しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2014年02月

今年度の全日本卓球選手権の動画はyoutube等で無料で観られなくて残念である。

卓球王国やバタフライで有料で観ることができるのだが、1試合につき525円(卓球王国)、 あるいは1050円(バタフライ。1年間の期限付き)もする。卓球王国の方はどうしても観たければ買うかもしれないが、バタフライの方は私には高すぎて手が出ない。どちらの動画もダウンロード不可である。

両者ともに従来の上から見たカメラアングルではなく、後方から見たカメラアングルで撮影されているようだ。しかもサンプル動画を見ると、固定カメラではなく、微妙にカメラを動かして撮っている。これでどの程度臨場感が増すのか。youtubeで同じ試合を違うアングルから撮ったものを見つけたので紹介したい。

後方・上からのアングル



後方・左からのアングル

Table Tennis WJTTC Rabat 2013 - Kong Lingxuan Vs Mutti - (Coach Camera)

Ittvなどで一般的な上からのアングルと比べると、後方からのアングルはかなりスピード感が伝わってくる。
下の動画は真後ろからとったものだが、スピード感がさらに増している。

真後ろからのアングル

Table Tennis Czech Youth Open 2014 JUNIOR FINAL - Diogo Chen Vs Yuto Kizukuri - (Coach Camera)

kizukuri


木造勇人選手のボールの速いこと。これが中学生の打つボールだろうか。上2つの動画のKONG Lingxuan(孔令軒。孔令輝の縁者だろうか?)選手のボールよりも速く感じる。カウンターの迫力などは言葉には言い尽くせないほどだ。

この真後ろのアングルで動画を観たら、満足度10割増である(ときどき身体でボールが見えない憾みがあるが)。卓球王国の伊藤条太氏が現在一般的な上からのアングルは迫力がないと書いていたのを読んだことがあるが、伊藤氏が希望していたのはこの真後ろアングルなのかもしれない。世界卓球2014のテレビ放送でもこの真後ろアングルをとりいれてほしいものである。

先日、久しぶりに上手な人と試合形式で練習したのだが、練習の成果が全く出ない。ドライブも押さないで打てるようフォームを改善しているはずだし、フットワークの練習も多少はやっている。おかげで練習ではドライブやブロックがかなり安定してきた。が、試合ではまったく思ったように打てない。以前は負けたことのなかった相手にも負けてしまった。技術的には向上しているはずなのになぜ?

たしかに技術的には以前より向上しているはずである。しかしそれが試合で活かせない。これはずいぶん前から気になっていたことだ。「技術」と「試合」との間には、それをつなぐ何かがある。それが決定的に欠けているから私は試合で勝てないのだろう。それは一体何なのか?

『卓球王国』2014年4月号の「新・戦術ノート」23でタイミングの重要性についての記述をみつけ、「これだ!」と思った。

タイミングが取れない選手の多くは、ボールを「追いかけて打つ」のがクセになっている。相手の打球が発射されてからタイミングを計りにいくと、ほとんどの場合、ベストな打球タイミングを逃すことになる。逆に言えば、タイミングを合わせるのが上手い選手は、相手が打球する前に、すでにタイミングを合わせ始めている。

ふだん私がやっている練習は主にフォームや安定性の向上を目的としたワンコースの単調な練習が多いので、ボールがどこに来るかを考えずに済む。その結果、フォームの調整や腰の使い方などに専念して打球できる。しかし、こと試合となると、どこにボールが来るか分からない。フォームを点検しながら打球すると、どうしても1テンポ反応が遅れてしまい、「追いかけて打つ」ことになってしまう。したがって余裕を持って練習通りの打ち方ができないということになる。私に決定的に欠けていたのはこれだったのだろう。さらに私が技術的には向上しているのに試合では弱くなっているという事実から考えると、どうやら卓球では合理的なフォームや身体の使い方よりも、タイミングのほうが優先されるということになる。もしかしたら、試合ではタイミングこそが他の全てに優先される要素なのかもしれない。

先日の練習ではダブルスの練習もした。
それまで私はダブルスがあまり好きではなかった。二人で台をめぐって打球するのは窮屈だし、ミスをすると相手に迷惑をかける。シングルほどラリーが続かないのももの足りない。ラリー中はパートナーがどこに打つか分からず、自分が打つ番になると、ボールがいきなり飛んでくるような錯覚に陥る。パートナーがうっかりボールを浮かせてしまい、相手が打った強打を、心の準備もなしに、唐突に受けさせられるハメになったりするのだ。

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本日2/23は石川佳純選手の誕生日らしい。

しかし、ダブルスをやっていると、とっさのボールに早めに対処しなければならないことから、ボールの流れを読んで、次に来るボールを予測しようというクセがつくような気がする。私の実力では、シングルの場合はボールを打つことだけで精一杯で、次のボールを予測する心の余裕がない。忘我の境地である。しかし、ダブルスの場合、自分の打つ番が1回おきなので、次に来るボールを予測し、タイミングを早めに合わせる余裕が生まれる。もしかしたら、ダブルスは予測の訓練になるのかもしれない。そんな経緯で、私はダブルスが好きになった。ダブルスで次のボールを予測して、早めにタイミングを合わせられるようなクセがつけば、私の行き当たりばったりの不安定卓球も少しは形になるかもしれない。

人の批判というのは諸刃の剣である。

私の学生時代の先生は人に論争をふっかけてばかりいて学界で疎んじられていた人だった。私はナイーブにも「先生はどうしてそんなに批判がお好きなんですか?」と尋ねてみたことがある。するとこんな答えが返ってきた。

日本では間違ったことをきちんと批判せず、『考え方の違い』で済ませてしまう傾向がある。しかし、学問というのは食べ物や異性の好みとは違う。間違っていることは間違っている。そういうことを指摘しないから学問が健全に発展しないのだ。誰も好き好んで批判などしない。批判というのは細心の注意を払わなければ、批判したこちら側が大ケガをする。一手もミスできない。しかし学問を歪めないためにあえて私は批判しているのだ。

今ではこんな先生は珍しいだろう。昔気質の先生であった。

ネットなどで「☓☓のラケットはクソだ!」などと根拠も示さず一方的に不満をぶちまけているのを目にすると、嫌な気分になる。製作者に対する敬意を欠いた発言は、主張の信憑性を失わせるのみならず、発言者の品位の欠如だけが目につく結果となる。批判をするなら評価できる部分はきちんと評価した上で、根拠を示しつつ批判すべきである。

前置きが長かったが、WRMの指導動画「はらたか ワンポイントレッスン フットワーク編」(3000円)を購入したので、その感想などを書いてみようと思うのだが、結論から言うと、このDVDはあまりおすすめできない。この一言に尽きるのだが、卓球指導動画というジャンルの健全な発展のために「大ケガ」の危険も顧みず、あえて詳細に批判してみようと思う。

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本編は50分強で、構成は次のようになっている。

A 身体と足の使い方についての解説(15分ほど)
B 多球練習による実演(残り35分ほど)

