しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2016年11月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

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間尺に合わない――振り遅れないために その2

【卓球あるある】「ヘタクソのムチャ打ち」

速くて厳しいボールをガーンと強打してミス。

傍から見ている人は
「あんな厳しいボールに対してあんな強打をして入るわけない」。

しかし本人は
「あれ?おかしいな。打点が遅かったかな?角度が悪かったかな?」。

こんなふうにして10本のうち6~7本はミスしているのに本人だけは「自分なら打てるはずのボール」と信じ込んでいる。

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前回、練習相手にランダムに厳しいツッツキを送ってもらったら、ほぼ全てのボールで振り遅れが発生し、途方に暮れた。何かこの状況を打開する方法はないだろうか、どうすれば振り遅れずにスムースに余裕をもってツッツキを返球できるのだろうか。

あるとき、またフォア側に厳しいツッツキを送られて、中途半端なスイングで上にこすりあげてなんとかボールを返球することができた。そしてその後の相手のブロックを軽く払い、ラリーが続くということがあった。

もしかしたら、こういう厳しいボールというのは、しっかりドライブをかける時間的余裕なんてないのではないだろうか?こういう厳しいボールは、2~3割程度の力の軽いドライブでなんとか持ち上げるようにして、次のラリーに備え、体勢を立て直したうえで、7~8割のドライブを打てばいいのでは?

はたからみたら、

「あんな速くて厳しいツッツキをあんな大きなスイングでドライブする余裕なんてないのに」

ということなのではないか?私は自分で自分のことが見えていないのではないか?

また、おそろしく当たり前のことに気づいてしまった。

(A)|―――――――――|(私が打とうとしていた7~8割の力のドライブにかかる時間)

(B)|―――――――|(ボールがこちらのコートでバウンドしてから、打ちごろを迎えるまでの時間)

(C)|――――|(2~3割の力のドライブにかかる時間)

(B)が、いわば与えられた時間である。(B)の時間内に、こちらはスイングを完了させ、打球しなければならないが、(A)は(B)の中に収まらない!!

にもかかわらず、本人はなんとか打てると信じ込んでいる。

そもそも物理的に間に合うはずのないスイングを間に合うと思い込んで「振り遅れて仕方がない」などとぼやいていたというわけなのだ。この状況では、時間のあまりかからない(C)のコンパクトなドライブを用いるべきだったのだ。
「全神経を集中させて、最速で反応する」だの、「今の打球の前に次の打球をイメージして」だの、そんな自分の時間を作るための泥縄的な方法ではなく、単に与えられた時間内に収まるサイズのスイングをすればよかったというだけなのだ。

用具の話でもそうだ。年にラケットを2本購入して、ラバーを8枚購入して、なんとか3万円以内に収めようというのがそもそも無理な話なのだ。「特価品はないか?」「ラケットを中古で買ったらどうか?」「ラバーを使いまわせばラバー代が半分になる」などと、そういう姑息な、爪に火を点すような節約術をもってしても間に合わない。そうではなく、単に必要がない限り、新しいラケットを購入しなければ済む話なのだ。それで余計なラバーも必要なくなり、年4枚ほどラバーを買えば、出費は3万円以内に余裕をもって収まるのだ。

前記事「試合で発揮できる力」で5~6割の力で打つことを推奨したが、それでも認識が甘かった。場合によっては(もちろん上級者はこの限りではない)2~3割の力でドライブを打たなければ間に合わないこともあるのだ。

xia氏が興味深い動画を出していた。

「中国卓球の考え方、発力&借力について紹介」

「発力」というのはボールに自分の力をしっかり加えて打つ打法。
「借力」というのはボールがラケットにぶつかって跳ね返ろうとする力を利用して打つ打法。


(初中級者は)自分が振って入れようというところがどうしてもあると思うんですけど」
(ラケット・ラバーはボールが当たったら)跳ね返るものなので、そういう力をちょっと手助けしてあげれば…いい球が返る」

xia氏はブロックやプッシュ、カウンターなどが借力の代表的な応用例とし、下回転打ちのほうは自らの力を強く加える発力のほうを用いるとしているが、ツッツキ打ちで借力を用いることはできないのだろうか?2~3割の力で軽くコンパクトにドライブするが、ボールの跳ね返る力を利用できたら、それが4~5割の威力となって返球できる。軽い力で厳しいツッツキをドライブしてちゃんと持ち上がればいいのだが、もしかしたら難しいかもしれない。そんな場合に下回転のボールが台でバウンドして跳ね返る力を利用して軽くドライブするということができれば、今の私の問題が解決するのではないだろうか。

