しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2016年08月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

卓球向けビデオカメラの選び方

9月はビデオカメラが安くなるんだそうである。
10月は運動会を撮るために一年で最もビデオカメラが売れる時期だそうで、この時期に新規購入・買い替え需要が起こり、新製品の投入があり、旧モデルの安売りが始まるらしい。

前記事でもビデオカメラを取り上げた(前記事「卓球人のためのビデオカメラの選び方」)が、9月を控えた今、改めてビデオカメラについて考えてみたい。
なお、私はこういう分野に疎く、画質や音声の良さとか、性能的なことはよく分からないので、詳しい人に確認してから購入することをお勧めしたい。

家庭用ビデオカメラは大きく分けると3種類あるようだ。

A:4K動画が撮れる上級モデル。
B:1080Pまでの標準的なハイビジョン動画が撮れるモデル。
C:アクションカメラ

Aの4K動画はハイビジョン動画と比べて4倍の解像度というから、データ量が膨大になる。また、4K画質が映せるテレビやPCのモニターはまだあまり普及していない。将来的に4Kテレビが普及した時のために購入するという手もあるが、自分の試合などを撮影するのにそれほどのスペックが必要か疑問である。
HC-VX980M
パナソニックのHC-VX980M。

今、6万弱で買える。コストパフォーマンスが非常に高いので人気がある。

Cのアクションカメラというのは非常に小型で、振動やホコリに強く、自転車に取り付けたり、ダイビングのときに自分の手や頭に取り付けて、自分の視点で撮影するという用途らしい。スポーツをするときや旅行に行った時、自分の視点で撮ることができる。ただ、レンズが非常に広角で、固定して撮影する卓球撮影にはあまり適していない。

GoPro HERO4
 GoPro HERO4 5万円強。

というわけで通常のBのハイビジョン画質のビデオカメラが最も卓球撮影に適していると考えている。

ビデオカメラはソニー、パナソニック、ビクター、キヤノンから出ているが、前三者がシェアの大半を占めているらしい。普通はソニーかパナソニックかというところだが、ビクターはバッテリーの容量が大きく、2時間半以上連続録画できるらしい。また、衝撃にも強いという。卓球撮影用としてはなかなか魅力的である。

Everio GZ-R300
Everio GZ-R300 3万円強。

カタログスペックでは撮影時間が310 分!5時間!
しかしこのモデルはMP4では記録できず、AVCHDのみだという。また1080Pの60フレーム/秒にも対応していないらしい(上位モデルはどちらも対応)。MP4に対応していないということは、youtubeにアップロードするときに、パソコンでMP4に変換するという一手間が必要になってくる。また60フレームに対応していないので、やや滑らかさに難があるか。

ソニーのHDR-CX675という機種が今、最も売れているようである。
sony

価格は5万弱ぐらい。
空間光学手ブレ補正という機能が売りのようだが、三脚で固定して室内で撮る卓球撮影にはあまり必要ないだろう。
録画モードがAVCHD画質:1920×1080/60p(PS), 24p(FX,FH), 60i(FX,FH)とMP4 : 1280×720 30pというのがいい。
USB端子から充電が可能ということなので、汎用品のモバイルバッテリーで充電できるようだ。ただ、付属のバッテリーが切れた時、モバイルバッテリーで給電しながら撮影することができない。ソニーの人に聞いたので間違いない。以下、メールでのやりとり。
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最後に本体のバッテリーが切れた時に、
汎用のモバイルバッテリーで給電しながら
撮影することはできるでしょうか。

●「HDR-CX485」HDR-CX675」

給電しながら撮影する事はできません。

ご期待にそえず、誠に申し訳ございませんが
何とぞご了承願います。
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HDR-CX485

卓球には手ブレ補正は関係ないので、下位機種のHDR-CX485もいいかもしれない。
ただ、値段は上位機種とあまり変わらず、5万弱。

あと、ソニーのカメラはパナソニックと比べて、本体液晶画面が少し大きいのがうれしい。
HDR-CX485は重さが195gだが、上位機種のHDR-CX675は重さが305gとやや重いのが難点。


一方パナソニックのHC-V360Mは上のソニーのモデルよりは安価なモデルだが、卓球撮影のための機能は十分だと思われる。
J0000014465
価格は4万弱ぐらい。
録画モードは1080/60p:1920×1080/60p、PH/HA/HG/HE:1920×1080/60i、MP4/720p:1280×720/30pとなっており、ソニー製品とあまり変わらない。MTSファイル1080Pの60フレーム/秒とMP4ファイル720Pの30フレームがあれば十分である。720Pの60フレームというのが最も使い勝手が良さそうな気もするが。

本体の重さがわずか213gというのがすばらしい。ポケットに入るぐらいの小ささである。
ただ、このモデル(内蔵メモリを増やしたHC-V480Mも)は現在生産終了で、10月ぐらいに新しいモデルが出る予定だが、熊本の地震で部品供給が滞っているらしく、後継モデルが予定通り発売されるか分からない。
パナソニックのビデオカメラのすばらしいところはPSPのACアダプターが流用でき、給電しながら撮影できる点である。さらにPSP用のUSB変換ケーブルを使えば、モバイルバッテリーを使って撮影できる。HC-V360Mに付属のバッテリーは容量が小さく、カタログ値では125分である。ソニーのHDR-CX675はもう少し大きく、カタログ値が150分である。パナソニックのカメラはこのバッテリーという弱点があるのだが、上の方法でその弱点は解消される。

PSPケーブル

USB充電ケーブル。300円ほど。

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アマゾンで一番売れているモバイルバッテリー。3000円ほど。
使ったことはないが、上のUSBケーブルでビデオカメラと繋げば、長時間の録画が可能になる?

【結論】
ビクター、ソニー、パナソニック、どれも卓球撮影に適しており、価格も4万~5万でリーズナブルである。
発色の美しさや手ぶれ補正といった点は卓球撮影にはあまり必要ない。必要最低限の機能と、バッテリーの持ちの良さを考えると、私はパナソニックの低価格機がいいかなと思うが、ビクターのバッテリーの容量と対衝撃性、ソニーのブランドは魅力的だ。

【追記】180501
私はパナソニックの安いカメラを2台使ってきたが、どちらのカメラも1年ほど経つと、急にオートフォーカスが誤作動し、10分ほど連続で撮影すると、画質がボケボケになってしまうというトラブルに見舞われた。ネットで解決策を探してみたが、ダメだった。
おそらく屋外で使う分には問題ないのだろうが、卓球の撮影のような体育館内での撮影はセンサーが高性能でないとオートフォーカスが誤作動するようだ。
解決法としてマニュアルでピントを固定するという方法が最も確実だが、パナソニックの安いカメラはマニュアルの使い勝手が悪い。タッチパネルで操作するので細かい操作がむずかしいし、ピントが上手く合わせられない。卓球の動画撮影にはマニュアルの使い勝手の良さという要素も考慮したほうがいいと思われる。


【追記】1800918
ピントが合わない、ボケるという問題は、もしかしたらレンズに気づかないような汚れがついていたからかもしれない。レンズを拭いてオートフォーカスがまともに機能するようになったことがあった。

卓球用具代用考――ボールケース、シューズバッグ

久しぶりに卓球用具代用考のネタが集まったので、公開したい。

卓球用具代用考というのは、卓球用具以外のものを卓球用具として使ってみようという企画である。

前記事「卓球用具代用考(ボールケース)」では、ボールケースの決定版が見つからずに先送りしたわけだが、今回、メガネ屋でちょうどいいケースを見かけたので試してみたところ、非常にフィットしたので、紹介したい。

megane



名古屋眼鏡 ウレタン セミハードケース 520円(ネットで買ったわけではないが、たぶんこの製品だと思う)

あまり安くないのと、フックがすぐ壊れるとレビューにあるのが気になるが、使い勝手はなかなかいい。

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ラージボールを4個入れると少しはみ出すが、

S1030003

ファスナーを閉めると、ちょうど収まった。硬式のボールならちょうど4個入る。眼鏡を保護するものなので、耐衝撃性は高い。

筆入れも試してみたいが、筆入れにはハードケースでちょうどいいものが見つからなかった。

卓球のボールケースは私はハードケースじゃないと不安である。ハードケースのボールケースはあまり多くない。
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TSP 2個入れ 800円ぐらい



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ヨーラ 3個入れ 800円ぐらい


ハードケースのボールケースは高すぎると思う。私はラージと硬式のどちらも2個ずつ入れたいので、4個入るこのメガネケースはリーズナブルでお勧めである。

もう一つ、シューズバッグでいいものはないか。

ラケットケースとシューズとタオル、着替え、水、食料、その他もろもろを入れると、カバンがいっぱいになる。シューズだけでも外に出せたらと思ってシューズバッグを買ってみたのだが、けっこうかさばるし、通気性が悪く、練習後の汗で湿ったシューズを入れるのがためらわれる。そこでもっといいものがないか探してみた。

mizuno shuzu
ミズノのシューズバッグ。デザインはなかなかいいが、ポリエステル製と記されているので、通気性はあまり期待できない。しかも値段が高い。1200円ほど。

stiga shuzu
スティガ シューズバッグ 2800円!高い!

