しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2016年04月

江戸時代の国学者本居宣長は、『古事記』は何としてもヤマト語【しろの注:訓よみのこと】で読まねばならぬ、また読めるはずであると考えて、読んだ。その結果が大著『古事記伝』である。捜し物でも、絶対にこの部屋にあるはずだと思って捜さないと、見つかるものも見つからない。『古事記』も絶対に読めると思って読まなければ、読めるものも読めない。だから『古事記伝』は立派な書物であるが、その訓みは第三者的に見れば無理がある。
野村剛史『話し言葉の日本史』

宣長は日本文化から中国やインドの影響を排除しようとした日本文化研究者である。漢字の音よみ――つまり中国語よみは日本本来の言葉とは異質のものであり、そのような中国語の影響を受けていない(と信じた)古事記を訓読みだけで読もうとしたわけである。古事記をコジキと音よみでよまず、フルコトフミと、なんとか訓よみでよもうとした。「記」を「ふみ」と訓でよむ例があるのかどうか知らないが、とにかく全文を訓でよもうとしたらしい。

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最近、フォア主体でプレーしたらいいのではないかと考えている。バックハンドを極力使わず、ほぼ全面をフォアハンドでカバーするいわゆるオールフォアみたいな感じである。

malin
馬琳選手がフォア主体というわけではない

しかし、今どきこんなプレーは流行らない。たとえペンでも両ハンドで攻撃したほうが効率がいいと思われているからだ。

しかし、本当に両ハンドは効率がいいのだろうか。

今どき紙の辞書を使っている子供はほとんどいないだろう。重いし、検索スピードも遅い。電子辞書なら数十冊もの辞書が手のひらサイズのガジェットに収まっている。検索も的確で早い。
しかし、紙の辞書にも味わいがある。自分でページをめくって目的語の語を探したときは軽い達成感を感じるし、前後の関連語句にも目を通すことができる。目的の単語を見つけた後、なんとなくパラパラとページをめくって意外な語の意味に辿り着くこともある。余白に書き込むこともできる。

紙の辞書よりも電子辞書のほうが多くの面で優れているのは認めるが、紙の辞書にもいくつかのメリットがあることは確かである。その中でも物理的にページをめくるという「儀式」は案外記憶の助けになっていたりするのではないかと思ったりもする。

卓球のスタイルも同じようなことが言えるのではないだろうか。

現代のオールフォアの代名詞といえば、中国の許昕Xu Xin 選手である。バックハンドはレシーブ等で少し使うだけで、基本的に全てのボールを強力なフォアハンドでカバーし、中国四天王の一角を占めている。その許昕選手のジュニア時代のプレーを観て驚かされた。





なんともきれいな裏面バックハンドドライブを多用しているのだ。
今の許昕選手のプレーしか知らない私には新鮮な驚きだった。許昕選手はバック面が苦手だからフォア主体になったのではなく、得意な裏面バックハンドを捨てて、フォア主体に転向したということだろうか。

バック側もフォアハンドでカバーしようとすれば、フットワークに頼らざるを得ず、体力を消耗する。両ハンドでフットワークの負担を減らしたほうが効率がいいにきまっている。それなのにどうして許昕選手はフォア主体を選んだのだろう。

世界トップレベルの技術論は分からないが、オジサン中級者レベルで考えてみると、両ハンド型というのは案外効率が悪い。なぜかというと、相手がボールを打球し、こちらがフットワークでポジショニングする前に、フォアで打つかバックで打つかという選択をしなければならないからだ。

中級者はただでさえ判断が遅い。相手のボールが飛んできて、なんとか打球タイミングを合わせるのがやっとで、振り遅れることも少なくない(前記事「二つの打球点」)し、とっさに動くことも難しい。相手が打球してから、こちらが打球するまでの短い時間(0.5秒ぐらい?)にプレーヤーは、(1)どこにボールが落下するかを判断し、(2)そこからどのようなバウンドの軌跡を描くのか計算し、さらに(3)打球するのに最適の位置に移動(ポジショニング)し、(4)タイミングを取りながらバックスイングをとって(5)スイング、打球しなければならない。おっと、打球前に(6)どのコースにどんな球種で打つのかも考えなければならない。

