しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2014年10月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

教室では学べないこと――老人卓球の衝撃

先日、あるクラブの練習におじゃまして、試合をさせてもらった。
メンバーの方々は、ぱっと見た感じ、平均年齢60歳以上だった。
その方たちの卓球の特徴を挙げると、以下のようになる。

・前陣であまり動かない
・ミート主体で、薄くこするドライブはほとんど打たない
・日ペン
・攻撃的
・チキータ等のいまどきの技術は使わない

私が相手をさせていただいた方は、クラブ内でも半分より下のレベルの方々だったのだが、かなりクセのあるフォームの方もいらっしゃり、我流の卓球を続けてきたことをうかがわせる。 
ツッツキ
 写真はイメージです

私は初級者や若い人と打つことが多いのだが、そういう人たちのお上品な卓球とは全く違う卓球の世界があることを思い知らされた。

ふだんの相手なら、こちらがサービスを打つと、レシーブは低いツッツキやストップで返ってきたり、あるいはループ気味の回転のかかったドライブで返ってきたりするのだが、ここで相手をしていただいた方たちはガツンと回転をかけた高い(浮いた)ツッツキで返してきたり、スマッシュのようなドライブのような、かなり当ての強いボールで返球してきたりする。

こういうボールに私は慣れていない。完全にリズムが狂ってしまう(前記事「卓球のリズム」)。

高いツッツキならチャンスボールのはずなのになかなか入らない。ふだん私が受けているツッツキと回転量(キツイ)もスピード(遅い)も違うのだ。 強打を打たれてもなかなか止められない。ほとんどこすっていないので、非常に直線的なボールが飛んでくる。
ふだんの相手なら、ミドル等の厳しいコースにボールを送った場合、ちょっと打点を落としてこすりあげてくるのだが、今回のお相手は、そんな打ちにくいボールも無理な姿勢から、手打ちでバチンと強打してくるのだ。それがかなりの確率で入ってしまう…
あまりドライブをかけず、あんなにバチバチ叩いていたら、ミスを連発するはずなのに、しっかり入れてくる。おそらく非常に繊細な力加減とブレのないスイングが身についてらっしゃるのだろう。その結果、ぱっと見、それほど強くなさそうな方々にも負けてしまった。

私の卓球はできるだけボールをミートせず、 柔らかくこすって安定性優先という方向性なのだが、それとは正反対の方向性――非常にシビアなタイミングで厳しいボールをガンガン打ってくる実戦卓球がここでのデフォルトだったのだ。

私は毎日卓球の動画を見て、卓球雑誌での勉強を欠かさないが、おそらくこのクラブのメンバーの方々は、そういったことにはほとんど無頓着で新しい技術なんてまったくご存じないだろう(偏見かも知れないが)し、ラケットは10年以上替えず、ラバーもスレイバーとかマークVを1年以上替えずに使い続けているのだろう。ラバークリーナーなんて必要ない。「ハァー、ゴシゴシ」で十分だ。それなのに私は勝てなかった(さすがに全敗ではなかったが)。なぜか。

卓球は知識や用具ではないのである。私はスイングの軌道がどうの、足の動かし方がどうの、といったいろいろな効率的な技術の知識を集めることに汲々とするあまり、結局どれも消化しきれず中途半端な状態なのに対して、このクラブの方々は自然に身につけた自分自身の打ち方にひたすら磨きをかけ、自分の用具の特性を知悉し、自分なりの卓球のパフォーマンスを最大限に発揮している。おそらく20年以上、ご自身の卓球に目に見えるような大幅な変化はなかったのではないか。

一方、私は、世間で○○打法が効率がいいとか、そんなことを聞けば、無理に自分のスイングを改造し、トップ選手のマネをして、上達した気になっているが、そのように人の真似をする前に自分の卓球をひたすら磨き上げ、打球の精度を極限まで高めれば、市民大会程度のレベルなら敵なしなのではないだろうか。たとえば、世間では手打ちがダメだと言われるが、たとえ手打ちでも、それを極め、非常に微妙なボールタッチまで身につけられれば、相当強くなれるのではないだろうか(といっても全国レベルでは通用しないと思うが。おっと、戦術のことをすっかり忘れていた!)

クセのある打ち方でも、足があまり動かなくてもいい。そういう自分の特性を知り尽くし、どんなボールに対しても打球の精度を極限まで高める努力を怠らなければ、下手にいろいろな技術にチャレンジするよりも、強くなれるのかもしれない。そしてそのような精度を高めるにはいろいろな人と打って、いろいろなボールに慣れなければ――試合を通して適応力を鍛えなければならないだろう。

【おまけ】
ウラタロス
 

andro「和の極み -蒼-」を買い損ねた話

自分の卓球を見失っているときや、調子の悪いときは、ついつい用具を替えてみたいという誘惑に駆られる。

最近もそんなことがあった。

私は安定性を最優先しているくせに安定性がないという困った卓球をしている。というのは常にフォームやグリップを変えているからなのだ。さらに今年のテーマは下半身と上半身の連動なので、動きながら打球する方法をいろいろ模索しているので、なかなか安定しない。
たとえば、ピアノで片手でなら上手に弾けるのに、左手で伴奏をしながら右手で旋律を奏でようとすると、いままで弾けていたはずの右手まで満足に弾けなくなってしまうということがある。卓球でも似たようなことがあって、あまり足を使わずに上半身を意識しながら打っているときは安定して入るのだが、下半身で大きく動きながら打球しようとすると、それまで打てていたボールがとたんに入らなくなってしまう。

こうしてまた安定感がなくなり、自分の下手さ加減にうんざりしているところにある写真が目にとまった。

卓球王国にデカデカと載っていたラケットの広告、アンドロの新製品「和の極み」である。

102289

 
なんでも、有名な家具職人が作ったラケットなのだとか。
WRMでも大々的に取り上げられていた。

 
初めは

「家具職人だからといってラケットも上手に作れるという保証はないだろう。そりゃあ見た目とか質感とかはきれいに作れるだろうが、ラケットは見た目じゃないよ」

とか思っていたのだが、やっぱり見れば見るほど美しい。ほしい…

上のWRMの動画では「芯の強さ」というのを絶賛しているのだが、ぐっちぃ氏のわざとらしいテレビショッピング的な演出にちょっと興が醒める。いくら高性能(ところで何を以って高性能というんだろう?)でも、私程度の実力なら、おそらくぐっちぃ氏の感じている性能のよさというのは感じられないのではないかとも思う。私の打つへなちょこボールでは、たぶんコルベルとかジャピエルとか、そこそこ評判のいい5枚合板との性能差というのはほとんど感じられないのではないか。「打ち負けない」という性質はもっとガンガン打ち合うレベルの高い卓球でこそ意味がある。

しかし、どのラケットで打ってもさほど変わらない、ということは、ラケットは結局見た目の美しさが大切だということではなかろうか?そうだ!ある程度定評のあるラケットなら、ラケットはつまるところ、見た目が好みなら買うべきなのではないか。そういえばWRMの500円割引クーポンというのがあったはずだ。WRMにはいつも動画でお世話になっているし、何か恩返しをしたいと常々思っていた(前記事「ぐっちぃ氏の功績」)。