いろいろ長々と述べてきたが、ランダムに放たれる厳しいツッツキに対してどのように対処すべきかという問題を、とりあえずコンパクトで時間のかからない小さなドライブで切り抜けようというのが本稿の結論だが、果たして頭で考えた通りにうまくいくのだろうか。

週末の練習で試してみようと思う。
wakisime
ぐっちぃ氏のコンパクトなドライブ
 

間尺に合わない――振り遅れないために その1

S-CS

バタフライの新製品ラケットが発売された。中ペンもいくつかあって、どれも試してみたいと思う。

また、ダーカーのリベルタ・シナジーというのもすごいらしい。よく分からないが、イザナスカーボンという素材を使っていて、なんとなく、どんなボールでもラケットに招き入れるような、そんなすごい効果がありそうだ。グリップの形状も馬林エキストラみたいで、持ちやすそう。

リベルタ・シナジー

そういえば、アルバというラケットの中ペンはどうなったのだろうか。名前といい、コンセプトといい、私好みのラケットだったのに。リベルタ・シナジーは名前もグリップの色づかいもあまり好みではない。が、世間の人が絶賛しているのだから、きっと性能が高いに違いない。こんなのを使ってみたら、今まで私の卓球の上達を妨げていたものが取り除かれ、劇的な上達を遂げるような気がしないでもない。

私の知人で卓球は上手だが、用具には疎いという人がいる(上手だからこそ疎いのか?)
ラケットは世間で評価の高い定番高級ラケットで、ラバーも両面テナジーというオーソドックスな用具である。そんな彼は話題の新製品が発売されても、どこ吹く風である。どうやらラケットは5年以上使い続けていて、ラバーも半年に1度替えるだけである。

一方私はというと、ラケットをコロコロ変えて、新製品が発売されたと聞くや、すぐに飛びついてはみるものの、「やっぱり前の用具のほうがよかった」などといって元に戻したり、激安特価品をネットで見つければ、とりあえず買ってみて、使いはするものの、あまり気に入らずにお蔵入りである。

私と知人の、用具につかった金額を計算してみると、とんでもない開きがあった。  

知人の場合:年間約3万円
・ラケット20000円ほどを5年ごとに買い替えるとして、年間4000円。
・テナジー(8300円ほど)×4=25200円

私の場合:年間4~5万円
・ラケットは6千円ほどのものから1万強のものまで、年間最低2本は買うので、2万弱ぐらいが平均。
・ラバーは3000円ほどの特価品を年間8枚ほどで24000円。

知人は割引率の高いネットでは購入せず、なじみのショップで割高な用具を買っているのだという。そんな一見、買い物下手な彼よりも、安いものを探して東奔西走している、自称買い物上手な私のほうが実はずっと無駄にお金をつかっているというのは皮肉なことである。

根本的な問題は、必要のないものを買ってしまうことである。年間、ラケットを2本も買えば、どうしてもそれに合わせるラバー代が必要になってくる。必要ないものを買うのをやめない限り、他の部分でどんなに安く用具代を削っても、出費はかさむ。単純なことである。

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前記事「そなえよつねに」で到達した結論は、神経を集中させて、ボールに反応しようとしても、限界があり、どうしても遅れがちになってしまう、それよりは自分の打球前に、打球したボールに対して相手がどのように反応するかをイメージしておいてから、次のアクションに移ったほうが素早くボールに反応できるのではないかということだった。

先週末の練習でこれを実践してみたところ、やはり机上で考えるほどうまくはいかなかった。打球前に相手の次の行動をイメージするというのがなかなかできないのだ。ラリー中はそれを考える余裕がない場合が多い。ほんとうに打球するのにギリギリの時間しかないので、目の前のことを考えるのに精いっぱいで次の相手の行動にまで考えが及ばない。いわば私の卓球は自転車操業なのだ。

どうすればいいんだ?いくらがんばっても、台上の相手のランダムなツッツキに対して、こちらのドライブが間に合わない。振り遅れてしまう。

しかし、人間、追い詰められると知恵が出るものである。

気力が尽きたので、つづきは次回。


そなえよつねに――上級者の意識とは その2

前回、反応を早くするには全神経を相手の打球に集中させるという方法を試みた。
ある程度効果はあったものの、これではまるで早押しクイズのようで神経が消耗するし、むやみに体に力が入ってしまう気がする。
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もっと他に方法はないものか。

