しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2015年05月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

さんすうと よそく

「どうして、算数を勉強するの?」
古くて新しい問いである。
算数嫌いの小さな子供にこんなことを聞かれたら、どう答えるだろうか?

「算数を勉強しないと、買い物する時にお金が払えないよ。」

というのが一番一般的な解答だろうか。しかし、算数の恩恵はそれだけにとどまらない。

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たのしい!さんすうのふしぎ なぜ?どうして? 1・2年生』 (高橋書店)という本には次のような解説があった。

算数のおかげで、できること

A 数字によって、体験できないことをイメージすることができる
たとえば、日本には一億人以上の人がいると聞いて、それがどのぐらいの多さかをイメージすることができる。

B 数字や形、時間のことがわかると、予定などが立てやすくなり、しっかりした人になれる
例として「3時に公園で待ち合わせだよ。ここから10分かかるから、そろそろ出かけよう」と、14:49の時計を見ながら男の子が友達を促しているイラストがある。

C 算数が得意になると、ひらめいたり、違う見方ができるようになる
具体例はないが、そういうこともあろうかと思われる。

まず、私が衝撃を受けたのは、Bである。そうだったのか…。私は算数が嫌いだから、いいかげんで、自己管理ができなかったのか。中年になって初めて知った人生の現実である。

卓球で考えてみよう。

X「Yさんのサービスが返せない。ラリーなら絶対に負けないのに、Yさんとやると、ラリーにならずに終わってしまう。納得がいかない。」

などと愚痴っているのを聞いたことがある。
これはつまり、Xさんはレシーブが下手で、かつ、ラリーに持ち込みやすいサービスももっていないということになる。一方、Yさんはサービスが上手で、Xさんの得意なラリーにならないようにレシーブできるということである。つまり、Xさんはラリー能力が高く、サービス、レシーブ能力が低い。必要性の高いものから取り組むべきだという論理から、練習時間を

・サービスに40%
・レシーブに40%
・ラリーを含めた練習に20%

のように割り当てればいいのに、Xさんは算数が苦手で、いつも漫然と自分の好きなラリーを含む練習を中心にしてしまうため、いつまでたってもYさんに勝てないのである。もっとシステマティックに苦手な技術の改善を中心に練習すれば、Yさんに勝てるようになるかもしれない。

試合中でもそうだ。
5-7で負けているときに

「あと、今から2本連取するとして、こちらにサーブ権が回ってくるのは最低4本だ。このサービスをどのような構成にすべきか。ロングサーブとショートサーブの割合を4-0にすべきか、2-2にすべきか、はたまた3-1にすべきか。今までの相手のミスを思い出すと、ロングサービスでのミスが多かった。したがってロングサーブの割合を増やすべきだ。」

のように算数が得意なら、今までのデータの分析から、将来どのように行動すべきか、計画を立てるべきかがわかってくる。

もしかして「統計学が最強の学問」とか、「経済学的アプローチ」とかいうことがもてはやされているが、算数というのは買い物のおつりの計算だけでなく、人生を大きく左右するような可能性を秘めていたのではないか…。

なんでも数字で考えてしまうというのは、ロマンがなくて嫌いなのだが、算数的な考え方を無視することはできない。

卓球で次のボールを予測することが大切だなどと言われる。そんな高度なレベルの話ではなく、算数によって練習の結果や、相手の出方などを高い蓋然性で予測し、自分の進むべき方向を修正していく習慣を身に付ければ、これからの人生が豊かになるのではないだろうか。特に時間のつかいかたを常に意識するというのは、私に最も必要なことである。算数は卓球においても、もっと評価されるべきなのかもしれない。

ちなみに上掲書のシリーズはほかに社会やことば、科学についての疑問を扱ったものもあり、大人が読んでも勉強になる。



 

垂直面プッシュ――安定性を高める3つの打法 その2

中級者以下向けのオススメ打法その2である。
びっくりするぐらい基本的なことなので、書くのもためらわれるが、レベルの低い人には私の発見も役に立とうかと思い記事にした次第である。

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先日の試合で卓球歴50年以上のかなり上手な年配の方にこんなアドバイスをいただいた。

「若い連中はどんなボールでもこすってくる。だからナックルが効くんや。ナックルの深いボールを送ったら、若い奴らはポトポト落としよる。あんたも早いピッチのボールをこすっとったらあかんで。しっかりドライブかける時間的余裕がないさかい、入っても遅いドライブになってもうて、それを上から叩かれるんや。ラリーの序盤ではナックルが多い。ナックルが処理できるようにならな。」

実戦での経験豊富な方らしいアドバイスである。昔の卓球はラバーの性能が悪かったから、ドライブとミートを使い分けていたが、近年の卓球はほとんどすべてがドライブである。ミートは繊細な感覚が求められるからミスが怖い。それでみんな無難にドライブを打とうとするのだろう。私も安定性最優先なので、薄く捉えるドライブばかり使っていたのだが、それを見て、年配の方は弾くような打ち方を勧められたわけなのだ。

その方と試合前に少し練習させていただいたのだが、その方はバックショートにナックルを混ぜてくる。しかもボールが深くて速い。それをこちらはバックドライブで小さくこすって返球しようとしても間に合わない。「ポトポト落と」す。表ソフトの人のバックショートを受けた時も同じようなことが起こった。私がいくらスイングを小さくしても相手のピッチについていけない。バックスイングをとらないでハーフボレーなり、バックドライブなりで返球しても、連続して打つと、どうしても押されてしまうのだ。こする系の技術では弾く系の技術のピッチにはついていけない。

バック面を立てて押し出すようなプッシュの必要性を感じた。

DSC_7835

私はバックハンドでは表面を使わないペンなので、裏面で面を立ててプッシュをすることになる。しかし、なかなか安定しない。姿勢が高いかと思い、限界まで姿勢を低くしてバックプッシュを試みたのだが、ナックル気味のボールをどうしてもネットにかけてしまう。

そんなことを数週間続けていて、気がついた、面が垂直じゃなかったと。

私も最近のテンションラバーというのに慣れているため、ふだん相当面を寝かせてバックハンドを打っている。プッシュを打つために面を垂直に立ててみたのだが、自分では垂直にしたつもりでも、実際はかなり面を前傾させていたのだった。表面を使うペンだったら、面が上を向きやすいので、こんな錯覚はなかっただろうが、裏面ペンや、シェークの人は垂直にしたつもりでも、実際は面が前傾しているおそれがある。

