しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2016年05月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

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井の中の蛙大海を知らず――打球面とコースについて

『卓球王国』の連載「Another Story」が好きだ。
脚光を浴びるトップ選手に準ずる実力を持ちながら、運命のいたずらで埋もれてしまった、知る人ぞ知る名選手が取り上げられることが多いからだ。戦いの舞台から一度退いたそのような選手の言葉は、自分の卓球を客観的に見つめなおすことになるため、戦いの渦中にいる現役の選手よりも深くて重い場合が少なくない。

そのような選手の一人、2015年8月号で取り上げられた冨金原修氏のインタビューに引きこまれた。

「ぼくは『卓球のボールはまるいんだ』ということがすぐにわかったんです。だからボールのどこをどう打てば、どういうボールが出るのかを感覚的に理解していた。これがわかっていれば、卓球は簡単ですよ」

なんだか深いことを言っているような気がする。「ボールはまるい」というのは、当たり前のことだが、それを私は本当に理解しているのだろうか。

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一回の練習でいろいろな種類のボールを何百球も打っているはずだけれど、私のラバーがボールに接触しているのは、たいてい上の図の黒い部分か、せいぜいその外側に広がる青い部分までである。さらにその外側の白い部分に触れることなど、サービスを除けば、1回の練習でわずか数回なのではないだろうか?

例えば強烈なドライブをブロックするとき、打球点を変えたり、ラケットの角度を調整したりして、がんばって台に収めようとしても、どうしてもオーバーしてしまう。ボールの黒い部分や青い部分までしかボールを有効活用していないので、どうしてもボールを後ろから押してしまっているのだと思われる。それを、白い部分に接触させてブロックすれば、ボールの勢いをモロに受けることなく、安定してブロックしたボールが台に収まるのだ…と、そんなことを上手な人に聞いた気がする。ペンのショートが固い人は側面に近い位置にラケットを当てているということも聞いたことがある。

レシーブのときもそうだ。切れた下回転をストップやツッツキする場合を考えてみよう。

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相手のショートサービスを返球するとき、私は黒い範囲や、せいぜい青い範囲にラバーを接触させてしまうため、ボールを後ろから押してしまい、短く止まらない。それを横や斜めから白い部分に触れて返球すれば驚くほど短く止まったりするのだろう。台に対して平行に真正面からツッツキをするのではどうしてもボールをコントロールできない場合が出てくる。


Xia氏のブログでもちょうど同じようなことが言われていた(最近忙しくて更新をサボっていたら、同じトピックでバッチリかぶってしまった…)

私は、自分では多様なボールを打っているつもりでも、打球面が狭く限られているので、変化の幅が小さい。それに対して上級者は黒い部分から白い部分まで幅広い打球面を使って打球するため、ボールのポテンシャルを最大限に使いきっており、多種多様なボールが打てるのだと思われる。

つまり、私の打球時のボールのイメージというのは球体ではなく、四角形に近いものなのである。

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卓球王国の記事には冨金原氏の、ボールが丸いことが分かっていたという言葉の具体的な例は挙がっていない。しかし、おそらく上述したようなことを指しているのだと思われる。

ボールだけではない。台やコースについても同様のことが考えられる。
私は、自分では卓球台のいろいろなところにボールを打っているつもりでも、実際は卓球台の半分ほどしか使い切っていないような気がする。

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自分では相手の待っていない場所にドライブを打っているつもりでも、バウンドする場所はおそらく白く塗りつぶした範囲の外には出ていまい(狙いが外れて偶然範囲外に出ることはあるだろうが)。私がラリーをするときは、実際には台の面積の半分ほどしか使いきっていないと思われる。

例えば、図のAの地点を狙って浅いドライブを打ったり、逆にBを狙って深いドライブを打ったりして、台の広さを十分に使いきれば、私の卓球もずいぶん進歩するに違いない。

よく台にタオルを敷いての練習というのを見かけるが、一番打ちやすい場所にタオルを敷いて、それをよけてボールを入れるような練習をしたら、台を十分に使いきったラリーができるようになるのかもしれない。

