差し指を完全に外すかしなければならないだろう。ラケットのヘッドは真横に近いが、真横ではやはり苦しいのか、やや斜め上を向いていることが多い。

グリップ01
前腕の筋が強烈に浮き出ている。この角度でずっと打っていたら、さぞ手が疲れるにちがいない。

グリップ02
ちょっとだけ表面の指の位置が見えた。

裏面のブロックを安定させるために、私はボールを落とすまいと、つい下から上にラケットを動かして擦り上げようとしてしまうが、ヤサカさんは水平か、むしろ上から下に押しているように見える。

スイング方向


よく観察すると、ただ押し当てているだけでなく、ボールにラケットを押し付けてから僅かにこすっているように見える。



上の動画はフォア・バックにブロックを打ち分けている場面である。
ヘッドを少し立てて、ブレードを後ろから前にぶつけるようにして打っている。
裏面はクロスに打つのは楽だが、ストレートに打つのは角度が出しづらい。ヤサカさんも腕をあまり伸ばさず、肘を曲げてストレートに打っている。ストレートに打つときはヘッドの立ち具合も強い。弱いボールは手首だけでヒュッと軽くドライブをかけて返球するときもある。

ヤサカさんの裏面技術の特徴は肘をあまり張らず、肘を前に伸ばし気味にする(体から離れたところでインパクト)。その代わり手首は深く曲げる。ヘッドは下に下がらず、平行か、斜め上である。


なお、中国電力の宋恵佳選手のバックハンドはヤサカさんとは対照的に肘をあまり伸ばさず、ヘッドをあまり上に向けないで打つようだ。




タクティブの羽賀コーチのバックハンドも肘をあまり伸ばさない。





haga grip
羽賀コーチのグリップ

ラケットを体から離して、肘を伸ばして打つヤサカさんのバックハンドはあまり一般的ではないかもしれない。が、体から離しているため、打点が早くなりそうだ。
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フォアハンドの堂々として、安定感のあること。力が抜けているのに、ボールが走っている。派手なラリーでも打ち負けない感じがする。また、右足のつま先が台と平行になるほど開いている。バックのブロックのときも右のつま先が台と平行になっていたが、このスタンスが両ハンドを安定させるポイントかもしれない。




ロビングってこうやるんだ!
私の「ロビング」はまったくやり方が間違っていた。私の場合はちょっと回転をかけて、高く上げてしのぐだけだが、それでは単なるチャンスボールでしかない。ヤサカさんの場合は回転をかけつつも、山なりになりすぎず、適度な勢いを保ったまま深い位置に落とすので、相手にとってかなりのプレッシャーになりそうだ。

以上、東京オープン2017でおもしろかったプレーを紹介した。私の技術レベルが低いので、深い考察はできない。上級者のコメントを期待したい。
 

今週末から1週間ほど関東を旅行する予定なので、更新およびコメントの返信はできません。

あしからずご了承ください。
 

「彼女は男の子だよ。」
という発話を聞いたら、え?となるだろう。「彼女」は体は女だが、心は男という意味だろうか?
そうではなく、以下の会話からの抜粋だと知れば、違和感はなくなる。

「Aさん、赤ちゃんが生まれたんだって。」
「男の子?女の子?」 
「女の子。」
「そういえば、Bさんも赤ちゃんが生まれたって聞いたけど、女の子かなぁ?」
「彼女は男の子だよ。」

baby

言葉を文脈なしに使った場合、多くの誤解が生まれるものである。

前記事「軸・回転運動・返し」で私は三木圭一氏の卓球理論に感服し、先日の試合で三木氏の主張を実践してみたのだが、残念ながらあまりうまく行かなかった。裏面バックハンドを後ろから前へではなく、面を開いて横方向に振るというのを試してみたのだが、ちっとも入らなかった。この打ち方はほとんど練習していないのに、それをぶっつけ本番で試合で試すというのがそもそも間違っていたと反省している。それで最近、この横に振る打ち方を練習しているのだが、私の裏面バックハンドを見た上手な人に「ワイパーのように横に振っているので、手打ちになっていますよ。もっと後ろから前に振らなきゃ」と指摘された。

そうかぁ。確かに三木氏のバックハンドはワイパーのように肘支点で振ってはいなかったなぁ。

https://youtu.be/p9ciqEU45TU

もっと腰の回転を使って横に振っていたように見える。

しかし、上手な人の「後ろから前に振らなきゃ」というのはどうなのだろう?三木氏は横に振ることを勧めている。もしかして三木氏の理論は間違っているのだろうか?