Aの解説は明解で、理に適っている。しかし問題はそれがBの実演に結びついていないことである。

Aにおける原田隆雅氏のフットワークに対する考え方を一言で言うと、人間の自然な動きの重視である。
それは、ムダな動きを極力省き、前の動作の反動を利用して次の動作につなげるということである。一般的な動き方はフォア側→バック側へ移動する時に、フォア側からバック側への移動動作の連続が途切れており、2つの別の動きとなっている。しかし原田氏はフォアの一連のアクションの最後を次のアクションの始動とするので、動きが止まらない。流れるように次の動きにつなげることができる。
フットワークについてもう少し言うと、跳ねるのではなく、身体をずらして移動する。あるいはまず体勢を歪めて(股関節を入れる等)、それを立て直す力を利用して移動するというものである。
これらの解説はどれもすばらしく説得力があり、いちいち納得させられる。モデルとしてぐっちぃ氏が登場し、ぐっちぃ氏のぴょんぴょん跳ねるフットワークを矯正しつつAが終わる。

次に

まずは☓☓の切り替えをやってみたいと思います。このときにラケットの先端を早く切り替える意識と、振り遅れないようにラケットを身体から離して…に意識しましょう。

といってBが始まる。フットワークについての説明ではなく、ラケットの扱い方やスイングの簡単な説明のみで唐突に多球練習の実演動画が始まる。まずぐっちぃ氏の実演、次に原田氏の実演。申し訳程度にフットワークが映るアングルからのリプレイも入る。が、これがAの解説のどこに対応するのか分からない。ぐっちぃ氏の実演が悪い例なのか良い例なのかも分からない。原田氏の指導を忠実に守っているようには見えないので、いい例とも言いがたいが、悪い例とも言い切れない。

バック→ミドル→バック→フォアの切り替え
フォア→ミドル→フォア→バックの切り替え
(ミドルをフォアかバックで打つため、フットワークを使うことになる)
フォア→バック→回り込み

とほとんど説明がないまま延々と多球練習の実演が続く。何を示すための実演なのか分からない。

次に前後のフットワーク(低い姿勢を維持しながら)の実演が始まるが、この前後のフットワークはAの解説にはなかった動きである。いわば、授業で習っていないことが期末試験に出題されたような形だ。
このような多球練習の動画がさらに続いた後で最終章「現代卓球に必要な動き」として

フォアワンコース連打(股関節を使った早い戻り)
全面バックハンドフリック(レシーブのコツ?)

と続くが、これはもはやフットワークの指導動画ではないと感じられた。

前回観た動画「礼武研究所 フォアハンド編」が価格以上の価値があっただけに、今回の動画にはがっかりさせられた。重心という目に見えない要素を扱うため、フットワークを解説するのは他の技術に比べて難しいことだろう。しかし、この動画の完成度の低さを考えると、製品として市場に出すレベルには達していないと言わざるをえない。初めの15分余りの部分だけを1000円で売るというのなら分かるが、大半が意味の分からない退屈な映像の羅列で3000円は納得がいかない。

WRMは今までにない形で卓球界を盛り上げている注目すべきメーカーである。しかしこのDVDは拙速の感が否めない。冒頭15分は素晴らしかったのである。どうして後半をもう少し時間をかけて仕上げなかったのだろうか。WRMの企業イメージを損ねないためにも、卓球動画というジャンルの健全な発展のためにももう少し手間をかけて指導動画を作ってほしいものである。

 

部活をやっていた頃は、毎日うんざりするほど卓球ができたけれど、不思議と楽しかった記憶がない。中1の頃と中3の頃を比べると、あまり進歩がなかったのだ。週6日、毎日2時間ほどの練習を繰り返したにもかかわらず、私の卓球は中1の頃から進歩がなかった。「下手な考え休むに似たり」という諺があるが、「下手な練習、休むに似たり」だったというわけだ。

どんな練習をしていたかというと、

フォア打ち10~20分
バック対バック10~20分
フォアドライブ対ブロック10~20分
ツッツキ5分
オール形式の練習60分~

という練習を、どんぐりの背比べ的な練習相手と、到達目標などもなく、何も考えずにやっていた。これでは何年経っても進歩しないのも無理はない。

私はこの中学時代の部活と同じ轍を踏みたくないと思っている。練習時間が限られている社会人なので中学時代と同じような意識・内容で練習していたら、進歩がないどころか、逆に下手になるかもしれない。質の高い練習をして時間を有意義に使いたいのだ。

そこで卓球のDVDを買ってみることにした。卓球の指導DVDを観れば、自分の課題を発見できたり、効率のいい練習メニューが紹介されていたりするのではないかと思ったのだ。

卓球のDVDは1時間ほどで3000~5000円ぐらいのものが一般的だろうか。こういうものを毎月1枚買うぐらいなら、私の小遣いでも可能かもしれない。しかしプラスチックの円盤に5千円も払うぐらいなら、ラバーを1枚買ったり、中古のラケットを買ったりしたほうがお得な気がしないでもない。用具は手元に残る、使えるし、眺めたり触ったりできる。それに対してDVDは観たら終わりである。今はインターネットで無料で指導動画なども観られるし、そのDVDの内容が5000円に値するかどうかも分からない。友人がDVDを買って、タダで私に貸してくれるかもしれない…そんな打算があって卓球DVDを買うのを躊躇していた。

しかし、ラバーやラケットをいろいろ買うのは果たして私にとってお得なのだろうか?私にはいろいろな用具を買って試してみるほどの練習時間はない。そうすると練習で2~3回ほど試して気に入らず、お蔵入りしてしまう用具がどんどん増えていく。用具にかかる費用は月あたり5000円では済まないかもしれない。用具はカタログを見ながらあれこれ考えている時が一番楽しくて、実際に手にしてみたら、案外すぐに飽きてしまう。そしてまた新しい用具に目が向いてしまう。なんだか卓球メーカーやショップに搾取されているような気がする。

そこで用具は替えない、DVDや講習会などに金をつかう、こちらのほうが経済的であり、今の私にとって卓球を楽しむ最も賢い選択だと思われる。といっても用具が好きで好きでたまらない人を否定するつもりはない。あくまでも私にとっての最善の選択であるにすぎない(前記事「ラケットの品質」コメント欄参照)。

卓球王国、WRM、バタフライ、ジャスポなどから卓球の指導DVDがいろいろ出ているが、今回はWRMのDVD「礼武研究所」というシリーズを購入してみた。同社のDVDには「はらたか」シリーズや、「WRM卓球塾」シリーズなどがあるが、どういう棲み分けなのかよく分からない。なお、「WRM卓球塾」に関しては、以前4巻「戦術編」を観たことがある(前記事「「戦術」の意味」)。

「礼武研究所 フォアハンド編」は個人レッスンを1回受けたような感じのビデオである。決して内容が豊富なわけではない。いくつかのポイントに絞って簡単に解説し、残りの半分は悪い癖のついた中級者に実際にフォア打ちをさせてそれを治していくという形式である。