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「井の中の蛙」というと、思い上がったお山の大将的な文脈で使われることが多いが、そうではなくて、この記事では、すぐ隣に広い卓球の世界が広がっているのに、それが見えず、知らず知らずのうちに自分の卓球を自分で狭めてしまっていることが多いのではないかということが言いたかっただけである。



集中力のつかいどころ

相手のなんてことのないサービスをうっかりネットミス。
集中力が欠けているからこんなミスをするに違いない。

1ポイントごとに集中するのはもちろん大切なことだが、そのポイント全体に最大限集中するというのは実際は難しいことなのではないだろうか。

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45分なり、90分なりの授業中、初めから終わりまで100%集中するのは普通の人には難しい。私が人の話を集中して聴けるのはせいぜい連続30分だ。しかし、試合は授業のように全体の構成が整っているわけではない。したがって次の展開を予測するのが難しい。相手もこちらの意表を突こうと必死なのだから、要求される集中力も授業の比ではないだろう。

仮に1ポイントが6球目まで続くとすると、その10秒にも満たない6球全てに集中すると、私の場合、ほんのわずかだが、1球ずつの反応が遅れてしまう。それがたとえ0.5秒ほどのわずかな遅れだとしても、卓球では命取りである。0.1秒でも早く判断し、意識を次のボールに向けたい。
とすると、6球全てに均等に集中力を使うよりも、決まった球目に集中力を集中したほうが効率がいいのではないだろうか。

1球目のサービスは打球前にどこにどんなボールを打つか決めておけるので、集中するのはインパクト時の打球感だけでいい。したがって集中力をそれほど消耗しない。

2球目の相手のボールにこそ最大限の集中力を発揮しなければならない。どのコースに返球されるのか、深さはどのぐらいか、球種は何か、可能なら、相手は打球後にどの位置に移動したか。そういったことを持てる最大限の集中力で察知し、3球目に繋げたい。ポイントは早い段階の球目で優位に立てなければジリ貧である。4球目や5球目でいくら早く判断しても、時すでに遅く、相手に主導権を握られてしまっていては、こちらは後手に回らざるをえない。どうしても3球目で優位に立たなければならないのだから、ここが集中力のつかいどころである。

3球目で強打を打って主導権を握れれば、それに越したことはないが、相手もそうそう強打を打たせてはくれないだろう(前記事「3球目攻撃の難しさ」)。3球目は無難に中程度の強さのドライブで入れに行き、相手にブロックさせて5球目で決めるつもりだとか、あるいは先に相手に打たせて、5球目で決めるつもりで3球目はフォア側深くにツッツイてみるとか、そんなことになることが多いかもしれない。どちらにしても、3球目でいい加減なボールを送ってはいけない。3球目こそがポイントの流れを左右するカナメだろう。ここを疎かにするということは、そのポイントを失うというのに等しい。が、集中力の発揮という観点ではどうだろうか。2球目で相手がどんな打球をするのかを判断する場合ほどには気を張らなくてもいいかもしれない。もちろんミスしないように、あるいは5球目の展開を考えながら、相手の打ちにくいコースを狙って慎重に打たなければならないが、相手の2球目に対するときのような張り詰めた緊張感は要求されないかもしれない。

4球目と5球目はすでにポイントの大勢が決まっていることが多いので、あまり集中力を費やすこともないのではないだろうか。(【追記】3球目でストップなどの守備的な返球をした場合は相手の4球目に全神経を集中させることになる。)

というわけで、私の至った結論は、2球目の相手の打球に全神経を集中させるのがもっとも効率がいいのではないかということである。2~3球目は不退転の覚悟で、「ここで甘い球を送ったら、このポイントはほぼ相手にとられてしまう」という気持ちで打球すると、こちらがポイントできる可能性がぐっと高まる。自分では2~3球目も集中しているつもりだが、振り返って考えてみると、是が非でもこの3球目でこちらが優位に立ちたいという必死さが足りなかったように思う。ほんのちょっとした意識の改革だが、その結果は大きいと感じている。もちろん、漠然と2球目に集中するというだけでなく、2球目の何に集中するべきかという観点が大切なことは言を俟たない(前記事「「集中する」とはどういうことか」)。