こういうしっかりしたバッグではなく、もっと安価なもので私には十分である。

shuzu
BLシューズ袋。400円ほど。ナイロン製ということなので、通気性に不安を感じる。


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無印良品 布製マイバッグA4サイズ 200円。

よく考えてみたら、うちにたくさんある布製の買い物バッグで十分ではないか。布製だから通気性もいいし。

というわけで、シューズバッグの代用品としては買い物バッグが最適という結論に達した。

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本題には関係ないが、最近、「 アニメの画像をアップすると近い構図の水谷隼の画像が送られてくる」というツイートが流行っているらしい。なかなかおもしろかったので、紹介したい。水谷選手は日本中でいじられていて、一躍、時の人となった。喜ばしい限りである。

mizutani railgun
 

卓球の見方、楽しみ方【卓球非経験者向け】

卓球が今回のオリンピックで非経験者に受け入れられた理由の一つとして勝敗の分かりやすさがある。

ツイッター等で一般人の意見を見てみると、他にも

・展開が早くて退屈しない、それでいて早い展開の中にも(良い解説があれば)戦略や意図が見えやすい。
・迫力があるにもかかわらず、画面にすべてのプレーが収まる。

といったところが評価が高かった理由だろうか。もちろん日本選手が強いというのが前提である。

私は錦織選手の試合をテレビで見たが、テニスの試合というのはゆっくりしているという印象を持った。2~3球でポイントが決まってしまうことも多く、ポイントとポイントの間にタオルで身体を拭ったりといったプレー以外の時間がけっこうかかり、なかなか試合が進まない。それでかどうか分からないが、テニスは試合時間も1試合あたり2~4時間はかかるものらしい(卓球は1時間ほど)。4時間も観たら、観ている方が疲れてしまう。もしかしたら、テニス観戦というのは集中してずっと観るのではなく、ビール片手に世間話でもしながらワイワイ観るのが正しい観戦法なのかもしれない。また、とんでもないスピードのボールなのだろうが、コート全体を映すロングショットで観ると、あまり迫力がないと感じた。

その一方で、一般人にとって分かりにくいところもあったようだ。以下にネットでよく見かけた卓球についての一般人の疑問に答えてみたいと思う。なお、あくまでも私の見解なので、間違っている可能性もある。その際はコメント欄ででもご指摘いただきたい。

1.卓球は何セットとれば勝ち?
「今、初めて知ったけど、卓球って4セットとったら勝ちなのね」
「卓球って3セットとって勝ちじゃなかったっけ?」

・2000年以前
21点1ゲーム
シングルスの場合は5ゲームマッチ、3ゲーム先取
団体のシングルの場合は 3ゲームマッチ、2ゲーム先取

・2001年以降
11点1ゲーム
シングルスの場合は7ゲームマッチ、4ゲーム先取
団体のシングルの場合は 5ゲームマッチ、3ゲーム先取

1ゲームの点数を少なくすることにより、逆転不可能なぐらい大差がつく退屈なゲームがなくなり、競るゲームが増えた。ちなみに現在の11点制で4-9のように5点差以上ついて(ダブルスコアになって)しまったら、逆転は困難(だが、不可能ではない)。また、試合時間の短縮にもなった(シングルスでいうと、フルセットまでいったとして21x5=105から11x7=77と変わった)。なお、2000年からボールのスピードを抑え、観客に見やすくするためにボールの直径が38mmから40mmに変更された。現在は41mmぐらい。

2.「卓球の男子と女子の差はどのぐらい?」
これは相性によっても違うし、答えにくいが、個人的には女子の世界チャンピオンが男子のベスト16に入るかどうかぐらいだろうか。世界ランキングで言えば、女子の世界チャンピオンは男子の20~30位ぐらい?

たとえば日本のエース、石川佳純選手が日本の男子トップ選手(ナショナルチーム)と戦ったら――オリンピック代表の3名、松平健太選手、大島祐哉選手と戦ったら…石川選手が勝つのは無理だと思われる。ではナショナルチームに準ずる「ナショナルチーム候補選手」ならどうか。森薗政崇選手、吉田雅己選手、岸川聖也選手、上田仁選手…やっぱり無理。男子のインターハイのトップ選手(超高校生級は除く)となら、いい勝負かもしれない。女子の技術が劣るというわけではないが、男子のボールのスピードはかなり速いので、スピードに慣れていないというだけで負けてしまう気がする。女子選手が男子とずっと練習して男子のボールのスピードや威力に慣れていれば、男子にも勝ちやすくなるのではないだろうか。トップの男女選手が対戦するのは見たことがないので、私の見解が妥当かどうか自信がない。

以下は今年行われたエキシビジョンマッチ。中国の男子2軍(3軍?)選手に李暁霞選手(ロンドンオリンピック金メダル、リオオリンピック銀メダル、非常に男性的なプレースタイル)が勝利している。



3.「卓球はどうして中国が強いの?」「卓球ってアジア人が有利なの?」「卓球って年齢層が幅広いな」

欧米でも卓球はレクリエーション的なスポーツだと思われがちで、競技としては人気が低い。一方、中国では、おそらくスポーツで初めて世界チャンピオンを輩出した(1959年)のが卓球だったので、卓球が国技とみなされているらしく、古くから卓球の人気が高い(最近の若者はバスケやサッカーのほうを好むが)。そのため国が重点的に強化している結果、強いのだと思われる。大規模な設備やチームワークがあまり必要ないことも、貧しく、個人主義的な中国人の嗜好に合っている(最近は裕福な中国人も増えてきたが)

アジアのほうが欧米よりも強い、あるいは15歳から50代まで活躍できる理由として

・背が高いと、低いボールを打球しにくい。
・絶対的な筋力だけで相手を圧倒するのが難しい。

ということが考えられる。欧米人が体格的に不利というより、欧米人の体格のアドバンテージがあまりないということだと思われる。それでアジア人、あるいは15歳や30才台の選手でもトップレベルで戦えるのだと思う。
バスケやバレーボールは背の高さが大きなアドバンテージになるが、卓球では背が低いことが逆にアドバンテージになる。ボールを腰あたりで打つのと、胸あたりで打つのを比べると、後者のほうが安定して、早いピッチで打ちやすい。背の高い白人のほうが威力のあるボールが打ちやすいが、卓球の場合は相手のボールの威力を借りて、カウンターするという技術で小柄な選手や年齢の高い選手でも威力のあるボールが打てる。ただし、後ろに下がってしまうと、どうしても体格のいい選手のほうが有利である。

4.「愛ちゃんに比べて、男子の選手はどうして後ろに下がり気味なの?」「プロの卓球って台を9台分ぐらい使ってるよね」

男子の場合、ボールのスピードや威力がすさまじいので、女子選手のように台の近く(前陣)ですべてをさばく時間的余裕がない。また、前陣でフルスイングで強打を打つと、返球されるスピードも速いので、次のボールに間に合わなくなる。2~3メートルぐらい台から離れると、ボールの到達がコンマ何秒遅れるので、すさまじいスピードのボールでもなんとか対応できるし、フルスイングで連打ができる。

5.「卓球ってボールボーイがいないの?」「卓球って自分でボールをとりにいくんだね」
「卓球って戦う相手とウォームアップで打ち合うんだ」


中国の卓球プロリーグでは時間短縮のためにボールボーイがいると聞くが、あまり必要性を感じない。選手は拾いに行きながら戦術を考える時間が作れる。バドミントンのダブルスの試合前のウォームアップでペアの相手(自国選手同士)が反対側のエンドにいって打ち合っているのを見て驚いた。スポーツによって細かい違いがいろいろあるんだと感じた。

6.「日本初のメダルとか言ってるけど、昔日本に世界チャンピオンっていなかったっけ?」

日本は70年代までは強豪国で何人もの世界チャンピオンを輩出している。特に1950年代は荻村伊智朗や田中利明が世界の頂点に立ち、圧倒的な強さを誇った(というかその当時は競争があまり激しくなかった)。その後、60年代から中国が台頭し、日中が競合する時代に入り(荘則棟や李富栄が活躍する頃、日本はすでに中国には勝てなくなっていた)、やがて韓国やスウェーデンも強くなってくるのと反比例して、日本は80年代から低迷が始まり、ここ数年で、ようやく強豪国として返り咲いた。日本は世界選手権(今風の言い方なら、世界卓球)では何度もメダルを獲っているが、オリンピックでは初めて。卓球がオリンピックの種目になったのが1988年なので、日本の低迷期と重なる。

7.「卓球でラブゲームはダメなの?」

もともと中国人が考えだしたマナーだったと思うので、ラブゲームで勝ってもルール上問題ない。私だったらお情けで1点もらうのは逆に屈辱に感じるが、中国人にとってはそれでメンツが立つらしい。中国が圧倒的に強いことから、外国人でも中国のマナーをまねて、ラブゲームになりそうなときはわざと1点献上する選手が多い。

8.「卓球は見ているほうが目が追い付かないのに、どうしてあんなに速いボールを返せるの?」「卓球は反射神経・動体視力が勝負?」「卓球は集中力とか頭使いそう」

反射神経よりも、予測や戦術に長けているから速いボールに対応できると思う。卓球が上手い人は反射神経が特別に発達しているという印象はない。
相手が自由に好きなところに打てないようなボールを送り、相手の打つコースを限定しているからこそ、相手が打球する前に次の準備に移ることができる。例えば、こちらが相手のバックサイドを切るような強打を打てば、相手はストレートに打てず、クロスに、しかも長く打たざるを得ない。

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それを見越して、打球後すぐにクロスで待ち構えているからこそ、人間技とは思えない反応でラリーができるわけである。卓球はボールのスピードが速いとき、相手が打ってから、こちらが動くのでは間に合わない。相手が打つ前に動かなければならない(前記事「本人による解説」)。

どこにボールを送れば、相手が甘い球を返してくるか、ということを考えながらプレーせず、行き当たりばったりで相手が打ったボールを追いかけていては、相手に好きなように打たれてしまう。市井の愛好家のレベルでも、自分がサービスを持った場合は、サービスから5球目ぐらいまではどこにボールがくるか想定しながらプレーしているので、トップ選手ともなると、何手、先を読んでいるか想像もつかない。それだけ頭を酷使するスポーツである。


9.「ボールが台に吸い込まれるように見える」「すごくボールが曲がる」

卓球は反射神経というよりは回転のスポーツである。回転が勝敗を大きく左右する。ボールに強烈な前進回転をかけると、マグヌス効果によって打球したボールが弧線を描き、急激に下に落ちる。これが吸い込まれるように見える理由である。回転をかける方向をややずらし、斜めに回転をかければ、大きく左右に曲がる。

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10.「卓球でガッツポーズはダメ?」

ルール上も、マナー上も問題ない。ただし、相手に向かってガッツポーズを取ると、威嚇しているとみなされてイエローカードをだされることがある。過去に平野早矢香選手が相手に向かってガッツポーズをして注意されたことがある。
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それでほとんどの選手はポイントをとったとき、相手に背を向けてガッツポーズを取る。

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11.「卓球ってブラジルで人気なの?」

日系人の間で卓球が愛好されていると聞く。ブラジルのトップ選手はほとんど日系人である。中には水谷選手に勝ったり(マツモト・カズオ選手)、ドイツのブンデスリーガでプロとしてプレーしている選手(グズターボ・ツボイ選手)もいるので、卓球のレベルは中の上ぐらいである。