三木氏の動画を見ると、比較的時間の余裕のある、順回転のボールを打っている。これが前陣でフォアに来るかバックに来るか分からない状態で、バックに来たボール――時間的余裕のないボールを打つときならどうだろうか。おそらく三木氏のバックハンドでは間に合わないのではないだろうか。バックスイングを取らず、後ろから前に肘支点でヒュッとこするような打ち方のほうがいいかもしれない。

世の卓球理論というのはあらゆるシチュエーションを想定したものではないだろう。実戦では強烈な下回転のボールに対してドライブを打つときもあれば、台のエンドギリギリの深いボールが来るときもある。卓球理論で取り上げられるシチュエーションというのは、そのような苦しい状況ではなく、もう少し余裕のあるシチュエーションを対象にしていることが多い気がする。台上でも中陣でも、はたまた体勢が崩れている時や逆を突かれた時でも、どんなときでも有効な打ち方というのはないだろう。ボールに間に合わず、打点を落とさざるを得ないときは上方向にこすらなければならないし、重心が後ろに行っているのに、浅い浮いたボールを打たなければならないときは、手打ちになってしまうことも多い。卓球にもさまざまな文脈があり、それに応じた打ち方をしなければならないというのは、指導者の暗黙の了解として、わざわざ説明することはない。しかし、そういう当たり前の了解を知らない一般愛好家が文脈を無視して卓球理論で紹介されている打ち方、動き方を唯一の正解として固執すれば、私のような失敗を犯すことになる。

言葉も卓球理論も、使う人が使える場面を選ぶことが大切だと感じた。卓球理論はあくまでも「辞書」であり(前記事「ツブ高界初?の近代的辞書」)、どの場面で使えば有効かは選手が自分で考えなければならない。そしてその使える場面がいつかを判断するのが(私のレベルでは)なかなか難しいのだ。
卓球理論とはそういうものとして考えておくべきではないだろうか。


こちらのバックドライブは横に振らず、バックスイングからの戻りだけでコンパクトに振ることを推奨している。時間がない前陣でも間に合いそうである。

以前、回り込んでドライブを打つ練習をしていた時、ボールがラケットの角に当たってポーンと高く飛ばしてしまった。おっと、これはしたり。きちんとラケットの真ん中に当てなきゃな。と次は気をつけて回り込んだところ、また同じところにボールが当たり、4~5メートルの高さまで飛んでいってしまった。ふつうに打っていてあんなにきれいにラケットの角に当てるというのは狙ってできるものではない(たぶん)。2回連続まったく同じところに同じようにボールを当ててしまったというのは、おみくじで2回連続凶を引いたような気分だ。しかし、マイナスが2回だから案外プラスになるのかも?

そんなはずがない。

1回なら偶然という可能性もあるが、2回連続全く同じところに当たったというのは偶然ではなく、私の打ち方に何らかの問題があるからに違いない。おそらく振り遅れているのだ。

最近、こんな動画を観た。



xia氏のプレーのなんという安定感。見ていて凡ミスをする気がしない。こんな卓球ができるようになったら楽しくてしょうがないだろう。うらやましい。

この学校ではシステム練習を積極的に取り入れているらしい。

system practice

「ファア前→フォアにツッツキ→フォアへドライブ→カウンター→フォア2本・ミドル1本」

のような複雑なシステム練習をミスなくすごいスピードで続けている。

私もときどき「バック→フォア→ミドル」とか「フォア2本→バック1本」のような練習をすることがあるが、あまり好きではない。練習する二人の息がピッタリ合っていないと、コースが乱れて、だんだんグダグダになってくるからである。

私がバックのブロックを担当し、相手をフォア2本、バック1本などと回している時、私はよく間違える。フォア2本のはずなのにフォアに1本しか送らなかったり、バックは1本なのに2本送ってしまったりする。なので、上の動画のようにきれいに延々と続かず、すぐにラリーが中断されてしまう。

しかし、このような配球の回数を間違えてしまったことを単に「この手の練習は苦手だから」で済ませてしまっていいものだろうか。
単なる偶然ではなく、何か理由があるのではないだろうか。

まさか…とうとう認知症が来てしまったのだろうか?

そういう可能性も考えられるが、私はもっと楽天的に考えたい。

ラリーがだんだん早くなってきたので、私の「意識のスピード」がボールに追いついていないだけなのだろう。そうだ!そうに違いない。私の脳はまだ正常に機能しているはずだ(たしかに物忘れがひどくなってきたのは認めるが…)

というわけで、システム練習でフォア・バックに送る回数をよく間違えるというのは、決して偶然ではないと思われる。私が目の前のボールを処理することに精一杯で、次のボールのことまで頭が回らないために起こったミスなのである。とすると、こういうシステム練習を早いピッチで延々と続けられるようになれば、意識のスピードも早くなるということである。