答え合わせ――実践的シャドープレイ

前記事「連休中の卓球談義」でシャドープレイはいい練習になると教わり、家で試してみたりしたのだが、あまり効果があるとは感じられなかった。毎日数分だが、飛んでくるボールを想定して素振りなどをするようにしている。にもかかわらず、実際のプレーでは相変わらず反応が遅く、詰まったり、振り遅れたり。

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先日の練習でBさんのプレーをみていて、こんなふうにプレーできたら卓球が楽しくてしかたがないだろうなと思った。Bさんはそれほど熱心に卓球に取り組んでいるわけでないが、うまい。Bさんはいつもリラックスしてプレーしている。ムチャな強打は打たないが、それでいて決めるべきところではとんでもなく速いボールを打ってくる。私などは打てないボールにまで手を出して強打してしまうが、Bさんは打てないボールは手堅く入れて、打てるボールだけを選んで強打するのである。その強打というのも、私のようなヘタクソは目を三角にして全力で打つのだが、Bさんは涼しい顔をしてそれほど力を入れているように見えないのに中陣から速いボールを打ってくる。

何が違うのだろう。

Bさんの卓球を見ていると、本当に上手な人は力を抜いていても速いボールが打てるのだとしみじみ思う(前記事「小は大を兼ねる」)。

Bさんはフットワークも独特だ。あまり動かないのである。いや、動いていないように見えるのである。ボクシングのフットワークのように絶えず小さく体を揺すってはいるが、ほとんど棒立ちのように高い姿勢で立っていて、やる気がなさそうである(ちょっとサムソノフっぽい)。前後左右に動くステップは小さく、あまり動いているようには見えない、が、ボールにはきちんと間に合っていて、詰まったり、振り遅れたりすることは稀である。

Bさんのフットワークには秘密があるに違いない。私はBさんの背後からBさんのフットワークをしばらく観察してみた。

Bさんは、バックサイドからショートサービスを出し、相手のストップを払ってからオールという練習をしていた。Bさんはやはりサービス後の戻りが早い。動いていないように見えて、きちんと前後に動いている。私は知らず知らずのうちにBさんの背後から、Bさんと同じようにサービスを出して相手のストップを払うというシャドープレーをしていた。

「!」

Bさんはサービス後の戻りが想像以上に早いのである。私もBさんといっしょにサービスしているふりをして、打球後すぐに正面を向いてみたのだが、Bさんよりもコンマ数秒遅れていた…。Bさんは全力で戻っているようには見えない。相変わらずリラックスして軽やかに正面を向くのだが、それでも流れるような動きで私よりもずっと早く戻っていた。

「なんと!!」

次の瞬間、私は自分の目を疑った。
Bさんは、まるで相手に握手を求めるかのような自然な足取りで右足を軽く前に踏み出し、バックハンドのフリックを打った。そのときBさんの背後で私は同時に素早く左足を踏み出していた…。

フォア前に短いストップなどが来た時は右足を踏み出して打球するというのは分かる。しかし、バック側に来たストップを打球するためにどちらの足を踏み出すかというのは意識していなかった。自然に踏み出した足が、私の場合、左足だったのだ。

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バックハンドでフリックなりチキータなりを打つときに左足を入れるのがまちがいなのかどうか分からない。しかし、上級者の写真などを見ると、右利きなら右足を入れるのが一般的なようだ。

私は次のシャドープレイではBさんと同じように右足を入れて打つマネをしてみたのだが、右足を入れると確かに打ちやすかった。

「え!?」

Bさんは、フリックを打った後の戻りも、私よりはるかに早かった。私の場合は右足を台の下に入れて「やれやれ無事間に合った」とばかりに一休みして、上半身の打球のほうに集中してしまうのだが、Bさんの場合は、おそらく右足を出す前から、打球と同時に右足を蹴って戻ろうと決めているのだろう。右足を踏み込むと同時にすぐに一歩、いや、二歩下がり、相手の速くて長い次のボールに備えていた。
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Bさんのプレーは私に多くのことを教えてくれた。シャドープレーは実際にボールを打つのをイメージしながら行うべきだ。それは正しいのだが、レベルが低い人間の場合、思い浮かべるイメージ自体が間違っているおそれがある。上手な人のプレーを見て、その人と自分のシャドープレーをシンクロさせてみる――いわば、「答え合わせ」をしてみると、自分では気づかなかったことに気付かされるのではないかと思う。