という強引な論理で「和の極み」を購入する寸前まで行ったのだが、WRMクーポンの有効期限をみると、昨日までだった。orz

そこで我に返った。

危ない危ない、またろくに使わないでお蔵入りする用具が増えるところだった。
私は安定性を重視している。しかしラケットをコロコロ替えては安定性は遠のくばかりだ。ここは思い切って用具の変更はあきらめよう。

「和の極み」の使用感などを期待していた方には申し訳ない。もし今の用具が気に入らない、合わないという方なら、「和の極み」を購入してみてはいかがだろうか。かりに使ってみて気に入らなかったとしても絵になるラケットである。インテリアなどにもなりそうだ。

【追記】141101
「和の極み」のレビューが上がっていた。
和の極  - 蒼 - (ST)レビュー
非常に高評価だったので、また買いたくなってきた…
 

やられっぱなしじゃないぜ――水谷卓球の豹変

ワールドカップ2014が終わった。結果だけを見れば、水谷選手は2011年参戦のときと同様4位。準決勝の馬龍戦は0-4で敗退。前回と何も代わり映えがしない結果にみえるが、確実に水谷選手は進化していた。少なくとも私には3年前とは全く違って見えた。【※追記参照】



その違いは何かというと、

・クロスに打たない
・入れに行かない
・チャンスを待たない
・下がらない
・甘いボールは見逃さない

というナイナイづくしだった。
一言で言えば従来の安定性重視の戦術からリスキーに攻める戦術への転換ということに集約される。そのためだろうか、試合中はオーバーミスを連発していたように感じた。

以下、レベルの低い私の目から見た感想などを綴ってみたい。細かいテクニックやフットワーク、得意なパターンに持っていくための試合の駆け引きなどは私にはわからないので、結果として目に見える限りの範囲にとどまる。

安定して入れるために距離の長いクロスではなく、ストレートへ打ってポイントするボールがかなりあった。
相手が打ってきたら、基本的にカウンターである。ブロックはほとんどしない。

counter1
台上でフォアドライブを打たれても

counter2
ブロックしないでカウンターバックハンド

counter3
強烈な馬龍選手のフォアドライブ

counter4
それを全力でドライブし返す水谷選手

馬龍選手に完全な姿勢で強烈なフォアハンドを打たれてしまったら、従来ならばブロックで止めるだけ、あるいは合わせるだけといった対応だったが、あの強烈なフォアハンドをカウンターで迎撃しているのである。打点が早い!これには馬龍選手も刮目させられたようだ。

「こんなのオレの知っている水谷じゃない…」

馬龍選手にしてみれば、親の言うことを何でもよく聞くおりこうさんに育った息子に、思春期になって初めてキレられたときのような衝撃だっただろう。

douyou
動揺のあまりサービス時に何度もボールを落とす馬龍選手

回り込んでからのボールもサイドを切る厳しいコースが多かった。
side
倒れ込みながらもサイドを狙う水谷選手

side2
エース!

それだけに今までの水谷選手らしからぬミスが多かった気がする。馬龍選手も早い段階で全開で攻めてくるが、水谷選手も負けずに早い段階から全開で攻めていった。水谷選手があんなにチキータを多用するのは珍しい。少しでも先手を取りたいということなのだろう。

foremae
フォア前チキータを狙う水谷選手

苦しいコースに打たれても、フォアで打てるまでガマンして、つなぐといったプレーがない。フォアでもバックでも、早い段階でとにかくバシバシ厳しいコースに打っていく。
ボールのスピードも中国選手に対して遜色ない。用具が変わったのか(グリップは旧版の水谷隼だったが)、あるいは自らのリミッターを解除したのか、とにかく伸びのあるすばらしいスピードのドライブだった。
今までだったら、中国の一軍と10回対戦したら、せいぜい10回に1回ぐらいしか勝機がないと感じさせられたが、今回の水谷選手なら5回に1回ぐらいは勝機があったのではないか。結果は0-4での敗退だったが、いつ番狂わせが起こってもおかしくない感じだった。

3位決定戦の対ティモ・ボル選手の場合も水谷選手は果敢に攻めた。息をもつかせぬ対戦だった。今年の世界選手権団体戦で0-3で完敗したウップンを晴らすかのような爽快なプレーだった。

今年の水谷選手は一味違う。今年こそ中国の一軍を倒してくれ!

【付記】
優勝した張継科選手がまたやってくれた。優勝を決めた後、フェンスを蹴って破壊したのだ(「ギロチンキック炸裂」)。その後ユニフォームを脱いでタトゥーを披露するのもお約束。いくら卓球が強くても、あんなパフォーマンスをしていたら、敵を増やすばかりだということに早く気づいてほしいものである(「忘れられる権利」)。


【追記】141027
対馬龍戦をダイジェスト版を改めて観てみると、水谷選手のプレーがあまりインプレッシブではなかった。
よく下がるし、ブロックも多用している。 昨日観た時は、もっと攻撃的だった気がしたのだが…。
改めて完全版も観てみたいと思う。 

スイートエリアはどこに?

強打をブロックした時に弾き飛ばされるような、いやな感覚を伴うことがある。これはボールがラケットのスイートエリアの外側にあたってしまい、ブレードを強く響かせるためと思われる。
ラケットのスイートエリアはラケットの中心、あるいは中心よりやや先端寄りにあることが多いように思う。
しかし、経験的に、どうも中ペンで打球する時は中心よりもグリップ寄りで打つと安定する――強打を受けても打ち負けない気がする。

スイートエリア

上の図はバタフライのカタログにあったZLカーボンとスーパーZLカーボンのスイートエリアを示したものであるが、ZLカーボンはわずかに先端寄りににスイートエリアが位置しているが、スーパーZLカーボンはややグリップ寄りにスイートエリアが広がっているようだ。

トップ選手たちはもちろんこのスイートエリアで的確にミートしていると思われるが、実際のところはどうなのだろうか。ペンホルダーの選手を中心に見ていこう。以下、画像が多いので、閲覧にはご注意願いたい。

_DSC8295
中ペンの宋恵佳選手。ミドル処理ということもあり、ややグリップ寄りでミートしている。

20130118-16
小野志保選手。グリップ寄りである。

report090702
王皓選手。グリップ寄りでミートか。


wang
グリップ寄りでミート。

Xu-Xin-CHN-Table-Tennis
許昕選手もグリップ寄り。

images

シェークでもグリップ寄りで打つことは少なくない。
view0016490794

では、ペンホルダーはみんなグリップ寄りでミートしているかというと、そんなことはない。ここまでは、あえてグリップ寄りと思われる写真だけを選んで載せてみたに過ぎない。

3892d8615554367f7092aa76a58b2fddd2376a0b

上の写真のように許昕選手は指を思い切り伸ばしていることが多いので、バックハンドは自然に先端寄りになってしまう。他の選手はどうか。

fc2blog_2014041113552805a
馬琳選手。やや先端でミート。

ms2
こちらの王皓選手はやや先端寄りでミート。

tournamentDetail008789

xuxinchinasuperleaguer10
hqdefault

これらの写真を見ると、台上でのフリックや、ブロックといった前陣でのプレーはグリップ寄りで打っていることが多いように思う。逆に大きなラリーになったときは先端寄りで打球することが多いのかもしれない。

しかし、本当にそうか。
打球陣地というより、打法によるのかもしれない。経験的には、薄く当てるドライブの場合は先端寄りで、ガツンと厚く当てるドライブやブロックの場合はグリップ寄りで打球するような気がするが、この感想めいた結論をこれ以上補強するだけの材料がないので、今回はここでおしまいである。