それに気づいてから面が少し上に向くぐらい立てる気持ちで――実際にはそれでも少しは前傾しているだろうが――プッシュしてみたところ、ナックルのボールも安定して返球できるようになった。そしてこのプッシュが、慣れてくると早くて楽である。ナックル気味のボールに対して自信を持って返球できる。

初中級者の対戦では、試合中の必ずしも順回転ではないボールを早いピッチでバックで返球するのにプッシュは有効である。ゆっくりした甘いボールを打つのでなければ、かさばるバックドライブを振り回すのは実戦的ではないのではないか。こんなことは改めて言うまでもないことだが、若い人はバックハンドでプッシュを使わず、こする系の技術だけで処理してしまうことが多いように感じる。私も若くはないが、バックハンドはブロック以外、すべてこする系の打法だった。プッシュはピッチが早く、ナックル等の試合中のボールに意外に使えるという発見を伝えたくて、この記事を書いた次第である。

試合で発揮できる力――10割の力で打てる機会は何回めぐってくるか

知人で、ものすごい威力のあるボールを打つ人がいる。その人にドライブを打ってもらうと、私のブロックはほとんどオーバーしてしまう。10割の力で打たれたドライブは全国レベルでも通用するのではないかと思わせるほどだ。そういう上級者並みのボールを打てる人はなかなかいないので、ブロックをさせてもらうといい練習になるのだが、他の技術は不安定で半分以上ミスするので、練習にならない。

しかし、この人のボールが3本に2本の確率で入ったとしたら、どうなるのだろうか?鬼神の強さを発揮するのではないだろうか…などと一瞬考えてもみたが、伸び盛りの中高生ならいざしらず、週に1~2回しか練習時間の取れない社会人にはとうてい無理な話だ。

先日、卓球王国のゆう氏のブログ「目指すべきペン」で、超人的な選手のプレーはあくまで観賞用であり、マネをしないほうがいいといった内容の記事を読んだ。私もそのとおりだと思う。さらに超人的な選手だけでなく、初中級者は平均的なプロのプレーもマネをしないほうがいいのではないかと感じた。

先日久しぶりに出場した試合のことを思い返してみると、自分のやりたいプレーをほとんどさせてもらえなかった。当初は私の実力不足を反省していたのだが、今は私の心得違いを反省している。私のレベルでは、10割の力で打てるチャンスなど、1ゲーム中に2~3回がいいところなのである。大半は5~6割の力でしか打てないのだ。いや、もしかしたら、3~4割かもしれない。中級者が試合で発揮できる力というのはせいぜい半分だと思っておいたほうがいいのだ。

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初中級者が試合でこんな渾身の力でドライブを打てるチャンスはほとんどない

そもそも初めて対戦する相手のサービスが分からない。レシーブもままならないのに、それを2球目でチキータとか、バック深くに鋭いツッツキとかできるはずがない(私のレベルでは)。まずはレシーブミスをしないように、相手コートの真ん中あたりにツッツキ等で落とすしかない。

さらに台上で相手のレシーブが浮くときがあるが、そんなのは前もって分かっているわけではない。それは突然やってくる。こちらは条件反射的に強打をしにいく、そのボールには強い下回転がかかっており、自分の体勢が崩れていようがお構いなしで。結果、オーバーミスやネットミスになってしまう。

他にも相手が自分のフォア側に長いツッツキを送ってきたら、チャンスとばかりに全力でドライブしようとする。しかし、バックにボールが来ると備えていたので、ドライブに入るのが一瞬遅れてしまう。私の実力なら、遅ればせのドライブなのだから、5~6割のループ気味のドライブでつないで、次のチャンスを待つべきなのに、「フォアに長いツッツキが来たから」と条件反射的に10割の力でスピードドライブを打ってミス。

こんなことが先の試合であった。

前記事「今はその時だろうか?」で練習中でも7割程度の力に止めるべきだと提案したが、試合なら、全く知らない相手で、どこにどんなボールが来るかも分からないのだから、5~6割以下のボールを中心にプレーしないと、まったく卓球にならないおそれもある。冒頭の知人も、こちらの送るボールがちょっとイレギュラーになると、まったく入らなくなる。そんな強烈なドライブを、ミスなく、ある程度のイレギュラリティーにも対応できるようにするには、フットワークや身体の使い方などを根本的に見なおさなければならない。中級者が試合中でそうそう打てるボールではないのだ。

1ゲームが11-9まであるとすると、ポイントは20ということになる。プロの試合を見ると、20のうちの12ポイントぐらいで10割のドライブを打っているケースが多い。特に中国選手の試合を観ていると、ほとんどのポイントで10割の強打を複数回放っている。そういう試合ばかり観ていると、私たちは無意識に

「1ポイントのうち、1回ぐらいは全力で打てる機会がめぐってくるのではないか」

と錯覚してしまう。しかし、はるかにレベルの低い初中級者の試合では1ポイントのラリーのうち、10割どころか、8割の力で打てる機会もなかなか巡ってこないのが現実である。台上だけでポイントが終わってしまう場合、あるいは台上からドライブを1発打って、それが決まったり、ミスしたりといったポイントばかりなのである(どのレベルか知らないが、ポイントの8割は4球目までで終わるといったことを聞いたことがある)。そうすると、ミスせずドライブを打てたほうが勝ちである。ミスせずにドライブを決めるにはどうすればいいか。5~6割の力でドライブを打つに限る。せっかく3球目でドライブが入っても、そのドライブをブロックであらぬコースに返球され、5球目を8~9割の力で打ったら、ミスである。やはり5球目も5~6割の力でミスせずに入れるに如かず。そうすると、初中級者の試合では8割以上の強打で先に打ったほうが負けで、力を抑えて5~6割で続けたほうが勝ちである。それが初中級者の試合であると思う。

というわけで、プロの試合は観賞用として、マネしないほうが賢いと思われる。われわれ中級者は5~6割の力でガマンしたほうが勝てると思うのである。
 

シンクロ打法――安定性を高める3つの打法 その1

ヘタクソな人間が人様に技術を教えるような記事を書くのは片腹痛いが、 世の中にはいろいろなレベルの人がいる。私が実際に取り組んできて、安定性が大きく向上した打法を私のレベル以下の人に伝えるのは意味があるのではないかと思い、安定性の向上に役立つ打法を3つ紹介する次第である。上級者はおそらくみんな実践していると思われる。