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ブルーナ・タカハシ選手

卓球の国際大会には以下のものがある。

・世界選手権(世界卓球):毎年行われる。今年はマレーシアで団体戦が行われた。来年は個人戦が行われる。毎年テレビ東京が地上波で放映してくれる。
・オリンピック
・ワールドツアー:世界各国で行われる国際大会。10ヶ国以上を転戦する。ジャパン・オープンは神戸か横浜で行われる。入場料は2000円ほど。国際卓球連盟のサイトで動画が観られる(itTV)。


リオ・オリンピック 卓球競技の注目度

リオ・オリンピックの卓球競技がすべて終了した。
男女ともに悔やまれる点はあったものの、無事メダルを獲得できた。特に男子シングルスの水谷選手の銅メダルと、男子団体の銀メダル獲得はいくら称賛してもしたりないぐらいの素晴らしい成果である。

だが、卓球日本代表の挑戦はこれで終わったわけではない。新たな挑戦はすでに始まっている。

リオ・オリンピックでの卓球競技に対する注目度は今までにないほどのものだった。連日新聞に大きく取り上げられ、女子の日本代表は言うにおよばず、今や、水谷選手の名前はおろか、試合中はノーパンだという一部の卓球ファンしか知らない水谷選手の下半身事情までその辺の一般人がふつうに知っているのだ。

サッカー日本代表が早々と負けたこともあり、日本国民は目が覚めたようだ。

「リオ・オリンピックが始まる前は、サッカー、サッカーって日本中で大騒ぎしていたけど、予選も突破できないサッカー日本代表よりも、メダルを取ってきちっと結果を出した卓球のほうがはるかに観る価値あるんじゃね?」

卓球は確実に日本国民に受け入れられつつある。それには解説と実況の方々やトレーナー、スタッフの方々の後方支援も忘れてはいけない(「卓球“神解説”の宮崎氏…」)。それから男子の卓球をもっと盛り上げるためには、次回の男子の解説はぜひ宮崎氏にお願いしたい。

卓球日本代表の次なるミッションは日本国民に卓球の魅力をアピールし、卓球のイメージ向上、メジャースポーツ化、ひいては卓球選手の引退後のセカンドキャリアの創造である。

卓球は、ダサい、暗い、かっこ悪いというレッテルを貼られて以来、そのイメージをいまだに引きずっている(前記事「卓球の「暗い」イメージ」)。女子日本代表がずいぶんイメージ向上に貢献してくれたが、それでもまだ足りない。男子もそれに続かなければならない。

前記事「世界卓球2016の注目度をデータから振り返る」「世界卓球2016を非卓球人はどう見たか」で一般人の卓球に対する関心の高まりを見たが、本稿でもリオ・オリンピックの注目度をグーグル・トレンドを使って見てみたいと思う。

trend


調査範囲は8/11から8/18の一週間(日本時間)。

青い線が卓球。平均値は15ポイント。
赤い線がテニス。平均値は8ポイント。
黄色い線がサッカー。平均値は4ポイント。
緑の線がバドミントン。平均値は6ポイント。

「卓球」「テニス」「サッカー」「バドミントン」という語がグーグルでどのぐらい検索されたかを示している。詳しくは知らないが、関連語句も含めて、これらの語句がどのぐらい注目されているかが分かるしくみである。

テニスが一時的に非常に検索されているが、この一週間の平均値では卓球が他を圧倒している。まだオリンピックが終わったわけではないが、このオリンピック期間の中盤から終盤にかけて日本を最も盛り上げたのは卓球と言っても過言ではない。いや、もしかしたら全期間を通して卓球が最も注目されたのかもしれない。

卓球の一番大きな山は17日の01:00である。この時間には女子団体の3位決定戦が行われている。
次は18日の09:00である。この時間には男子団体の決勝が行われている。
3番目は15日の11:00である。この時間には女子団体の準決勝が行われている(早朝には男子の準々決勝)。

やはり、女子団体の注目度が高いが、18日の注目度は男子団体に対するものであろう。

テニスの一番大きな山は15日の04:00である。錦織選手の3位決定戦である。
次は14日の01:00。錦織選手の準決勝。
3番目の13日の06:00は錦織選手の準々決勝だろうか?

サッカーはずっと低調で、山らしき山がない。私はこの調査をするまで女子サッカーが行われていたことさえ知らなかった。この注目されなさぶりはどうだろう?外国では注目されているとはいえ、結果を出さなければ、人心は離れていくものなのである(前記事「観るスポーツとしての卓球」)。

バドミントンは15日の21:00が一番高い山である。おそらく高松ペアの準々決勝が影響している。
次は16日の21:00で、奥原・山口両選手の試合と、男子ペアの試合があったためだろう。
3番目は13日の22:00で、バドの各選手の初戦が影響しているのだろう。

バドミントンの日本代表は実力もあり、これからメダルに絡んでくるので、注目度は18・19日が最も高いと思われるが、卓球には及ばないだろう。

次に日本のどの都市で卓球に関する検索がなされたかというと、やはり水谷・伊藤選手の地元、磐田市が圧倒的である。石川佳純選手の地元、山口も強い。しかし、3位の秋田や4位の松江はちょっと意外だった。関西は14位の越前市、18位の福井市がランクインしているが、主要都市ではさっぱりである。

1 磐田市 100
2 山口市 86
3 秋田市 83
4 松江市 82
5 鶴岡市 78
6 弘前市 77
7 高岡市 77
8 周南市 77
9 日立市 77
10 小金井市 76
11 鎌倉市 76
12 山形市 75
13 府中市 75
14 越前市 75
15 青森市 74
16 仙台市 74
17 盛岡市 74
18 福井市 73
19 国分寺市 73
20 米子市 72


「卓球」関連の人気のキーワードのランキングは以下の通りである。

1. オリンピック 卓球
2. 卓球 世界ランキング
3. リオ 卓球
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5. リオオリンピック 卓球
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13.石川佳純
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17.卓球 伊藤美誠
18.卓球 男子団体
19.卓球 女子 世界ランキング
20.馬龍
21.リオ 2016 卓球
22.伊藤美誠
23.卓球 中国
24.卓球 ラケット
25.オリンピック 卓球 速報

意外なのは14位と20位の「馬龍」である。日本でも人気が出そうである。
113-2

視聴率のほうはどうかというと、ビデオリサーチ社のデータ(関東地区)をみると、「番組平均世帯視聴率」というのが

11日は卓球女子S、3位決定戦が15.6%でトップ。
12日は卓球男子S、3位決定戦が15.7%でトップ。
13日は卓球女子T、ポーランド戦が17.6%でトップ。
14日は女子マラソンの22.6%には負けたものの、卓球女子T、オーストリア戦が19.1%で2位。
15日は卓球女子T、ドイツ戦が20.6%でトップ。
16日は卓球女子T、シンガポール戦が17.7%でトップ。
17日は卓球の試合がなかったため、バドミントン女子Sの15.4%がトップ。卓球女子T表彰式が10.9%。
18日のデータはまだ出ていない。

16日の3時から、あるいは朝7時からの男子Tドイツ戦の視聴率があまり出ていないのが残念である。男子の団体はのきなみ早朝の3時からだったため、不利ではあるが、女子と比べると、やはり注目度に差があると言わざるをえない。

このデータから卓球はオリンピックの中で最も視聴率がよく、魅力的なコンテンツに成長したと言える。
が、卓球はまだ伸びしろがかなりある。有力な若手がどんどん成長しているので、これからも卓球の人気は安泰だろう。卓球の競技レベルを向上させるとともに、一般人に卓球をアピールし、卓球で飯が食える人をもっと増やさなければならない。さらなる卓球の地位向上が期待される。

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【参考】
以下、NHKのリオ・オリンピック特設サイトのニュースから、卓球、テニス、サッカー、バドミントンのニュースを拾った。)

8/11:福原選手が3位決定戦で敗れる。
8/11:サッカー予選敗退決定(スウェーデンには勝利)
8/11:バド、高松ペア初戦勝利。
8/11:水谷選手、準決勝敗退。
8/11:バド、ミックスダブル初戦勝利。

8/12:テニス、ダニエル太郎3回戦勝利。
8/12:バド、男子ペア初戦勝利。
8/12:錦織選手、準々決勝進出。
8/12:水谷選手、銅メダル獲得。
8/12:バド奥原選手、初戦勝利。
8/12:バド、高松ペア、2勝目。

8/13:バド、男子ペア、2勝目。
8/13:バド、山口茜選手、初戦勝利。
8/13:バド、混合ペア、2勝目。
8/13:卓球女子団体、1勝目(ポーランド戦)。
8/13:サッカー女子、準々決勝敗退。
8/13:サッカー男子、帰国。
8/13:バド、高松ペア、混合ペア、準々決勝進出。

8/14:錦織選手、マレーに敗れる。
8/14:バド、佐々木選手、初戦勝利。
8/14:男子団体、1勝目(ポーランド戦)。
8/14:女子団体、2勝目(オーストリア戦)。
8/14:バド、男子ペア、準々決勝進出。
8/14:バド、山口選手、奥原選手、決勝トーナメント進出。

8/15:バド、佐々木選手予選敗退。
8/15:錦織選手、銅メダル獲得。
8/15:男子団体2勝目(香港戦)。
8/15:バド、ミックスペア、準々決勝敗退。
8/15:テニス、マレー選手が金メダル。
8/15:女子団体準決勝敗退(ドイツ戦)。
8/15:バド、高松ペア準決勝進出。

8/16:バド、男子ペア、準々決勝敗退。
8/16:男子団体、決勝進出(ドイツ戦)。
8/16:バド、奥原選手、山口選手、準々決勝進出。

8/17:バド、高松ペア、決勝進出。
8/17:女子団体、銅メダル獲得(シンガポール戦)。
8/17:サッカー女子、ブラジルが準決勝敗退。
8/17:女子団体、中国が金メダル。
8/17:バド、奥原選手、山口選手を破る。

8/18:サッカー男子、ブラジルとドイツが決勝進出。
8/18:錦織選手、早くも次の大会へ。
8/18:男子団体、中国に敗れ、銀メダル。

一抹の虚しさ――リオ・オリンピック卓球男子団体決勝を観て

卓球男子団体銀メダルおめでとう!
水谷選手が2番のシングルで、あの許昕選手を破るという結果には本当に驚かされた。
シングルス準決勝での馬龍選手の試合といい、水谷選手は、今や中国トップ選手と遜色ないレベルまで来ている!
丹羽・吉村両選手もよくがんばった!