【付記】
現在、男子ワールドカップをittvで観戦中である。試合から目が離せないため、中途半端な結論で申し訳ない。
ところで水谷選手の進化っぷりがすごい。ラリー前の台上での進歩もいろいろあるのだろうが、ラリーで馬龍選手と打ち合っても負けていない。今後の水谷選手に期待させられる。

【追記】141026
ワールドカップの準決勝が熱くて、記事執筆に身が入らなかった。
この記事で言いたかったことは、どんなボールもスイートエリアで的確に打球すれば安定するのかという問題提起から、実は打球の性質によって先端寄りで打つこともあれば、グリップ寄りで打つこともあるのではないかということであった。ブレードのどこで打てばどんなボールが打ちやすいかということは聞いたことがない(私が知らないだけかもしれないが)ので、意味のある議論ではないかと思う。根拠が薄弱で説得力がないのだが、私の経験上、ブロックやスマッシュはグリップ寄りで打つとけっこう安定するような気がする。

ワールドカップもいよいよ3位決定戦と決勝である。果たして誰が優勝するのか。3位はどちらか。楽しみである。


【おまけ】
コマさん&こまじろう(トリム)

 

タフになれ!――指導者がいなくても強くなる方法

「地区で常勝のあのチームは、顧問の先生が経験者で、いろいろ指導してくれるから強い。ウチはいい指導者がいないから、強くなれない…。」

こんなことをボヤいてしまう中高生が多いのではないだろうか。
たしかに卓球は我流で上手になることはむずかしい。しかし、昔と違ってインターネットやDVDなどの情報が豊富なので指導者がいなくても強くなることは十分可能だと思う。

またまた私の昔話で恐縮だが、私の学生時代の先生は超一流の研究者で、ちょっと変わり者だった(前記事「物言えば唇寒し秋の風」)。あるとき、先生に「先生のような優秀な方は、学生時代にそうとういい教育を受けたんでしょうね」と聞いてみたことがある。しかし、実際は正反対だった。

私の師匠は授業らしい授業もせず、ゼミで学生に発表させて、そのデキが悪いと激怒し始めるという、どうにも困った男でね。自分はろくに研究もせず、コーディネーターのようなことばかりやっていて、学界では大きな顔をしていたが、研究者としては二流だったよ。あいつから教えてもらったことなんて何もなかった。

「じゃあ、先生はどうやって今の能力を身につけたんですか?独学ですか?」

他大学の同じ年代の大学院生と毎月研究会をやっていたんだが、思えばあれが一番自分の勉強になった。身内の人間との研究会だと、つい馴れ合ってしまうが、他大学の学生の前で発表するとなると、緊張もする。もし箸にも棒にもかからないような発表をしてしまったら、ウチの大学の名折れだし、そうでなくとも、あっちは偏差値的に格上の大学だから、下手な発表をすると、「やっぱり○○大学だから…」と思われてしまう。私はそれがガマンならなかった。偏差値が高いことと、研究能力は関係ないと証明したかった。それで必死でがんばった。それこそ寝ても覚めても、研究発表のことばかり考え、一字一句にまで気を配ってレジュメを作った。内容だけでなく、表現や構成に関しても、「この書き方だと、誤解を与える」とか、「単なる事実の羅列であって、論がない」などと互いに厳しくツッコミあった。仲良く勉強しましょうという雰囲気ではなく、毎回、本当の真剣勝負だった。他大学の学生の着眼点や論理、問題の整理の仕方など、敵から学ぶことも多かった。

それから、他大学の先生にこんなことも言われた。
研究書とか、論文なんかをたくさん読むのは意味がない。博学を誇る研究者も多いが、学説なんてすぐにひっくり返るものだ。知識なんかよりも大切なことがある。他人の説に乗っかろうとするな、自分の目でみて、本当に自分で納得するまで考えてみろ。分かりきっているはずのことでも、意外に分かっていないことが多いものだ、と。
この視点こそが研究の真実だと思う。

強くなるかどうかは結局、自分なのだ。いくら優れた指導者の下で効率的な教育プログラムを受けても、安穏としていてはダメである。自分の尻に火がついていなければ、大して進歩しない。「憤せずんば啓せず、非せずんば発せず」である。

また、xia氏がブログでこんなことを書いていた(「目標は全国制覇」)。

僕の経験上、強豪校ってのは技術指導とかほとんどありません。

多分ですけど、技術ってのは移り変わっていくものだし
流行り廃りもある。
重要なのは自分で技術を習得することや
技術の取捨選択をする
「自分で決める」
「決めたことを実行する」
こういった気持ちを育てることだと思います。
 
研究と同じではないか!
強豪校では指導者が練習メニューを考えるのではなく、自分で練習メニューを考えなければならないのだ。なぜなら自分が強くなるかどうかは自分の問題なのだから。誰かに頼るは、自分で苦しみ、もがいた後である。まずは自分でやれるだけやってみなければならない。「ウチのコーチは全然ダメだ」などと愚痴を言う前に、他校でやる気のあるライバルに声をかけて、練習会を毎週やってみたり、戦術検討会や技術研究会を開いてみるのも良いだろう。

「あいつ、すげぇな。たとえ卓球で結果が残せなかったとしても、きっとどこかで頭角を表すぜ」
「嚢中の錐とは、まさにあいつのことだ」

などと評判になり、優秀な人材が自然に集まってくるに違いない。

現代では、『卓球王国』、『卓球レポート』、技術DVD、youtube等、活用できる素材はいくらでもある。指導者が教えてくれるのを待つのではなく、これらを有志とともに主体的に研究、実践してみることでしか強くなることはできないのだ!

と声を大にして言いたいところだが、私は卓球が下手だし、こんなふうに人をまとめた経験もないので机上の空論と言われればそれまでだが、けっこういいところを突いていると自分では思っている。

先日、練習からの帰り道、「タフになれ!」と書かれたTシャツを来ていた女の子を見て、こんなことを考えてみた。中高生のみなさん、自分の力をもっと頼んでみませんか。

 

コンビニ卓球場;一期一会

出会いというのはいつ訪れるかしれない。
数十年ぶりに街中で偶然学生時代の卓球仲間に再会したり、同僚が飲み会に連れてきた伴侶がかつて全日本選手権に出場したことのある上級者だったりするかもしれない。

そんなときにちょっと卓球してみたいけれど、土地勘もなく、どこで卓球ができるかわからない。その人に後日わざわざ出てきてもらい、卓球の相手をしてもらうのも気が引ける。

そんなとき、コンビニで手軽に卓球ができたら…。

famitaku6

famitaku3

なんなんだ、これは!ファミマが卓球事業に進出!?
全店舗とは言わないが、大きな町に1店ぐらい、こんな店舗があったら、私たちはどれだけ一期一会を大切にできるだろう?