主なポイントは以下のとおり

・打球ポイント
・スイングの軌道および面の開き方
・上半身と腰の動かし方
・スタンスおよび身体の向き
・膝の使い方および重心移動

登場する中級者のモデルは、失礼ながらあまり上手ではない。たぶん私とさほど変わらない実力だと思う。フォームをみると、みるからに安定性が低そうである。打点が遅く、脇を過度に締めて、ラケットヘッドを下に向けて、小さく縮こまったフォームである。講師の原田隆雅氏はまず、面を開き、三角形スイングを止めるよう指導する。次に身体の向き、スタンスを修正する。さらに重心移動、膝の使い方と続く。
これらの指導項目は目新しいものは少なかった。大半は下の動画等で知っていることばかりだった(前記事「重心移動を回転運動に」)。



しかし、知っていることと理解していることは違う。私は知ってはいたが、理解してはいなかったということを思い知らされた。非合理的な打ち方とは実際にはどんなものなのか。指導を受けてもどうしても抜けない悪い癖というのはどういうものなのか。そういうことがこのビデオを観てよくわかった。前半の解説の部分よりも、後半の「悪い例」こそがこのビデオの醍醐味だと思われる(しかし、ここが冗長だと感じる人もいるだろう)。「役に立つ」知識とか、「正解」とかを求めてこのビデオを購入しても満足度は低いだろう。「新情報」はそれほど多くないからだ。そうではなく、理想的なスイングを習得する上でどんな難点があるか、スイング矯正のネックになるのはどこか、などを知りたい人――指導者が示してくれる「正解」を実際に活かしたい人に有益なビデオだと思われる。これが3000円だったら高いと思うが、2000円だったので、私は満足した。

大学の授業は大きく分けると講義科目と演習科目がある(他にも外国語や体育、購読といった形式の授業もあるが)。講義科目というのはたくさんの知識を授ける、教員から学生への一方通行的な――高校までに慣れ親しんできた形式の授業である。そして演習科目というのはゼミとも呼ばれているが、実際に学生が自分で考察したことを発表し、それに対して教員が批判やアドバイスなどをする形式の授業である。人が考えた借り物の知識をたくさん持っていて、テストで高得点がとれるよりも、拙いながら、実際に自分で考えたり演じたりしてみるほうが私はおもしろいと感じる。

海の彼方にはもう探さない 輝くものはいつもここに
わたしの中に見つけられたから



映画のほうはそれほどおもしろいとは感じないが、この歌を聞くと日本語が分かることに感謝したくなる。

この「礼武研究所」は単に知るためではなく、自ら理解するため――すでに与えられた「正解」を実際に自分に適用してみるときの注意点にフォーカスを当てた演習形式のビデオだと感じた。
 

谷本道哉 編著『スポーツ科学の教科書』(岩波ジュニア新書)がおもしろかったので、紹介したい。

全体の構成は以下のとおり
1.運動生理学
2.機能解剖学
3.スポーツバイオメカニクス
4.トレーニング科学
5.スポーツ栄養学
6.運動と健康の科学

各章はそれぞれ読み切りの形で4~10程度の節 で構成されている。私が関心を持ったのは第3章「スポーツバイオメカニクス」である。わかりやすい例を用いて素朴な疑問を平易に解説している。以下、各節に対して簡単にコメントしたい。

3.4 ボールは脚で投げるってホント?
3.5 手足をムチのようにしならせるってどういうこと?


野球の投球動作では腕で発生する力よりも、脚や腰などから発生する力のほうが大きいという。そこには身体の使い方の原則が働いている。すなわち手や足を使うスポーツでは、力は身体の幹から先端に(近位から遠位に)順次働いていくという原則である。手足をムチのようにしならせるというのは、感覚的には分かるが、そのメカニズムを言葉で説明するのは難しい。それが簡潔に説明されている。

3.6 投球動作では「腕は振らずに内側にひねる」ってホント?

ピッチャーの投球動作では腕を振る動作が目につくが、実際にボールにスピードを与えているのは内旋という運動だという。なお、内野手は腕の振りで素早く送球することもあるという。

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卓球でも内旋の重要性をよく聞くが、どうしてひねる動作が力を与えるのだろう?

3.8 走り幅跳びの空中で手足をくるくる回すのはなぜ?

諸手を挙げて、バンザイをすると、腕以外の部分には下に向かう力が発生する。これが反作用である。よく卓球でもテンポよくハーフボレーをするときにラケットを前に押し出すと同時に上体を後ろに下げているが、この反作用を利用することによって身体の一部を素早く動かすことができるのだという。とすると、ループドライブを打つと同時にしゃがみ込めば、スイングがより速くなるということになる。

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そういえば、プロの選手がこのようにかなり低い体勢でドライブを打っているのを見かける。

3.10 テコの原理ってスポーツにも使える?
手足が長い選手のストロークと短い選手のそれはどちらが速いか。最終的な速度は長い選手のほうが速いが、起動するのに時間がかかるため、すばやいピッチで連打するのは短い選手のほうが有利だという。

他の章にも有益な情報が数多く散りばめられている。たいていの図書館で見られるので、身体の合理的な使い方に関心のある人には一読を勧めたい。


 

「卓球は正しい面の角度さえ出ていれば、どんな打ち方でも入るものである」

どこかでこんな言葉を聞いたことがある。この言葉は何がいいたいのだろうか。私は初めこれを聞いたとき、「フォームや打ち方にはこだわるな」という意味だと理解した。しかしこの言葉を発した人はそういう意味で使ったわけではないのかもしれない。

先日の練習で、下回転をフォアドライブする練習をしていたのだが、指導者のアドバイスを受けてフォームを変えて打ってみたら、びっくりするぐらい安定して入るようになった。打っていて、ミスする気がしない。9割ほどの確率で入る。入るだけではない。ほとんど力を入れる必要がなく、楽々とボールが持ち上がり、速いボールが打てるのだ。この経験から今までの私のフォームは根本的に間違っていたと気づかされた。

卓球というものは間違った打ち方(スイングやブレードの角度)をしていても、入ってしまう時がある。というか、間違った打ち方でも結構入ってしまうものだ。ただ、間違った打ち方をすると、タイミングがシビアになって安定しなかったり、力のロスが多く、ムダに力を入れなければならなかったり、身体の軸が大きくぶれてしまったりする。しかし入ることは入ってしまう。そこがおそろしい。なぜなら自分の打ち方が間違っているなどとは夢にも思わないので、下手をすると何十年もその間違った打ち方のまま来てしまうおそれがあるからだ。

「正しい打ち方」とか「間違った打ち方」というのは、誤解を招くので、「合理的な打ち方」と「非合理的な打ち方」と言い換えよう。「入る打ち方」はいくつもある。しかし、その中で最も合理的な打ち方は限られており、それ以外は少なからず非合理な点を内包しているというのが実際のところではないだろうか。「打ち方」といってもスイングだけではなく、身体の向きやスタンス(以前、私は左足を前に置きすぎていた)、目線・腰の高さなどを含んだ総合的な「打ち方」である。その最も合理的な打ち方をすれば、ムダに力を入れず、素早く安定してボールが打てる。上級者のプレーを見てみるといい、凡ミスをほとんどしないし、涼しい顔をしてとんでもないボールを打っているではないか。冒頭の「どんな打ち方でも入ってしまう」というのは、「打ち方なんてどうでもいい」という意味ではなく、「入ったからといって、合理的な打ち方とはかぎらない。自分が非合理的な打ち方をしていないかどうかよく反省しろ」という戒めの言葉だったのかもしれない。