こんなにやること盛りだくさんで、さらに(7)フォアで打つか、バックで打つかの判断までしなければならない、しかもこの判断が終わらないことには(3)のポジショニングに移れないとなると大変である。フォアで打つかバックで打つかで一瞬でも迷うと、すべてのアクションが球撞き状態でどんどん遅れていき、結果として詰まったり、振り遅れたりする。
その点、フォア主体型は迷いがない。相手のインパクトを見た瞬間にポジショニングのスタートが切れる。このフォアだけに集中してプレーするというのは判断を格段に早くする。またバック深くにツッツキが来ても、初めからフォアで回り込もうと決めていれば、意外に間に合うことが多い。回りこむ前に

「この深さで回り込めるかなぁ…」

などと眠たいことを考えてはいけない。

「なんとしても回りこまねばならぬ。いや、回り込めるはずである」

このようなフォア主体の思想がプレーに好循環をもたらすと私は信じている。

バック側のボールまでフォアで動いて打つとすると、フットワークに過大な負担がかかり、回り込みきれないのではないかという反論もあるだろう。もちろん上級者のレベルならバック側に回りきれないほど厳しいコースをつかれること、あるいはそのようにバックに寄せてから思い切りフォア側に振られることが多いが、中級者レベル(というか、私が試合で対戦するレベル)なら、サイドを切る厳しいボールはあまり来ない。それにフォア・バックの判断をスキップして、とにかくフォアで打たねばならぬ、いや、打てるはずと考えてプレーすれば、たいがいのボールは回りこめるものである。おまけにとにかく足をアイドル状態にしているものだから、普段よりも50%ぐらい足が動くようになる。普段だったらほとんど動かない私も、回り込めるはずと考えてフォア主体でプレーすると、フットワークがよくなり、プレーにリズムができてくる。ふだんなら横着して足を使わず手を伸ばして打っているボールも丁寧にポジショニングして打てるようになる。フォアで動こうと不退転の覚悟を決めれば、両ハンドでプレーするときよりも早くていいプレーができるような気がする。足が動く、プレーにリズムができる、このことの優位性はバックハンドが使えないことを補って余りある。

インターネットが発達した現代はそれ以前の時代と比べると、信じられないほど便利になった。
特に学習環境の効率化は隔世の感がある。
居ながらにして世界中のあらゆる分野の知識が手に入る(雑多で信頼性の低い情報も多いが)。たとえ草深い田舎の小学生でもノーベル賞レベルの論文に目を通すことができる。
だが、その学習環境の効率化に比例して子供の学力が伸びたと言えるだろうか。余計な情報のない以前の不便な環境のほうが学習に適していた面も多かったのではないだろうか(前記事「不便の便」)。
また、動かず、部屋でゴロゴロしながら勉強するというのはかえって難しい。わざわざ学ぶために着替えて身支度を整え、毎日自転車(あるいは電車・バス)で40分もかけて学校に通うという「儀式」があると学校に着いた時には「勉強するぞ」という気分になって集中できるということもあるのではないか。いつでも学べるとなると、結局いつまでたっても学ばないという人も多い。京都に住んでいると、「いつでも行けるから」といって京都の名所旧跡にほとんど足を運ばないという京都人も多い。

人間は便利になると、横着して手間を省くようになる。
バックハンドでも強力なドライブが打てるとなると、フォアで回り込めるボールまでバックハンドで打とうとする。そうしてフットワークがさびついて、プレーのリズムが止まってしまう。バックハンドに頼るのは、フォア主体ではどうやってもうまくいかなくなってからでいい。