私が次に試みたのは、戻りに集中するということである。

打球するとき、インパクトを境として

スイング→インパクト→戻り

のように3つに分けるとすると、私はどうしてもスイングからインパクトまでに意識を集中しすぎて、インパクトが終わったら、安心してしまい、戻りがお留守になってしまう。そこでスイングをスタートする前から、戻りに集中するという方法をとった。スイングからインパクトまではあまり集中せずとも、自然にがんばるだろうから、むしろ戻り――ニュートラルへの戻りにすべての意識を集中するようにしたわけである。スイングだけではなく、フットワークでも同様である。短いストップが来たら、それを打つために台の下に足を入れ、しっかりと止まり、ツッツキなり、ストップなり、フリックなりで相手のストップを返球する。しかし私は打球が成功した時点で安堵してしまい、次のボールに対する備えがおろそかになってしまう。短いボールを打球した後、すぐにニュートラルの位置まで下がらなければならないのに、その場で次のボールを迎えてしまう。そうではなく、台の中に入って打球する前にすぐに元の位置まで戻ることを意識するわけである。

つまり、「さぁ、ボールが来た!打つぞ!」と判断した瞬間、打球前に「ニュートラルに戻ることを絶対に忘れるな!」と自分に言い聞かせておいてから、打球するわけである。

すると、不思議な体験をした。

「打球したあとに、すぐにニュートラルにもどろう。」

このように打つ前に先のことを考える癖がつくと、相手の次の反応にまで意識が及ぶようになるのだ。

「今、私は相手のバック側に深いツッツキをするが、つっついた瞬間にすぐに戻ることにしよう。戻りが大切だ。そうすると、きっと相手は回り込んでループ気味のドライブをバックか、ミドルあたりに打ってくるだろう。」

そのとき、私は相手が回り込むのが見えた、というより、相手が回り込んでフォアドライブを打ってくるイメージが脳裏に浮かんだのだ。果たして相手はその通りに打ってきた。私は相手がドライブを打とうとしているときにはバックハンドでブロックする姿勢に移っていた。

そのとき、私が実際に相手の様子を見ていたのかどうかよく覚えていない。ただ、相手が回り込んで打つイメージが浮かんだのだ。そのときの相手はよく知っている相手だったから、「あの人だったら、こんなツッツキを送ったら、回り込んでドライブをバック側に打ってくるだろうな」というイメージができたのだが、まったく知らない相手だったら、このようにこちらが打球する前に相手の次の行動をイメージできたかわからない。

私は変に研究熱心なところがあり、どうすれば威力があって安定する打ち方ができるのかを常に考えながら打球している。そのため、目の前のボールを打つのが精いっぱいで、相手の次の動きにまで気が回らなかった。しかし、今回は打球のほうはなおざりにして、次の戻りのことを考えた結果、それに付随して相手の次の動きがふと脳裏に浮かんできたのだ。

もしかしたら、これが上級者の意識なのではなかろうか。

おそらく上級者は打球するときに打球のことを考えていない(前記事「ワリヤゴナドゥ」)。打球前にすべての心の準備を整えてから打球するのではないだろうか。そして無心でいるからこそ、打球時に次の相手の行動にまで気が回るようになるのではないか。私は打ち慣れた人を相手に偶然、相手の次の行動が脳裏に浮かぶという経験をしたが、上級者はかなりの確率でこういうことをしているのではないかと思った。いわゆる予測というものかもしれないが、それは相手の行動を論理的な思考――こんな感じのボールをこのへんに打ったら、かなりの確率でバック側に返ってくる――から導き出すというものではなく、もっと実感を伴ったイメージとして現れるのではないか。

私の想像なので、当たっているかどうか分からないが、上級者ならそういうこともあろうかと考えてみた次第である。
 

こんな卓球用具はどうだろう?――ラケットケースとブレード形状について

「そなえよつねに」の後半を書く気力がないので、代わりに以前書いておいた記事を公開したい。
軽い冗談だと思って読んでいただければと思う(私はけっこう本気なのだが)