1.シンクロ打法(仮)

ネーミングがイマイチだが、いい名前が思い浮かばなかったので、ひとまずこう呼んでおく。
これはボールのスピードに合わせてバックスイングを取るというものである。

なお、以下の図はPC以外で見ると、ずれてしまうかもしれない。

  ◯ →         *\→      

        |     |     |     |
  Z     A      B     C      D  図1
 
たとえば上のようにボールが迫ってきた場合、Bの地点でインパクトをするなら、ボールがAの地点に達した時、 ラケットがCに来るようにバックスイングを始める。

       ◯ →   *    →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図2
 
上の図2のようにインパクト予定位置を挟んで、ボールとバックスイングの終点Cとが等間隔になるようにしてスイングを開始する。


            →◯\←      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図3

そしてインパクト位置Bでちょうどボールとラケットが出会うように打つ。こうすると力がうまく伝わって打球が安定する。

「なんだ、そんなこと知ってるよ」という声が聞こえてきそうだが、私もどこかでこういうことを教わった記憶がある。しかし、すっかり頭の片隅に埋もれていた。最近、この打法の効果を身にしみて実感している。この等間隔にバックスイングを取るという方法を意識的に行うか、無意識にしか行わないかで安定性が格段に違ってくる。無意識に行っていると、いつのまにか打球タイミングがずれ、不調に陥ってもなかなか自分で修正できなくなってしまう。

◯ →          *    →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図4
 
 多くの初中級者は図4のようにZ以前の位置で早めにバックスイングを引いてしまい、Cでラケットを止めて待っている。その結果、打球が不安定になる。

       ◯ →   *          →\      

       |     |     |     |
 Z     A      B     C      D  図5

あるいは上の図5のようにインパクト予定地点Bを中心にして等間隔のAB間とBC間という距離感が理想的なのにDまで引いてしまう人がいる。若くて体力に自信がある男性に多い気がする(いや、若くなくてもメチャクチャな卓球をする人はこういう豪快なバックスイングをとっている)。こうすると、振り遅れてしまう。

私も以前は振り遅れることが多かった。どうして振り遅れるのか…その原因を「戻りの遅さ」に帰していた。そのころは、ボールに間に合うようにできるだけ早くバックスイングをとって、しかもバックスイングを大きくDの地点までとることもあった。それでタイミングが合わず、ミスを連発していたのだ。いくら早くバックスイングをとって待っていても、タイミングが合わないと、打ち急いでミスしてしまう。素早くラケットを引いておいて「まだか、まだか」と待ち構えていても、待ちすぎて反対にタイミングを逸して振り遅れてしまうことも多い。ウサギとカメみたいなものである。

振り遅れというのは相手の打つボールが速すぎて引き起こされるものよりも、自分のバックスイングとボールとの距離のアンバランスから引き起こされる場合が多いと思う。これは私にとっては目からウロコだった。戻りをいくら早くしても振り遅れは解消されない。適切なバックスイングの距離感こそが大切なのである。

そのためには遅いボールに対しては遅くバックスイングを取り、速いボールに対しては速くバックスイングを取るといった「同期性」を意識しなければならない。

みみみみみ
画像がないと、さびしいので、意味もなく写真を挿入。

世間でよく「反動を使って」などと言われるが、私はこの「反動」の意味が長い間分からなかった。

「ラケットを右から左に振る」(右→左)

よりも

「ラケットを左から右へ持って行き、その『反動』を利用して、右から左に振る」(左→右→左)

のほうが威力が増すという理屈がイマイチ、ピンとこなかった。

しかし、今はそれがよく分かる。ボールと同じスピードでバックスイングを引き、インパクト予定地点と等間隔になった時にスイングを始めると、タイミングが合い、力がうまく伝わるのだ。

ピッチの早いラリーで振り遅れてしまうという人は、ボールのスピードに合わせてバックスイングをほんのちょっと気持ち程度引くようにすればいい。フォアハンドだけでなく、バックハンドのブロックなどにも効果がある。
バックスイングは本当に大事だった(前記事「運命のバックスイング」)。

【その2へ続く】

ラケットハードケース 涙型

コンパクトなラケットケースがほしい。ハードタイプのやつである。しかし、コンパクトと言っても、厚さは確保したい。ラケットが3本入るやつがほしい。涙型のタイプがいい。

前記事「卓球用具代用考」で100円ショップのタッパーをケースとして使う提案をしたが、横幅がかさばるのが気になる。それと、保存用にはいいが、持ち運ぶには殺風景な見た目なので、新たにラケットケースを買おうかと探してみたのだが、あまりいいのが見つからない。以下、価格はジャスポでの値段である。

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キラースピン ハードラケットケース 2,349円(税込)

 キラースピンのハードケースが一番かっこいいのだが、カラーバリエーションが黒だけなのと、サイズの詳細が分からないので躊躇してしまう。

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バタフライ  カラフル・ハードフルケース 18×29×5.5cm

明るい色もあってバタフライの旧型がよかったのだが、生産終了らしい。

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NL・ハードフルケース 2,333円(税込) 18×29×5.5cm 

バタフライの新製品はマークが好みではないので買わないだろう。

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ジュウイック ハードケースラケット 2,041円(税込) 縦29cm×横19cm×幅5cm

ジュウイックは…どうしてこんなにのっぺり、ギンギラギンにしたのか?

jol
ヨーラ ハードケース サイズ:29×19×5cm 2,564円(税込)

ヨーラもどうしてギンギラギン?色も暗めで好みではない。

ysk
 ヤサカ ガードケース 29.0×17.0×6.0(cm) 2,041円(税込)

ヤサカも旧ロゴと旧マークに戻してもらえないだろうか。厚みが6センチというのは惹かれるが、この残念なマークとロゴでは愛着が持てそうにない。

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ニッタク ポロメリック・ケース 幅29×高さ18×奥行5.5(cm) 2,495円(税込)

ニッタクはカラーバリエーションが乏しいが、厚さが5.5センチあって、無難なデザインなので、これが今のところ一番私の希望に近い。厚さがないと、ラケットが3本入らない。ただ、前にも言及したが、この穴があると、乾燥剤を入れても意味がなくなってしまう。

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TSP エアブレスケース 縦17.5×横28×マチ幅4.8cm 