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指導者もおらず、我流でガムシャラに練習するような人は、非合理的な打ち方に気づかず、「うまくならないのは練習が足りないせいだ」などと思いがちだ。

【補足】140216
下回転を軽々とドライブで持ち上げるために、どのようなアドバイスを受けたのか教えてほしいというメッセージをいただいたので、簡単に説明したい。ただし言葉での説明には限界があるし、私は指導者でもない。また実際にプレーを見たわけではないので、個別のケースを質問されてもこれ以上は答えられない。

私が指導者に教わったのは、下の2つの記事にあることに重なる。さらにそこになかった説明は「その他」である。途中までは私の思っていた通りだった。

私の理解で簡単に説明すると、
・フォア面を下にしてバックスイング
・ストローク時には面を軽く開く(外側に向ける)
・脇を締めて打つ

・フォア面を下にしてバックスイング
・ストローク時には面を開く(外側に向ける)
・ストロークはバックスイングを高くして、凹面をつくるように下→上という軌道を描く
・「8の字打法」に近いと思われる。

「その他」
・下を向けたフォア面を起こしながらドライブ。前記事「リトラクタブル・ライトのイメージでドライブを打つ
・インパクトは、こすらず、当てず、スポンジに食い込ませるが、板には当てない感じ。
・デッパリスイング。前記事「スイングの弧線
・ストロークは中途半端にせず、思い切りまっすぐ振り切る
・「内旋」を使う。

吉村真晴選手が話題に上らなくなって久しい。

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全日本選手権で優勝した後はしばらく吉村選手の技術が注目されていたが、丹羽孝希選手に王座を譲ってからは華々しい戦績も残せず、雌伏の期間を過ごしているかのようであった。吉村選手の時代は終わってしまったのだろうか。そんな吉村選手についての言及が水谷隼選手のブログにあった。

明治までは片道約40分。渋滞とかもあって全部で2時間ちょっと車で会話したと思う。 そのうちの1時間半は吉田さんがずっと喋っていた。
「俺、吉村と当たるんだよ。あいつのサーブは...........」
俺はずっと相槌を打っていただけだがまるで自分に言い聞かせるように永遠と
「吉村のサーブ。吉村のバックドライブ。吉村の...」
そして明治では吉村に似たプレースタイルの有延と練習そして試合をしていた。

今年度の全日本選手権で3位に入った吉田海偉選手にここまで意識させるというのは、吉村選手の潜在能力はまだまだ高いと思われる。
前記事「弾まないラケット」の追記欄に記したが、私は吉村選手の人間性に期待している。このまま平凡な選手に成り下がってほしくないと思っている。
そんな吉村選手がドイツのブンデスリーガで活躍している動画を発見したので紹介したい。



ドイツで吉村真晴選手は健在だった。上の動画のすさまじいドライブはどうだ。吉村選手は地味だが確実に進化していた。長い手足を使った威力のある両ハンドドライブは日本選手の中で飛び抜けているように思う。体格的に優れるヨーロッパ選手に比べても球威が劣るとは思えない。実際に生で見たら、どれほどの迫力だろうか。 


一方、こちらの動画では吉村選手は途中で集中力を切らしてしまったように見える。まだ精神的にわだかまりのようなものがあるのだろうか。能力的には決して引けをとっているとは思えないのだが。

ともあれ、吉村選手には、これからドイツできちっと結果を残し、一回り大きくなって帰ってきてほしいものである。

なお、丹羽選手も大活躍中とのこと。

 

最近、身体の使い方をいろいろ模索するあまり、何が正しいのかよくわからなくなってしまった。
そこで基本中の基本、フォア打ちから見なおしてみようと思い立った。
ぐっちぃ氏のフォア打ちの動画があったので、それを参考にしてみた。



ぐっちぃ氏は指導経験も豊富で、実力もあるので、彼の言うことは信用できる。といっても盲目的に従うべきではないと思う。いくら経験豊富な人でも、気づかないことや間違っていることが少なからずあるからだ。

以前、英語の先生(日本語の上手な英語のネイティブスピーカー)にこんな質問をしたことがある。

「母音で始まる単語の前の"the"の発音はザではなく、ズィに変わりますよね?たとえば"earth"とか。」
「そんなバカな。どんな単語でも、"the"は"the"ですよ。The earth is round...あれ?」

ネイティブはこの発音の変化を意識していなかったのだ。空気のような存在の母語であるからこそ気づかないということもある(「母音の前のTheって」)。日本人だって「心配」と「反対」の「ん」の音が変わっていることに気づかないのが普通だ。フォア打ちも同様に卓球人にとっては空気のような存在だから、ぐっちぃ氏といえども見落としや意識していないことがあるのではないだろうか。

以下、動画中のぐっちぃ氏の発言を検証したい。

「強い選手ほどフォア打ちが上手い、フォア打ちが上手い選手ほど強い選手という傾向があります」

なるほど。やはりフォア打ちはフォア打法の基本だということか。言い換えれば全てのフォア打法に通じるということかもしれない。そうだとしたら、「通じている」のは何かが問題になってくる。

「ラケットの面は垂直にするか、気持ちかぶせ気味にする」「気持ちかぶせる程度で押し出す」

このコメントの「垂直」はボールに対して垂直か、台に対して垂直か分からない。かなり傾けているように見えるので、ボールに対してということかもしれない。そしてこするのではなくて、押し出すように打つのがいいようだ。押し出す感覚を身につけることでボールをラバーに食い込ませる感覚を養うということかもしれない。

「バックスイングは身体の真横からスタートしてスイングする」

後ろに引きすぎると、スタートが遅れて、手打ちになりがちだという。早いピッチに対応できるよう、あまり引き過ぎないほうがいいという。

「スイングは頭まで振らない」「頭の前ぐらいでラケットを止めてもらうぐらいがいいですね」

私はフォアドライブのときは、しっかり横に振り切った方がいいと思い始めている(前記事「横に振りきれ」)が、ぐっちぃ氏はフォア打ちのときはピッチの早さを優先してあまり振り切らない方がいいという。しかし、これではフォームが小さくなって、ドライブなどの強打を打つときに悪い癖となってしまわないだろうか。私の個人的な意見にすぎないが、もっと大きなスイングのほうがいいのではないかと思う。

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スイングが小さくなって、ついねこぱんちのようなスイングをしてしまう…

「頭の前で止めて、その反動で戻す」「直線の移動で戻るほうが早いです」

これは一般的な意見とは異なると思われる。一般的なのは楕円を描くように戻すということである。ぐっちぃ氏ももちろんそれを承知しているが、それでも戻りの早さを優先してあえて直線移動で戻ったほうがいいという。しかし、切り替えのように素早くフォア→バックを打たなければならないとき、直線で戻す癖がついてしまうと対応しにくくならないだろうか。ふだんのラリーでも、いつもの癖で、つい直線的に戻してしまうと、一度フォアに戻してからバックのボールを打つことになりやすいのではないか(前記事「ラケットのニュートラルポジション」)。