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しかし、悔しいなぁ。
もし、3番のダブルスがとれていたらなぁ…。あの3ゲーム目のリードを活かして3-2でとっていたら…。張継科選手の腰の故障は相当深刻なようだったし、丹羽・吉村組の実力ならギリギリ勝利できる目もあったんだけどなぁ…。
それで5番の水谷選手まで行ったら、
本調子ではない張継科選手を破って歴史的勝利という目もあったんだけどなぁ…。

惜しいなぁ…。

日本男子チームが銀メダルを獲得できるなんて日本卓球史を画する快挙で、喜ばしいことのはずなのに、不思議とあまり嬉しさがこみ上げてこない…。

惜しいなぁ…。悔しいなぁ…。

勝利
あれ?

あれ?
もう勝っちゃった。

水谷隼選手の面魂

つらだましい【面魂】

強くはげしい性格や精神が表れている顔つき。 「不敵な-」 「頑平の-は鬼をも挫ひしぐばかりなれば/鉄仮面 涙香」(大辞林 第3版より)

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リオ・オリンピック卓球男子団体で決勝進出を決めた水谷選手の晴れやかな表情。

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メディア受けなどを考えると、試合の終わった後はさわやかな好青年の水谷選手を演じるのもいいとは思うが、個人的には水谷選手にはもっと暴虐な野獣のような表情が似合うと思う。

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「野獣」というと、聞こえは悪いが、勝負の時、野獣と化すのは男らしくてかっこいいではないか。

04年のアテネ五輪は、ブレンダン・ハンセン(米国)との一騎打ちの状況だった。重圧より何より言葉は悪いが、ライバルを「ぶっ殺す」くらいの気迫だけでコース台に立った。(「北島康介 独白」)

オリンピックという舞台ともなると、上の北島選手のようなメンタリティーでなければ実力以上のパフォーマンスは出せないのではないだろうか。格上の中国を破るには水谷選手に野獣と化してもらわないといけない。



高校3年7月のITTFワールドツアー・ジャパンオープン。U-21シングルスに初めて出場した彼は並み居る海外の強豪選手を破り、とうとう決勝戦に進出しました。決勝の相手は中国の林高遠選手。世界ジュニア中国代表として、何度も日本選手の前に立ちはだかった選手です。ゲームカウント3-3、10-8リード…….!
板垣孝司ブログ」より




その「彼」とは神巧也選手のことである。
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ひょうきんで社交的な人柄の神選手だが、高校3年生のジャパン・オープンでは悪鬼のような強さだった。偶然私はその会場にいたのだが、得点のたびに、「ドリャー」「ウワーイ!」と会場全体に響くすごい雄叫び。5厘刈の暴悪なルックス。「いったい誰だ?」と思ってゼッケンを見ると「神」!。

「神の降臨?なんなんだこの選手は?こんなすごい選手が日本にいたのか」と驚かされた。対戦相手は少なからず萎縮していたのではないだろうか。準決勝でもイケイケで誰も止められないと思わせる強さだった神選手が決勝で中国選手に敗れたと知って意外に思った。中国選手をも食らうほどの強さに思えたからだ。


軍記物語などをみると、「悪源太」だの、「悪七兵衛」だの、「悪」という字を冠したヒーローが登場し、崇敬されている。この「悪」字は必ずしも「悪い」という意味ではなく、常人には考えられないほどの超人的な強さを発揮するという意味があったとも言われている。


水谷選手も明日の団体決勝戦では中国選手を「ぶっ殺す」ぐらいの気迫でプレーしてほしい。


いつも礼儀正しく、お上品な態度ではなく、相手を見下し、「ケッ、このザコが!!!」とでも言わんばかりの傲岸不遜な表情は水谷選手のかっこよさを引き立てると個人的には思っている。

水谷選手の試合を観ている時、水谷選手が悪魔的な表情を見せたことが何度かあった。それがどの試合だったのか覚えていない。ネットで無料で見られるgorin.jpのハイライトの映像を探してみたが、私のイメージ通りの表情は見つからなかった。

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明日の決勝で水谷選手の傲慢そうな表情がまた観てみたい。


試合での立ち上がりの早さ――基本練習を極める意義

昨日もがんばって3時に起きて、男子団体準決勝をライブで観ていた。

吉村真晴、涙のインタビュー
吉村選手の涙のインタビュー

朝、7時から録画が放送されるので、早朝に生中継で観ることもないと思ったが、やはり観てよかった。

朝からテレビのニュースやウェブでネタバレの嵐だったからだ(この記事もネタバレだが)。

もし結果を知りながら試合を観たら、おもしろさ半減である。ちょっと寝過ごして1番の吉村選手対オフチャロフ選手の試合は見逃したが、2番の水谷選手、かっこよかった。やってくれるのではないかと期待していたが、まさかあの難敵ボル選手相手にストレート勝ちとは。あの調子なら、決勝の中国相手にも、もしかしたらいい勝負をしてくれるかもしれない。

第2戦のボル選手との試合が終わってからのオーダー決定もドラマティックだった。ダブルスは丹羽・吉村組で決まりだが、問題はシングルの水谷選手がどちらの選手と当たるかである。

A案
4番:水谷 対 オフチャロフ
5番:丹羽 対 シュテーガー

という形が有利なのではないかと私は思っていた。今の水谷選手なら、オフチャロフ選手を倒せる。仮に負けたとしても、丹羽選手がシュテーガ―選手にとどめを刺してくれる。このオーダーならドイツに対して十分戦える。しかし、逆に

B案
4番:水谷 対 シュテーガー
5番:丹羽 対 オフチャロフ

となると、苦しくなってくる。水谷選手はシュテーガー選手を一蹴するだろうが、丹羽選手がオフチャロフ選手に勝つのは厳しい。お互いに緊張しているからオフチャロフ選手も実力を十分に発揮できるとは限らないが、それでも3:7ぐらいでオフチャロフ選手が有利に見える。なんとしても水谷選手をオフチャロフ選手にぶつけたい。

が、発表されたオーダーを見ると、恐れていたB案だった。

やられた…。これはまずい。ダブルスを落としたら終わりだ。ダブルスの相手はボル選手とシュテーガー選手。ボル選手の入ったペアに丹羽・吉村組が果たして勝てるのだろうか…。私はダブルスを落とす前提でオーダーを考えていたのだが、日本のダブルスは強かった。B案でよかった。丹羽選手のミスが少なく、吉村選手のサービスもシュテーガー選手に効いていた。

ダブルスをとったら、もう決勝進出は決定的だった。みごと女子の敵を男子で討った!ドイツ相手には、女子よりも男子のほうがはるかに勝つのが難しいと思っていただけに感動もひとしおだった。

きちんと結果を出してくれる水谷選手。そして吉村・丹羽選手はどちらかが調子が悪い時には補い合って、うまくチームを勝利に導いてくれる。いいチームになった。

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今朝はいい試合を観られて本当によかった。決勝は明後日の木曜の朝、NHKで放送予定だという。これも見逃せない。

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それはそうと、今回の記事のトピックだが、基本練習の意義についてである。

以前、上手な人に

「ちょっとドライブ打ってくれへんか」

と言われてワンコースでドライブ。その方はナックル性のショートの練習をしたかったらしい。私がその方のナックルショートを中陣から全力でドライブを数本打つと、

「おぉ、なかなかええドライブ持っとるやないか」

とほめてくれた(お世辞だと思うが)。しかし

「それが30本ぐらいノーミスで続かんかったら、試合では使えへんで」

とも言われた。私は何度やっても5~6本しか続かなかったからだ。

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知人のDさんは学生時代に全国大会にも出場経験のある上手な人だ。先日いっしょに練習させてもらったとき、私は格下なので、Dさんの練習を優先させようと思い、

「どんな練習がしたいですか?私は合わせますので、すきな練習をしてください」

と提案したところ、

「バック側にワンコースで返してもらえますか。バックからフォアの回り込みを練習したいです」

と言われた。ウォームアップだろうと思って10分ぐらいその練習を続けて、次に私も同じ練習をさせてもらい、

「次はどんな練習にしますか?」

と聞いてみると、

「切り替えの練習がしたいので、フォアとバックにランダムにブロックしてもらえますか?」

ということだった。

「社会人になると、なかなかできないんですよ、基本練習が。やっぱり基本練習は大切ですよ」

私は上手な人は基本練習よりも実戦練習のほうを好むのかと思い込んでいたが、上級者でもこういう人がいるのだと新鮮な感じがした。

Dさんは基本がしっかりしているので、ミスがほとんどない。そして非常に打ちやすい素直なボールを打ってくれる。そうすると、私がミスしない限り、何十本も延々とラリーが続く。多球練習よりもずっと効率よくたくさんのボールを打つことができる。

数年前は私も基本練習を重視していたが、基本練習がいくら続いても、試合には勝てないと感じるようになり、基本練習はウォームアップだと割り切り、実戦的なオール練習とか、3球目までのコースを指定したシステム練習とか、そういう練習ばかりするようになった。しかし、ここにきて基本練習も必要なのではないかと感じるようになった。仕事の後の2時間弱の練習時間の8割を基本練習に当て、基本練習を極めたら、私の卓球はどうなるのだろうか。

私が試合に出て感じるのは、調子が出てくるのが遅いということである。試合では朝、試合開始前の練習で軽くフォア打ちやバック打ちなどを10分ほどし、すぐに試合が始まるわけだが、試合が始まってもなかなかふだんの練習の感覚で打てないことが多い。

「今日はバックドライブが全然入らないから、封印しよう」

ということもよくある。もし、試合前に2時間ほど練習をして、打球感覚を取り戻してから、対戦したら、私のパフォーマンスは9割ほどになるのに、試合では10分ほどの練習のあとにすぐ対戦が始まるので、私のパフォーマンスは5割ほどのことも多い。周りの人(特に年配の人)は対戦前に軽く3本ほど打ち合っただけで、平気で強打を打ちあっているが、私には怖くてできない。初めのほうの対戦では慣らし運転で、慎重に入れに行くので、相手に先制を許してしまう。自分の打球感覚を取り戻すまではガマンガマンでミスの少ない卓球でしのぐしかない。やがてやっと打球感覚を取り戻したと思ったら、最後の対戦の最終ゲームということもあった。

もし、私がふだんの練習で基本練習ばかりやっていたら、試合でも数本のフォア打ちだけで、すぐに打球感覚が戻り、対戦の序盤から強打を連発できる状態になるのではないだろうか。中高生のとき、基本練習をしっかりやって、打球感覚がしっかり身についている人にとっては基本練習は最小限でもいいのかもしれないが、私のような中途半端にしか卓球をしてこなかった者にとっては実戦的な練習よりも、基本練習を通じて打球感覚を運動記憶にしっかりと刻みこむことが先決なのではなかろうか。

全力
これが私の全力だ!