「絶対にフォアで回れると思って回りこまなければ、回り込めるものも回り込めない」。

このフォア主体の思想によって私のプレーがダイナミックに変わるのではないかと期待している。


地元のクラブにときどき小さい子供が遊びに来るのだが、小さい子供に卓球をさせるのは難しい。
まず、背が低いので台に届かない。
子供が使えるように高さが調節できる特別な台もあるが、そういう特別な台はふつうの練習場にはない。それで小学生未満の子供に卓球をさせるのは難しい。

小学1年生になると、ようやく胸から上が台に出て、ギリギリ打てるぐらいになるが、それでも1年生に卓球をさせるのは難しい。まだ神経が未発達なのか、打球の強弱の感覚が安定せず、多球練習で打ちやすいところにゆっくりしたボールを送っても、なかなか台に入らない。思った通りにボールが飛ばないのがもどかしいのか、すぐに飽きてしまう。

私は卓球好きの子供を増やすために少しでも興味を持ったら、ボールを打たせてみたいと思っている。小さい子供でも卓球に親しめるいい方法がないか考えていたのだが、ボールの代わりに風船を使ったら、小学校低学年でも卓球らしきものが楽しめると思いついた。

balloon


ネットで調べてみると、「風船卓球」というのが高齢者のレクリエーションとして行われているようだ。
「風船卓球大会」

「風船卓球」 


ラケットの代わりにうちわを使い、扇いで台から落とす(卓球バレー的な)ものと、うちわをラケットにして風船を打つものがあるようだ。私が考えたのはもちろん後者の風船を実際に打つほうである。ただ、実際に卓球のラケットを使う。そして台の上でやるのではなく、ネットも使わず、バドミントンのように打ち合うのである。こうすると、非常にゆっくりとしたボール(風船)が行き来することになり、低学年でも余裕を持ってラリーが続けられるし、力任せに打っても、すぐに減速する。

そしてただ打ち合うだけではなく、卓球のフォームを教え、それで打たせてみると、なかなかサマになっている。卓球のボールは小さい子供には速すぎてフォームを意識する間もなく、ボールが飛んでいってしまうが、風船ならフォームを確認しながら、「なりきり卓球選手」のように喜んで子供たちが打つようになる。

手打ちにならないように、また、むやみに大きなスイングではなく、小さく鋭いスイングのほうがボールがよく飛ぶということもわかり、いい練習になると思う。
ボールの面積が大きいので、ボールのどのへんに当てたら、どの方向に飛んで行くか――ボールの左側面を打つとシュート気味に飛んでいき、ボールの右側面をとらえるとカーブがかかる(右利き)等がよく分かる。

そしてボールがゆっくりなので、下半身との連動――重心移動等にも気をつけて打球することができる。

打球した時の感触がしっかりあるので、大人でも、フォームが安定しない人に有効な練習だと思う。


前陣でワンコースでフォアドライブを打っていて、オーバーミス。

相手の上手な人にこんなことを聞かれた。

「今のミスの原因は何だと思います?」

「たぶん、ラケットのかぶせが足りなかったんだと思います。ボールのもっと上の方をこすればオーバーしなかったと思います。」

「今のは振り遅れていましたよ。」

どういうことだろう。私はボールの頂点付近の早い打点で打球したはずである。それなのに振り遅れているというのはどういうことだろうか。

相手の人の言いたかったことは、つまりこういうことである。
たとえば相手が中・後陣から高い弧線のドライブを打ってきて、それがこちらのコートにバウンドしてからグンと伸びたため、振り遅れてオーバーミスという経験はないだろうか。あれだったのである。あの「グン」に対して私はボールの上の方をこすればいいと判断したのだが、そのように上からかぶせるだけでは思い切って攻めのボールが打てない。ラケットの角度の問題ではないのである。「グン」の前に――自コートでバウンドしてまもなく、ボールが自分の肩ぐらいまで弾む前に自分の前方で処理しなければならないのである。