TSPの新製品もこの穴が空いている。しかも厚さが4.8センチと薄くなっているので、私の希望――ラケット3本入れができないかもしれない。

残念ながら、今ある製品の中には食指が動くものがなかった。しばらくは、「しっかりパックX型」を使うとしよう。

 

苦しみはみほとけのはげましである――試合での苦い経験から

先日、久しぶりに試合に出てみたところ、自分のふがいなさに失望した。練習していることが半分も活かせなかったのだ。まず、レシーブがメチャクチャだった。相手のサービスが自分のコートに入ってからアタフタしてレシーブに入るのだが、うまくレシーブできず、ネットにかけたり、浮かせてしまったりする。本来相手の打球と同時か、それ以前にこちらもレシーブの体勢に入らなければならないのに、ネットを越えてからやっとレシーブの体勢に入るだなんて遅すぎる!それにドライブが安定しなかった。フォアもバックも慎重に入れようとすればするほどミスを連発してしまう。

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人間は痛い目を見たり、めんどくさい作業を続けてこそ進歩できると私は信じている。

よく整理された教養番組やらプレゼンテーションなどは、聞いているときはよく分かったつもりになるが、 ほとんど頭に残らない。疑問に感じる点を先回りして分かりやすく解説してくれたり、複雑で込み入った内容がきれいに整理してあって、自分で頭を使って考える暇がないからだ。

それに対して難解な本というのは――程もあろうが――自分で論理の流れを整理しながら読まねばならず、頭を使わざるを得ない。言葉が難しくて辞書をひく必要もあるかもしれない。そうやって四苦八苦して読むと、理解できずにもがいた部分の多くは頭に残り、なんらかの示唆を与えてくれる。外国語学習などで辞書をひいたり、メモしたりする煩わしさが語学力を確実に高めてくれるのも似たような事情だろう。
そう考えると、良薬口に苦しで、苦しい読書の方が得るものが多いような気がする。「どうしてだろうか?」と理解できずに振り返って読み返すような手間こそが知性を磨いてくれるにちがいない。もちろん「絶対矛盾的自己同一」とか、そういう常人には理解しがたい言葉が氾濫している本は避けたほうが無難だ。

試合を振り返って、私はどうして練習でできることが試合ではできなかったのだろうか。原因を私なりに考えてみた。

レシーブがメチャクチャだったというのは、レシーブに入るのが遅かったのが原因の一つだと思う。動き出すのが遅かった。それはフットワークが問題だったのだと思う。相手がサービスを出す前から足で軽くリズムを取っておき、ボールの落下地点にすばやく体を近づけなければならなかったのに。私はじっとしていて、相手がサービスを出してから急に大きく動いたので間に合わなかったのではなかったか。

そしてそれに加えて面を作る――瞬時に適切な角度で打球するのも遅かったと反省している。予想していた深さと違うボールに対して瞬時に適切な角度が作れなかった。

練習ではたいていサービスの球種やコースを指定してオール練習をしていたので、瞬時にサービスの落下地点に移動し、瞬時に適切な角度を作るという練習をやってこなかった。どこにどんなボールが来るかが決まっていたので頭をつかう必要がなかったのである。

ドライブが安定しなかったというのもコースの決まったボールを打つ練習ばかりしていたためかと思われる。自分がドライブミスしたプレーを何度も反芻してみると、ミスの原因は打点が遅かったことだという結論に達した。ふだんの練習ではどんなボールが来るか分かっていたので、ボールに遅れることなどなかったのだが、どこにボールが来るか分からない試合では、判断が遅れてボールの打点も頂点を過ぎたぐらいで打っていた。私のふだんの対下回転のドライブは頂点前でこすり上げるのである。このような判断の遅れからくる打点の遅れでミスを連発していたのだと思われる。

今回の試合を振り返ってみて、自分の弱点がよくわかった。コースの決まった練習ばかりでなく、完全に試合形式で練習しなければ、すばやい判断、そしてそれに伴う素早い動きというのはなかなか身につかないのではないかと感じた。基本的な打法は安定してきたので、これからはランダムな要素を取り入れた練習を中心にしなければならない。試合のお陰でまた一歩成長できた気がする。



 

卓球の「暗い」イメージ――どうしてバドミントンに負けるのか

知り合いの娘さんが高校に入って、新たに運動部に入りたいという。団体競技は経験者じゃないと無理そうなので、個人競技のテニス部に入りたいなどと言っていたので、親切で

「テニス部に入ったら、日焼けで真っ黒泥だらけになるんじゃないですか?屋内スポーツのほうがいいかもしれませんよ。」

とアドバイスをしておいた。その後、伝え聞いたところによると、バドミントン部に入ったそうなのである。卓球部に入るのなら、うちで余っている用具を差し上げてもいいし、どうやって練習したらいいかといったことでも相談に乗ってあげられるのに。

どうしてバドミントン部を選んだか聞いてみたところ、

「なんとなく楽しそうだったから。明るいイメージもあるし。」 

ということらしいのだ。その娘さんの高校には屋内スポーツ、それも個人競技となると、卓球部とバドミントン部しかない。 どうして卓球部を選ばなかったのか…やはり卓球の負のイメージなのだろうか(前記事「趣味は縄跳び」)。

昔、とある芸能人が「卓球はネクラ(暗い性格という意味)なスポーツだ」と言ったことが引き金になり、卓球は社交性のない人のスポーツ、あか抜けず爽やかさとは無縁のスポーツといったイメージが浸透したように思う。

今日、たまたま大きな書店に行って、スポーツ書籍コーナーを見てみたのだが、卓球書はなかなか善戦していた。多数の書籍が刊行され、福原愛選手、石川佳純選手、松平健太選手といった選手がメディアに取り上げられるせいか、サッカー、野球、ジョギング、ゴルフ、テニスに次ぐ規模の書棚が当てられていた。バドミントンはラグビーやハンドボールなどのマイナースポーツと同程度の寂しい出版点数だった。

なのになぜ。若い女性はバドミントンを選ぶのか。

私の考えでは、卓球はイケてない男ばかりで、爽やかでかっこいい男子が少ないというイメージがあるからだと思われる(現実にそうかは関係ない。世間のイメージである)。どうしてそういうイメージになるかというと、私はひそかに若い女性が少ないからではないかと思っている。