そういえば、すっかり忘れていたが、今年のはじめに立てた目標は基本練習を完璧にすることだった(前記事「基本練習のすすめ」)。私のような下手くそはもっと基本練習に時間を割き、基本練習を極めなければならないと思い直した。



 

体の使い方に対する誤解――小田伸午著『一流選手の動きはなぜ美しいのか』を読んで

今日はさんざんだった。
がんばって夜中の3時まで起きて、オリンピックの男子団体を観ようと思ったら、錦織選手の試合が続いていて、1時間待っても卓球が始まらない。対香港戦なので熱い戦いになるだろうと思っていただけに、いつまでたっても始まらないので気が気でない。結局あきらめて寝てしまったが、朝、女子団体を観たら、これまた熱い戦いで5番の最終ゲームまでもつれ、結局負けてしまった。

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それはそうと、最近おもしろい本を読んだので紹介したい。
一流選手の動きはなぜ美しいのか からだの動きを科学する』(角川選書)
 
 著者の小田伸午氏は関西大学の先生。
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たとえば、あなたが野球チームの監督だとします。チャンスに味方の打者がバッターボックスで構えたときに、明らかに肩をつり上げて力んでいるのをみたら、なんと言いますか。
「肩の力を抜け!」と思わず言いたくなりますね。実に直接的な表現です。
【中略】
(直接的に問題点を指摘するのではなく)胸を閉じる前肩を修正するようアドバイスするのが得策です。結果的に胸の力が抜けるようにもっていく。これが優れた監督です。

筆者は直接的に問題部位を修正(「そうする」)するよりも、間接的に問題が解消する(「そうなる」)のが理想的な指導だとする。なるほど。猫背で姿勢が悪い人も、「背筋を伸ばす」ではなく、「胸を開く」ように指導すると、効果があるという。

卓球で考えるとどうなるだろうか。

たとえばフォアハンドの威力が出ないという人が腕の筋肉を鍛えてスイングを鋭くしようとがんばっているとしよう。そういう人に筆者はどういうだろうか。

そもそも腕の始まりはどこからでしょうか。こう尋ねると、多くの人は肩を指し示します。確かに辞書を引くと、腕とは、肩から手首までの部分とあります。
【中略】
腕の始まりは鎖骨であり、鎖骨の付け根が腕の付け根です。鎖骨は胸の中央にある胸骨に付いています。

なんと!腕を上手に使うには、鎖骨を使わなければならないとは。
逆に体の裏側には肩甲骨が付いている。この鎖骨と肩甲骨を上手に使えば腕を力強く動かせるらしい。

下半身の使い方でも興味深い記述がある。

速く走るためには、力んで全力で地面を蹴る運動感覚がよいと思う人が多いようです。瞬間的に加速するには、強い力を地面に与える必要があると科学で分かっているので、曲げた脚を精一杯伸ばし切って、地面を強く蹴ってしまうのです。
【中略】
大きな力で地面から押してもらわないと速く走れない。これは物理的に正しい原則です。だからと言って、強い力で地面を蹴る感覚で走ると、からだがすぐに起きてしまい、地面から上方向に反力を受けてしまいます。

地面を強く押すことによって、地面から反対方向の力を借りることができる。しかし、全力で蹴って足を伸ばしても力は上方向に逃げてしまい、推進力はそれほどではないというのである。そこで地面からの力を逃さずに推進力に変えるには「膝の抜き」を使うのだという。「膝の抜き」というのは、一瞬膝を支えている力を抜いて、体が重力で落下する力を利用することで、体が落下したらすぐに体を支え、グッと地面を押すと、非常に強い力が生じるのだという。ここらへんの感覚は文面ではよく分からないので、自分なりに模索しなければならないが、このような地面からの力を卓球に応用することができれば、強力なショットが打てるのではないだろうか。

よく雑誌の技術記事で「膝を使って打つ」ということが言われるが、もしかしたら、この「膝の抜き」ということを指しているのかもしれない。下半身を使って強力なショットを打とうとして、私などは思い切り伸びあがって打ったりしてしまうのだが、どうやら膝を伸ばし切らずに、落下する体を支えるときの力で打つと、ボールにうまく力が伝わるようだ。

他にも内旋・外旋、バランスや重心といったことについての記述もあり、卓球に応用できる部分が多いと感じた。

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今晩も3時からテレビ東京で男子団体の準決勝があるらしい。
相手はまたもやドイツ!
眠いがこれを見逃す手はない。
女子のカタキを男子で討ってくれよ。
それから他の競技の時間延長はなしでお願いします。

【追記】160816
卓球男子団体準決勝、対ドイツの試合は本日16日(火)朝 7:15からテレビ東京で録画が放送されるそうだ。
無理して3時まで起きていることはなかった。括目せよ!
 吉村真晴、涙のインタビュー

卓球未経験者の卓球の始め方――もしも、私に専業主婦の妻がいたら

リオ・オリンピックで水谷選手が銅メダルを獲得(これは本当にすごいことである)し、これまでにないぐらい卓球に注目が集まっているのを感じる。卓球未経験者が世界最高峰の卓球のプレーを観て、「卓球を始めてみたい」という人も出てくるのではないかと思われる。「でも、経験がないから、どうやって始めたらいいか分からない」という人も少なからずいるにちがいない。こういう一般層を取り込み、卓球人口をもっと増やしていくことが、日本卓球のレベルを底上げし、ひいては日本における卓球の地位を向上させることになると信じている。

そこで私に専業主婦の妻がいて、最近、肉体の衰えと、体調の不調を訴えているという設定でどうやって卓球を始めたらいいか具体的に考えてみたい。

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「あなた、私、最近ひどい肩こりで頭が痛くて、立っているのもつらいのよ。」

「それは困ったね。運動不足じゃないの? 水泳でも始めてみたら?」

「う~ん。でも、私、泳げないし、こんな歳になって人前に肌を晒すのは恥ずかしいわ。」

「じゃあ、ジョギングなんかいいんじゃない?最近、流行ってるよ。」

「手軽に始められるのはいいんだけど、ただ走っているだけって私の性に合わないわ。」

「そうだ!卓球なんてどう?卓球なら、自分の体力に合わせて運動量を調節できるし、手軽に始められるよ。友達もできるし、試合にいっしょに出られて楽しいよ。」

「卓球って運動になるかしら?1時間やっても、汗一つかかない気がするけど。」

「卓球はボクシングの動きと似ていると言われているよ。ボクシングがどのぐらい体力を消耗するか知ってる?鍛えぬいた若い選手が3分間を数ラウンド打ち合うだけで、フラフラになったりするんだよ。卓球も、足を使いながら打球したら、汗がダラダラ出て、ふらふらになるよ。」

「でも、私、試合とか、そういうのはちょっと…。まったく経験がないのよ。」

「卓球を始めて数ヶ月の女性がたくさん試合に出てるよ。というか、社会人の試合に出てる女性で、部活とかで卓球経験がある人のほうが少数派なんじゃないかな。子育てが一段落して運動不足解消のために卓球を始めたという中高年の女性が非常に多いよ。卓球をやっている社会人の女性って50代から60代が中心じゃないかな。初心者でも、ダブルスとか、団体戦とか、みんな楽しそうにやってるよ。」

「じゃあ、ちょっと始めてみようかしら。でもどこに行ったらいいの?」

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卓球は全国どこでも地域のクラブのようなところがあるので、そこに参加させてもらうという手もあるが、あまりお勧めできない。というのは、部活と違って基本から教えてくれるような人がいるかどうかわからないからだ。社会人は週に1~2回の限られた時間でできるだけ自分の練習をしたいので、初心者の相手をしたがらないのが普通だろう。部長のような責任者がクラブ全体を上手に管理していなかったら、下手をすれば、誰にも相手にされないという可能性もある。誰か友達と一緒に入会すれば、そういう心配はないだろうが、初心者同士で長い時間打っても上達は遅い。

お勧めなのは卓球教室である。全くの初心者でも月謝を払う客なので、嫌な顔をされたりはしない。ある程度大きな町でないと、卓球教室はないが、もし近くに教室があれば、そこに行くことをぜひおすすめしたい。地域のクラブで適当に打つのと、指導経験の豊富なコーチに教えてもらうのでは、上達のスピードが段違いである。立地や設備、指導者にもよるが、週1回90分のグループレッスンなら、月7000~8000円ぐらいだろう。初回は体験入学のような制度が利用できるところが多い。
もし、経済的に余裕があれば、個人レッスンという手もある。コーチによって指導料は区々だが、平均すると1時間5000円ぐらいで教えてくれる。卓球は初心者同士が打つと、打球が安定せず、ミスばかりで練習にならない。個人レッスンの指導者ともなると、上は、あの水谷隼選手から1ゲームとったことがあるようなレベルの人もいるし、少なくとも大学までバリバリ卓球をやってきた人なので、どんなボールを打っても、ミスせず、打ちやすいところに返してくれる。まぁ、初心者に全日本選手権出場経験のある指導者は必要ないかもしれない。愛想がよく、教え方の上手な指導者のほうがずっと上達が早いということもある。週1回60分で月に2万円ほどの出費になるが、短い期間で初心者を脱し、他の人より早く初級者にランクが上がると思えば安いものである。

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「あなた、卓球教室の体験に行ってきたんだけど、私にもなんとかできそうなので、入会することにしたわ。でも週に1回だけだったら、なかなか感覚が身につかないので、地域のクラブにも入ろうと思うんだけど、どうすればいいのかしら?」