そんなにうまい話はないのだが、おもしろい試みだと思うので、紹介した次第である。

詳細は以下のリンクを参照。

ファミタク
 

卓球のリズム――流れるようなプレーのために

私の悪い癖は、手を先に出してしまうことだと思う。
ちゃんと上半身をすくめて、力のこもった打球をしたいのに、速いボールが来ると、 取るもとりあえず手を出してしまう。そうすると、ボールにはなんとか手が届きはするものの、もう何もかもが崩れてしまう。

tedake


打球のプロセスを反省してみると、

まず、上半身をすくめるとともにバックスイングに入り、
hadou
十分に左肩を前に出す

そこからやや上半身を起こしつつスイングに入って打球
ryuhisa005
最近の波動拳はすごい…

ということになるのだが、手が先に動いてしまうと身体を沈み込ませるいとまがなく、バックスイングなども十分とれず、腕だけで打たなければならなくなる。当然力の入らないストロークになってしまう。

※以下の画像はgifアニメなので、PCでないと正しく再現されないおそれがある。
波動拳3f
取ってつけたようなうすっぺらい波動拳。

そうではなく、下の動画のようにボールが迫ってくる前に身体を沈めたり、バックスイングをとったりといった打球前準備を十分にしておいた上で打球しなければならない。
波動拳6f
しっかりと打球前準備が終わっている波動拳。腰が入っている。

どうして私は打球前準備が間に合わず、腕だけで打ってしまうことが多いのか、考えてみた。
おそらく自分が打ったボールに対して、相手がどのぐらいのスピードのボールを返球してくるかが予測できていないのだろう(前記事「予測以前の問題」)。上級者はこちらのボールにかかわらず、意表をつくような速い返球をしてくるのだろうが、初中級者なら、こちらが「中」の力で打ったら、「中」のスピードで返ってくるし、「強」の力で打ったら、「強」のスピードで返球されるのではないだろうか。だから、もし打ちごろのチャンスボールが来たら、打つ前に心の準備をしておかなければならない。

「このボールを『強』打してやろう。となると、返球されたとしたら、こちらへの到達時間が相当早いので、急いで打球前準備に入らなければ」

逆にこちらがストップなどの「弱」のボールを打った場合は

「次はそんなに速いボールは来ないので、ゆるゆると打球前準備に入るとするか」

バックスイングからインパクトまでの一連の動作を一瞬で行うことはできない。ということは、振り遅れず、次の打球に間に合っている人は、自分が打つ時点で次のボールの到達時間を予測し、打球直後に早くも次の打球準備に入っているということになる。逆に自分が打球した後、何もしない状態で待っており、相手が打球して初めてこちらへの到達時間を計算し、打球準備に入っているようでは手だけが出てしまう結果となる。

次のこちらからの打球のための行動は、自分の打球後すぐに始めなければならない。

ただ、上級者が1球1球几帳面に到達時間を計算しながら打っているとは思えない。おそらく自分なりのリズムを持っているのではないだろうか。システム練習などでそのようなリズム感を体に染み付くまで繰り返しているのかもしれない。

私たちは無意識のうちに自分の持つリズムに従ってプレーしていると思われる。そのリズムと打球がうまく調和しているときは、流れるようなプレーができるが、噛み合っていない時は手が先に出てしまったり、逆にエンストを起こした時のような違和感を感じるのだと思う。前者は上手な相手がふだん打っている人よりもずっと速いボールを打ち返してきて、手も足もでないような場面。後者は、たとえば、上手な人が我流の卓球をするおじさんに苦戦させられたりする例を思い出す。私はいままでこのリズムを意識したことがなかった。しかし、きっと自分のデフォルトのリズムがあり、そのリズムに合うボールを打つ相手なら実力を発揮できるが、合わない相手だと、不完全燃焼になってしまうのだろう。相手のリズムに合わせてこちらのリズムも変えなければならないのだ。そのためにはまず自分のリズムの存在を意識しなければならない。それができないのが私の卓球がぎこちなくなる原因ではないかと思っている。


ラケットと体との距離――腕の伸ばし具合について

私はブロックが苦手である(前記事「強烈なドライブに対するブロックのコツ」)。ペンホルダーはバックのブロックが堅いというイメージがあるが、私のブロックは堅いどころか、ちっとも安定しない。どんな打ち方をしているかというと、腕を前に伸ばし気味にして、体からやや離し、バウンド直後を打球するというやり方である。ペンホルダーの表面のブロックがうまい人はそんな打ち方をしているように思う。しかし、私はバックのブロックも裏面なので、どちらかというと、シェークのバックブロックに近い。片面ペンホルダーのブロックとはちょっとやり方が違うかもしれない、と思い、逆にラケットを体に近づけて、口やアゴが隠れるような位置でブロックしてみたところ、かなり安定した。ラケットを体に近づけて打球したほうが力の加減や、角度の調節などがきめ細かくできるような気がする。弱いボールにはグイッと押し出すこともできるし、強いボールにはブレードがブレないようにしっかりと固定して打つことができる。それにボールの到達するまでの時間が相対的に長いので、余裕を持って打球に臨むこともできる。体に近いと、ボールタッチの調整がしやすいのだ。
一方、ブロックで腕を伸ばしてバウンド直後を打つと、ボールに微妙なタッチを加えにくく、威力や回転が強いボールに対してはコントロールができず、すっ飛んでいってしまう。

ツッツキは顔を近づけて打て!とは、いろいろな入門書で注意されていることだが、もしかしたら、ラケットを体に近づけて打つというのは、卓球の本質を突いているのではなかろうか。

フォアハンドドライブでプロの選手が腕を伸ばしきって豪快に強打している写真をよく目にする。

i320

20130519-08

しかし、こんな打ち方はプロだからこそ安定するのであって、下手な人間がまねするべきではないのかもしれない。レベルの低いプレーヤーは、腕を折りたたみ、ボールを十分引きつけて、体の近くで打ったほうが安定するのかもしれない、と思い、体の近くで打球してみると、なかなかうまくいかない。腕を折りたたんでいると、力を入れにくく、スイングにスピードが乗らない、打ちにくい。そこで、腕は曲げたままで、身体全体を使って打球してみた。つまり、上半身だけで打つのではなく、膝で身体全体を沈ませて、腰をねじり、下から上に伸び上がるようにして打つのである。こうすると、スイングが小さいままで、威力のあるボールが打てたような気がする。

バックハンドもそうだ。バックハンドドライブでは、腕を真っ直ぐ前に伸ばして打球している写真をよく目にするが、こんな打ち方は決定打を打つ時だけで、それ以外は左腰のすぐ前あたりまで十分引きつけて、体を使って素早く小さく振らないと、安定しないのではなかろうか。よくバックハンドは「フリスビーを投げるように振る」と言われるが、フリスビーを投げるにしても、腕を伸ばしきらず、軽く近くに投げるようなイメージであって、遠くに放るときのように豪快に腕をまっすぐ伸ばしきってしまったら、威力は出るものの、安定性に難があるような気がする。

王皓

そういえば、表ソフトの前陣速攻型のプレイヤーは腕を伸ばして打球するイメージがない。
sumasyu

特にペン表の選手は顔のすぐ近くでペシペシ打っている気がする。
111-2


これにはどんな理由があるのだろうか。表ソフトの人が腕を伸ばして――ラケットと体を離して打球すると、何か不都合でもあるのだろうか。
思うに表ソフトはボールをこすりにくいので、裏ソフトよりも安定性が落ちる。表ソフトの人は、裏ソフトの人よりも安定性に敏感だと思われる。表ソフトの人が、ボールを体の近くで打つことが多いのは、そうすることによって、威力と安定性の両立が可能だからなのではないだろうか。