どうすれば若い女性を引きつけることができるのか。手っ取り早いのは見た目である。もしかしたら卓球のファッションに問題があって女性を惹きつけられないのではないか。卓球のファッションは本当に垢抜けていないのか。それを検証するために女性用の新作ユニフォームを点検してみたい。以下、私の独断で評価する。ファッションセンスなどとは無縁なオジサンのタワゴトなので、納得の行きかねる点もあるかもしれないが、ご勘弁いただきたい。

注:以下、画像ファイルが連続する。



 NO.01
AG573

バタフライの上のユニフォームは洗練されていると思う。胸のバタフライマークがなければもっといい。
しかし下のはちょっと…。

 NO.02
44849



ニッタクは…これでいいんですか?「太陽が差し込む神秘の世界」のイメージだそうだ。

 NO.03
DG152


TSPはかわいい。これは中高生に似合いそうだ。

 NO.04
BG129




しかし、TSPの下のやつはひどい…。

 NO.05
10141022_543c7aec9bf4f


下のアシックスはかわいくて良いと思うが、

 NO.06
NG061

あの、石川佳純選手のパンツのイメージ(前記事「向此力」)があるので素直に受け入れられない。


ミズノはさすがである。上品な感じでかっこいい。鳥のマークがなければもっとかっこいい。

 NO.07
PG340


しかし、あの袖にギザギザがあしらわれたユニフォームは、「超合金」のおもちゃっぽくて、私的にはちょっと…。

 NO.08
PG326


以上、最近の卓球の女性用ゲームシャツを見てみたが、多少、私的に受け入れられないものもあったが、それほど悪くない。中にはバドミントンのシャツなんかよりもずっとイケているものもある。

ただ、硬式テニスのファッションに比べると、まだ追いついていない気がする。

 NO.09
ダウンロード NO.10_UX425_


 NO.11
_UX466_ NO.12_UX425_

上の9~12の4枚はブリヂストンの硬式テニス用の新作。卓球より華やかで、高級感がある気がする。そのまま普段着としても行けそうだ。やはりユニフォームに関する限り、テニスのほうが垢抜けている。

下の13~16はバドミントンのウェア。卓球と比べて垢抜けているとは思えない。卓球よりもマイナーなせいかバリエーションも乏しい。


No.13
ダウンロードNO.14_UL1500_



 

NO.15
_SY355_NO.16_SY355_

 
【まとめ】 
卓球のユニフォームは、それほどダサいというわけではない。10年前に比べたら、ずいぶん垢抜けてきた。少なくともバドミントンよりは垢抜けていると思う。こんなシャツを身にまとった若い女性は確実に明るく爽やかに見えるはずだ。しかし、硬式テニスのユニフォームの洗練度にはまだ及ばないように感じる。

卓球のユニフォームがこれだけオシャレになってきているのに、いまだに若い女性は卓球よりもバドミントンを選ぶというのはどうしてか。この謎は、いまだ解けない。

まさか…ファッションの問題ではなく、卓球人の人間的な魅力の問題ということなのだろうか?

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しかし、よく考えてみたら、「暗い」のは本当に悪いことなのだろうか?

TSP黒

2013年のTSPのカタログ。暗くて迫力がある。



 
テレビ東京 世界卓球2015プロモーションビデオ
”PLAY THE PING PONG”

薄暗い地下室(たぶん)で大音量の電子音楽の中で静かに汗を流す男たち。

pv

明るく、爽やかなイメージなんてどうでもよくなってくるほどかっこいい。

そうだ!卓球を無理に明るくなんかしないほうがいい。卓球は暗くて、ちょっと危険(ハマると人生を踏み外してしまう)な香りがする、奥深い魅力を持ったスポーツなのだ。お天道様のもとで健康的に爽やかな汗を流したいという人は、どうぞテニスをやってください。卓球はもっとアンダーグラウンドでハードボイルドな、プレーする人を選ぶスポーツであってもいいのではないか。

ただ、本当にプレーする人を選ぶとなると、多くの不利益が考えられるので、明るく爽やかな方面はラージボール卓球に任せて、硬式卓球はとことん「暗さ」を極めていってほしいものだ。


制限のある卓球――戦術の訓練

ゴールデンウィークになんとしても散らかりきった部屋を片付けたいと奮闘しているのだが、どこへどう移動させても整理できないことに気づいた。モノが多すぎるのだ。床が見えるようにし、ある程度快適な空間にするにはモノを捨てなければならない。「いつか使うだろう」などと、ため込んだ本や卓球用具だが、処分しなければならないようだ。ラケットは多くても3本、ラバーは予備のものを赤黒1枚ずつ。卓球雑誌は1年間で処分する。こうしなければ狭い集合住宅暮らしではやっていけない。

いろいろなものがあったり、いろいろなことを知っていたりすると、それがかえって自分の首を絞めることもある。もっとシンプルに生きたい。

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戦術を考えるというのは、私にはなかなか難しい。どこに打てばどう返球されるかがなかなか読めないからだ。上手な人なら、「この状況で、バックにドライブすれば、8割方、甘いブロックでクロスに返ってくる」などと瞬時に判断できるのかもしれないが、私の予測というのは、外れる確率が5割!以上というお寒い状況であるorz。こんな予測なら、しないほうがマシなぐらいだ。

車椅子卓球に挑戦してみました」という記事を読んで興味深く思った。

足が使えないという、制限をかけたスポーツは非日常的でいままでできた技術ができなくて立っている状態でできない技術が意外と簡単にできたことが衝撃でした。

制限がなく、何をやっても自由というのでは選択肢が多すぎて工夫を凝らしにくい。選択肢を少なくして、今のシチュエーションなら、AとB、二つの選択肢しかない。さて、どちらが有効か、という考え方なら、問題を深く考えるきっかけをつかむことができると思う。車いす卓球はフットワークを使わないという制限の中で、どうやって自分の攻撃に持っていけるか、あるいはどうやって相手のミスを誘うかを考えやすい卓球なのだと思う(前記事「障害者卓球」)。

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「どうぶつしょうぎ」はふつうの将棋に比べて素人が戦術を考えやすい

卓球もフォアハンド、バックハンドを自由に打てて、前後左右、好きなところに動けると、自由すぎて戦術を考えにくい。とっかかりがない。それで、原則として「バックハンドしか打てない(もちろんフォア深いボールはフォアを使う)」とか、「フィニッシュ以外は台上で2バウンドさせなければならない(相手が打ってきた場合はこの限りではない)」といった制限を設けることで、戦術が考えやすくなるのではないか。日頃の練習でこのような制限を設けることで、自分がどのようなタイプかを自覚できるかもしれない。制限を設けても、わりと普通にプレーできるなら、その制限したプレースタイルが自分に合っているということではないだろうか?