「市役所のスポーツ推進課とかに相談してみたら?どこでいつやっているか教えてくれるよ。」

「でも一人で入部するのは心細いわ。誰かいっしょに入ってくれる人はいないかしら?」

「それは自分で探すしかないね。友達を誘って、一度地域のクラブに見学に行ってみたら?」

「あと、ラケットとか、いろいろな道具が必要でしょ?どうやって買ったらいいのかしら?」

このページを参照してみたら?」

「だんだん卓球に興味がわいてきたわ。本とか、ビデオとかで予習しといたほうがいいんじゃないかしら。」

「それは感心だね。僕のお勧めの本は『やろうよ卓球』という子供向けの本だけど、筆者の近藤欽司さんは女子日本代表の監督も務めた名指導者なんだ。この本は分かりやすいし、卓球経験者が読んでも勉強になる良い本だよ。」

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「ビデオのほうは、まだ買わなくてもいいんじゃないかな。情報が多すぎても混乱するだけだからね。とりあえず卓球王国という卓球専門誌のサイトに「初心者ナビ」っていうページがあって、そこにも動画があるし、「卓球ライジング」っていう、卓球メーカーのTSPがyoutubeに開設しているチャンネルがあるから、それを見てみたら?」

「なんだかどんどん話が進んでいるけれど、私、本当に卓球を始めて大丈夫かしら?卓球教室にしても、卓球クラブにしても、入ってみたら、人間関係が難しいなんてことないかしら。」

「それはあるかもしれないよ。でも卓球だけのことじゃないしね。どこの世界でも気難しい人はいるものさ。マナーよくやっていればトラブルにはならないと思うよ。」

「卓球のマナーってどんなものがあるの?いつも笑顔であいさつするだけじゃだめ?」

「それももちろん必要だけれど、例えばミスしてボールが転がっていったら、できるだけ自分が取りに行くのがいいよ。何もしないで突っ立っていると、それは『お前が拾って来い』という意味になるから。それから拾いに行くときもキビキビと素早く拾いに行かないと感じ悪いよ。だるそうに拾いに行くと、『お前とは打ちたくない』ってとられかねないしね。卓球は相手と1対1でするスポーツだから、相手にすごく気をつかわないといけないよ。ミスするっていうことは、相手に迷惑をかけることだから、できるだけミスをしないようにしないといけないよ。ミスしたときは、相手に大きな声であやまったほうがいいよ。それからミスして溜息を何度もつくと、『お前が変なボールを打ったせいでこちらがミスした』ととられてしまうかもしれない。他にもいろいろあるけれど、基本はミスしないようにすること、ボールを拾うときは積極的に拾いにいくことだね。」

「でも、私、初心者だから、ミスするなって言われても無理だわ。」

「無理なボールを強打してミスしなければいいよ。ふつうに打っていてミスするのは初心者なんだから仕方がない。親しくない相手と打つ場合は、できるだけ控えめに打って、ラリーを続けるように心がけたほうがいいよ。ムチャ打ちや突然強打を打つ人は敬遠されるよ。あとは相手をしてくれた人に対する感謝の気持ちがあれば大丈夫。」

「よく考えたら、あなたが卓球経験者なんだから、あなたが私の相手をしてくれればいいんじゃないの?」

「初心者の相手をするのはストレスがたまるから、勘弁してよ。僕にとって週2回の貴重な練習時間は万金に抵るんだよ。君の相手をしたら、僕は練習できないことになる。僕の生きがいを取り上げないでくれ。とりあえず、バックハンドのブロックだけミスなくできるようになったら、相手をしてあげるよ。」

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またこんなしょうもない妄想をしてしまった…。深夜の3時からオリンピックの男子団体の生中継があるので、それを待っている間、ちょっと記事でも書いてみようと思ったら、予想以上に長くなってしまった。しかし、上のやりとりから非卓球人が卓球を始めるなんらかのよすがにでもなれば倖せ。

 

踏みしめる感覚――スイングスピードと回転量の関係

水泳には全く興味がないのだが、つきあいでプールに行くことになってしまった。

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卓球に何か応用できることもあろうかと泳いでみたのだが、25Mも泳げない。泳ぐというのはこんなに難しいことだったのか。口や鼻に水が入るし、がんばって手足をバタバタさせてみても、ちっとも前に進まない。進まないどころかだんだん沈んでくる。傍から見たら、さぞ無様だったことだろう。

心に余裕のある人なら、どうやったら泳げるようになるかと興味をもってあれこれ試して楽しんだりするのだろうが、私はいつも心の余裕がないので、ちっとも楽しめない。すぐに飽きてウォーキングのコースで歩いてみることにした。隣のコースで楽しそうに泳いでいる人を横目に黙々と歩き続ける。しゃくだから、隣で泳いでいる子供よりも速く歩いてやろうと、全力で歩いてみることにした。

しかし、そうすると、ツルッと足が滑って転びそうになる。車で急ブレーキをかけて、タイヤがロックしてしまうというのに似ているかもしれない。急激に摩擦力を上げると、かえってプールの底をしっかりグリップできず滑ってしまう。そこで今度は慎重にじわ~っと力を入れてみると、しっかりプールの底をグリップして進むことができた。

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最近のオートバイはABS装着が義務化されているらしい。

これは卓球にも通じるものがあるのではなかろうか。

私のドライブは回転があまりかかっていないらしい。それはスイングスピードが遅いからに違いないと思い、渾身の力でラケットを振ってみるのだが、そうすると、スピードばかりが上がって、弾道は直線的になり、回転量の方はさほど増えていないということになる。何が間違っているのだろうか?

プールでの出来事から想像するに、単にスイングスピードを速くするだけだと、ボールが滑ってしまうのではないだろうか。サービスを出す時のことを考えてみると、全力でボールをこするよりも、ボールが当たるまでは比較的ゆっくりラケットを動かし、当たった瞬間にグイッとスイングスピードを上げたほうが、しっかりと切っている手応えを感じることができる。同様にドライブで回転量を増やすには、初めから全力で振るのではなく、インパクト時まではあまりスイングスピードを上げず、インパクトでボールをシートに十分に食い込ませてからスイングスピードを上げなければならないのではないだろうか。あるいはインパクト前にスピードをかなり出している場合は、普段よりも当て(弾く割合)を強くしなければならないのでは?プールで歩いたときに感じたあの「踏みしめる感覚」がドライブを打つときにも応用できるのではないだろうか。

というようなことをプールで考えた。
あまり興味のないスポーツでも、実際にやってみると、いろいろ考えさせられることが多い。
利用料金1100円の元はとれたかなと思う。

サムソノフ選手の卓球――リオ・オリンピック男子シングルス3位決定戦を観て

リオ・オリンピック卓球準決勝。
馬龍選手対水谷隼選手の試合は、4-2で惜しくも水谷選手が敗れた。



しかし、敗れたとはいうものの、あの馬龍選手から2ゲームを奪った実力は称賛に値する。去年までの水谷選手からは考えられなかったパフォーマンスで、試合後半は「もしかしたら」という場面もなかったわけではない。前記事「ジャパンオープン2016の水谷選手の新境地」で述べたように世界最強の馬龍選手に対しても水谷選手は手の届くところまで来ているように感じる。少なくとも全くチャンスがなかったわけではない。



それにしても馬龍選手の強さはすさまじい。ふつうの選手なら2発も打てば決まるボールが4発、5発打たなければ決まらない。ミスが少ない。

そして今日の3位決定戦のサムソノフ選手である。
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朝からテレビに釘付けだった。

非卓球人のためにコメントすると、サムソノフ選手は20年ぐらい世界のトップで活躍している息の長い選手(97年の世界選手権準優勝、98年ヨーロッパ選手権優勝)で30代になってからも安定して世界ランキング10位前後を維持している。世界ランキング1ケタというのは、国際大会で入賞できるチャンスがある実力である。また、人格的にも優れていて、フェアプレー賞を受賞したこともある。尊敬すべき偉大な選手である。プレースタイルは無理な攻めはしない、ブロックが固いという安定性重視の選手である。


過去の松平健太選手との対戦。この試合もしびれた。

水谷選手が普段通りの実力を出せれば十分勝てる選手である。ただ、オリンピックなので普段通りの実力を発揮するのは難しい。

そのような対戦で、1ゲーム目は水谷選手が危なげなく先取したが、次第にサムソノフ選手がじりじりと点差を詰めていく展開となった。水谷選手が馬龍戦で見せた果敢な攻めが発揮できればサムソノフ選手には余裕で勝てるはずだった。しかし、なかなか軽く勝たせてくれない。サムソノフ選手は年齢的にも体格的にも俊敏に動くスタイルではない。ボールもコースも馬龍選手に比べれば遅いし、厳しくない。守備が固いといっても、馬龍選手のようにエースボールを何本もミスなく返し、あまつさえカウンターで反撃に転じるといった強さはない。ふつうのエースボールを2本も打てばポイントが決まるはずだが、決まらない。なぜか。水谷選手がチャンスボールを何度もミスしていたからだ。試合中盤でのサムソノフ選手の得点源は大部分が水谷選手の打ちミスだったのだ。

水谷選手も安定性やミスの少なさという点では非常にレベルの高い選手のはずなのに、ここぞという決定打であっけなくミスを連発している。これはどういうことなのだろうか。

馬龍選手と比べてボールスピードや回転量のギャップが激しいのかもしれない。前日?に強烈な馬龍選手のボールを受けていたためにサムソノフ選手のボールにうまく合わなかったのかもしれない。

水谷選手のある打ちミスに対して解説の松下浩二氏が次のようなことを述べた(文言は正確ではない)。

“水谷選手はあと1歩踏み込みが足りないですね。サムソノフ選手のさきほどのボールは少し浅かったので、もっと踏み込まないとミスしますね”

もしかしてサムソノフ選手は意図的にボールを遅くしたり、台上の短いボールを浅くしたりして、巧みに相手のタイミングを外しているのかもしれない。

トップ選手なのだから、どんなボールも厳しく、速く飛んでくるのがふつうである。サムソノフ選手ももちろん明らかに甘いボールは返さないはずだ。しかし、厳しいことは厳しいのだが、通常の選手の返すボールよりも意図的に少しだけ甘くしたり、遅くしたりといった緩急をつけているのではないだろうか。私の憶測にすぎないので、当たっているかどうかの保証はないが、世界のトップで20年ほども戦ってきたのだから、当然いろいろな駆け引きを知っているはずである。オリンピックという晴れの舞台であるにしても、あの水谷選手が試合の中盤であれほど打ちミスを連発するのは、緊張のせいだけではないような気がする。サムソノフ選手は相手の打球感覚を敏感に察して、相手がちょうど打ちやすいスピードのボールよりもほんの少し遅く、弱く、相手にボールを送ってミスを誘っていたのではないか。