これからはボケ防止のため、そして意識のスピードを上げるためにも、複雑なシステム練習を自分の練習にドシドシ取り入れたいと思っている。 

先日、地域の大会に出場したのだが、強い人に当たって自分の卓球を全くさせてもらえなかった。
対戦相手のTさんは物腰が柔らかく、みんなに愛されるキャラなのだが、卓球は怖かった。

T

一方、後日、中高生と練習試合をさせてもらう機会もあった。
とてもきれいなフォームで切れたカットや速いドライブを打ってくるのだが、彼らの卓球はあまり怖くなかった。この違いが一体どこから来るのかを考察してみたい(非常に低いレベルの反省で恐縮である)

まず、Tさんはサービスが怖い。対角線上の角ギリギリに低くて速いロングサービスを送ってくる。そうかと思うと、今度は同じフォームでストレートに切れた速いロングサービス。これも台の角ギリギリに入ることが多い。その一方でやっぱり同じフォームからネット際にショートサービスが来る。私はその日は裏面バックハンドがちっとも入らず、バックにロングサービスが来たら、裏面でうまくレシーブできる自信がなかった。そこで少し台から離れて回り込んでレシーブしてやろうかとも思ったのだが、ロングサービスのスピードが速かったので、なかなかチャンスがつかめない。回り込めるかどうかの判断は一瞬である。そうやってロングサービスを警戒していると、今度はショートサービスである。私は腕を伸ばしきってだらしない、当てるだけのレシーブをしなければならなかった。
Tさんがサービスを出すときは、どこに来るか分からず、非常に不安な気分になる。

一方、中高生と試合をした時は、サービスのスピードがそれほど速くはない上に台のエンドギリギリの深いボールはほとんど来なかった。ロングサービスの落点は無難に台から20センチは内側である。回転はよくかかっているのだが、スピードが普通だったので、落ち着いてレシーブできた。相手のサービスを待っているときも、相手が打つ直前に大体どの辺にボールが来るか分かった。

サービスが良ければそのポイントの大勢が決まってしまうことも珍しくないというのは常々感じていたことなので、それは想定内だった。しかし、サービスの後の台上での鍔迫り合いは想定外だった。

Tさんは台上も怖い。こちらがサービスを出したときのTさんのレシーブはガンガン押してくる。ツッツキだったら、軽く押すのではなく、ガンと押してくる。台上のボールのスピードが速い。速いと言っても一発で抜かれるほどではないのだが、ふだんの練習でゆっくりしたツッツキのスピードに慣れている私は、テンポが合わず、差し込まれてしまう。その結果、私は弱々しく返球してしまったり、あるいは少し浮いたボールを送ってしまうことが多く、そのボールをガンとスマッシュされる。Tさんは浮いたボールなら台上でも積極的にスマッシュを打ってくる。ミスが少ない。遅いボールや浮いたボールは簡単に打たれてしまうから、こちらも台上で低くて速いボールを打たなければならない。

中高生と試合をしたときは私がいつも練習しているようなゆっくりとした台上の展開である。台上ではあたかも「休戦協定」が結ばれているかのごとく、台からボールが出るまではお互いに積極的な攻撃に出ない。フリックなどは来ないし、ツッツキも軽く押すだけのゆっくりしたボールである。そして台からボールが出てはじめて「戦闘開始」である。が、こちらも「打ってくる」と心の準備ができているためにやや下がって相手の攻撃に備えている。ドライブのスピードは速いものの、前中陣からのボールだし、遅い打点で、コースも鋭くないので、安心してブロックできる。スマッシュはほとんど来ない。

上手な人同士の試合で、台上が終わり、ラリー戦が始まって、スピードの速い派手なボールが飛び交うのを見ると、すごいなと思うけれど、実は台上の段階で戦闘は始まっていたのだ。台上でできるだけスピードの速いボールを送り、相手をつまらせて、こちらがガーンと強打するという展開を作らなければいけなかったのに、私は迂闊にも台上の段階ではまだ本格的な戦闘が始まっていないとばかりにのんびり構えていたわけである。

上手な人と試合をすると、いろいろ勉強になる。

これからは台上の段階から攻める気マンマンで、ツッツキ、プッシュのボールスピードを高めて攻めの姿勢で臨み、フリックも積極的に使っていく、軽く当てるだけのショットは打たない、といった怖い卓球――速い攻めの卓球を目指さなくては。

【追記】170302
後になって思い出したが、Tさんはツッツキでガンと押してくるだけでなく、こちらが中途半端にバックにドライブを打つと、それを単にブロックするだけでなく、ガンとプッシュしてくる。強烈なボールでなければ、台上だけでなく、ラリーで守備に回ったときでも基本的に押してくるような印象を受けた。
それで題名を「台上での鍔迫り合い」から「押して参る」に改題した。

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