「打球位置は身体の気持ち斜め前」

打球位置が身体の真横になると、振り遅れてスイングが「つまる」のだという。

「ラケットを引くときは、右足に体重が乗っています」
「打つ瞬間に左足に乗る」
「1球1球重心移動することで体を使って打つという感覚が養えます」
「この時に腰も右から左に動かすような感覚」
「基本、右から左に身体を動かす」
「足と腰が重心移動することで、ラケットをそんなに動かさない状態であっても、腰、足の動かし方で勝手にラケットが回ります」
「足と腰を主体とした重心移動をしてもらうことできれいなフォア打ち、体を使ったフォア打ち伸びるフォア打ちってのが覚えれる形です」
「上級者のフォア打ちは小さい振りでリズムがいい」


ここがぐっちぃ氏の最も強調したいところだろう。いいフォア打ちを一言で言えば重心移動である。同じWRM知恵袋の動画「フォアドライブ徹底分析」では打つときに「右足を沈み込ませてタメを作る」「足と身体でタメて打つ」との説明がある。ただ、原田隆雅氏の動画では、下回転のボールをドライブする場合についてだが、「左→右」の重心移動がいいという(前記事「重心移動を回転運動に」)。私も実際に試してみたのだが、やはり一般的な「右→左」のほうがやりやすかった。「左→右」のほうが体のブレなどが軽減されるのかもしれないが、難しいと感じた。

なお、xia氏の動画ではフォアドライブについて以下のようにコメントしている。

「右腰で押すようなイメージで打っています」
「よく右から左へ重心移動しろって言われるんですけど、どっちかというと、押し…」

最後の部分は聞き取れなかったが、xia氏の感覚ではドライブの場合は重心移動よりもむしろ右腰で押すイメージのようだ。重心移動か、押すイメージか、フォア打ちではどちらなのだろう?

  

ぐっちぃ氏の解説に戻る。

「フリーハンドは右手と連動するような形でお腹の前に添えてあげる」
「スタンスは肩幅よりも少し広く、右足よりも左足のほうが足1こ分前になった状態」

動画ではフリーハンドが連動しているように見えなかったのが残念である。フリーハンドの技術はかなり重要だと思われるが、詳細はわからない。
スタンスなどは一般的な説明と同じである。

【まとめ】
ここまで検証してみて、ぐっちぃ氏のフォア打ちのキモは右から左への重心移動ということがわかった。私はこの説明はとてもわかりやすいと思う。「腰を使って打て」などと言われるよりも、重心移動をすれば、自然に腰も腕も回るという説明のほうが分かりやすい。冒頭の私の問題提起、全てのフォア打法に通じるものというのは、この重心移動なのではないか。

ただ、いくつか賛成できない点もあった。「スイングを小さくして顔の前あたりで止める」「直線的に戻す」という点である。何が「正しい」かというのは目的や人によって違うので、一概にはいえない(できれば動画の中でフォア打ちの意義についてのより詳細な議論もほしかった)。これはあくまで「私にとって」適当かどうかという観点なのだが、私はスイングが縮こまりがちなので、もっと大きく肩の辺りまで振って(ただしバックスイングは小さく)、楕円形で戻したいと思う。そのほうが私の苦手な切り替えにいい影響をもたらすと思われるからである。早いピッチでムダのないスイングでフォア打ちをするという目的ならぐっちぃ氏のフォア打ちを採用したいと思うが、私にとってフォア打ちは全てのフォア打法の中継地点(前記事「練習メニューの仕分け」参照)という位置づけなので、ぐっちぃ氏の提唱するフォア打ちのうち、上記2点を私なりにカスタマイズして取り入れたいと思う。

参考までに新井卓将氏のフォア打ちの動画も挙げておく。


タップダンスをしながらラリーするイメージです。

ぐっちぃ氏にはない、リズムとステップについての言及があり、参考になる。

他にも細かいことを考えれば、打点・目線・ヒジ・膝・ラケットヘッドの高さ、身体の開き具合なども気になるところだ。特にペンの場合はラケットヘッドの向きが重要だと思われる(以下の動画を参照。かなり声が聞き取りにくいが)。

 

古本屋で古い『卓球王国』が売っていたので、買ってきて読んでいたら、ギクッとするような記述に出会った。

技術面で樋口から何度も注意されたのは、バックスイングの重要性だ。スイングは無限にあって、飛んでくるボールに合わせて適正なスイングをすることが大事。ボールの高さや球種によって、バックスイングの高さも変わってくるし、バックスイングが一種類しかないと、一種類のボールしか打てない。「小野誠治物語」2『卓球王国』2011-9

上は、小野誠治氏の先輩、高島規郎氏が指導を受けていた樋口俊一氏(「コーチの在り方」を読むと、なんとなくどんな人か雰囲気がわかる)が近畿大学2年生の小野氏に指導をしたときのくだりなのだが、私はバックスイングの種類というのをあまり意識したことがない。強い下回転を持ち上げる時と、ブロックされた順回転のボールを打ち返すときはバックスイングの高さを変えようとしたりもするが、それ以外はあまり気にしたことがない。
しかし、考えてみればバックスイングの高さがボールに合っていなかったら、当然スイングが途中で歪むわけだから、バックスイングをもっと細かく意識したほうがいいと思われる。
適切な角度のバックスイングが自然に意識せずともとれる人ならいいが、私の場合、意識せず不適切な角度のバックスイングをとっている気がする。また、高さだけでなく、ブレードの角度などもいろいろ試してみると、よりボールに合ったスイングができるようになるのかもしれない。たとえば 大きい/小さい バックスイングや、フォア面を 内側/外側/下側 に向けておくとか(前記事「テニスで言う『振り子』とは?」)。

私はボールのスピードや球種に応じていろいろ調整しながら打っているのだが、実はバックスイングが完了した時点でそのボールの運命がすでに決まっているとしたら…。

バックスイングの取り方でほぼすべてが決まってしまうと思います。コース、威力、球種、・・・もちろん入るか否かまでも。「バックスイングで決まる

そんな殺生な。じゃあ、バックスイングを間違ってしまったら、スイング中にいくら努力して修正しても、入らないボールは入らないということなのか?私の今までのスイング中の努力は一体…。

人種、信条、性別、社会的身分又は門地にかかわらず、努力すれば人生は開けてくるという日本社会の常識をくつがえすような予定説、それがバックスイングだったのだ。

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この時点で吉田選手のドライブがどんなボールになるかが既に決まっている?