いろいろなラケットケースを使ってみて、一番しっくりくるのは、ブレード面だけを覆うタイプ(丸型)である。
nk7202_3

いちばんかさばらないし、グリップ部分がむき出しなのがいい。これによってグリップにしみ込んだ汗が乾燥しやすいと思う。

riderman
ライダーマンは私の周りでは不評だったが、私はけっこうかっこいいと思っている。

ただ、このタイプのラケットケースは2本入れのものがない。1本だけでは心もとないので、2本入る丸型のラケットケースがほしい。

そこでこういうのを発売してもらえないだろうか。

31UpZ+8F2NL-horz

涙型のラケットケースの下半分を切り落としたものである(ラケットのサイズに合わせて、厚みはそのままで小型化してほしい)。これなら2本ラケットが入り、かさばらないし、グリップも乾燥しやすい。

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以前、ラケットのブレード形状について記事を書いた(「卓球ラケットブレード考」)が、縦長のブレード形状はよくあるが、横長のブレード形状は稀である。パーソン・インパルスというラケットが横長らしいが、そういうブレード形状は何か問題があるのだろうか。

以前、ブロックをするとき、ヘッドを立てると安定すると書いた。シェークのフォアブロックなどは、ヘッドを真上にすると、かなり安定する。
ペンの表面のブロック(いわゆるショート)でグリップを限界まで立てると、(少なくとも私は)ブロックが安定する。強いドライブを受けてもしっかりと止めることができる。しかし、表面でヘッドを真上に立てるのはかなり疲れる。脇をしっかり締めて、体をちぢこませないと、バックショートでうまくヘッドが立たない。

そこで思い切り横長のブレードはできないものだろうか。角型ペンのラケットの側面にグリップをつけたような感じである。名付けてハンマーヘッドラケットである。

katsura grip-horz
つまり、こういうイメージである。

これならブロックの時にグリップを水平にしても、通常のラケットでヘッドを立てたような効果があり、ボールが安定しやすく、フォアドライブの威力も増しそうだ。ツッツキはまっすぐ前につっつけば、ブルドーザーのように安定するにちがいない(この譬えがどういう意味なのか、私にもよくわからない)

もし、卓球メーカーの方でこの記事をご覧になった方がいれば、ぜひ製品化をご検討いただきたい。実用性はともかく、長く語り継がれる製品になるだろう。


 

そなえよつねに――上級者の意識とは その1

かつて日本のトップレベルで活躍した人、国際大会に出たようなレベルの人は、引退後、全く試合に出場しない人も少なくない。そういう人に伸び盛りの大学生が挑戦したらどうなるだろうか。

いろいろな人に聞いた話を総合すると、大学生といっても、大島祐哉選手や丹羽孝希選手のような関東大学リーグで活躍するクラスの選手には負けるものの、関西大学リーグで活躍するような男子大学生とはいい勝負になるものと思われる(たぶん)。

どうしてほとんど練習らしい練習をしないのに現役バリバリの若い選手に勝てるのだろうか。現役時代の貯金があるといっても、それは10年、20年もしたら、底を突きそうなものだが、一度トップレベルを極めたような人は卓球のコツのようなものを会得していて、それはしばらく練習をしていなくても、ちょっと練習すればすぐに戻ってくるもののようなのだ。

そんなコツを私も会得したいものだ。

「シングルスの準決勝で馬龍(中国)から2ゲームを奪い返した時、これまでと違う感覚をつかんだんです。その感覚を忘れないうちに練習したいですね」
「城島充の取材ノートから」『卓球レポート』2016年10月号

最近WRMでは「感覚」というキーワードを重視しているようだ。しかし、WRMで重視されている「感覚」と上の水谷選手の「感覚」はなんとなく違う気がする。何が違うのだろうか。

WRMの「感覚」は打球感覚のみを指しており、水谷選手の「感覚」は打球感覚を含む、もっと広いものを指しているように思われる。これがもしかしたら、上述の「コツ」なのではないだろうか。

私も水谷選手のような「感覚」を私なりのレベルで感じることがある。その場合は打球感覚よりも、重心とか、タイミング、体幹の動かし方などで「この感覚はいい!」と感じることが多いようだ。そしてその感覚を「忘れないうちに練習」できれば、どれだけ上達のスピードが早いことか。

しかし、部活で毎日練習できる中高生とちがって、社会人は週に1~2回しか練習する機会がない。今週の練習でつかんだ、私なりの「感覚」は、おそらく来週の練習の時には忘れているだろう。

