1週間ぶりに卓球をすると、打ち始めはたいてい勘が狂っている。それがしばらく打って元に戻ればいいのだが、時には振り方や動き方の感覚がすっかり失われてしまい、ずっと元に戻らないこともある。さらに仕事や家庭の事情で2週間、3週間と練習を休んでしまったりしたら、途中まで築いた技術の習得を初めからやり直さなければならなくなる。こんな効率の悪い練習はない。
前記事「卓球マシンがほしい」というのは、マシンでの練習によって、1週間前の感覚を確実に戻したいという願望からだった。週に1~2回しか卓球をする機会のない社会人は前回の練習で一歩前進したと思ったら、今回の練習で一歩後退しており、練習も終わりにさしかかって、ようやく前回の勘を取り戻し、プラスマイナスゼロということも少なくない。ひどいときには一歩前進した次の練習で二歩後退するということもありうるのだ。これではいつまでたっても上達しない。
こういうことを考えるにつけても、もし自分の体に「レジューム機能」があったらなぁと思う。前回の練習で到達した地点から、正確に再開できるとしたら、卓球の上達はおそろしく早まるのではないだろうか。毎日練習できない社会人の練習というのは同じ所を行きつ戻りつしてノロノロと進んでいるようなものだ。限られた練習時間を有効につかえるかどうかは前回の感覚を早く取り戻すことが前提になると思われる。前ばかりでなく、足元もよく見た方がいい。
卓球マシンでの練習は、回転もコースも一定のボールを連続して打つことができるので、前回の練習での感覚を取り戻すのに非常に役に立つと思われる。レベルの高い上級者なら、機械での型にはまった練習はあまり役に立たないかもしれないが、まだ基本的な打ち方がしっかり身についていない初中級者にとってマシンでの練習は感覚の回復と基本の習得に有益だと思うのである。もしこの仮説が正しいとしたら、卓球マシンに10万ほどの投資をするのは決して高い買い物ではないだろう。
しかし、金もなく、身近にマシンのある練習場がない私にはその方法は採れない。そこで卓球ノートである。前回の練習の時の感覚を忘れないようにするためには動き方、打ち方のチェックポイントを細かくメモしておく卓球ノートが大切だということに今更ながら気づいた。全国大会を目指す子供たちがよく「卓球ノート」というのをつけているが、いい年をした下手なオジサンが卓球ノートをつけるというのは少し恥ずかしくもある。しかし、そんなことを言っているから万年中級者なのだと思う。卓球ノートをマメにつければ、週1~2回の練習が非常に内容の濃いものになり、それなりに上達するのではないだろうか。
卓球ノートは自分でつけるだけでなく、人のノートを見るのも参考になりそうだ。ネットで卓球ノートが公開されていないかと探してみたところ、以下のブログが見つかった。
「卓球ノート」
その日にやった練習メニューと反省点や感想、試合結果や対戦相手の特徴などが図入りで書いてあって興味深い。
ミート打ち
・球の頂点を打つ
・ラケットは高いところにセット
・体重移動をしっかりする
このうち1つでも欠けていたらミート打ちは入らない
フォア強打はふみこんで打つ
乗っけ打ち
・ラケット面は少し上に向けて台の高さから打つ
なるほど。ミート打ちは3つの項目が揃ってはじめて入るらしい。しかし「乗っけ打ち」の「台の高さから打つ」というのはどういうことだろうか?少し下がって打点を落として打つということだろうか?
