しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2015年11月

みなさんお久しぶりです。
今日、ドイツから帰ってきました。
卓球とは無縁の毎日を過ごしていたので、卓球の話はあまりできないのですが、卓球用具購入を試みた話などをしてみようかと思います。すべて失敗に終わっていますが。

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せっかくドイツに来たのだから、日本では買えない卓球用具を購入してみようと思った。
筆頭に上がるのはTSPのリターンボードである。

Returnboard

 http://www.yamato-tt.com/tsp.php?menu=Hilfsmittel&Id=69

しかし、いったいどこで買えばいいのだろう?ドイツ語の一文字をだに知らぬ私がネットで買物などできるのだろうか?

いろいろ探した結果、こんなページを発見した。世界の卓球ショップリンク集である。
http://www.tt-shops.net/Europe/e-shops/germany_c11/

ただ、このリンクの店が信用できるかどうか分からない。もしかしたら、悪徳ショップで、帰国後にとんでもない額の請求がくるのでは…。私は海外でネットショッピングなどしたことがない。そんな危ない橋を渡ってまで買うべきだろうか?

もう少し調べてみると、どうやらリターンボードはTSPが作っているわけではなく、他社のOEMらしいことが分かった。

http://www.returnbrett.de/

そしてドイツのアマゾンで購入できることが分かった!
こちらではReturnbrettというらしい。

http://www.amazon.de/TT-PRO-150-Returnbrett-return/dp/B005Y157BC/ref=sr_1_11?ie=UTF8&qid=1448794066&sr=8-11&keywords=return+brett

159ユーロだから、1ユーロ135円だとすれば、21,465円。送料がかかるとしても22,000円ほど。悪くない買い物である。ただ、気になるのが重量である。空港で預ける荷物は20キロぐらいまでだったはずである。まさかとは思うが、このリターンボードが10キロとかの重量があると、持って帰れない、あるいは追加料金を請求されるおそれがある。ネットで重量を調べてみたが、どこにも載っていない。TSPにメールで尋ねて、以下の回答を得た。
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Hello,
thanks for your inquiry!
Weight of the Returnboard is 5,50 kg.
Best regards / Mit freundlichen Grüßen
Team Yamato Takkyu
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5.5キロか…。なんとか持って帰れそうだ。アマゾンなら、ネットショッピングしても安心だ。

が、日本のアマゾンのアカウントは使えなかった…。ドイツのアマゾンで改めてアカウントを作らなければならないらしい。短期滞在で住所など指定できないし、注文してから発送まで1週間ぐらいかかるかもしれない。在留邦人の知人に頼れば購入できるかもしれないが、迷惑をかけてしまいそうなので泣く泣く断念した。

他にも100%カーボンラケットというよく分からないラケットが売っていた。
_SL1500_

http://www.amazon.de/gp/product/B001L1R8QG/ref=s9_simh_gw_p200_d16_i1?pf_rd_m=A3JWKAKR8XB7XF&pf_rd_s=desktop-1&pf_rd_r=0W05R6NE3R4Q470CSQ0T&pf_rd_t=36701&pf_rd_p=585296347&pf_rd_i=desktop

ラバー張りラケットらしいのだが、独特の打球感だという。ちょっとほしいかも。

それからDOTECというシリーズがドニックから出ているのだが、これも日本では買えないものかもしれない。

dotec

右利き用と左利き用があるらしい。
http://www.amazon.de/Donic-Appelgren-DOTEC-Control-Linksh%C3%A4nder/dp/B005XQ7YJG/ref=sr_1_140?s=sports&ie=UTF8&qid=1448189427&sr=1-140&keywords=Tischtennis+holz

他にも中古品で「ハセガワ」というラケットが売っていた。
_UX395_


なんだんだろう?このラケットは。60年代に長谷川信彦氏が活躍した時に作られたワカバのようなラケットだろうか?
http://www.amazon.de/Rarit%C3%A4t-Butterfly-Hasegawa-einige-Br%C3%BCche/dp/B00SDDXZLC/ref=sr_1_1?s=sports&ie=UTF8&qid=1448795683&sr=1-1&keywords=hasegawa