こういう卓球というのは、われわれ中高年がもっと取り入れる必要があるだろう。若い人と同じように常に全力で打ち合っていたら体力が持たない。相手の感覚を上手に外すような卓球ができれば、格上の若い人に勝てるチャンスも出てくるかもしれない。



リオ・オリンピック 卓球観戦入門

福原愛選手と水谷隼選手がオリンピックで準決勝に進出した。

日本の卓球が世界の頂点に近づいている証である。

テレビでも福原選手の試合は何度も取り上げられており、日本中で卓球に対する関心が高まっているのを感じる。しかし、卓球についての基本的な知識を持たないまま、非卓球人が卓球のおもしろさを十分に理解できるのだろうか。

「細かいことは気にせず、観ていて楽しければいいじゃないか」

と思われる非卓球人も多いかと思われるが、卓球の基本的な技術や用具について知ることによって卓球選手の駆け引きが多少なりとも分かるようになり、卓球観戦の楽しみが増すのではないだろうか。

と考えて非卓球人のために卓球の基本的なことを記してみることにした。

【各国の卓球のレベル】
中国は60年代から安定して強いが、ここ10年ぐらいは男女ともに無敵と言えるほど強い。中国のトップ選手が国際大会で外国選手に負けるのは年に1~2回である。年に数十回の対戦があって1~2回である。相撲でいえば、白鵬に勝つよりも難しい。

数年前、エキシビジョンマッチで「中国対世界」というイベントがあった。中国のトップ選手のチームと、中国以外のトップ選手(ドイツや日本、韓国、台湾等)のチームが戦うというものだが、中国の圧勝である。中国の一軍にはどこの国の選手もかなわない。中国の二軍と世界のトップ選手が同じぐらいのレベルなのである(ただ、オリンピックのシングルスには日本と同様、中国人は2名しか出場できない)。

中国以外では、男子はドイツ、日本、韓国、香港、台湾が強く、女子はドイツ、シンガポール、オランダ、香港、台湾、北朝鮮が強い。といっても、女子は中国からの帰化選手がかなり含まれている。北東アジアとヨーロッパが強いが、ブラジルも近年かなり強くなっている。

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水谷選手と反対側のブロックで準決勝まで勝ち上がったサムソノフ選手。

【用具について】
福原選手のラバーが特殊なラバーということはテレビの解説で何度も触れられているが、一体どんなラバーなのかというと、自分から回転がかけにくいラバーである。卓球は回転のスポーツなので、強力な回転をかけられるラバーが有利である。そのため大半の選手はひっかかりがよく、回転のかけやすいラバーを使用している。しかし、逆に回転がかかりにくいラバーは、相手のボールの強烈な回転をそのまま返す(滑る)ため、通常のラバーとは逆の回転になる。それでこの特殊なラバーを使うと、意外性のあるボールが打てる。中途半端にそのような特殊なラバーを使うと、上手な人に一方的に攻められてしまうが、福原選手はこの特殊なラバーを使いこなしているために、通常の回転とは異質な回転で鋭いボールが打てる。そのようなボールは、受ける側にしてみれば、鋭いボールを思い切り打つことが難しい。通常のボールのつもりで打つと、ネットに掛けたり、オーバーしたりしてしまう。そこで安定性を重視してゆるいボールを返さざるを得ない。しかも福原選手の場合はフォア面は通常のラバーで、バック面が特殊なラバーなので、フォアとバックを混ぜて打たれると、回転が分からなくなってしまう。

【テクニックについて】
卓球において主要な打法は大きく分けて3つである。

・下から上にこすり上げて順回転をかける(ドライブ)
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・あまり回転をかけず、ボールを弾いて叩く(スマッシュ)
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・こすって下回転をかける(カット)
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ほとんどの選手はドライブを使う。ドライブは山なりの弧線を描いてコートに入ることから低いボールでも安定して鋭いボールが打てる。そのためたいていの攻撃型の選手は、ほぼすべてのボールをドライブで打つ。スマッシュはある程度高いボール(ネットから10センチ?以上浮いたボール)しか打てない。スピードは出るものの、直線的な軌道のため、コントロールが難しく安定しない。カットは守備型の選手が主に用いる。非常に回転量の多いボールと回転量の少ないボールを相手に分からないように混ぜて、相手のミスを誘う。
他にも、はじく系の技術であるブロックや、回転をかけつつ、高くボールを上げて相手の攻撃をしのぐロビングなどもある。

【戦術について】
台の中で2バウンドする短いボールを強打するのは難しい。そこで相手に強打させないために自分はできるだけ台から出ない短いボールを打つ。逆にこちらが強打するためには相手に台から出る長いボールを打たせるようにする。国際レベルの男子選手なら、台から出るサービスは一発で持っていかれてしまうので、基本的に台上で2バウンドする短いサービスを出す。女子でもフォアハンド側に長いサービスを出すと、一発で決められてしまうので、長いサーブはバック側に出すことが多い。

サーバーが短いサーブを出したら、レシーバーは台上で2バウンドするドロップショット、「ストップ」という打法で対応することが多い。台上で2バウンドするほどの短いボールなら強打されにくいからである。台上のカット(ツッツキ)で長くボールを打った場合、強打を打たれて相手に先手を取られてしまうおそれがある。しかし、そのような短いボールを強打することもできる。その技術が「チキータ」である。

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チキータ

バックハンドで斜め横上方向に強い回転をかけて下回転のボールを持ち上げるわけである。
似たような技術に「フリック」というものもある。これは台上の短いボールを上方向にひっかけるようにして素早く払う打法である。

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フォアフリック

要するに台上の短いボールの攻防で先手をとるためにチキータやフリックを使うわけである。

フォアハンドとバックハンド
プロの試合の場合、フォアハンドを完全な体勢で打たれたら、それを止めるのは至難の業である。
そこで、威力でやや落ちるバック側にボールを送る展開になりやすい。

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女子の試合でバックハンド対バックハンドで高速ラリーが続くのをよく見るが、あれもフォアで思い切り打たせないようにお互いにバックハンドを狙っているのだと思う(たぶん)。あのラリーを見て

「どこに打つのも自由なのにどうしてお互いに示し合わせたようにバック側ばかりに打つのだろう?」

と疑問を抱く人もいるかと思われるが、卓球台の対角線上(クロス)は距離が長いので、オーバーミスをしにくい。それに対してこちらのバックから相手のフォア方向(ストレート)は距離がやや短いためミスなく鋭いボールを打つのが難しい。バック対バックですごいスピードで打ち合っているときにコースを変えてストレートに打つのは怖い。それでクロスに来たボールは安定性を重視してクロスに返してしまうのである。

人間の反応速度の限界に近いラリーでは、クロスに打たれたら、反射的にクロスに返してしまう。そんな場面でストレートに強打を打てれば決定打になりやすい。しかし速いラリーの中でそのコースに打つのはリスキーなのである。

【カットマンについて】
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カット主体でプレーする選手をカットマンと呼ぶ。
女子にはこのタイプの選手が多い(男子のボールは強烈すぎてカットマンはなかなか勝てない)。
石川佳純選手がカットマンに敗れたが、カットマンは石川選手のような速いボールよりも、福原選手のようなフワッとしたボールのほうがやりづらいらしい。福原選手の、相手のカットをゆっくりした浅いドライブで返球し、相手を前に寄せておいて鋭く速いボールで仕留めるというプレーが印象的だったが、カットマンにはスピード一辺倒のボールではなく、緩急をつけたボールが有効らしい。

以上、簡単ながら卓球の観戦に役立つと思われる予備知識を紹介した。

次の試合は

福原選手:NHK総合で11日(木)午前8:15から
水谷選手:TBS系で11日(木) 20:00から? BS1では21:55から

である。その次の団体戦での伊藤美誠選手と吉村真晴選手の活躍にも期待である。

【追記】160812
団体戦について補足したい。
卓球の団体戦は3名対3名で行われ、シングルスが4戦、ダブルスが1戦となる。個人戦は4ゲーム先取だが、団体戦では3ゲーム先取で勝敗が決まる。全5戦のうち、3戦で勝利したチームが勝ち抜ける。
1人だけシングルスに2回出場し、残りの2人はシングルス1回とダブルス1回出場することになる(このページが分かりやすい)。
日本男子なら、エースの水谷選手を2回シングルスに出場させ(2点づかい)、吉村選手と丹羽選手をダブルスで組ませ、この2人を1回ずつシングルスにも出場させるということになるだろう。そしてシングルスでは同じ相手と2回戦わないように組み合わされる。

例:1吉村 2水谷 3丹羽・吉村 4水谷 5丹羽

ダブルスは、テニスと違い、必ず2人が交互に打たなければならない。コンビネーションが大切なので、たとえ強い選手2人のペアでも、ダブルスの練習をしておかないと、十分なパフォーマンスが発揮できず、格下に負けることもよくある。

団体戦の組み合わせを見ると、以下のような対戦となると思われる。
--------
男子
初戦:ポーランド
なかなか強いチームだが、日本がいつも通りの実力を出せれば、ストレートで勝てる相手。

第2戦:香港
丹羽選手が個人戦で破った黄鎮廷選手(今では珍しいペンホルダーグリップ)を倒すのはかなりしんどい。2016年の3月に行われた世界選手権では黄選手を水谷選手と吉村真晴選手がともに破ったが、きわどい試合だった。黄選手としても捲土重来を期しているはずなので、厳しい試合になるだろう。唐鵬選手も地味に怖い存在。

第3戦:ドイツ
ロンドンオリンピックの銅メダリスト、オフチャロフ選手と2011年の世界選手権銅メダリスト、ティモ・ボル選手を擁する難敵。オフチャロフ選手と水谷選手はライバルで実力は伯仲している。ボル選手は最近故障などで成績がよくないが、ここ10年で中国のトップ選手とも対等に渡り合えた唯一の選手。水谷選手が1回ぐらいしか勝ったことのない実力者。水谷選手はここ1~2年ほどで急成長したとはいえ、この二人に勝つのは至難の業。