ともあれ、こういう人の躓いたポイントや、その問題の解決法などを読むのは非常に勉強になる。
自分の問題点を言葉にして表現すると、問題点が明確になり、記憶に残りやすい。しかしむやみに細かくメモするだけでは情報が多すぎて混乱してしまうので、それらの情報を取捨選択しなければならない。ある程度の期間を区切って、現時点でのまとめというのを定期的にするといいだろう。たとえば
フォアハンドのチェックポイント
・スイングのスタート位置
・インパクト時のラケットと体の距離
・インパクトのどのぐらい前で力を入れるか
・インパクト時の重心の位置
・ブレードのどの辺でボールをとらえるか
このようなチェックポイントを常に頭に入れておけば、1週間ぶりに練習をするときもすぐに前回の感覚が取り戻しやすいのではないかと思う。
回り込んでバックスイングを取ったら、重心を乗せた右足をけって左足を大きく前に踏み込みながら、フォアハンドドライブを打ちます。コースは安定性の高いクロスを狙います。
このときに、右足から左足への重心移動に加えて、右にひねった上体を左に戻す回転運動、さらに思い切った腕の振りの力を加えることで、非常に強力なフォアハンドドライブを打つことができます。
そして上のように自分のフォアハンドを簡潔に人に説明できるようになれば、次のステップに容易に進めると思われる。
【まとめ】
前進するためには、まず自分の位置――前回までの到達点を確認しなければならない。自分の現在のスタート位置がどこかを知るためにマメに卓球ノートをつけ、それを定期的にまとめるというのが練習時間を効率的につかう知恵だと思う。
前記事「卓球マシンがほしい」というのは、マシンでの練習によって、1週間前の感覚を確実に戻したいという願望からだった。週に1~2回しか卓球をする機会のない社会人は前回の練習で一歩前進したと思ったら、今回の練習で一歩後退しており、練習も終わりにさしかかって、ようやく前回の勘を取り戻し、プラスマイナスゼロということも少なくない。ひどいときには一歩前進した次の練習で二歩後退するということもありうるのだ。これではいつまでたっても上達しない。
こういうことを考えるにつけても、もし自分の体に「レジューム機能」があったらなぁと思う。前回の練習で到達した地点から、正確に再開できるとしたら、卓球の上達はおそろしく早まるのではないだろうか。毎日練習できない社会人の練習というのは同じ所を行きつ戻りつしてノロノロと進んでいるようなものだ。限られた練習時間を有効につかえるかどうかは前回の感覚を早く取り戻すことが前提になると思われる。前ばかりでなく、足元もよく見た方がいい。
卓球マシンでの練習は、回転もコースも一定のボールを連続して打つことができるので、前回の練習での感覚を取り戻すのに非常に役に立つと思われる。レベルの高い上級者なら、機械での型にはまった練習はあまり役に立たないかもしれないが、まだ基本的な打ち方がしっかり身についていない初中級者にとってマシンでの練習は感覚の回復と基本の習得に有益だと思うのである。もしこの仮説が正しいとしたら、卓球マシンに10万ほどの投資をするのは決して高い買い物ではないだろう。
しかし、金もなく、身近にマシンのある練習場がない私にはその方法は採れない。そこで卓球ノートである。前回の練習の時の感覚を忘れないようにするためには動き方、打ち方のチェックポイントを細かくメモしておく卓球ノートが大切だということに今更ながら気づいた。全国大会を目指す子供たちがよく「卓球ノート」というのをつけているが、いい年をした下手なオジサンが卓球ノートをつけるというのは少し恥ずかしくもある。しかし、そんなことを言っているから万年中級者なのだと思う。卓球ノートをマメにつければ、週1~2回の練習が非常に内容の濃いものになり、それなりに上達するのではないだろうか。
卓球ノートは自分でつけるだけでなく、人のノートを見るのも参考になりそうだ。ネットで卓球ノートが公開されていないかと探してみたところ、以下のブログが見つかった。
「卓球ノート」
その日にやった練習メニューと反省点や感想、試合結果や対戦相手の特徴などが図入りで書いてあって興味深い。
ミート打ち
・球の頂点を打つ
・ラケットは高いところにセット
・体重移動をしっかりする
このうち1つでも欠けていたらミート打ちは入らない
フォア強打はふみこんで打つ
乗っけ打ち
・ラケット面は少し上に向けて台の高さから打つ
3/31より
なるほど。ミート打ちは3つの項目が揃ってはじめて入るらしい。しかし「乗っけ打ち」の「台の高さから打つ」というのはどういうことだろうか?少し下がって打点を落として打つということだろうか?
ともあれ、こういう人の躓いたポイントや、その問題の解決法などを読むのは非常に勉強になる。
自分の問題点を言葉にして表現すると、問題点が明確になり、記憶に残りやすい。しかしむやみに細かくメモするだけでは情報が多すぎて混乱してしまうので、それらの情報を取捨選択しなければならない。ある程度の期間を区切って、現時点でのまとめというのを定期的にするといいだろう。たとえば
フォアハンドのチェックポイント
・スイングのスタート位置
・インパクト時のラケットと体の距離
・インパクトのどのぐらい前で力を入れるか
・インパクト時の重心の位置
・ブレードのどの辺でボールをとらえるか
このようなチェックポイントを常に頭に入れておけば、1週間ぶりに練習をするときもすぐに前回の感覚が取り戻しやすいのではないかと思う。
回り込んでバックスイングを取ったら、重心を乗せた右足をけって左足を大きく前に踏み込みながら、フォアハンドドライブを打ちます。コースは安定性の高いクロスを狙います。
このときに、右足から左足への重心移動に加えて、右にひねった上体を左に戻す回転運動、さらに思い切った腕の振りの力を加えることで、非常に強力なフォアハンドドライブを打つことができます。
「酒井明日翔の速攻」『卓球レポート』2014-6
そして上のように自分のフォアハンドを簡潔に人に説明できるようになれば、次のステップに容易に進めると思われる。
【まとめ】
前進するためには、まず自分の位置――前回までの到達点を確認しなければならない。自分の現在のスタート位置がどこかを知るためにマメに卓球ノートをつけ、それを定期的にまとめるというのが練習時間を効率的につかう知恵だと思う。