また、ドイツのバタフライでドイツ限定の商品もあった。
http://de.butterfly.tt/auslaufartikel.html?dir=asc&limit=all&order=price

butterfly_borussia_schlaegerhuelle_1


ボルシア・デュッセドルフのラケットケース 14,90ユーロ。

【まとめ】
ドイツの卓球用具はそれほどバリエーションがあるわけではない。旅行者の身で卓球用具を買うなら、おそらく日本で買ったほうが、より安く、より多くの選択肢を見つけられると思われる。
また、ドイツでネットショッピングをするためにドイツでのアカウントを作る必要があるが、もしかしたら、それほど高くない送料で日本にも送ってもらえる店があるかもしれないが、確認できなかった。

もしドイツの卓球事情に通じた方がいらっしゃれば、コメントしていただければ、これからドイツに行く人の役に立ってありがたい。

卓球とは関係ないが、ドイツでの生活で思ったことなどを、疲れが取れてから(ジェットラグが…)、改めて紹介したいと思う。

 

今日から出張なので、コメントなどをいただいても、返信できません。
あしからずご了承ください。 

女子のペン同士の試合を年配の方といっしょに観ていて

「あれはなかなか回り込めんでぇ。打点が早いさかい、回り込もうとしてもあっという間にボールが迫ってきよる」

DSC_5310-225x300

サーバーが回りこむ気満々でバックサイドからクロスにハーフロングサービスを出すのだが、レシーバーがバウンド直後の早い打点でバックの深いところに突っつくものだから、なかなか回り込めず、バック対バックの押し合いになってしまう。女子の卓球というのは概してピッチが早い。上手な人だと、レシーブでバウンドとほぼ同時ぐらいの「タターン」というリズムで打球してくる。ドライブ等のスピードは男性からみると脅威に感じないが、あのピッチの早さは脅威である。

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最近の自分の練習を省みると、

A サービスやレシーブの練習
B 3球目や4球目をドライブで起こす(ラリーにつなげる)練習
C オール

というパターンが多いのだが、問題はそれらがつながっていないということだ。

相手のミスを誘う回転の分かりにくいサービスが出せるようになった(A)し、3球目を安定してドライブできる(B。ただしコースを指定しての練習なら)。そしてそこからラリーに多少はもちこむこともできる(C)。

しかし、試合になるとどうだ?自分から攻撃が仕掛けられない。サービスを出して、相手のレシーブを攻撃しようとしてもなぜか攻撃できない。どの技術も練習しているはずなのに。

「相手だって打たせないように必死なんだから、初中級者の試合では、そんなのよくある話だ。」

とあまり疑問に思わずやり過ごしてきたが、よく考えたら、これは大問題である。
A~Cの個々の技術が一応できるのに、それが繋げられないというのはどういうことだ?これを問題視せずして何を問題視するのだ!

サービスを出した後に3球目に繋げられないということは、AとBとの間に、確かに決定的に何かが欠けているということだ。そしてそれをこそ、世の初中級者は最優先で闡明しなければならないのではないか。

思い出した…

そういえば、2年前にも同じことを考えていた(前記事「攻めさせてもらえない」)のだった。しかし、それを記事に書いて満足してしまい、その後、この「欠けている何か」を追究するのを放念してしまっていたのだった…。

ブログの「利用状況」によると、このブログを始めて4年半、投稿記事は444本となっている。これだけ長い期間が経つと、昔、何を考えていたかを忘れてきて、思考が同じところにめぐってくるらしい。

前記事「攻めさせてもらえない」での結論は、3球目を迎えるにあたって準備が間に合っていないということだった。ポイント序盤の、まだ双方の攻撃が始まっていない、AとBとの間の、相手の出方をうかがっているような状況である。

準備が間に合っていないということなら、とにかく早く準備すればいいだけの話だ。相手が打球する前から攻撃の体勢に入ればいいのではないか。

いや、そんなことをして回りこもうとすれば、逆に相手にフォア側にボールを送られてずっこけてしまうかもしれない。やみくもに攻撃の態勢に入るのはかえって相手に攻撃のチャンスを与えてしまうことになるだろう。

そうではなく、まず相手のレシーブを限定させるようなサービスを出せばいいのかもしれない。そういえば、以前香港の黄鎮廷 Wong Chun Ting 選手がバックサイドからフォア前にしつこくサービスを出していたが、あれはレシーブをこちらのフォア側に限定できていいかもしれない。



それから、サービスからの戻りである。サービス後に一歩下がるというのを徹底すれば、かなり時間的な余裕(といってもわずか0.2秒ほどだろうが)が作れるだろう。

しかし、それ以上に効果を感じたのが、自コートでバウンドする落点を目がけてスイングをスタートさせるという方法である。冒頭の女子の試合のように非常に早いピッチでボールをインパクトする――意識としてはボールの落点と自分のインパクトを重ねるようなつもりでスイングをスタートさせると、ちょうど頂点前の打ちごろのボールをスイングのスピードが乗った状態でインパクトできる。振り遅れにくい。短いサービスを突っつくときはもちろん、3球目を打つ時も、落点にインパクトを重ねるつもりでスイングをスタートさせると振り遅れず、安定して打てる。

