基本練習が一通り済み、ゲーム形式の「オール」。
しかし、なんとなく調子が出ない…。ミスが多い。練習に飽きてくる。
こんなとき、どうすればいいのか。打球の感覚が狂っているからシステム練習なんてどうだろう? システム練習をして打球感覚を取り戻すのである。
たとえば相手にバックでブロックしてもらって、
フォア側でフォアドライブ、ミドルでフォアドライブ、バック側でバックブロック
みたいな規則的な練習をしたらいいかもしれない。
しかし、せっかくだから下回転サービスから実践的にシステム練習をしたほうが、もっと練習になるかもしれない。
…といろいろ考えているうちにモノマネをやってみたらおもしろいかもしれないと思いついた。
ぴんぽん氏の石川佳純選手のものまね。丹羽孝希選手にも似ている?
といっても、別にかくし芸の練習をするわけではない。好きな選手の試合の好ラリーをマネてみるのである。
たとえば、王皓選手の以下の動画の冒頭のラリー。
1球目:ガルドスがフォアサーブで王皓のミドルへ
2球目:それを裏面ドライブでバック側へ
3球目:カウンターバックドライブでバックへ
4球目:それをカウンターバックハンドドライブでミドルへ
5球目:苦しい姿勢でやっとバックハンドでブロック
6球目:フォアドライブでバックへ
7球目:なんとかブロック
8球目:フォアハンドドライブでサイドを切るクロスへ
こうやって1球ずつ確認していくと、勉強になる。
王皓選手は2球目のバックハンドドライブで決めに行っていない。私のようなヘタクソなプレーヤーは2~3球目に打てそうなボールがくると、やや苦しいボールでも無我夢中で渾身の力で決めに行ってしまう。その結果、ミスが多くなったり、あるいはブロックされて返ってきたボールが取れなかったりする。
そうなのだ。王皓選手の2球目バックドライブは決めに行くボールよりもややスピードが抑えてある。がっついていない。その結果、次の4球目で相手のガルドス選手のバックハンドを万全の体勢で強打、しかもミドルを狙っているので、ガルドス選手はブロックしかできない。それをフォアハンドドライブでバックへ。そのフォアハンドも回転を重視したループドライブで、ゆっくり目のボールになっている。ジワジワと相手を守勢に追い込んで、最後に決め球のフォアドライブをサイドを切る厳しいコースへ。
なるほど。プロはこんなコースどりをするのか。この「ジワジワ」というのがプロフェッショナルな気がする。2球目と6球目はややスピードを抑えて次のボールに繋がるように工夫しているのだ。
このラリーを実際に真似してみるのである。たとえば上のラリーだったら、相手にガルドス選手役、自分が王皓選手役になって、サービスから何からすべて同じ展開にするのである。もちろんボールのスピードや威力は素人のそれになってしまうが、雰囲気は味わえるだろう。何度もこのラリーをまねしてみると、かなり忠実なコピーができるようになり、その結果いろいろ気づくことも多いかもしれない。傍観者として観ているのと、自分で実際にその立場に立ってみるのとではずいぶん見え方が違うはずである。
日本の学校には芸術科目として音楽と美術というのが一般的だが、欧米の学校にはドラマという科目があるという。名作映画の有名なシーンを再現するのか、あるいは古代ギリシアの悲劇等を演じるのか詳細は分からないが、そういうことを日本の学校でもやってみたら、人格形成にいいと思われる。
今まではドラマといえば、評価する側だった生徒が評価される側に立った時、どのように感じるだろう。
「セリフがぎこちないし、声が小さくて聞こえない」
「変に感情がこもりすぎて、空回りしている」
といった容赦のない同級生の評価にさらされて、演じている生徒たちはどう感じるのだろうか。立場が変わることによって学べることは多い。
人格形成はさておき、ドラマの授業を通じて生徒たちは、どうすればこのシーンを効果的に演じることができるのか、自分なりの個性的な解釈をどう加えるか、そんなことを自分で考えることができるだろう。
上の王皓選手のラリーを何度も繰り返し、完全にモノにすることができたなら、今度は自分なりのアレンジを加えてみるのもいいかもしれない。そうすると、トップ選手のプレーがいかに無駄のない、理にかなったものかを学べるに違いない。
トップ選手の打法やフォームを真似るというのはよくあるが、ラリーを「演じてみる」のも、得るものが多いのではないだろうか。
【追記】150224
「王皓選手の3球目は …」などと書いてしまったが、2球目の間違いだった。そのあとの球数も間違っていたので訂正しました。
しかし、なんとなく調子が出ない…。ミスが多い。練習に飽きてくる。
こんなとき、どうすればいいのか。打球の感覚が狂っているからシステム練習なんてどうだろう? システム練習をして打球感覚を取り戻すのである。
たとえば相手にバックでブロックしてもらって、
フォア側でフォアドライブ、ミドルでフォアドライブ、バック側でバックブロック
みたいな規則的な練習をしたらいいかもしれない。
しかし、せっかくだから下回転サービスから実践的にシステム練習をしたほうが、もっと練習になるかもしれない。
…といろいろ考えているうちにモノマネをやってみたらおもしろいかもしれないと思いついた。
ぴんぽん氏の石川佳純選手のものまね。丹羽孝希選手にも似ている?