卓球人のためのビデオカメラの選び方

自分の試合や練習などをビデオに撮って改めて見なおしてみると、いろいろな発見がある。

「スイングする時、ラケットが下から出過ぎている」
「3球目をいつも同じコースに打ってしまう」
「打点が遅い」
等々

また、全国大会や国際試合を観戦に行った時、ただ観るだけでなく、一流選手のプレーをカメラに収めて、後で見返して思い出にひたったり、自分の卓球の参考にすることもできる。

ビデオカメラは練習時間がすくない社会人の卓球ライフを充実させてくれるに違いない。

昔のHi8やDVのビデオカメラは10万近くしたが、今や3万程度でフルハイビジョン1080P、一秒あたり60フレームの高画質なカメラが買えてしまう。これを買わない手はない。

私は機械には疎く、カメラのこともよく分からない。こういうものにもっと詳しい方がいらっしゃれば、ぜひコメント欄などでご教示いただきたい。

以下に私の経験からビデオカメラに求められるポイントを挙げてみたいと思う。

1.バッテリー容量
2.光学ズーム
3.記録モード

まず、1のバッテリー容量についてだが、2時間の連続録画に耐えられる程度はほしい。社会人の練習は多くの場合90~120分ほどだからである。
予備バッテリーを購入するという手もあるが、1万近くする場合が多い。
最近はUSB充電ができる機種というのもある。それで、市販のスマートフォン用のモバイルバッテリーをつないで充電するという手もあるが、USB充電しながら撮影できなければ意味がない。バッテリーが途中で切れて、USB充電しようとしても、充電している間に練習が終わってしまう。その点、パナソニックのビデオカメラはアドバンテージがある。PSP用の充電器が使えるのだ。そこでPSPとUSBの変換ケーブル(100均で買えるらしい)を利用すれば、スマートフォン用のモバイルバッテリーをつなぐことができ、給電(バッテリーの充電ではなく、外部電源で動作)しながら撮影ができるらしいのだ(ただしネットでの情報にすぎないので、未確認)。これなら大きな大会で何試合も撮影できる。
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今、一番売れているビデオカメラ HC-V360M 3万円ほど。

次に2の光学ズームだが、大きな会場(例えば千駄ヶ谷の東京体育館)で撮影するなら20倍程度の光学ズームがほしい。私が撮影した動画(前記事「東京選手権2016雑感」)は16倍程度の光学ズームだったので、やや物足りなさを感じた。ただ、倍率が高すぎると、画面も暗くなるだろうから、あまり倍率が高くても意味がないかもしれない。

そして3の記録モードだが、1080Pの60iという記録モードはぜひほしい。1秒あたり30フレームと60フレームでは滑らかさが全然違う。ただ、ふだんの練習などはそんなに高画質の動画は必要ないので、DVDサイズの480P、30フレームという低画質モードもほしいところだ(縦のサイズが720P、480P、360Pのモードがあれば、youtubeにアップしやすい)。

その他に記憶容量の問題もあるが、これは最近のカメラならSDカードが挿せるので、32GBのカードを挿せば、容量はほとんど問題にならない。
また、卓球は屋内で行われるので、画面の明るさというのが求められるが、これはカタログからは分かりにくく、アマゾンや価格コムなどのサイトで実際に使っている人の感想などをチェックするのがいいだろう。
それから、私は持っていないが、BDレコーダーなどを持っている人にとっては、撮った動画をレコーダーに保存したいという人もいるかもしれない。動画が保存されたSDカードを差し込むだけでレコーダーに保存できるなら、それの可否もチェックしておいたほうがいいだろう。

こういうことを勘案して選ぶと、パナソニックの低価格の機種がよさそうだ。

またコンパクトで1メートルぐらいまで伸びる三脚もほしいところ。

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HAKUBA 8段三脚 コンパクト L-エイト 3000円ほど。1メートルぐらい伸びるらしい。