以前xia氏のブログで、日ペンはバックが弱点になるので、そこを攻められた時、どうするか、あるいはバックという弱点を利用してボールをバックに集め、回りこんで打つという戦術が考えられるといったことを述べていた。フォアもバックもどこでも打てるとなると、コート全面に細かく気を配らねばならず、かえってどこにも強みがないという虻蜂取らずになってしまうかもしれない。

前記事「何をするか分からない」で伊藤美誠選手の卓球を取り上げたが、伊藤選手は小柄で、手足の長い欧米の成人女性に比べると、不利である。身体からちょっと離れたボールは、身長のある女性ならちょっと手を伸ばせば届くが、小柄な女性はいちいち動かなければならない。しかも伊藤選手はバックハンドが表ソフトなので、台から離されると強打が打ちにくい。

・広角に左右に振られると弱い
・下げられてバック側を狙われると弱い
・パワーがない

といった弱点があると想像される。しかし、だからこそ弱点を補って自分の強みをどうやって活かすかに神経を集中させられたのだと思う。これが体格にも恵まれ、裏裏のプレイヤーだったら、これといった弱点がなく、かえって自分の得点パターンを1点に絞りにくいのではないか。中陣からのバックハンドも強いし、フォアドライブも強い、ということになると、可能性がありすぎて、自分ならではの戦術はかえって練りにくいかもしれない。

もし自分の卓球にあえて弱い部分や欠けた部分を作ることにすれば、「みんなが1考えるのに、3も4も考え」なければならなくなるだろう(前記事「名人のマインドセット」)。

私の場合なら、バック側に来た台上のボールをツッツこうか、チキータ・フリックしようかと迷ってしまうことがあるが、もうチキータ・フリックは捨てて、台上のボールはツッツキかストップ。台から出たらバックドライブというふうにシンプルなプレーにしたい。技術の引き出しが多いなんていうのは、私のレベルの卓球には有害である。そういうのは全国を目指している上級者にこそふさわしい。
 

【寄稿】プラボール時代の構え方とボールへのアプローチ(攻撃選手編)

前記事「読者参加型企画は可能か」の呼びかけに対して読者のライカさんから興味深い記事を送っていただいたので、以下に掲載したい。

ライカさんについて簡単に紹介すると、

卓球歴トータル約10年の左ペン表裏前陣速攻型。
中学以来18年のブランクを挟み、現在は首都圏某市民クラブに所属するアラフォーのおっさん

とのことである。原稿に以下のコメントが付されていたのだが、私も全く同感である。

「上級者の言うことじゃないと正しくない」
「上級者の言うことは正しい」

ということでもないだろう。初中級者の意見の中にもいろいろ考えさせられるものがあるし、上級者だって間違えることはある(前記事「「正しい」とか「間違っている」とか」「スーパースロー映像が…」)。
しかも受け取る側のタイプやレベルによっても「正しさ」はさまざまだからだ。

以下ライカさんからのメールの引用
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「こうすれば(意外と/定説に反して/見過ごしがちだが…)うまくいく」的な事柄というのは、それを話す主体が上級者でないと説得力を持たないと考える人が多いようですが、私は、誰が気づいたものであっても十分楽しく、有意義だと思います。
逆に、どれほどの上級者が言っていることであろうと、誰でも言いそうな、どこかの教本から借りてきたような文言には興味が湧きません。」

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【題名】
プラボール時代の構え方とボールへのアプローチ(攻撃選手編)

【本文】
私は練習ではニッタクプラを使っており、セルとの違いはいろいろ感じているのですが、そのうちのとりわけ大きなことの一つに、「セルのときよりも、相手が打ったボールが、自陣でのバウンド後に止まる」ということが挙げられます。
いつもそうなるなら慣れればよいという話ですが、相手がある程度以上の強さで打てば、セルボールとそうは変わらないのがまた厄介。
単純に立ち位置を前にすると、セルボール並に飛んできた場合の対応に困りますし、長い球(自陣の深いところでバウンドする球)には差し込まれてしまいます。

ではどうするか。
要は、球を飛ばす方向(以下、「前方」と呼びます)へ適正打球ゾーン(以下、「ストライクゾーン」と呼びます)を伸ばせばよいという話なのですが、それには2つ方法があると思います。

*****
1.身体ごとボールの横に入って、横向きで打つ(フォア攻撃時)
横向きで打つといっても「真横」でなければいけないというわけではなく「セル時代よりは横向き」ということです。
横向きの角度をつければつけるほど、前方へのストライクゾーンが伸びます。
極端な話、相手に対して真横を向いて半身の姿勢をとれば、体の横幅分がほぼそのままストライクゾーンになるわけです。

2.セル時代よりも姿勢を低くする
腕は肩の高さにおいて最も長く前方へ伸びます。
戦型にもよりますが、一般に、卓球のプレーにおける打球点の天地位置は、ネットの高さ~+20cm程度に集中していると思われます。
ということは、その位置に肩の高さを合わせておけば、前方へのストライクゾーンの広がりを最大化できるということになります。
また、どの技術の時であろうと、「腕は肩の高さにおいてもっとも前方へ伸びる」ということ自体に変わりはありませんので、姿勢を低くすることはフォア打球時だけでなくバックやショートのときにも有効です。
たとえばバックプッシュの場合でいえば、「相手コートに近いところまで直接腕で押し込める」ということになります。
さらには、「低く長いツッツキがやりやすくなる」「回転が見やすくなる」「自分のラケット面の角度や、打球点とネットの高さの関係が見やすく、いろいろな細かい調整がしやすくなる」などとった副次効果もあります。

なお、姿勢を低くするといっても、「腰を折り曲げる」「猫背になる」のではなく、「膝を曲げる」「スタンスを広めにとる」ことのほうが大切であるようです。
腰を折ったり猫背になったりするのをある限度を超えてやってしまうと、打球時に腰が入らず、手打ちしやすくなってしまいます。
*****