【追記】140209
前記事「横に振りきれ」で横に振り切るスイングを試してみようと思うのだが、その場合はバックスイングをかなり横後方にとらなければならないだろう。つまり、バックスイングの大小だけでなく、後方・側方、あるいは前方という位置もスイングによっては考慮しなければならないだろう。 

「ボールは前に飛ばす。だからスイングも前に」という私の常識が崩れつつある(前記事「つっぱり打ち」)。
下回転のゆるいボールを一発で決めに行くときは前に振ってもいいと思うのだが、 つなぐドライブの場合は前ではなく、横に振ったほうがメリットが多いのではあるまいか。

先日の練習で上半身が回っていないと指摘された。自分を撮ったビデオを確認してみると、自分が思っているよりもずっと上半身が回転していなかった。自分では必死で上半身を回しているつもりでも、客観的に見るとちっとも回っていない。これは私がスイングを前気味に振っていることと関係があると思い至った。

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上の水谷選手のようにラケットが肩の上あたりを通るように前方ぎみに振ると、ボールが低く、速く飛ぶと信じているのだが、 スイングのベクトルが前に伸びると、上半身がねじれにくくなる。
ねじれないとどうなるか。正面に戻ろうという力が働かないので戻りが遅くなる。思い切りねじって、そのねじれが戻る力を利用すれば身体が自然に正面を向くのに対して、あまりねじれていないと、意図的にもどさなければならなくなる。私の戻りが遅いのは、思い切って横にねじっていないことと関係があるのかもしれない。
また、身体がねじれて、それが戻ろうとする反動を利用すれば足が自然に横に出て、フットワークがスムースになる。私の足が動かないのはこれが原因だったのかもしれない。

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自分の身体のねじれを確認するためには上のウェアのように脇腹にラインが入っているものを着て、鏡を見ながら素振りをしてみればいいだろう。自分の上半身がどのぐらいねじれているかよく分かる。

【追記】140210
前記事「ひねるドライブ」に横方向へのドライブの有効性について考察したことを思い出した。併せてご参照いただきたい。

 

逆上がりができるかどうかはいくつかのポイントがあるようだ(「さかあがりはだれでもできる」)。

1.鉄棒とお腹をくっつける
2.蹴りあげる方向が上
3.途中で腕を伸ばし、上体を伸ばして下げる

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よくある失敗例として、足の勢いだけで回ろうとし、反対側の上半身が下がらない場合を挙げることができる(「体が後ろにたおれないタイプ)。上の写真でいいうと、左の矢印の方向にばかり注意が行っていて、右の矢印の方向はお留守というタイプだ。逆上がりは下半身の力だけで回ろうとするより、下半身の力+上半身の反動を利用したほうが効率が良さそうだ。

足だけで回ろうとするというのは、卓球で言えば、手だけで打とうとする「手打ち」に通じるものがあるかもしれない。そうすると、卓球でもフリーハンドをラケットハンドと連動するように動かしたらいいのかもしれない。いや、手を回すよりも、左肩や左腰を回したほうがいいのかもしれない。

「押してダメなら引いてみな」という言葉があるが、ラケットハンドを振ろうとがんばるよりもその対角線上の左腰を回して右半身を押してみたほうがいいのかもしれない。私はどうしてもラケットハンドに力が入ってしまうのだが、左腰で右半身を回そうと意識して素振りをしてみたら、ラケットハンドには力を入れずに素振りをすることができた。つまり、ラケットハンドで引っ張るのではなく、左腰でラケットハンドを押し出してやるイメージである。これが一番楽に腰を使って打てるかもしれない。

指パッチンというのは、親指と中指をこすって音を出すのではなく、中指を親指の付け根(下の写真の赤丸の部分)にぶつけて音を出すのである。

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子供の頃、中指と親指を一所懸命こすりあわせて音を出そうとしていたのだが、力の入れどころが根本的に間違っていたのだ。腰を使って打つというのも右腰に力を入れて打とうとしていたのだが、反対側の左腰に力を入れるべきだったのではないだろうか。

相も変わらず腰の使い方をあれこれと考えている。前記事「重心移動を回転運動に」で考えたやり方をこの間試してみたら、バックスイング時は有効だったが、伸び上がりながらスイングという部分はあまりうまく行かなかった。次はこの左腰で押し出すイメージを試してみたい。

【追記】140223
スポーツバイオメカニクス」で紹介した反作用を参照。
 

「アスリート解体新書」20卓球を観て違和感を感じた。



 この動画で大きく取り扱われているのは卓球選手の反応速度の早さなのだが、「卓球=反射神経のスポーツ」というのに私は納得できない。

卓球がテレビに取り上げられるとき、反射神経との関連で番組が構成されることが多いような気がする。

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ランプが点灯した瞬間にボタンを押すといった実験で卓球選手と一般人を比べて卓球選手の反射神経がいかに秀でているかを浮き彫りにするというテレビ番組を何度も見たことがある。しかし、反射神経ということなら、ほとんどの競技に要求されるもので、卓球選手の専売特許ではない。バレーボールの選手はスパイクが打たれた瞬間にどの地点に来るかを一瞬で判断するだろうし、バスケの選手は視界の端っこをかすめる味方のプレーヤーの動きから瞬時に形勢を判断し、パスを送る。これは卓球に劣らず、素早い判断力が要求されるはずだ。純粋に反射神経ということなら、剣道や最速のスポーツと言われるアイスホッケーのほうが要求されるかもしれない。

さらに私は卓球の上級者の反射神経が特別発達していると感じたことはない。上級者だって想定外のコースに来たボールを瞬時に判断して何度もブロックできるというわけではないだろう。上級者だって裏をかかれたら、そうそうとれるものではないし、いくら素早く反応しても、身体が間に合わなければボールはとれない。 反射神経を鍛えるトレーニングとして、前陣でどこに来るかわからないスマッシュを取らされる練習とか、電車に乗って通過駅の看板の文字を読み取るとか、そんな卓球トレーニングなんてきいたことがない。

よって卓球において反射神経がそれほど大切だとは思えない。 反応速度の早い若者よりも予測やかけひきに長じた年配者のほうが強いのが普通である。

それぞれのスポーツにはそれぞれを特徴づけるものがあるわけだが、卓球の場合はスピンだろう。戦術やボールのスピードなら他の競技だって相当なものだ。私はやったことがないが、スカッシュのスピードは卓球に近いのではないだろうか【追記:スカッシュの試合を観てみたが、ピッチの早さは卓球にはるかに及ばなかった】。フットワークならバドミントンのほうが端から端まで動かされる気がする。しかし回転ということなら、卓球がもっとも複雑で強烈だろう。卓球のテレビ番組を作るならもっと回転に焦点を当てて作ったほうが卓球らしさが伝わると思うのだが。

 

前記事「日本女子卓球選手の社交性の高さ―石川佳純選手の場合」にも書いたが、現在の卓球女子日本代表は好感度が高い人材に恵まれている。福原愛選手然り、平野早矢香選手然り。こういう人たちが卓球の親善大使としてメディアに取り上げられると、卓球のイメージの向上、ひいては卓球人口の増加につながるだろう。卓球を国民的なスポーツにするために卓球協会や文科省は彼女たちを積極的に支援していってほしいものである。

そんな中で、つい見落としてしまいがちだが、デフリンピック日本代表の上田萌選手にも注目したい。彼女はこの上なく大きな可能性を秘めている。

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「日立化成卓球部 上田萌」

2012年世界ろう者卓球選手権 シングルス・ダブルス・団体優勝
2013年デフリンピック女子シングルス優勝、ダブルス準優勝、団体3位

上の成績から、上田選手は現在押しも押されぬ世界一であることが分かる。オリンピックや健常者の世界選手権では他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇る中国も、ろう者卓球の世界では上田選手にかなわなかったのだ。これは日本卓球が共生社会を推し進めており、障害者スポーツにも力を入れているというアピールにもなる。