第4戦:中国(決勝)
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女子
初戦:ポーランド
あまりイメージがない。隻腕のパルティカ選手はパラリンピックでは金メダリストだが、健常者の大会では結果を残していない。

第2戦:オランダ
リー・ジャオ選手という40歳近いベテランのペンホルダーの強い選手がいる。世界卓球2014では、福原愛選手と石川佳純選手を破っている。また、カットマンのリー・ジェ選手は最近の試合で石川佳純選手を破っている。強敵である。

第3戦:香港か台湾かドイツ
どこも楽に勝てる相手ではない。そしてどこが勝ち上がってきてもおかしくない。

第4戦:中国(決勝)

【追記】160813
団体戦の日本選手についての情報が欠けていたので補足したい。

男子
水谷隼選手(27):言わずと知れた日本のエース。中国の一軍以外にはそうそう負けることはない。青森山田高校→明治大学卒。現在はプロ。高校生の時、全日本選手権のタイトルを獲り、それから現在まで10年連続決勝進出(うち8回優勝)。世界ランキング6位。性格的には群れるのが嫌いで、「日本にいたら強くなれない」と、求めて海外のプロリーグに参戦。現在はロシアのプロリーグに所属している。台に近いところでも、台から離れたところでも、どこでも戦えるオールラウンダー。ボールタッチは天性のものを持っており、中国の監督に天才的と評されたこともある。安定性重視のスタイルから、近年より攻撃的なスタイルに転換してから勝率も上がった。静岡県出身。

丹羽孝希選手(21):ジュニアのころから注目され、高校生の時、世界ジュニアで中国選手を破り、シングルス優勝。同じく高校生のとき、全日本選手権優勝。ロンドンオリンピック予選で馬龍選手を破り、世界中を驚かす。2015年の世界卓球では、松平健太選手とのダブルスで銅メダル。青森山田高校→明治大学4年生。しかし、最近は国際大会で負けることが多く(前記事「私は丹羽孝希選手を絶対的に支持する」)、いい成績を残せなかったが、リオ・オリンピックでは個人戦ベスト8(これはかなりすごい成績)。現在世界ランキング22位。前陣での速い展開の卓球を得意とするが、トリッキーなプレーも多い。感情を表に出さず、無表情で淡々とプレーする。性格的にドライなところがあるのかもしれない。北海道出身。

吉村真晴選手(22):それまでは無名の選手だったが、高校生のころ、全日本選手権6連覇中の水谷選手を決勝で破り、注目される。同年の世界ジュニアシングルスで中国選手に肉薄し、3位。野田学園高校→愛知工業大学卒。現在はプロ。世界ランキング21位。卓球選手にしては珍しく身長が高く(177センチ)、ボールに威力がある。回転の分かりづらいサービスも有名である。3月の世界卓球2016クァラ・ルンプール大会では団体銀メダルに大きく貢献する。茨城県出身。

女子はみんな有名人なので、女子の情報は割愛。

男子は水谷選手が頭一つ出ているので、水谷選手が2勝するとして、あと1勝できるかどうかがポイント。
女子はバランスよくみんな強いが、逆に言うと飛びぬけて強い、必ず勝てる選手がいない。
男女ともに決勝までは行けるはず。

今朝の一回戦の結果を見ると、女子の日本対ポーランドは予想通り、危なげなく日本のストレート勝ち。
伊藤美誠選手のプレーを見たが、伸び伸びと良いプレーができていたようだった。
しかし、次戦はオランダが上がってくると思っていたが意外にもオーストリアに負けてしまったようだ。オーストリアには勝てると思うので、その次の相手、香港かドイツは苦しい戦いになりそうだ。

【追記】160816
女子はギリギリのところでドイツに敗れ、3位決定戦へ。男子はドイツを破り決勝進出。
テレビ放送予定は以下のとおり。

女子:16日(火)NHK 22:45-【追加】
女子:17日(水)NHK  8 :15~(10:00)録画
男子:18日(木)NHK 8:15-10:45

女子の相手はシンガポール。なかなか手ごわいが十分勝てる相手。

【プロフィール】
フェン・ティアンウェイ:中国からの帰化選手。シンガポールのエース。ロンドン五輪のシングルスで3位決定戦で石川佳純選手を破って銅メダル。強敵であることは確かだが、最近の日本選手との対戦成績は日本選手のほうが優位。今大会では福原選手がフェン選手を4-0で破っている。

ユー・モンユ:地味に強い選手。今大会はベスト8で北朝鮮のキム・ソンイに敗れているが、2ゲームをとっている。カタカナ表記のところから、帰化選手ではなくて、現地人か。

周一涵:よく知らないが、まぁまぁ強いらしい。

---------

男子の相手は言わずと知れた中国。実力差では日本よりも明らかに上。3人とも異常に強く、日本選手が倒すのは、何かの偶然が重ならない限り至難の業。

【プロフィール】
馬龍(マロン):現在世界最強と言われている。安定してミスが少ない。10年ほど前から世界チャンピオンになると言われていたが、先輩の中国選手、王皓やチームメイトの張継科にずっと決勝進出を阻まれてきた。2015年の世界選手権でようやく世界チャンピオンの座につき、そのあたりから世界のトップに君臨。まじめな性格で中国で大人気。


張継科(ツァンジークー):前世界チャンピオン、前オリンピックチャンピオン。それまであまり目立たない存在だったが、彗星のごとく現れて2011年の世界卓球でチャンピオンの座につく。それから2012年のロンドンオリンピック、2013年の世界卓球パリ大会まで無敵の強さを誇り、優勝。しかし、故障が多く、去年あたりから格下の選手に何度か負けている。2015年の世界卓球蘇州大会でチャンピオンの座を馬龍に譲った。リオオリンピック決勝で馬龍に敗れたが、腰を痛めていたらしい。自由奔放な性格で、派手なタトゥーを背中に入れている。ワールドカップでは優勝したものの、マナーの悪さから賞金を没収されることも。今はかなり丸くなっている。


許昕(シューシン):珍しいペンホルダーの選手。3人の中ではもっともとっつきやすいか。フォアドライブとフットワークは世界最高かもしれない。いろいろなテクニックをもっており、引き出しが豊富な選手。上の2人がいるために今まで大きなタイトルは取れていないが、しばしば上2選手に勝利することもある。

時至不行 反受其殃――攻撃型がやってはいけないこと

中学2年の頃、地元のスポーツ少年団の練習に見知らぬ隣町のオジサンが参加したことがあった。
私はその方とちょっと打ったりしたのだが、よく覚えていない。

それから3年生が引退し、隣町で近隣の中学生が一堂に会する大会が催された。その時、私はなんと第一シードだった。私よりずっと上手なY君をさしおいてどうして私が第一シードなのかと訝しく思ったが、あのときのオジサンが大会役員だったのだと知って合点がいった。つまりこの大会の運営の方はこの辺りの選手事情に疎く、役員の一人がちょっと知っているからという理由で私が第一シードになったというわけなのだ。

1回戦が終わり、私は2回戦で後輩の1年生と対戦することになった。実力差があったので、ふつうに勝てるだろうとなんとなく試合をしたら、1ゲームも取れず、負けてしまった…。第一シードの初戦で1年生にストレート負けという苦い思い出は私の人生に多くの教訓を残した。それはそれでいい経験だったと今では思う。

どうしてあのときストレート負けを喫したかというと、プレーが慎重になってしまったから、いや、むしろ受け身に回ってしまったからである。「格下の後輩相手に攻める気マンマンで勝ったら大人げない」などと、わけのわからないプライドが頭をもたげ(これが中二病というやつだろうか?)、こちらからは無理に攻撃せず、とりあえず無難につなぐ卓球をしていたら、相手が果敢に攻めてきて、一方的にやられてしまったのだ。こういうことは私のレベルだけの話なのだろうか。上級者ともなると、受け身になっても負けないのだろうか。一体どれぐらいの実力差があれば、相手に先に攻めさせても勝てるのだろうか。

お世話になっている年配の上級者の方にも同じようなことを聞いてみたことがある。

「全中シングルスに出るような子ではなく、そのへんの県大会シングルスに出られるかどうかぐらいの中学生を相手に、無理に攻めず、安全につなぐ卓球に徹したら、1ゲーム取られることはありえますか?」

「そりゃあるやろ。こちらからは先に攻めず、相手に好きに打たせたら、そうそう止められるもんやない。相手に打たせんようにするのも含めて守備や。攻撃もしない、守備もしない。それでどうやって勝つんや。」

そして上級者の方に言われたのは「攻めの早さ」ということである。
谷川

試合では「どうぞ打ってください」的な絶好球が来ることは稀である。「打ちごろのボールではないものの、がんばれば打てないこともない」的なボールならよく来る。その「打てないこともない」ボールを積極的に打っていかないことには格下の相手であっても負けてしまうわけだ。これは私のような低いレベルの話かと思っ ていたが、上級者でもそういうことがあるというのは発見だった。私は今でも格下の女性と練習試合などをするときは、「ええかっこしい」が出てきて、受け身に回って負けてしまうということがよくある。こういう悪い癖は直さなければならないと思う。

格下の相手と戦う時、ギリギリの厳しいボールを全力で打つようなことはしないまでも、打てそうなボールは早め早めに打っていくという戦い方がよさそうだ。

しかし、一方で以下のような意見もある。

「…(午前中のシンガポール戦は)真っ向勝負よりも、上から見下すような試合、まっすぐいきすぎた試合だった。単調になってしまうから、うまく格下をかわすような戦いを勉強すべきと思う」(世界選手権での水谷選手のコメント

格下の相手と戦うときには「かわす」ような戦い方をしなければならないということらしい。どういうことなのかよく分からないが、「見下す」「かわす」というのは消極的に受け身に回るということではないだろう。

【追記】160803
当初、獅子はウサギを捉えるときも全力を尽くす意のタイトルをつけたが、チャンスが来ても、それを活かさないなら、天罰を受ける(「時至不行 反受其殃」)という言葉のほうが、攻められるボールを攻めなかったために負けてしまうという状況をうまく言い表していると思い直し、改題した。
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