それではあまりにも惜しい。

そこで次の練習までにできるだけ思い出せるように、私のつかんだ「感覚」を詳細に記しておきたいと思う。

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私は自分の欠点として常に感じるのは反応が遅いということである。相手に先に打たれてしまうと、反応が遅いため、守備が後手後手に回り、一方的に攻められてしまう。だからこちらから先手を取ろうと無理をして打ちにいくのだが、そうすると相手のボールがあらぬところに来て、「あわわわ…」となってミスしてしまう。相手もこちらに打たせまいと打ちにくいところを狙ってくるのだから、当然と言えば当然だ。しかし、上手な人を見ていると、打ちにくいフォアミドルなどにボールを送られても、素早く動いて楽々と攻撃している。どうして私は素早く反応できないのだろうか。これをどうにかして克服したい。

はじめは私の覚悟というか心構えが足りないのだと思っていた。自分ではできるだけ早く反応しているつもりでも、その「早く」は客観的に見れば人並み以下なのかもしれない…。

そこでこちらがサービスの時、全力で相手の2球目に集中し、打てるボールと打てないボールを見極め、打てるなら全速力で反応し、打っていこうと思った。「もしこれができないなら、卓球をやめる」ぐらいの覚悟で、必死で食らいつくようにボールの行方に意識を集中させた。

サービス後に全速力で相手に対して正面を向いてニュートラルの姿勢をつくり、3球目はフォアか、バックか、はたまた、浅いか、深いか、それを血走った目で待ちかまえ、ミドルに来ると見るや、全速力で反応し、バック側に移動。さらに台から出ると判断できるとループドライブの姿勢に入り打球…。なんとか間に合った!

間に合った!たしかに間に合った!

eureka
そのときは、こういう気分だった。

が、これほどまでに集中力をつかわなければならないものだろうか。卓球って疲れるな。上手な人はもっとリラックスして流れるようにプレーしているように見えるけれど、あれは熟練のなせる業で、私のようなヘタッピは、はじめのうちはこのぐらい全神経を集中しなければ相手の打球に反応できないのかもしれない。

今までよりはずっと早く反応できはしたものの、なんとなく割り切れなさも残った。

【つづく】

 

スイートエリアを外す――安定したブロックとドライブのために

最近、練習をして感じたことは、私には守備力が足りないということである。

相性がいい相手なら、こちらから一方的に攻めて、終始優位に立てるのだが、慣れない相手ややりにくい相手だと逆に一方的に攻められて完敗である。

上手な人のプレーを見ていると、そのような波が少ないように感じる。それは守備力の高さが大いに与っているのではなかろうか。

上手な人でもやはり突かれると嫌なところがあって、そういうところにボールを送られると、強く打てないようだ。そして相手に先に攻められることも多いのだが、上手な人は相手に先に打たれても、そこでしっかり止めて、次につなげ、あわよくば攻勢に出るという展開が多い。それに対して私は相手に先に攻められると、しっかり止められず、ブロックミスをしてしまったり、ブロックできたとしても、ただ返すだけで相手の連続攻撃を許してしまう。

「ブロックをなんとかしなければならない」

そのように思って自分が3球目で打つ練習を控えめにして、相手に先に打たせる練習を増やしてきたのだが、そこで困ったことが起こった。ループドライブである。

上手な人がほぼ真上方向にスイングし、高い弧線のループドライブを打つと止められない。いろいろ角度を調整してみたが、ボールは吹っ飛んで行ってしまう。ほかの人がどうやってループドライブを止めているか、よく観察してみたところ、ラケットの上半分で当てているようだ。

ラケットヘッドを仮に真上にしてブロックをするとすると、ループドライブを止めるためにはラケットの中央ではなく、ラケットヘッドのふちのあたりで、バウンドして上がってくるボールを上から抑えれば簡単に止められるのだ。

おそらく読者は呆れたのではないだろうか。

「そんなことも知らなかったのか」と。

私にとってこれは大きな発見だった。ふだんあまり回転量の多いドライブを受ける経験がないので、回転量の多いループドライブを受けて初めて、このラケットの使い方に気づいた次第である。

私はボールはラケットの真ん中、いわゆるスイートエリアに常に当てれば一番いいボールが出ると思い込んでいたのだが、ボールの性質によってはスイートエリアを外した方がいいという発見を伝えたいと思う。もちろんそんなことはとうの昔に知っているという読者は対象外である。私と同様、そんなことさえ知らなかったレベルの人たちにである。

短い下回転ボールをバウンド直後にヒョイっと掬い上げるフリック。
これはラケットの真ん中ではなく、ラケットの下のふちにボールを当てると安定する。下回転がかかっているから、しっかり回転をかけてつっつかないと、下に落ちてしまう気がするが、こちらからはまったく回転をかけず、ラケットのふちに、いわば「乗っけて」相手のコートに送り出す。