3球目でどうしても振り遅れてしまう、間に合わなくて詰まるという人は、上述のようにバウンドとインパクトを重ねる意識(つまりノーバウンドでラケットに当てるつもり)で打球するというのを試してみてはどうだろうか。

【まとめ】
サービスと3球目攻撃との間は攻撃のために非常に重要な時間である。
ここをおろそかにしてしまうと、自分から攻撃することがむずかしくなる。
その方法としては以下の三点が有効だと思われる。

・レシーブをある程度限定できるサービス
・サービス後の戻り(一歩下がる)
・早い打点で打つ(落点をとらえるつもりでスイングをスタートする)

【補記】
上では前陣での攻撃を想定したが、 中陣からの攻撃の場合は、ボールの弧線の頂点にラケットを当てるつもり(タイミング)でスイングをスタートさせたら、頂点を過ぎて、打ちごろの打点でインパクトできるかと思われる。
 

最近、『卓球王国』を読まなくなった。
吉田海偉選手の「鬼のペンドラ」の連載も終わってしまったし、「4球目の極意」 も「練習革命」も終わってしまった。
新連載は私の興味をあまり引かない。

そんな中で「初心者のためのゲーム分析ABC」という新連載が10月号から始まった。わずか1ページの軽いものだが、 今までにないテーマを扱った連載で期待が持てる。

「初心者のためのゲーム分析ABC」は戦術の練り方を指南してくれるユニークな連載である。
卓球をやっていると、いろいろな場面で戦術という言葉に出会う(前記事「「戦術」の意味」)。しかも上のレベルになればなるほど戦術というのが試合の結果を左右するらしい。 が、それをどうやって鍛錬すればいいのかさっぱり分からない。戦術を考える手掛かりがあれば…という初中級者にうってつけの連載だ。


第一回にはこんなことが書いてあった。

基本戦術というのは、いわゆる「サービスからの3球目攻撃」、「レシーブからの4球目攻撃」などのことで、【中略】…というように具体的な得点パターンを用意しておくのです。そして、ゲーム分析は「自分の基本戦術でうまく得点できているかどうかチェックする」ことから始まるのです。

自分がどう戦いたいのか明確にになっていない状況ではそもそも分析のしようがありません。

そう言われると…私には「どう戦いたいか」という基本戦術がない。どこにレシーブを集めたいかという狙いもない。典型的な行き当たりばったりの卓球なのだ。これではいけない。そもそも私の卓球とはなんだろうか?

私のやりたい卓球は、威力はそれほどなくてもいいから、安定してミスなく攻撃できる卓球である。ペンホルダーなので、どちらかというとフォアハンドを気持ちよく振りたい。

そしてゲームのときに実際にどんなパターンで得点・失点しているかを数えてみたところ、衝撃の事実が分かった。私が気持よくフォアで攻撃して得点したのは、5ゲームマッチのうち、なんと2本だったのだ。というか、フォアに打ちごろのボールはほとんど来ないことが分かった。たいていはバック側を狙われるのである。そしてどのようなパターンで得点しているかを考察してみたところ、

・こちらのサービスに対する相手のミス
・こちらのツッツキに対する相手のミス
・こちらのバックハンドドライブ

というのが大きな得点源ということが分かった。私のフォアドライブの練習はこの試合では意味がなかったということになる。おそらく、レシーブやバックハンドでチャンスを作った上でないとフォアドライブを使うチャンスが訪れないのだろう。

こういう現実に目を背けているから、ちっとも上達しないんだろうなぁ。戦術云々の前に、まず己を知らなければ。
そういえば、以前xia氏のブログにも同じようなこと(得失点の原因をカウント)が書いてあった。

科学というものが、

分析 → 考察 → 仮説 → 実験(検証) → 総合

の順に進むとするならば、その最も初歩の分析がおろそかになっていては一歩も前に進めない。数を数えるという地道な作業をすっとばして、考察や仮説に進むというのでは本末転倒だ。単純にカウントすることが上達に与える影響は大きいと信じている(前記事「卓球のスコア分析」)。