しかし本当に私は振り遅れていたのだろうか。自覚がない。
その後、気をつけて自分の打球点を点検してみると、たしかに言われたとおりだった。自分では振り遅れている自覚がない――最適な打点で打っているつもりなのだが、実際はラケットがボールに届くまでに意識と打点にタイムラグがあり、図のように黒い矢印の打点で打っているつもりでも、実際は赤い矢印の打点で打っているということがしばしばあった。それはオーバーミスしがちだった。


daten図1・2

図の上段(図1)は打点が遅れており、ラケットの角度もやや起こし気味である。それに対して図の下段(図2)は打点をやや早めにして打球したときである。ラケットがかなり攻撃的に寝ており、速いボールが気持よく打てる。

ここから分かることは、自分では最適の打点で打っているつもりでも、意識と実際には時間的なズレがあるということである。「こんなに早い打点で大丈夫だろうか」というぐらい早い打点で打つとちょうどいい具合に最適な打点で打てるのである。

前記事「打ちつけてスピンをかける」で下のような図を示した。
butukeru図3

スイングの弧線の頂点と打球のインパクトを重ねるように打てば威力のあるドライブが打てるのではないかという仮説である。まだ十分検証できていないが、この打法は威力はともかく、早い打点で打つのに有効である気がする。初めの図の下段(図2)のような早い打点でこの図3の打ち方をすると、あまり力を入れずに気持よくドライブが打てる。

このような検証をしていて気づいたのだが、打点というのは、ボールを中心にしてみた打点と、プレーヤーを中心にしてみた打点の2つの打点があるのではないかということである。図1・2で示した打点はボールがバウンドしてからどのぐらい時間がたったか、あるいはボールがどのぐらいの高さまでバウンドしたかを示している。これが一般的に言われている打点だが、それとは別にラケットが自分の体からどのぐらい離れているかという観点も大切だと思われる。スイングが前方に伸びていく途中でインパクトを迎えることを「詰まる」といい、力が十分に伝わらない。振り遅れてオーバーミスをしがちである。それに対してスイングが前方に十分伸び、楕円の頂点付近でインパクトを迎える場合はスイングの力が十分にボールに伝わり、あまり力を入れずともいいボールが打てる。
daen図4

たとえば自分が前陣にいて、深いボールが来た時、そのままの位置で打つと詰まる。たとえ早い打点で打っても、なかなか安定しないだろう。それに対してもう一つの打点――自分の体から遠いか近いかという打点で考えた場合、遠い打点で打てば安定する。たとえ遅い打点――ボールの頂点を過ぎてからの打点で打っても、遠い打点ならボールを安定させやすい。

冒頭の私の振り遅れについて言うと、打点の早さ的にはそれほど問題がなかったのである。たしかに頂点よりもやや遅れていたが、そこで打って入らないということもない。それよりもむしろ遠い打点で打たなかったために振り遅れてしまったのである。私はこの2つの打点を混同していたため、安定したボールが打てなかったのかもしれない。

一般的には打点というと、ボール中心の早い打点と遅い打点を考えがちである。しかしもう一つのプレーヤー中心の遠い打点と近い打点も併せて考えると、ミスの原因を把握しやすいのではないだろうか。

以前、上手な人にこんなことを言われた。

「フォアへ飛びついた後に右足でしっかり踏ん張れていないので、戻りが遅いんですよ」

言われてみればそのとおりで、私はフォアへ飛びついたらそのまま下半身のバランスが崩れて、ヨロヨロと身体がフォア側へ流れてしまう。反対にバック側に回りこんだ時も左足で踏ん張れず、戻る時間を大きくロスしてしまう。やはり筋トレが必要なのだろうか。