これは先ほどのループドライブのブロックとは真逆の発想である。ループドライブは強烈な上回転をラケットの上のふちにひっかけて、それ以上ボールが上がらないように上から抑えるわけだが、乗っけ打ちのフリックは、ラケットの下のふちをボールにひっかけて、それ以上、下に落ちないように掬い上げるわけである。

またまた当たり前のことをいうと、ラケットには、上半分にボールを当てれば、ボールは下に向かい、下半分に当てれば上に向かうという性質がある(前記事「インパクトの位置」)。

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これを他の打法、ドライブやスマッシュに当てはめてみよう。

大して下回転がかかっていないのにボールをネットにひっかけてしまうという場合がよくある。インパクトが弱いのか、打点が遅いのか、はたまた下回転の回転量を見誤っていたのか…。焦って全力でスイングし、ボールを持ち上げようとしても、やはり持ち上がらない。

原因は、ドライブをかけるときにラケットのスイートエリアより、やや上にボールを当てていたという可能性も考えられる。下回転を持ち上げるときは、スイートエリアより、やや下にボールを当てれば、スイングスピードが遅くてもボールは上に持ち上がる。逆に順回転のボールをドライブするとき、しょっちゅうオーバーしてしまうという場合は、打点が遅く、差し込まれているという可能性もあるが、ラケットの中央よりも下にボールを当てているのかもしれない。

スマッシュについては以下のページに興味深い話がある。
スマッシュがうまい人の特徴

スマッシュをするとき、ラケットの下半分にボールを当てるといいというのだ。
しかし、その理由は私の想像していたものとは違っていた。ボールをラケットの下半分に当てると、ボールが落ちないのではなく、逆にオーバーミスをしにくくなるのだという。

分からなくなってきた…。こんどの練習で上半分に当てた時と、下半分に当てた時で、ボールの軌道がどうなるか試してみようと思う。







 

湿気と弾み――ラケットを手軽に乾燥させる方法

何年も使い込んだラケットには手の汗や湿気がラケット深くに潜り込み、打球感を変える――弾まなくなるのだという。新品のころはカーンと響くような打球感だったラケットが3年、5年と使い込んでいくと、ジットリとした打球感に変わるのだという。

「そのジットリがいいのだ」

という人もいる。

中国選手は新品のラケットを鍋でグツグツ煮てから使うという話を聞いたことがある。
「いや、ミスの少ない中国選手が煮るなんて乱暴なことをするとは思えない。シュウマイの国だけにせいろを使って蒸しているのだ。」という意見もあれば、「いや、トップ選手はみんなフライパンで炒めている」「焙っている」「燻している」など、真偽のほどは明らかではないが、そういう意見を聞いたことがある。

私のラケットもなんだかジットリしていて、弾みが悪くなったような気がしていたので、乾燥させてみたら、打球感が変わっていいボールが出るかもしれない。

前記事「卓球用具代用考(乾燥剤)」 

で乾燥剤を使ってラケットを乾燥させることを考察してみたが、あまり効果が感じられなかった。保存・保管にはいいかもしれないが、もっと手っ取り早く乾燥させる方法はないだろうか。焙るというのはできないこともなさそうだ。

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こういうふうにできれば一番いいのだが、街中に住んでいると、こういうことをする場所が限られる。めんどくさい。うちのガスコンロを使うのもちょっと…。

そこで、ちょうどうちに布団乾燥機があったので、それでふとんといっしょに温めてみた。
しかし、いきなり2~3時間という試練をラケットに与えたら割れたり、接着剤がダメになって、合板が乖離してしまったりするかもしれない。はじめは20分ぐらいで試してみよう。

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 左のスティガのラケットは93グラム。右のダーカーのラケットは85グラムだった。

それをふとんといっしょに温めること20分。ホカホカになったラケットを計量してみると、92グラムと84グラム。ちょうど1グラム軽くなっている。

これは効果があるかもしれない。

あと20分追加してみる、同じように計量してみると、今度は91グラムと83グラム。また1グラム減っている。
こんな手軽に2グラムも減量できるとは。もしかしたら、あと2時間ぐらい続けたら、新品のときのような打球感を取り戻せるかもしれない。

しかし、私は用具に対してそれほど探求熱心ではないので、ここまでとしておく。
読者の中には用具に対して並々ならぬ情熱をお持ちの方もいらっしゃるかと思われる。そういう方がもっと徹底した調査レポートを報告してくれることを期待している。


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