【まとめ】
今回はスイング時の腕の伸ばし方と安定性の関係について考察してみた。
どんなボールでも腕を伸ばして豪快に打球している初中級者が多いが、腕を伸ばして威力のあるボールを打つのは上級者以上でないと難しいのではないか。初中級者はチャンスボール以外は腕をたたんで体の近く、あるいは顔の近くで打球したほうがいいのではないか。腕を伸ばしきらず、ボールを体の近くで打球するというのは、卓球の多くの打法に通じるものがあり、安定性に貢献するものと思われる。
最近、忙しく、十分検証する時間がなかったため、結論が恣意的で、仮説の域を出ないが、腕を十分伸ばして打球するのは、威力優先の打ち方で、微妙なボールタッチや安定性に難のある打ち方だと思われる。逆にヒジを100°ほどの角度以上に広げず、常に折り畳み気味で打球する――つまり体の近くで打球する打ち方はボールタッチに優れ、安定性が増すのではないだろうか。ただし、この打ち方では、身体全体を使って打たないと、威力が出ないと思われる。イメージ的には大縄跳びで縄を回すイメージである。

【補足】141022
川口陽陽氏の練習動画というのを発見した。全国トップレベルの選手のスマッシュというのは本当にすさまじいと思い知らされた。


 

空腹感は幸福感――腹八分目の思想

晩にしこたま卓球をしてクタクタに疲れ、翌日、心地よい空腹で目が覚めた。

Fotolia_43596972_XS

空腹なのに不思議と食欲を感じない。

水を1杯飲む。なんと清々しい朝だろう。心穏やかで頭も身体もスッキリしている。こんな朝は久しぶりだ。こういうときはなんでもできそうな気がする。いつもだったら「外にでるのがおっくうだ」とか「部屋の掃除なんかあとでいいや」となるのだが、今日ならどんなことにも意欲的に取り組めそうな気がする。身体が、いや、むしろ心が軽い。

1307227top
寝覚めの仕事は捗りそうだ

4e1a29361f2a20bba89e307806051ebf
早朝のジョギングも気持ちいいかもしれない

気候やストレスの有無なども関係するかもしれないが、今回のコンディションの良さには空腹が大いに与っているような気がする。

今回は卓球にあまり関係ない話である。なお、私は生理学とか栄養学とか、そういうものには全く縁がないので、以下に述べることは私の個人的な体質に関するものであり、完全に民間療法的な思い込みだと言われればそれまでであるが、なにかしら読者の皆さんを裨益するところもあればと思い、公開する次第である。

私は最近節制している。暴飲暴食や間食を控え、ソーダよりも水をのむようにしている。3食きちんと食べるが、腹八分目である。その結果、労せず5~6キロほど減量できた。節制をして、毎週卓球で汗をかけば、健康食品などに頼らずとも、自然に体重が落ちるのである。思うに中年太りや肥満の原因は間食と満腹感なのではないか。

最近は便利な世の中になり、辺鄙な田舎でも国道沿いならいくらでもコンビニが見つかる。それで空腹を感じたら、すぐに適当な食べ物を口にすることができる。しかし、それが私には良くないのである。手軽に食料が手に入るために十分空腹を感じる前――空腹を感じるか否かというタイミングで食べ物を口にしてしまい、空腹感を感じる暇がない。それで食べて満腹になると、なんだか頭がボーっとしてしまう。集中できない。逆に仕事等に追われて、食事時を逸してしまったときなどは、エネルギーがほとんど底を突いているはずなのに、案外頭が働き、集中力が増すことがある。

卓球で腹ペコの状態でプレーしても、力が入らず、うまくプレーできないが、満腹状態のときもまた、うまくプレーできない気がする。頭が働かないのだ。

石川佳純選手が試合中に最も酷使するのは頭だという。



12:10
「やっぱ頭ですかね、試合で一番疲れるのって。ここ(眉間)が一番痛いです、試合終わったら。試合中ずっと考えてるから。」
「戦術…ですね。どこに攻めようとか、待ってるからもうちょっと…反対側にとか。まぁ、こんな大雑把じゃないですけど。」


もし満腹感が頭の働きを鈍らせるなら、適度な空腹状態というのは卓球の対戦中にも役に立つに違いない。

私にとって自分の脳のパフォーマンスを高めるのに最もいいのは満腹状態を避けることだが、かといって朝食抜きということになると、身体に全く力が入らないことがある。そこで適度な空腹状態を持続させるのがいいのではないかと思っている。どうすればいいか。

私の場合、朝ごはんを腹八分目にすると、11時ごろからだんだん空腹を感じてくる。そして12時頃にはお腹が鳴るほど空腹感を感じる。しかし、その状態での私の精神的なパフォーマンスは決して低くない。むしろ頭が冴えている感じである。また、十分空腹状態を持続したあとで昼ごはんを食べると、当たり前だがおいしい。空腹だからといってドカ食いはしない。少しずつ、控えめに味わって食べる。そうすると、味がよく分かる。その時も腹八分目である。そうすると、16時ごろには空腹を感じ始め、17時頃にはかなり空腹を感じる。しかし、私は間食はしないようにしている。何も口にしないと、つらいので、お茶やコーヒーで空腹を紛らわすようにしている。軽く空腹を感じているときはなんとなく頭がよく回り、体も軽いような感じがするからである。こうして適度な空腹感を一日に何度も繰り返すと、仕事の能率も上がる。

このような体調の変化を経て、私はある意識を獲得した。最近、空腹を少し楽しむことができるようになったのである。この空腹を楽しむという考え方が生活のさまざまな面で私に好循環をもたらしている。お腹いっぱい食べると、しばらく何もしたくなくなるし、太りやすい。余計なことをいろいろ考えてストレスも増える。

そういえば、いろいろな宗教で断食というのが行われるが、あれはどういう理由なのだろうか?
『日本大百科全書』によると、断食の理由について定説はないらしい。いくつかの理由のうちの一つが以下のものである。

断食は修行の一形態として行われる。これは、食を断つことによって人間の欲望を制御し、精神の集中を助けることによって、高い宗教的境地に到達しようとして行われるものである。仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教、中国の道教、日本の修験道(しゆげんどう)など、とくに東洋の宗教に広くみられる。

やはりそうか。空腹には欲望を抑え――雑念を離れ、精神の集中を助ける働きがあるようだ。

水谷選手は今年の全日本卓球選手権に臨むにあたってずいぶん節制を重ねたと聞く。

体重を増やさないように食事をコントロールしています。今まで体が重くて、あと5kgは落としたいです。(中略)脂肪も落ちたし、体も軽いですし、このまま落としていきたい。(『卓球王国』2014年4月号の水谷隼選手のインタビューより)

水谷選手は過去のブログでスナック菓子やソーダ類をガマンしているとも書いていた。ヨーロッパのプロ意識の高い選手はみんなそうしているのだという。水谷選手のパフォーマンスが上がったのは、脂肪が落ちて、体が軽くなったことにもよるのだろうが、水谷選手が間食をガマンし、適度な空腹状態を維持していることも影響しているような気がする。

空腹感が心身に好循環をもたらすということは、分かっているが、空腹がなかなかガマンできないという人もいるだろう。どうすれば空腹に克つことができるのだろうか。私の場合は意識の持ちようで克服できた。今までは、いろいろなおいしい食べ物を食べないとなんだか損なような気がしていたのだが、最近は逆にいろいろなものを食べたほうが損に思えてきたのだ。空腹状態が心身に良い影響を与えると信じているので、無駄に満腹状態にするのがもったいないと思えるようになったのである。スーパーで惣菜が安売りされていても、買わなくなった。新製品のお菓子が発売されてもどうでもいい。これらを食べることによって自分の精神的なパフォーマンスを低下させるし、お金もかかる。空腹状態を十分満喫した後、食事も腹八分目になった。