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ベルボン キューブ。4000円ほど。こちらも1メートルほど伸びる。

低価格のビデオカメラは300~400グラム程度しかないので、華奢な三脚でも十分だと思われる。できれば1500ミリぐらいまで伸びる製品だと実際のプレーの目線に近くて、よりいいと思われる。




連休中の卓球談義――レシーブとか素振りとか

今日は何も予定がなく、うちでゴロゴロして過ごしていた。

卓球の雑誌に目を通したり、自分の卓球をどうやって改善したらいいかとあれこれ考えたり。

でもなんとなく楽しめない。そこで卓球の話でもしようといつもお世話になっているNさんのお宅に遊びに行った。

Nさんはかつては全国レベルの実力を誇った人である。その人にいろいろな質問をぶつけてみた。

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「サービスとレシーブでその後のラリーの展開が大きく決まってしまいます。いくら威力のあるドライブを持っていても、いったん台上で後れを取ったら、相手に先手を取られてしまい、自分が攻撃するチャンスがめぐってこないこともままあります。だからレシーブには気を付けているんですが、レシーブでうまく先手をとれないんです。相手のロングサービスがくると思ってバックドライブで待ち構えていると、ショートサービスが来て、つんのめってしまったり、逆にショートサービスが来ると思って意識が前のほうに行っていると、ロングサービスが来て詰まったり。いったいどうすればいいんでしょうか?」

「そりゃあ、あなた、基本ができていないんですよ。チキータやら強烈なドライブやら、そんなことを覚える前にもっとやることがあるでしょ。どこにボールが来てもミスしない、崩れない、そういうことをまず覚えなあきませんな。どこにボールが来てもきちっと動いて打つ。レシーブでそれをやるためには正しい立ち位置で待ってないと。」

「それはこんな感じですか?」
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LRはそれぞれ左足と右足(前記事「レシーブの構え、あるいは…」

「そんなに台に近くにいてみぃ、深いロングサービスが来たら終わりやないか。」

「そのときは後ろに下がりながらバックドライブを打てばいいのでは?」

「速いロングサービスが来たら、間に合うか?人間はとっさに前には行けるけど、後ろには下がりにくいでぇ。構えるときは一番深いサービスが来ても詰まらずに打てる位置に立つんや。それで、もし短いのが来たら、右足をサッと前に出してストップするんや。」

「なるほど。サービスの長短にとっさに対応する方法は分かりました。では、左右のコースはどうですか?相手のサービスがバックに来るかフォアに来るか分からないときに、いつも対応が遅れるんです。バックで待っていると、フォア前にサービスが来たりして、アッと思った時には、もうこちらのコートにバウンドしていて、ラケットを伸ばしても頂点を過ぎたところでしか打球できないんです。」

「ラケットの面を開いて待っとくのがええと思うで。ペンホルダーはできるだけフォアハンドでレシーブするのが安定するんや。もしラケットのヘッドを相手に向けとったら、フォア前のボールを打つのに遅れるやろ。」

「でも、裏面で打つなら、面を開いておかないほうがいいんじゃないでしょうか?」

「わしはできるだけフォアで打ったほうがいい思うで。それでフォア前にサービスが来たら、ネットと面を平行にしてフリックするんや。やりやすいでぇ。もちろんバック側に流したり、ストップしたりしてもええけどな。」

「それから、素振りをしようと思うんですが、あれって効果があると思いますか?」

「あると思うよ。しかし、ただ振ってるだけではあかん。試合中の場面をイメージして、ボールがこちらに飛んでくるのを思い浮かべて打たな意味がない。実際にフットワークを使ってシャドープレーをするのもいいかもな。さっきのレシーブにしたって、理屈で分かったからいうて、すぐに実戦で使えるかいな。相手がサービスを出すのを何度も思い浮かべて、サッとフォア前をフリック、ロングサーブをサッと回り込んでフォアドライブいうのを何度も何度もイメージして、動いて素振りしていうのを体に覚えこまさな、急に試合で使えるわけあらへんやろ。」