ある日、ブックオフに行ったら、こんなものが売っていた。
wiifit

img_0

wii fit である。任天堂のwiiという10年前のゲーム機でプレーできるソフトウェアと、付属品のバランスwiiボード。

問題は値段である。

nedan

ありえない…

縦横、約30センチ×50センチという大きなハードウェアが付属しているにもかかわらず、たったの108円!
もしかしたら、値札の付けまちがいではないだろうか。店員さんに確認してみたところ、間違いではないという。ではどうしてこんなに安いのか。状態が最悪なのだろうか。店員さんによると、状態は決して悪くはなく、単に古いゲーム機用のハードウェアだから、投げ売り価格らしい。wii本体も5000円ほどで売っている。

「そういえば、このソフトは昔、はやったなぁ。けっこう評判もよかったみたいだ。しかし、こんなおもちゃでまさか筋トレができるわけないよな…。とはいえ、この安さは看過しがたい…」

結局、本体といっしょに購入してしまった。

wiiの後継機で、wii U というのがあり、それ用のwii fit U というソフトもあるのだが、そちらは本体込み、新品で4万以上するらしい。それに比べて私の購入したwii 本体と wii fit はわずか5000円ほど。この金額差が私を大いに満足させた。

さらにゲームの内容も私を満足させるものだった。

簡単に言うと、「ヨガ」「筋トレ」「有酸素運動」「バランスゲーム」「体力測定」という5つの部門から構成されており、前4者にはそれぞれに9~15ほどのトレーニングが入っている。それらをボードの上でこなし、トレーニング終了後に点数などで評価してもらえる。

まず、ヨガをやってみる。
ヨガが若い女性の間でずいぶんはやっているが、私もwii fit の中のヨガをやってみて、ちょっと楽しさが分かった気がした。

hiza kakae
膝を抱えるポーズ


dance
ダンスのポーズ

あまり運動らしくないが、片足でバランスを取りながら身体を伸ばしたり、ひねったりするのはけっこう筋力が要る。これらを続けていれば、インナーマッスルというのが鍛えられるらしい。


そして筋トレである。
suihei
身体水平支持 これは腹筋にかなり負担がかかる。よく分からないが、インナーマッスルが鍛えられている気がする。

卓球王国の動画にも似たようなトレーニングがあった。
front bridge

arm
アーム&レッグレイズ こちらのほうが上の動画に近いか。

range
ランジ 太ももに負担がかかる

rawing
ローイング・スクワット 軽すぎてあまり筋トレにならない?

yoko balance
腕立て&横バランス けっこうつらい

side balance
ちょっとこのトレーニングに似ている

siderange
サイドランジ wii fit plus に追加されたメニュー。

このサイドランジというトレーニングがフォアへの飛びつきのときの足の踏ん張りに近い。
が、これはwii fit plus という後継ソフトで追加されたトレーニングなので、無印のwii fit には入っていない。

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こちらも購入してみたのだが、wii fit の完全上位互換なので、plus を買ったら、無印のfit のほうは必要がなくなった。

そして有酸素運動。
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ジョギング 5分~10分ほど走る。なかなか息が切れる。