ついでに物欲も弱くなった。新製品の用具などを欲しがらず、あるもので満足し、悠々自適の状態にあると、卓球のことももっと深く考えられる。

【まとめ】
空腹を感じている時は頭がスッキリして、体が軽い。集中できる。それに対して満腹だと、眠くなるし、頭も働かない。なぜか分からないが、嫌なことばかり考えてしまい、ストレスが溜まる。それでまた食べてしまう…。

減量には意識の持ちようが最も効果的だと思う。大義名分が何もなければ空腹をガマンしようという気さえ起こらない。しかし、空腹は心身のパフォーマンスを高めるのに効果的であり、逆に満腹は意識を濁らせ、体も重くするという大義名分があれば、ある程度の空腹には耐えられるはずだ。手軽に食料が手に入る環境に慣れてしまい、この空腹の妙味をしばらく味わっていない人は、ぜひ味わってみてほしい。自分が少し高尚な人間になったような気がする。


予測以前の問題――前後のフットワークっていつ使うの?

今日は台風で仕事が休み。ホッとして、思わず記事を書いてしまった。

----------------

フットワークの練習で、前後のフットワークが重要だと聞いたことがある。しかし、考えてみると、どんな場面で前後のフットワークを使えばいいかピンと来ない。

練習相手と実戦形式の練習をしていて、相手のレシーブがあまり切れていないから、ちょっとフリックやチキータなどで払ってやろうと思って、そういう練習をしていたのだが、なかなか安定しない。

70-1
坪井勇磨選手のチキータは一発で抜き去るほどの威力があるらしい。

打点や振りぬく方向などに気をつけてやっと安定してきたと思ったら、今度は次が続かない。フリック自体は安定して入るようになったのだが、その後のドライブが安定しない。どうしても振り遅れてしまう。上手な人のプレーを観察してやっと分かった。

フリックやチキータの後は、必ず速いボールが来るので、すぐに一歩下がらなければならない。

気づいてみればアタリマエのことである。中級者がフリックやチキータを打った後に相手がそれをブロックで返球する可能性は低い。ブロックするほどのスピードではないからだ(上級者のボールはこの限りではない)。相手はほどほどのスピードのボールに対してドライブやプッシュ、払いなどで対抗してくる。そうすると、自分はフリック等をするためには前陣に――ときには台に片足をつっこむほど前にいるわけだから、そこでピュッと返球されたボールをドライブしようとしても(私の技術では)間に合うはずがないのだ。予測とか、そんな高度なレベルの話以前に、フリック等の後には、速い、長いボールが返ってくるのは自明のことなのである。

前陣である程度以上のスピードのボールを打った場合は、打球した瞬間に(あるいは打球しながら)一歩下がらなければ次球に間に合わない。そういうことを知らずに高度な技術単体を習得したところで意味がない。

そういう視点で周りを見てみると、いるわいるわ、私と同じように「打ちっぱなし」の人たちが。

・ロングサービスを打ったら、もちろん速いボールが返ってくるはずなのに、打った場所でじっとボールを待っている人。
・前陣でドライブをかけて、その場で返球を待っている人。
・フリックやチキータを打って、じっと待っている人。

どうしてこういう人が初中級者に多いのか。

まず、考えられるのが、安定性に自信がなく、打った後にちゃんと相手コートに入るかどうか確認してしまう癖がある人が多いことである(前記事「心得違い」)。「ちゃんと入るかなぁ…」とボールの行方を見守ってしまうので、すぐに下がれない。

そして雑誌などの技術記事で、打球後のいわばアフターサービスの部分まで解説しているものが少ないことも大きな原因だと思われる。熱心な人なら、雑誌の技術記事等を隅から隅まで読んで、巻き込みサービスなり、チキータなりといった技術単体を高いレベルで習得している人もいるが、それが打球後、どういう結果をもたらすか、どんな文脈の中で使える技術なのかを分かって使っている初中級者はおそらく少数派である。威力のあるドライブをコースの決まった練習の時にはガンガン打てるのに、試合となると豪打が完全に沈黙してしまう初中級者のどんなに多いことか。それはどうすればドライブ強打を打つチャンスを作れるかが分かっていないのだ。

どんな場面で、どうやって使うかこそが初中級者が最も必要としている情報なのではないか(前記事「要素構成主義を超えて」)。

「左右のフットワークだけでなく、前後のフットワークも大切です」

卓球指導書やビデオでよくこういう文句を見かける。
前後のフットワークが大切なことななんとなく分かるが、それをいつ使えばいいのかは分からない。指導書等で技術の使いどころまで教えてくれたら、習得した技術が実戦でも活かせるのにと思う。

 

ゆっくり打てれば一人前?――あるコメントから

前記事「福原愛選手が丁寧選手をやぶった!」で、タバサさんという方から、コメントをいただき、考えさせられる一言があったので、以下に詳細に紹介したい。
 
はじめまして。 
いつも楽しく 
読ませていただいてます(^^) 

拙ブログを読んでくださる方の年齢は、もちろん分からないが、こういうまっとうな挨拶から始まるコメントは、相手の精神年齢の高さをうかがわせる。実際は高校生ぐらいかもしれないが、初めてコメントするときに、こういう始まり方でコメントできる人は、社交性が高く、常識のある人だと考えてまちがいない。

説教くさくなって恐縮だが、子供の読者のために一言、言わせてほしい。
「いつも楽しく読ませていただいています」というのは「あいさつ」である。別に本心から「楽し」んでいるかどうかは関係ない。自分のことをよく知らないだろう相手にコメントする時はこういう社交辞令から始めるのが大人の交際なのである(前記事「スマートフォン事始」)。

かつて外国人の知人にこんなことを言われた。

「日本人は謝りすぎだ!いつも『すみません』と言っているが、あんなに『すみません』を安売りしていたら、誠意を疑う」

しかし、「すみません」というのは必ずしも謝罪ではない。感謝を表している場合のほうが多いと思う。土産をもらったときや、仕事を手伝ってもらった時に「すみません」というのは、もちろん「ありがとう」の意味である。
また、大会の試合開始前に1台を他のグループと交替で使って練習している時、

renshuu

自分たちがミスをして、知らないグループに番を譲る時、「どうぞ」とか「すみません」などと言って台を譲るかもしれない。ミスしたら番を譲るというのは、暗黙の了解であり、「どうぞ」はともかく、「すみません」というのはおかしいじゃないか!という人はいない。「すみません」は「私はあなたたちに悪感情を持っていませんよ」という表明、つまり単なるあいさつなのである。文字通りの「済まない」という意味はない。つまらない、しょーもないブログにコメントするときでも「はじめまして。いつも楽しく読ませてもらっています」と書くものなのである。読む方も「これは社交辞令だな」と分かっているのである。大人は文字通りの意味に拘泥しない。行間までちゃんと読める。