それに対して2013年デフリンピックの日本男子の成績はあまりよくなかった。こちらでも上位争いに食い込めるように国などのさらなる支援が必要だと思われる。健常者の日本男子は中国に準ずるような成績を残しているのに、ろう者の日本男子の成績はぱっとしないというのでは、日本卓球は健常者の強化にばかり力を注いでいるというネガティブなアピールになってしまうのだから。

上のビデオの構成は以下のとおりである。
・上田選手の生い立ち
・上田選手の戦績
・上田選手の人となり
・チームの紹介
・上田選手のプレースタイル
・デフリンピック2013での上田選手の活躍
・上田選手からのコメント(日立化成への謝辞とこれからの抱負)

短いビデオながら、上田選手がどんな人かなんとなくわかった。上田選手がデフリンピックで優勝した映像を見て、不覚にもこちらまで涙ぐんでしまった。上田選手には人を惹きつける何かがある。

監督「まわりを明るくする何かを持っている」
上田選手「自分がいろいろな人と関わることで、デフリンピックのことを知ってもらいたいと思ってるんです」
上田選手「自分が今までやってきたことを伝えていきたいと思っています」


これらのコメントから上田選手は非常に社交性が高く、明るい性格だということが想像できる。

目が見えないことに比べれば、音が聞こえないというのは大した障害ではないような気がするが、

「目が見えないことは人と物を切り離す。耳が聞こえないことは人と人を切り離す」

というカントの言葉があるように聴覚障害者には人付き合いが難しいという傾向があるらしい。さらに健聴者のように子供の頃から音声言語に囲まれて育ったわけではないので、言語の発達が遅れ、複雑な文や細かいニュアンスなどを理解するのが難しいのではないかと想像される。

上田選手のように先天的に耳が聞こえない人が健聴者にまじってやっていくというのはどれほど萎縮させられることだろう。卓球だけなら何とか伍していけるかもしれないが、それ以外の部分、スモールトークや冗談のような取るに足らない会話などに参加するのは聴覚障害者には相当苦痛なことなのではないだろうか(あくまでも私の個人的な推量である)。しかし監督やチームメイトのコメントからは、そういう部分でも上田選手はかなり努力してチームに溶け込もうとしているように感じられた。

聴覚障害者が社交的であるのは、健聴者の何倍も難しいのではないだろうか。しかし彼女は人と接するのを恐れたり、嫌がったりしていない。上のコメントにもあるように積極的に「いろいろな人とかかわる」ことを望んでいるのだ。そのことを考えるにつけ、上田選手の存在がありがたく感じられる。こんな逸材はこれから二度と出てこないかもしれない。
彼女は聴覚障害者が日本トップレベルの実業団に入るという新しいケースの道筋を示してくれた。このケースに倣って今後聴覚障害者を採用する実業団も増えるかもしれない。また、彼女は持ち前の社交性でスポーツの世界でも健聴者とうまくやっていけるということを証明してくれた。聴覚障害者は彼女を見習い、健聴者との接し方を学ぶことだろう。
このように彼女は戦績以外にも、すでにいくつかの大きな仕事をなしとげてきた。さらに単なる障害者スポーツの選手というだけでなく、彼女の存在は一般的な障害者に対する認識を変えるポテンシャルをも持っている。積極的に健聴者と交流できる聴覚障害者の存在は、聴覚障害者を身近に感じさせ、健聴者に共感をもたらすだろう。彼女のこれからの活動次第では、歴史にも名を残すような大きな仕事ができるかもしれない。もっとメディアに盛んに取り上げられ、卓球のみならず、聴覚障害者のアイコンとして幅広く活躍してくれることを願ってやまない、上田選手自身が望んでいるように。

なんとなく、することもない日曜だったので、いろいろ卓球の動画を見ふけってしまった。

 
「関口宏の風に吹かれて」48・49
 「スポーツに吹く最新科学の風」(石川佳純選手)

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番組の構成は以下のとおり
・卓球におけるサービスと石川選手の練習について
・卓球マシーン「チキータくん」の紹介と実演

シーンA
関口宏氏らを迎える石川選手。テレビ撮影向けに化粧をしているのか、ふだんよりも美人に見える。
はにかみながらの笑顔でサービスの説明をする石川選手、ときどき失敗なんかしててへぺろ。まったく偉そうなところがない。誰もが好感を持てるような応対だ。
得意の投げ上げフォアサービスを練習しているのだが、関口氏がサービスに興味を示し、「ちょっと打たせて」。
手元で急激に曲がり、コーナーの白線上にバウンドするロングサービス、おみごと!関口氏は案の定ラケットに触れることさえできなかった。タイミングを確認して再挑戦も、エース!もう一人のゲスト、水泳の田中雅美氏も挑戦したのだが同様の結果。すごいすごいとほめそやされても、寡黙に恐縮するだけの石川選手。

シーンB
関口氏:”最近、日本の卓球が少し強くなってきた要因は?”
石川選手:「そ~ですねぇ…やっぱりナショナルトレーニングセンターって、ここがすごくいい施設で…」

以下、NTCの紹介が始まる。

シーンC
ナレーション「メダル獲得に向け、最新技術を使った秘密兵器が…」
関口氏「バッティングマシーンがあるとか…」
石川選手「?…あ~!あるのはあるんです(笑)…」
田中氏「(向こうを指さして)あれ?」
石川選手「たぶん、チキータくんっていう名前で(背後でスタッフの笑い声)、なんかいろんな選手の回転が出せる、みたいな…」

シーンD
チキータの由来を簡単に説明する石川選手、一同、チキータくんの方へ向かう。
チキータくんを管理している担当者からのチキータくんのより詳しい説明に移る。
チキータくんは、世界トップ選手のボールのデータ分析から、それと同等のボールが出せるらしい。早速チキータくんがボールを出して、石川選手に打ってもらうことになった。まずはじめに「リー・シャオシャ」選手のボールを出すとの説明。石川選手はすぐに「シャオシャ」と小声でさりげなく訂正

第1球目。突然放たれたすごいスピードのボールに対して、実際に対戦したことがあるにもかかわらず石川選手は

石川選手「うわぉ(驚)!こんなボール来ないぃ(笑)!
周り「うそ(笑い)?」

とボールを見送る。それでも2球目からはきっちりブロックする石川選手。

関口氏「次は?」
担当者「次は男子のオリンピック・チャンピオンのチャン・ジケ選手。」
石川選手「受けたことないぃ~(笑)。」

ゼッタイ!ムリ~”みたいなことを言いながら自信なさげに後退りする石川選手。そしてボールが怖いから関口氏に代わってもらおうとすると、周囲に笑いの輪が起こる。

張継科相当のボール1球目。李暁霞相当のボールよりもさらにすごみのあるボールがへっぴり腰で怖がる石川選手の身体に直撃し、

痛!」「これ、ムリです(笑)

といいつつも、数球受けた後はしっかりブロックで返球する石川選手。次は「ジェン・ソンマン」の下回転。石川選手は「あれ?」「すっごいかかってる!」と言いつつ1球も返せない。カット打ちの難しさを説明し、最後にカットの回転が「全部違うので、それを判断して調整するのが難しいです。」

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石川選手のテレビ出演はまったく危なげない。万人に好かれるキャラで卓球に対するイメージの向上に大いに貢献していると思う。