しかしながら、これらのプラボール対応法にもデメリットがないわけではありません。
考えられるものを挙げていきます。

*****
(横向きで打つ)のデメリット:
フォア・バックの切り替えが遅くなるはずだ。


(姿勢を低くする)のデメリット:
A.ドライブが抑えにくくなるはずだ。
B.コート全体が見にくくなるはずだ。
C.脚への負担が大きく、スタミナ切れを起こしやすくなるはずだ。
D.脚への負担が大きく、フットワークが遅くなるはずだ。
*****

まず1のデメリットについてですが、結果としてはあまり心配はいらなくなります。
というのは、プラの場合はセルよりも球速がやや落ちるからです。
球速が落ちると、「球を飛ばす方向に対して正面を向き、フォア・バックの切り替えを速くして両ハンドで捌く(フォア攻撃時は体の真横付近で打球する)」という技術は、できるに越したことはないですが、あまり重要ではなくなると思われます。
それよりも、セル時代より回り込みしやすくなることを前提として、フォアハンドで確実に仕留めることが重要視されるのではないでしょうか。
その意味でも、「ボールの横に入って、横向きで」というのをおすすめします。

※余談ですが、プラボールになって最初の世界選手権でフォア重視の方博が前回チャンピオンでバック重視の張継科を破ったのは示唆的ですね。

次に2-A(ドライブが抑えにくくなる)について。
これもあまり心配しなくて大丈夫であるようです。
上に書きましたとおりプラの場合はセルよりも球速が落ちますし、回転量も落ちますので、セル時代ほど上からブロックしなくても意外と抑えられます。

また、ごく強いドライブを打たれたときは、低い姿勢から伸び上がることで対応できます。
あらかじめ高い姿勢をとっておいて押さえつけるのではなく、伸び上がりながら相手の球の勢いを吸収するイメージです。

さらに2-B(コート全体が見にくくなる)・(脚への負担が大きい)について。
これらのデメリットについて直接的なフォローアイデアはないですが、本稿があくまで攻撃選手用に書かれたものであることを想起していただきたいです。
Bのコート全体を俯瞰するように見たいという必要性や欲求は、主にペン粒などの守備的な選手のものであり、攻撃型の選手ならその点は重要視しなくてよいのではないでしょうか。
また、Cに関しても、攻撃型ならラリーが長くならないうちに仕留めましょう、という話になるかと思います。

で、最後に2-D(フットワークが遅くなる)について。
これはもう鍛えるか、振り回されないように技巧を磨くかしかないでしょう。

いずれのデメリットにせよ、攻撃型ならば、前方へのストライクゾーンが広がるというメリットと天秤にかけた結果、あまり気にしなくなるものだろうと思います。
逆にいえば、これらのデメリットをどうしても深刻に受け止めざるを得ない方は守備型へ転向どうぞ(守備型は守備型でまた違って辛さがあると思いますが…)、という話になりそうです。


読者参加型企画は可能か

前記事「ボーイスカウトの方法」で、卓球クラブの運営方法として代表が一人ですべてを取り仕切るのではなく、メンバーが仕事を分担して、手が空いているちょっとした休憩時に指導に当たるという提案をしたわけだが、こういうことがブログでもできないだろうか。

社会人として仕事をしながらブログを運営するのは少なからず時間がとられ、負担に感じることもある。私の例で言うと、執筆に最低2~3時間はかかってしまう。ネタを思いついても、それがうまくまとまらなかったりすると、数週間から数ヶ月寝かせて、お蔵入りになっているものも少なくない。仕事が忙しい時期などは更新が滞ってしまう。

まぁ、趣味のブログなので、月に1~2本書くのでも構わないといえば構わないのだが、もっと頻繁に卓球関係記事を読みたいと考えている人も少なくないと思われる(私もその一人である)。しかも私のレベルで提供できる情報というのは限られており、上級者向けの記事を読みたいという読者もいるだろう。

そこで考えた。このブログ「しろのたつみ」で読者も記事を書けるようにできないかと。

「コメント欄」で自由に意見を述べる形式はどうだろうか?いや、字数制限が全角800字なので、ある程度の内容のあることは書けない。
複数の筆者が一つのブログに記事を投稿できるような設定があればいいのだが、難しい問題もある。各人が好き放題、書きたいことを書いたら、どこぞの掲示板のように中傷の嵐になったり、軽いおしゃべりのようなどうでもいい内容になったりするおそれがある。

しかし、このブログの読者には卓球のレベルが相当高い人もいるだろうし、非常にユニークな意見を持っている人もいるはずである。ただ、わざわざブログを立ち上げて、定期的に更新するのはめんどうだから、発信せずに読者の側に回っているという人もいるのではないか。

そういう人の意見を読んでみたい。 

ということで、みなさんの意見を募集します。みなさんが日頃疑問に思っていることや、練習を通して気づいたこと、「初中級者の多くが誤解しているが、実は…」といった内容の記事などがあれば、以下のメールアドレスに送ってください。ゴールデンウィークに予定がなくて暇を持て余している、熱い卓球愛を持っている方からのご意見を募集します。 中傷や根拠の薄い批判は論外です。冗長で要領を得ない文章は読者が退屈するので、字数制限をしたいです。字数の目安は3千字までです。←【ちょうどここまでが約1000字】

shirono.tatsumi◯gmail.com 

◯の代わりにアットマークを。
私への挨拶など、めんどうなことは不要です。記事をそのままメールで送ってください。
フォーマットは以下のとおりです。

【名前】 ←もちろん、ペンネームもOKです。
もし可能なら、どのような立場(学生、指導者等)、経歴か等もお知らせください。

【題名】 ←記事の内容を簡潔に表しているもの

【本文】 ←文体はデアル体でも、デスマス体でも構いませんが、多くの人が目にするので、あまりにもくだけた話し言葉はご遠慮ください。商業行為はご遠慮ください。

【非公開欄】 ←「メールアドレスを公開してほしい」「youtubeのリンクを貼ってほしい」などの管理人との連絡用です。

この企画がうまくいくかどうか自信がない。まず、応募者が一人もいないかもしれない。そして私の価値観と合わず、掲載を見送ることになるかもしれない。いろいろ模索状態なので、期間限定としたい。5/6を締め切りとして、それ以降のものは掲載しない方針である。