しかし世間のブログのコメント欄を見ていると、なんのあいさつもなしにタメ口で「xxっていいよね」といったコメントをしている子供を散見する。ひどい時には「XとYは、どちらが回転がかかりますか?」などと記事と全く関係ない質問をしてくる子供さえいるが、あれは大人から見ると、気味の悪いコメントなのである。
喩えて言えば、台においてある自分のラケットを隣の知らないオジサンが勝手に手にとって、矯めつ眇めつ吟味しながらベタベタと触り、「これ、なんぼしたん?」「よう切れるんか?」などと聞いてくるようなシチュエーションに似ている。

話が脇道に逸れてしまった。大人には言わずもがなのことを書いてしまい、申し訳ないが、本ブログでも、コメントしてくださる方には、大人のコメントをお願いしたい。

愛ちゃんのドロップショット。 
カッコ良かったですね〜。 
『ソロモン流』で 
あのドロップショットの練習風景が放送されていましたね。 

そうだったのか!youtubeにあったので、早速、「ソロモン流」というのを観てみた。



「ミラクルストップ」とかそんな名前で登場していた。私が試合中で見たのとはちょっと違う技術だったかもしれない。
それよりも、この番組が予想以上にしっかり作ってあって、楽しめた。福原選手の復帰にはそんなドラマがあったんだと感服させられた。わずか25歳でここまで社交性が高く、卓球と人生を深く考えているのはさすが「早熟の天才」である。自分の25歳の頃を思い出すと恥ずかしくなる。

〈卓球のことを一切考えない時について〉
「オフがダラダラ続くってことは、オンもダラダラ続くと思うんです」
「オン・オフはわざと、極端にでもつけるようにしています」

若いころにこの自己管理能力があれば、私の人生ももう少しマシになっていたかもしれない…。

さらに引退や死についてまで語っている。福原選手はきっと充実した人生を送り、従容として死を迎えるんだろうなぁ。

つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを

私の場合は死を前にしてあわてふためき、「えっ?もう終わり?」「こんなはずじゃなかった」などと言いながら、多くの悔いを残して死んでいくに違いない。

練習した技術が試合でしっかりと 
使えるようになる… 
羨ましい限りです(=;ェ;=) 

サーブも新しいものが増えているし、 
緩急、長短、強弱、左右… 
卓球の幅がとても広がっているように見えました。 

練習した技術がなかなか試合で使えない、というのは初中級者の最大の悩みの一つであろう。私の場合なら、何も高度な技術ではなく、どこに来たボールでも、下回転を安定してドライブできるといった程度の技術である。これができないというのは、練習量が足りない(社会人は週2~3時間しか練習できない)か、あるいは練習の方向性や順序が間違っているからなのだろう。なかなか練習の成果が出ないというのは、みんな同じなんだなぁ。

私はまだまだ、試合で勝てる機会は 
少ないのですが、 
かつて先輩に、 
『ゆっくり打てるようになったら 
勝てるようになるよ』 
と言われて、 
??反対じゃないの?? 
と思ったことがありました。 

今では、その意味が、 
なんとなくですが、 
理解できるようになりました(^^) 

ずいぶんいろいろな寄り道をしながらまとまりのないことを書いてきたが、今回の記事で取り上げたかったのは、実はここなのである。つまり、今までの長文は、今回のトピックとは関係ないし、伏線でも何でもなかったのである。冒頭から全部読んでくださった方には申し訳ないが、今回私が書きたかったのは「ゆっくり打てるようになったら勝てるようになる」ということについてなのである。

私もかつてはそうだった。基本練習をしている時、ついつい強めのボールを打ってしまっていた。
というのは、弱く打てなかったのだ。いや、本当に弱く打つことならできた。初心者を相手にするときのような「ピンポン」のようなボールなら打てるのである。力加減で言うと、2~3割の力加減で打つことはできるのだが、5~6割の力で打つことができない。5~6割の力で打つと、ボールが安定せず、落ちてしまう。それでついつい強めのボールを打ってしまう。たとえば8割ぐらいの力でボールを打つと、相手コートにしっかり入るのだが、返球もかなりのスピードになるので、振り遅れないようにもっと強いボールで打つことになってしまう。例えばワンコースでドライブ対ブロックなどをすると、どんどんボールのスピードが上がっていき、3~4往復もしたら、全力でドライブを打っている。もちろん安定などしない。だからラリーが続かず、ちっとも練習にならない。とりわけ下回転を安定してドライブするのは、私の低いレベルでは難しかった。それで目を三角にして全力で擦り上げないとなかなかボールが持ち上がらなかったのだ(前記事「これぞ四つのかなめなりける」)。

しかし、最近は下回転のグリップのコツが分かってきたので、安定して5~6割の力でリラックスしながらドライブが打てるようになってきた。といっても、それをフットワークを使って2点や3点を動きながらの連続ドライブとなると、なかなか安定せず、つい強めのドライブを打ってしまう。思うにフットワークのロスが大きく、ボールに間に合わないから力を抜く余裕がなく、テンパッて強く打ってしまうのではないかと思う。
ボールタッチやインパクトにしてもいろいろ考えられる。前記事「フォア打ちでミスしない方法」でも考察したが、ボールの性質に応じていろいろなタッチやインパクトの強さが考えられるのだが、かつての私はどんなボールに対しても一定の打ち方で打っていたので、安定しなかった。「なんだかボールがうまく引っかからない」とか「ラバーが滑る」とか言って、ガツンとボールを無理やりラバーに押し付け、ドライブしようとしていたから、ボールは一気に最高スピードになってしまい、球が持てず、安定しない。
しかし、ボールの性質に応じて、最適のインパクトとタッチで打てば、5~6割の力でも安定してボールが持ち上げられるし、速いボールもうてるのだ(たぶん)。つまり、「ゆっくり打てれば勝てる」というのは、ボールの性質に応じて臨機応変に打ち方を変えられるということなのだ。

難しいですけど。 

誤解されないように、こういう謙虚な一言を入れるあたり、人間できてるなぁと思わされる。まるで福原選手のようだ。「試合で勝てる機会は少ない」というのは、全国大会レベルの話で、実はものすごく上手な方なのかもしれない。

ブログ更新、 
とーっても楽しみにしてます(*^_^*)  

ありがとうございます。とてもはげみになります。 

また、長々と要領を得ないことを綴ってしまった。これを簡潔にまとめて読みやすくする気力がないので、書き散らしたまま終わりにしたい。
こういうコメントをいただけると、とても嬉しい。タバサさんが尊敬できる人間だということが文面から十分うかがえる。 こういう人なら一度直接お会いして、練習などもしてみたい。これからもよろしくおねがいします。
 

ラバー反発力の上限設定器具の応用

補助剤対策としてラバー反発力の上限設定を設けようという動きがある。
もちろんそれに異存はない。
下のような器具を使って、9ミリの鉄球を51センチの高さから落とし、上の磁石のスイッチを一瞬オフにして、すぐにオンにする。そして磁石に鉄球がくっついてしまったらアウト!ということらしい。

文書名 _Tsuji Y-1c_revised-OK
Tsuji and Kimura 2013 Effects of booster on bounce properties of rubber より