シーンA
一般人にサービスを受けさせるシーンで石川選手は愚直に同じフォアサービスをクロスに出していたが、私が石川選手の立場なら、最後の1球は同じモーションでストレートに出して「こんなサービスが実戦では来るんですよ」などと得意気に語ってしまうかもしれない。「すごい!」などと褒められようものなら、「実は台上で2バウンドしないサービスというのはリスクを背負うことになるんです」などと聞かれてもいないのに講釈を始めてしまうかもしれない。こういう私のようなお調子者は絶対にテレビに出ない方がいいだろう(もちろんオファーもないが)。その点、石川選手の発言は抑制がきいている。相手が求めていないような説明は決して切り出さない。

シーンB
「日本が少し強くなってきた」という関口氏の言葉は厳密には間違いである。「少し」ではない。中国の強さは圧倒的だが、それを除外すれば今や総合力なら世界トップレベルの強さである。もちろん、男子も女子も個人なら日本人選手を超える選手がいるかもしれないが、チームとしての総合力なら韓国やドイツ、シンガポール、台湾等に勝るとも劣らない…などという卓球人らしい説明は一切省き、ナショナルトレーニングセンターへの讃辞と感謝のみを口にする石川選手。余計なことは言わない。おそらくこれは台本通りなのだろう。しかし、一般向けに無意味と思われることや、論点をずらすようなことは一切言わないのがすばらしい。

シーンC
関口氏の「バッティングマシーンがあるとか…」に対し、「それを言うならピッチングマシーンでしょ!」のようなツッコミも入れず、自信なさそうに「たぶん…」「なんか…みたいな…」のように訥々と説明し始めるのが、上手い!視聴者はおくゆかしく思い、石川選手のことをもっと知りたい、テレビに映るなら観てみたいという気分にさせられることだろう。

シーンD
担当者の記憶違い(リ・シャオシャオ)にいちいち反応せず、小声で最低限の訂正をするだけだなんて、心憎い!
さらに李暁霞・張継科相当のボールに対して戦意喪失。「なんて親しみやすい、かわいらしい女の子だろう!」そういうキャラ作りが完璧にできている。もちろん最後の回転についてのコメントも抑制がきいており、必要最低限のことだけだった。


石川選手は最後まで非の打ち所もなく、卓球の広告塔としての役割を演じきった。
これが本当に弱冠二十歳の女性の言動だろうか。私には信じられない。自分が二十歳の時のことを思い返してみると、石川選手に比べて自分がいかに精神的に未熟だったかを思い知らされる。わずか18歳で全日本を制し、ロンドンオリンピック4位という実績があるのだから、もう少し得意になって、ハメを外すようなこともありそうだが、石川選手にはそんなところが感じられない。気のおけない人たちの間では、また別の一面があるのかもしれない。いや、なければおかしいだろう、20歳の女の子なのだから。しかし、テレビ出演といった晴の場・公の場では、理想的なキャラを演じきっている。彼女のような人材が卓球界にいてくれれば、日本における卓球の普及、イメージ向上にも大いに貢献するはずだ(前記事「プロデューサーのお仕事」)。

石川選手は正にプロである。卓球の実力だけでなく、日本卓球の顔の一人にふさわしいキャラと頭の良さも兼ね備えた、得がたい逸材だと再確認させられた。彼女なら、芸能界や政界でもうまくやっていけるのではないだろうか。普通の人はこの中のどれか一つにでも恵まれればこの上ない幸せなのに、彼女ときたらいくつもの才能を兼ね備えているようだ。彼女の多彩な才能の一つだけでも欲しいものである。


 

柔道では相手の技を防ぐための対策がある。
相手に技を掛けられそうになったとき、瞬間的に重心を低くする「抜重(ばつじゅう)」と呼ばれる技術である。



重心を低くする、つまり、身体を沈み込ませるには、意識してしゃがもうとする(荷重)よりも、瞬間的に下半身の力を抜いた(抜重)ほうが早く楽に沈みこませられる(荷重と抜重)。さらにその沈み込む下方向への運動を回転運動に変換したら、力を抜いて、効率よくバックスイングができるのではないか。下の画像のように。

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らくらく味噌ミキサー
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つまり、相手の打球を見て、フォアに来ると判断したら、重心を左足に置きつつ下半身の力を抜くと、下方向への運動が回転運動になり、バックスイングがスムースになる。
次に重心を右足に移しつつ、同じ要領で下半身を上方向に伸ばしながら回転するようにしてスイングすれば、合理的なスイングになりそうだ。

前記事「しっくりくる説明」の「追記」で「下回転打ちのフォーム」という動画を紹介した。



礼武卓球道場で原田隆雅氏が中級者を対象にしてドライブの打ち方を指導している動画である。
バックスイング中のタメのときには重心をに置き(!)、スイングにともなってに移動させるとのこと。
こうすると、バックスイング時に右に傾きにくくなる。これが上で説明した上下運動を回転運動に変換するという理屈にぴったり合う【追記欄参照】。動画の中で原田氏もスイングについて「しゃがみながら」「腰を沈めるように」と解説していた。

前記事「しっくりくる説明」では原田氏とは逆に足で床を踏みしめてタメてから、足に重心移動をしてフォアハンドを振っていた。これはこれで腕の力が抜けて、打ちやすかったのだが、足裏で激しく重心移動すると、身体の一番右から一番左に重心を移動させるのに加えて、右腕も右から左に移動するので、上体が左に流れ、体の軸がブレるように感じられることがあった。

実際のところは重心が「左→右」か、「右→左」か、どちらがいいのか分からない。
止まって打つか、あるいは回りこんで打つ分には原田氏のやり方のほうが効率が良さそうだ。
しかしフォア側に飛びついてフォアを振る場合は「左→右」の重心移動は難しいだろう。

【まとめ】
最近、しばらく練習をしていないので、上の考察は検証を経たものではない。頭で考えてみただけである。したがってうまく正鵠を射ているかどうかは自信がない。

素早いスイングを実現するという目的のためには、腰の回転そのものではなく、右から左への足の重心移動によって腰を回したほうが身体に無駄な力が入らず、効率のいいスイングができるのではないかというのが「しっくりくる説明」での結論だった。本記事では左右の重心移動ではなく、上下の重心移動を利用して回転運動をしてみてはどうかという提案である。左右に身体を回転させるよりも、上下の屈伸運動は人間の最も基本的な動作の一つであるだけに、より力が抜けて素早いスイングができるのではないだろうか。

【追記】140202
改めて原田氏のビデオを見てみたが、上の説明に誤りが含まれていた。
原田氏は「しゃがみながら打つ」「沈みながら打つ」と説明していた。つまり上下運動を回転運動にするという意味ではなく、しゃがんだ状態で腰を回す、腰を沈み込ませながら打つという意味だったと思う。私が主張したいのは、下半身を沈み込ませながらバックスイングし、下半身を伸ばしながらスイングするという、上下運動を回転運動とシンクロさせるということなので、原田氏の指導とはずれてくる(原田氏にかぎらず、一般的に伸び上がって打つのはダメとされている)。指導経験の豊富な原田氏の説明のほうがおそらく当たっているとは思うのだが。

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