みなさんのご参加をお待ちしています。


「何をしてくるか分からない」――伊藤美誠選手の卓球

テレビ東京で伊藤美誠選手の世界卓球2015の試合を観て、大いに興奮させられた。

以下に伊藤美誠選手の試合結果についての記すので、まだ結果を知らない人はご注意いただきたい。












伊藤美誠選手は現在14歳の中学3年生。バックに表ソフトを貼り、前陣で速い卓球をするタイプ。同学年の平野美宇選手(前記事「いつだってフルスイング」)、早田ひな選手とともに次世代の日本女子卓球界を担う逸材である。

今回の世界卓球では4回戦でウクライナのカットマン、ビレンコを破り、準々決勝で世界最強の李暁霞選手に対して前半はリードさえしていた。

後半は李選手が次第に対応してきて負けてしまったが、それでも最後まで主導権はとられていなかった。あそこまで李暁霞選手を追い詰められる非中国選手は伊藤選手以外にいないのではないか。畏るべき中学3年生である。

バックハンドスマッシュ
目にも留まらぬバックハンド

以下に伊藤選手の強さの理由について考えてみたい。

伊藤選手の持ち味は、前陣での電光石火のバックハンドだけではない。
解説者の言を借りれば、伊藤選手は「何をしてくるか分からない」選手ということである。伊藤選手のプレーを観れば観るほど、なるほどと納得させられる。

伊藤選手は台上のボールさばきが多彩で、フォア前にストップするかと思えばバック深くに鋭いツッツキ。2球目をいきなりバックで強打してきたり、はたまた2球目でフォアサイドを切る厳しいコースのバックフリックを放ったりする。

フォア前にフリック
しれっとフォアサイドを切る、こんなボールを打ってくる

私には分からないが、おそらくツッツキの回転にも変化をつけているのだろう。このような変幻自在なレシーブに振り回されて、相手はなかなか主導権を握れず、李選手は思い通りに強烈なドライブが打てない。

伊藤選手が先手を取って、強烈なスマッシュを放てるのは、この台上技術、とりわけ正確なツッツキやフリックのおかげなのではないかと思える。私のようなヘタクソの見立てなので、伊藤選手のプレーをうまく言い当てている自信はないが、伊藤選手の低く短いストップと深くて速いツッツキ、台から出るか出ないかのストップなどは、相手に待ちを許さない。

同じサービスを出しても、

あるときはフォア前にストップ、
あるときはバック深くに鋭いツッツキ、
あるときはバックハンドで深いフリック、
あるときはバックハンドで強打、
あるときは台から出るか出ないかのツッツキ

しかも、どれも打点が早いとなると、3球目で心理的に待てない。普通の選手なら、おおざっぱにフォアで7割、バックで3割などと、2つの場所ぐらいである程度待てるが、伊藤選手の場合、レシーブが多彩で打点が早いので、そうそう待てないのではないだろうか。例えばこちらがサービスを出した時、3球目はバックハンドドライブ狙いで3割ぐらい待っていなければならないし、フォアドライブでも3割ほど待っていなければならない。さらに早くて短いストップに対しても3割待っていなければならないし、バックに強打が来る時もある…などと考えてドキドキしながら3球目を迎えると、あにはからんや、ふわっとしたループ気味のバックドライブがエンドラインギリギリに入ってきたりする。こんなふうにどの「球目」でもどこにどんな返球が来るか予想しにくいとなると、相手はギリギリまで攻撃の姿勢に入れないと思われる。

私のレベルでも、上手な人は「何をやってくるか分からない」。こちらが的を絞れないので、どうしても後手後手にまわり、主導権が握れない。

なるほど。主導権を取るためには、レシーブを散らしていけばいいのか。私なんかは相手のサービスに対して2パターンぐらいのレシーブしかできないが、4~5パターンのレシーブを見せることによって「次はどこに来るのか」と相手を足止めすることができる。

今まで「主導権を握る」というのは、短いボールでも無理やり打っていって先手を取ることだと思っていたのだが、このように相手に的を絞らせないというのも主導権を握ることになるのだと教えられた。

このような変幻自在のレシーブは何によって支えられているのか。それは厳しいコースに絶妙の長さで打ち分けられるコントロール能力だと思われる。伊藤選手は相手のサービスやレシーブに対して安定して低いレシーブができていた。うっかり浮かせてしまい、相手に強打されるような場面は少なかった。言い換えれば、主導権を取るというのは、何を措いてもまず思い通りの場所に低く打てるコントロール能力にあるのではないか。

それと、解説を聞いていて気になったのは「相手をよく見てますねぇ」という発言だった。伊藤選手は相手の動きをよく見て、相手が回りこみそうだったら短いレシーブやフォアサイドへの鋭いレシーブといった対策をとって相手に打たせないようにしているようなのだ。そのためには自分の打球を見る時間を最小限にし、相手の様子からできるだけ目を離さないようにしなければならない(前記事「ワリヤゴナドゥ」)。相手をよく見ているから相手の裏をかくコースどりもできる。フォアスマッシュをクロスに打って、相手が戻ろうとしたところにもう一度フォアクロスにスマッシュ2度突き。こんなシーンが対ビレンコ戦でよく見られた。

最後に駆け引きである。
普通の選手なら、リードしている場面や、デュースの場面等になると、慎重に行きたくなるものだ。レシーブは短く、厳しいコースよりも、とりあえず入るコースを狙うものだと思う。しかし伊藤選手の場合は逆にふつうの選手が萎縮するような場面でかえって思い切った攻めのボールを放つことが多い。

李選手との試合でも、2ゲームを先取しながら、こっちがハラハラするようなボールを何度も放っていた。普通は、「せっかく世界チャンピオンを相手に3点リードしているのだから、ミスの少ない堅実なプレーをしよう」と思うところだが、伊藤選手は逆に「今こそ勝負の時だ」と言わんばかりに臆することなく果敢に攻める。

フォアスマッシュ
いい流れでデュース。緊張する場面なのにかえってイケイケ。

ゲームカウント2-2で迎えた5ゲーム目をデュースで落としたのが痛かった。あれを取っていれば大金星もありえたかもしれない。

【まとめ】
以上、伊藤美誠選手の特徴を「多彩なレシーブ」「相手に対する観察」「かけひき」の3つの観点から考察してみた。 とりわけレシーブで相手に的を絞らせないことが、これほど対戦で効果を発揮するというのは発見だった。これは私の低いレベルの対戦でも十分活かせる技術なので、これからは安定したラリー能力よりも、むしろ深浅自在なツッツキ能力を磨きたいと思う。
 
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