しかし、この器具は他の使い道もあるのではないか。つまり球離れと球持ちを測定する基準にならないかということである。

ラケットやラバーの弾みというのはカタログなどでだいたいの見当がつくのだが、ラケットの硬さとか、球持ちというのは人によって意見が異なる。あるいは人によって「硬さ」の概念が違う場合もある。「カタログに書いてあることなんて嘘っぱちだ」と豪語する人さえいる。よく「インナーフォースZLCは球持ちが良すぎる」とか、「ギャラクシャ・カーボンは球離れが早い」とか、そんなことを耳にするのだが、私にはさっぱりわからない。同じ条件(同じ厚さのラバー)で打ち比べてみればそういうことも感じられるかもしれないが、やったことがないので分からない。さらに「しなり」というよく分からない打球感もある(前記事「WRM高田馬場店への行き方」)。

私は基本的に世の中の情報の9割がたは信用していない(前記事「一定の打点」)。といっても、何も9割の情報が全てウソだといっているわけではない。1から10まで真実と正反対の情報は少ないと思う。しかし、1から10まで完全に真実の情報もまた少ない。つまり全体の9割の情報の中には少なからず誤謬が含まれており、100%信用できる情報は1割ほどではないかということである。言い換えれば、世の中の多くの情報はwikipediaぐらいの信頼性だと思っているわけである。こういう疑ぐり深い私は、「球持ち」や「しなり」といった数値化しにくい情報には特に多くの誤りが含まれていると思っている。それがこの器具を使えば、少なくとも「球離れ」と「球持ち」は数値化できるのではないだろうか。

方法はこうである。
この器具を使って鉄球を落としてみて、それをハイスピードカメラで撮影するわけである。


K0000664331

LUMIX DMC-FZ1000 約80000円強


これは100fpsのスローモーション


EX-FC400SWEというハイスピードカメラでは1/1000秒(1000fps)の高速度撮影が可能だという。

ダウンロード
EX-FC400SWE 4万円ほどで買えるらしい。

私はカメラに詳しくないので、実用的にどうなのか分からないが。


上の動画はEX-ZR100という古い型の機種での1000fpsの映像。画質は良くない。
肝心のバウンドの瞬間が映っていないのが残念だが、ストップウォッチといっしょに映せば「球持ち」の時間が分かる?


そうすると、ラバーに鉄球が接触している時間が1/1000秒単位で分かるかと思われる。上の図の器具は競技用なので厳密な値が出るはずである。
これによって実際に球持ちがいいとか、球離れが早いといったことが数値化できるわけである。さらに可能なら、2つの鉄球を同時に落とせるような仕組みなら、ラケットの比較もできておもしろい。

前記事「スーパースロー映像が卓球を変える?」にも書いたが、今後、文明の利器を上手に使って卓球の「都市伝説」の解明が進めばと願っている。
 

福原愛選手が丁寧選手をやぶった!――卓球アジア大会決勝を観て

アジア競技大会決勝で福原愛選手が丁寧選手をやぶった!

愛感激


私はテレビで観ていたのだが、興奮して観戦しながら声を出してしまった。

20120630_01



日本女子は近年、急激に力をつけ、韓国と肩を並べ、シンガポールをロンドンオリンピックでやぶり、あとは中国を残すのみとなったが、そこからが長かった。シンガポールや韓国とは格が違い、まぐれでも勝てない。東京の世界選手権でもストレート負けだった。しかし他国を全く寄せ付けない中国の一角が今日とうとう崩れた。

これが何か書かずにはいられようか!
そこでアジア大会卓球決勝の私なりの(低いレベルの)感想を書いてみたいと思う。

第一試合 福原愛選手 対 丁寧選手 を観て

福原選手は今年から星野(馬場)美香氏をコーチに招き指導を受けている。星野選手はかつてすばらしい成績を残した選手だが、指導者としては無名なので不安があった。名選手だからといって名コーチになれるとは限らないからだ。しかし、今回の結果を見ると、星野氏の指導力はかなりのものだと言わざるをえない。これまでまったく(?)勝てなかった中国のトップ選手に福原選手は3-1で勝ってしまったのだから。試合内容も、決してまぐれで勝ったという感じではない。実力的に拮抗しているように見えた。

福原選手は変わった。後進の突き上げで、かつてのような特別な存在ではなくなったかに見えたが、この試合を見て、福原選手は依然として、特別な存在だと思わされた。
私の見立てなど、的外れかもしれないが、私なりに気づいた点を挙げてみると、まず、ラリーの安定性が増したように見える。今まではラリーが続くと、福原選手は気ばかり焦ってピッチをどんどん早めていき、結局自滅するという光景を何度も見てきたのだが、今回はラリーに安定感があった。ラリーが長く続いてもボールをちゃんと待って、適切なタイミングで打っているように見えた。それから、新技の習得である。解説者が何度も言及していた、バックハンドでふわっと浮かせるドロップショットは非常にユニークな技だった。国際的なレベルの選手であんなショットを実戦で使えるのは福原選手だけではないだろうか。バチバチ打ち合っている最中に突然あのドロップショットが出たら、相手はつんのめってしまう。最後にコースどりである。丁寧選手がラケットに触れることさえできなかったストレートへの厳しいドライブが何度も決まっていた。
丁寧選手が緊張して本来の持ち味を十分出せなかったというのもあるだろうが、福原選手の強さ、成長ぶりが著しかった。

第二試合 石川佳純選手 対 劉詩文選手
第四試合 石川佳純選手 対 丁寧選手


最近、石川選手は男子選手の練習にも参加させてもらっているという。その成果はラリーで遺憾なく発揮されていた。中国選手のドライブを苦もなく止めてラリーが続いていた。今までだったら、中国選手にしっかり打たれたフォアドライブが受けきれず、打ち抜かれてしまうことが多かった。しかし、今回はそれらの強烈なボールも平然とブロックしていた。ラリーでも打ち負けていなかった。ラリー中に何度も意図的に弱いブロックを混ぜていたように見えたが、あれは緩急をつけるためだろうか。とにかく石川選手も確実に強くなっている。

第三試合 平野美宇選手 対 朱雨玲選手

美宇
初々しく、かわいらしいしぐさとは裏腹にすごいプレーを見せた美宇選手

私は、美宇選手の試合をちゃんと観るのは、もしかしたら初めてかもしれない。
美宇選手のような経験の少ない選手がいきなり中国の準一軍の朱選手なんかに当たったら、ボコボコにされるのではないかという心配は杞憂だった。美宇選手は伸び伸びとすばらしい試合を見せてくれた。チキータとミユータ(もどき?)という次世代選手らしい技も見せてくれたし、鋭いバックハンド強打もすばらしかった。しかし私が驚いたのは、早いピッチのラリーで全く振り遅れていない。むしろラリーでは朱選手を圧倒するほどの安定感だった。これでまだ14歳!後生、畏るべし。
しかし、いつのまにか負けていた。ラリー戦には強いが、レシーブや試合の駆け引きなどはまだまだなのかもしれない。


以上、とりとめのないコメントで申し訳ない。福原選手の勝利に触発されて勢いでつまらない文章を書いてしまった。最近、あまり推敲せず、勢いで書いてしまうことが多くなったので反省している。

日本女子チームの近年の成長には眼を見張るものがある。遥か彼方に先行され、あと、10年ぐらいは全く勝てないと思っていた中国女子チームの背中が手が届くほどの距離に近づいている。このまま成長を続ければ、あと3~4年のうちに中国といい勝負ができるほどになるかもしれない。
日本女子チームの将来が楽しみだ。

 
最新記事
記事検索
プロフィール

シロノ タツミ

カテゴリ別アーカイブ