ありがたい教えを頭で理解するだけではいけない。体で覚えて身につけて初めて「理解」となるのである。

指月

他にも卓球の技術的なこと、昔の有名選手のこと、最近の卓球界のこと等をいろいろ伺った。
実際に台で練習できる時間は少ないが、うちでも素振りやシャドープレーぐらいならできる。これから素振りを毎日やってみようかと思っている。「常住卓球」である。





3球目攻撃の難しさ

フォア打ち、バック打ちなどの基礎打ちが終わった段階で、なんとなく惰性でする練習として3球目攻撃の練習がある。こちらからのショートサービスをバック側に、あるいはフォア側に長くつっついてもらい、それをドライブで攻撃する練習である。

それで威力のあるフォアドライブなどを打って、どうやったら上級者のようにもっと威力のあるドライブが打てるのか…などと考えていろいろ工夫してみるのだが、ああいうシチュエーションは試合ではほとんどめぐってこない気がする。

そのような練習に慣れてしまうと、3球目で強打を打つのは当然で、今度はその威力をどのぐらい高めるかに意識が集中してしまうのだが、3球目で強打を打つのはそれほど簡単なことではない。実戦ではそんな緩いボールはほとんど来ない。

無名
画像が何もないと寂しいので意味なく挿入
 
私には苦手なタイプの練習相手がいる。その人を仮にAさんとしておくと、Aさんは何が何でも攻撃してくるタイプである。試合形式の時、Aさんのサービスに対して、2球目で私が台から出るようなボールを返せば、それがどんなコースだろうと、自分の体勢が崩れていようと、とにかく3球目を渾身の両ハンドで決めに来る。が、Aさんは私と同程度のヘタクソなので、そんなボールが入るわけがない。何度も連続してミスされると私もうんざりして、Aさんに打たせないようにストップできる場合はストップで返すのだが、Aさんはあきらめない。そのストップされた3球目をフリックやチキータなどで果敢に攻撃し、やっぱり3球目で決めに来る。もちろんほとんどミスである。Aさんには「3球目は全力で攻撃するもの」という考え方が染み付いているようなのだ。

私はそのむなしい時間を過ごしながら、3球目攻撃の難しさに思いを馳せた。

実戦ではこちらがショートサービスを打てば、相手は2球目で頂点前の早い打点で、どのコースに来るか分からないように打ってくる。 しかもそれがストップだったり、深いツッツキだったり、フリックだったりするのだ。
早い打点で打たれるので、ただでさえ判断のための時間的余裕がないのに、それがフォア側だったり、バック側だったり、はたまた浅かったり、深かったりする。初中級者でこれほど多様な球種を巧妙に使い分けられる人は少ないだろうが、それでも実戦なら2つのうちのどちらを打つのかギリギリまで分からない――例えば長短(ストップかツッツキか)、あるいはコース(フォアミドルかバックか)――程度の攪乱はしてくるはずだ。それを3球目で確実に強打を打つなんて、上級者ならいざ知らず、私にはとてもできない。

ショートサービスを打った後、ボールが相手コートにバウンドする前ぐらいにニュートラルポジションに戻り、相手がどのようなボールを打つのかじっくり観察する。が、それでも相手に早い打点で打たれると、回り込むことはおろか、完全な体勢から3球目を打つことさえできない。できることと言えば、相手に完全な体勢で打たせないようにするぐらいである。

ショートサービスで始めた場合、3球目攻撃というのはそう簡単にはできない、3球目というのは5球目に強打を打つための準備段階に過ぎない、と考えるのが私のレベルでは妥当である。とすると、私が今まで取り組んでいたショートサービスからの3球目強打の練習というのはいったい何だったのだろうか。たまたま相手がこちらが予想した通りの甘いボールを返したときに確実に決めるための練習というぐらいの意味しか見いだせない。そのような甘いボールを渾身の力でなんとしても一発で決めようと、あれこれ威力のある打ち方を工夫している時間を、もっと他の練習に振り分ければどれほど上達が早かっただろうと思うと、練習メニュー作りの大切さが身に染みる。

3球目攻撃(強打)の練習というのはもうやめよう、これからは5球目攻撃の練習をしなければ。

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