といっても、別にかくし芸の練習をするわけではない。好きな選手の試合の好ラリーをマネてみるのである。
たとえば、王皓選手の以下の動画の冒頭のラリー。
1球目:ガルドスがフォアサーブで王皓のミドルへ
2球目:それを裏面ドライブでバック側へ
3球目:カウンターバックドライブでバックへ
4球目:それをカウンターバックハンドドライブでミドルへ
5球目:苦しい姿勢でやっとバックハンドでブロック
6球目:フォアドライブでバックへ
7球目:なんとかブロック
8球目:フォアハンドドライブでサイドを切るクロスへ
こうやって1球ずつ確認していくと、勉強になる。
王皓選手は2球目のバックハンドドライブで決めに行っていない。私のようなヘタクソなプレーヤーは2~3球目に打てそうなボールがくると、やや苦しいボールでも無我夢中で渾身の力で決めに行ってしまう。その結果、ミスが多くなったり、あるいはブロックされて返ってきたボールが取れなかったりする。
攻撃選手同士の中級者の試合は
3球目あるいは5球目攻撃(ドライブ)が入ったか入らないかで
点数が行き来しています。
ボクシングに例えると
こういう入ったか入らなかったで
卓球をしている選手は
一撃必殺の『ハードパンチャータイプ』といえるでしょう。
あたれば勝てる、あたらなければ負ける、そういう卓球です。
それに対して上級者は
ブロックされても連続ドライブできる範囲で
ブロックされたときのスピードを考えながら
プレーをしています。
WRM 「King-Pro」紹介記事より
そうなのだ。王皓選手の2球目バックドライブは決めに行くボールよりもややスピードが抑えてある。がっついていない。その結果、次の4球目で相手のガルドス選手のバックハンドを万全の体勢で強打、しかもミドルを狙っているので、ガルドス選手はブロックしかできない。それをフォアハンドドライブでバックへ。そのフォアハンドも回転を重視したループドライブで、ゆっくり目のボールになっている。ジワジワと相手を守勢に追い込んで、最後に決め球のフォアドライブをサイドを切る厳しいコースへ。
なるほど。プロはこんなコースどりをするのか。この「ジワジワ」というのがプロフェッショナルな気がする。2球目と6球目はややスピードを抑えて次のボールに繋がるように工夫しているのだ。
このラリーを実際に真似してみるのである。たとえば上のラリーだったら、相手にガルドス選手役、自分が王皓選手役になって、サービスから何からすべて同じ展開にするのである。もちろんボールのスピードや威力は素人のそれになってしまうが、雰囲気は味わえるだろう。何度もこのラリーをまねしてみると、かなり忠実なコピーができるようになり、その結果いろいろ気づくことも多いかもしれない。傍観者として観ているのと、自分で実際にその立場に立ってみるのとではずいぶん見え方が違うはずである。
日本の学校には芸術科目として音楽と美術というのが一般的だが、欧米の学校にはドラマという科目があるという。名作映画の有名なシーンを再現するのか、あるいは古代ギリシアの悲劇等を演じるのか詳細は分からないが、そういうことを日本の学校でもやってみたら、人格形成にいいと思われる。
今まではドラマといえば、評価する側だった生徒が評価される側に立った時、どのように感じるだろう。
「セリフがぎこちないし、声が小さくて聞こえない」
「変に感情がこもりすぎて、空回りしている」
といった容赦のない同級生の評価にさらされて、演じている生徒たちはどう感じるのだろうか。立場が変わることによって学べることは多い。
人格形成はさておき、ドラマの授業を通じて生徒たちは、どうすればこのシーンを効果的に演じることができるのか、自分なりの個性的な解釈をどう加えるか、そんなことを自分で考えることができるだろう。
上の王皓選手のラリーを何度も繰り返し、完全にモノにすることができたなら、今度は自分なりのアレンジを加えてみるのもいいかもしれない。そうすると、トップ選手のプレーがいかに無駄のない、理にかなったものかを学べるに違いない。
トップ選手の打法やフォームを真似るというのはよくあるが、ラリーを「演じてみる」のも、得るものが多いのではないだろうか。
【追記】150224
「王皓選手の3球目は …」などと書いてしまったが、2球目の間違いだった。そのあとの球数も間違っていたので訂正しました。