foop
フラフープ けっこう疲れるが、それ以上に腰の動きが柔らかくなりそう。


boxing
リズムボクシング 予想通りの激しい運動。腰を入れて打つと、いい練習になる。

バランスゲームは割愛。

ウィーボ
マスコットキャラクターのウィーボくん

トレーニングを終え、身体測定とバランステストを行うと、体重やBMIといった値を記録してくれる。
自分の体重の変化が分かり、モチベーションが上がる。

ウィーボくんは筋トレのアドバイスなどもしてくれる。

「老化というのは、下半身の筋力低下から始まると言われていマス。」

やっぱりそうか。私はどうしても下半身を鍛えなければならない。

【まとめ】
wii fit は無味乾燥な筋トレが楽しめるようにさまざまな工夫がなされている。
約10年前のソフトウェアだが、古さを感じさせない。
最新のゲーム機の映像を経験している世代からみると、物足りなさをかんじるかもしれないが、8ビット、16色、64KBのRAMというスペックで遊んでいた世代からすると、十分すぎるほどの表現力である。
テレビさえ持っていれば、わずか5000円ほどでこれほどの作品が手軽に楽しめるなんてお得にもほどがある。ゲーム機は型落ちに限る。
wii fit に含まれている筋トレが卓球にどの程度役に立つのか分からないが、トレーニングが終わった後は、太ももや腹筋などが筋肉痛になるので、そこそこ筋トレにはなっていると思われる。専門的な本などを参考にして黙々と筋トレに励む人もいるが、飽きっぽい私にはそういう地道な筋トレは難しい。しかし、wii fit なら続けられる気がする(毎日ではないが、現時点で2~3か月続いている)。
また、フィットネスクラブやヨガ教室などに通うと、1か月で5000円とかかかるのに比べると、非常に経済的である。

wiifit-03-05
トレーナーのおねえさんに癒やされながら、今週もトレーニングに励む



切れた下回転サービスを出すコツをご存じだろうか。
ボールの下を「こする」のではなく、ボールのお尻のあたりをインパクトし、下に叩きつけるように「打つ」のである。仲村錦治郎氏が「神のサービス」の中で言っていたのだから、まちがいない。

kugi

指に力を入れて、スナップを利かせて釘を打つように切るというのである。



私は今まで引っ掛けてこするイメージで下回転を出していた。
こするサービス


Aでインパクトして、そのまま
Bまで引っ張っていくイメージである。

しかし、仲村氏のやり方はスイングの先端でラケットを止め、そこで当てるようなイメージで回転をかけるのである。

ぶつける

実際にこのように切ってみると、力を入れずに回転量の多い下回転サービスが出せる。
そして自分の手の動きをよく観察してみると、ボールに当たる瞬間に手首をピタッと止めているような感じである。手首を急停止させることによってスイングスピードが上がり、切れ味が増すのだと思う。

となると、ドライブも同じ理屈ではないだろうか。
私にとってドライブで回転をかけるイメージというのは、ラバーに引っ掛けて、ボールを「引っ張る」イメージだった。

こすってかける


点Aでボールをひっかけて、点Bまで引っ張っていくイメージである。

しかし、そうではなく、スイングの弧線の先端、点Cで打ちつけるように回転をかければいいのではないだろうか。

とめて


切れた下回転サービスを出すようにラケットが遠心力で回転しきって、スイングが止まったところにインパクトを重ねるのが最もスイングスピードが上がり、回転がかかるのではないだろうか。つまり、引っ張るというより当てるように回転をかけるのである。

これをやろうとすると、いつものようなスイングでは詰まってしまう。スイングの終点あたりでボールを打つのだから、普段よりもほんの少し早めにスイングをスタートし、少し早めにスイングを終える――スイングを小さくしなければならない。

インパクト

このようにすれば、スイングは小さくなるし、力を入れずに回転のかかったドライブが打てるのではないだろうか。

また、ボールのタッチを変えることでも回転がかかるようになるかもしれない。
回転をかけるには、厚く当ててはいけない、厚く当てると、衝撃が木まで伝わってしまい、回転をかける前にボールが飛び出てしまう…とずっと思っていたのだが、ボールを厚く当てて回転をかけるというのも、もしかしたら有効なのかもしれないと最近思い直している。

「テニス365日の上達法…」というブログの中で、テニスでのスピンのかけ方について次のように説明されている。

強烈なスピンボールを打つために必要なこと、それはボールをこするスピード上げることではなく、ボールを大きく潰すことである 「スピンのメカニズム」

つまり、ボールをラケットにぶち当てることによってボールがつぶれ、次にボールが復元しようとする力によってスピンがかかるというのだ。卓球のボールはテニスのボールほどつぶれることはないと思うが、ある程度はテニスと同じ理屈が通用するかもしれない(卓球の場合はへこんだラバーの復元力で回転がかかるのかもしれない)

これらは私が頭で考えたことなので、正しいかどうか分からない。今度の練習で試してみようと思っている。

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