【補記】
卓レポアーカイブに「三十六計と卓球」という荘則棟氏の連載が公開されている。兵法三十六計の故事を引用し、卓球に引きつけて論じたものである。
36kei-34-01

兵法三十六計というのを10計ほど読んでみたのだが、どれも相手を騙し、いかに意表を突くかという教えのようだ。個人的にはこのように裏をかくことばかりに意識が行っていると、逆に墓穴を掘るような気もする。荘氏はこの三十六計を卓球に置き換えて解説しているのだが、良くも悪くも古典――自分の経験によっては意味を見いだせるかもしれないが、一般的な人生訓のようなものばかりなので、私にはそれほど役に立たなかった。しかし、それでも心に残る言葉はいくつかあった。

・計略の秘密は、これらすでに公にされた物事の中に潜められており、公にされている事柄と相排斥するものではない。 したがって最も公にされている物事の中に、往々にして大変な機密的目的が隠されている。

・ぐしゃぐしゃに絡みついた紐を解く時、強引かつ盲目的に引っ張ることは禁物である。【中略】敵軍の優勢なところを避け、敵の最も弱い部分を打てば、【中略】自然と包囲網を解くのである。

読み物としてはおもしろいかもしれない。



 

また、更新が滞ってしまった。
最近、仕事が忙しく、あまり練習できない。ちょっと空いた時間にふらっと練習できるような施設がないだろうか。

シュタムティッシュというドイツ語がある。直訳すると「決まったテーブル」という意味だそうだ。ドイツ人によると、毎週の週末とかにバーやカフェの決まったテーブルに仲間が集まることになっていて、そこで近況の報告をしたり、暇つぶしをしたり、勉強したりするらしい。おそらく1杯1000円ぐらいで2~3時間ダベったり、読書したりして金をつかわずに楽しむのだろう。たとえ転勤等で地元をしばらく離れても、久しぶりに地元に戻ってシュタムティッシュに行けば、懐かしい顔に再会できるというわけだ。

Stammtisch


こういう文化は日本にはほとんど存在しない。学生なら、サークルの部室のような位置づけだが、社会人になると、このような場を定期的に作るのは難しい。毎週、コーヒー、あるいはビール1杯で2~3時間もわいわい騒いだら、店員に嫌な顔をされること必至だ。

以前、卓球バーについて駄文を連ねてみたが(前記事「UNDER SPIN」)、この手のバーが近年増えているらしい。しかし、私は酒を飲みながら卓球をしたいのではなく、卓球をしながら酒を飲みたいのだ。しかもこの手のバーは一回行けば飲み食いのほうだけで3000円もかかるらしい。ふらっと訪れるには高すぎる。

そうではなく、店内に2~3台の台があって、上級者の店員さんが相手をしてくれ、1杯300円ほどのドリンクが注文できるというのなら、仕事の合間にふらっと訪れたくもなるものだ。

卓球をビジネスにするのはかなり難しいと思われる(前記事「卓球教室経営」)が、インターハイの出場経験があるような人が30分1000円で相手をしてくれる(指導はナシ)としたらどうだろうか?高校時代は卓球で鳴らしたような人も、大学では体育会に入らないこともあるだろう。そのような上級者のバイト店員が笑顔で練習パートナーになってくれるとしたら、かなり魅力的である。社交的な人だったら、つい60分、90分と延長してしまうかもしれない。本格的な練習をするわけではなく、打球感を忘れない程度に軽く練習するだけである。そのような練習で30分1000円。そして練習後にテーブルで1杯のコーヒーを注文し、他の人のプレーを眺めながら、そのテーブルに同席した人と卓球談義というのも楽しそうだ。仕事が忙しくて卓球する時間がほとんどとれないという人も、週に1時間ぐらいの仕事の合間はあるはずだ。その時間を利用して、30分の練習と、30分の卓球談義で1300円~なら、毎週行っても負担にならない(おそらく30分の練習では済まず、60分練習して2600円ほどになると思うが)し、散財してくれるお大尽がある程度ついてくれれば、店側もギリギリペイするのではないだろうか。卓球教室で1時間4000円とかで個人レッスンをしてくれるところもあるが、1回で4000円では私は食指が動かない。

なかなか練習できないと、つい使うあてのない用具購入に走ってしまいがちだが、ほとんど試すことなくお蔵入りする用具を増やすよりも、軽い練習にお金をつかうほうが私にとっては有益である。このような卓球シュタムティッシュができないものかと夢想して、今回は擱筆したい。

次の練習が待ち遠しい…。


 

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