しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2013年03月

当ブログでは皆様からの寄稿を募集しております。卓球について意味のある主張を発表したい方はshirono.tatsumi◯gmail.comまで原稿をお寄せください。

コメントについて:
コメント欄は他の読者が読んで意味のある情報交換の場としてご利用ください。当ブログの方針(察してください)に沿ったご意見は公開します。返信しにくい場合は公開のみとさせていただきます。指導者ではないので、技術的な質問には答えられません。中傷等は論外です。なお、メールアドレスは公開されません。

緊張感と臨場感―World Team Classic 2013 を観て

World Team Classic 2013 男子準決勝 日本 対 中国 の試合をテレビ東京のライブ配信で観た。
女子の日本 対 韓国・シンガポール、男子の日本 対 ブラジル も観たので、30日の土曜日はこの大会をほぼ一日中観戦していた。女子はオリンピックに続いてシンガポールを破り、決勝進出。男子はところどころヒヤッとしたものの、ブラジルを順当に下し準決勝進出。男子が中国に勝てる見込みは薄いが、一矢報いてほしいと期待しながら観戦していた。

結果は1-3で敗北したが、それでも一矢報いることができた。松平健太選手と丹羽孝希選手のダブルスが張継科選手と王皓選手のダブルスを大接戦の末、破ったのだ。


第三試合:
松平健太/丹羽孝希 対 張継科/王

上のITTFのハイライトのyoutubeにおけるコメントを見ると、「中国ペアのミスが多すぎた」といった意見が多かった。あたかも「中国の調子が悪かったから、たまたま日本ペアは勝てた」とでも言わんばかりだ。この5分程度の「超ダイジェスト版」を観たら、そう感じるかもしれないが、全てをリアルタイムで観ていた私には首肯しがたい意見だ。

この勝利は偶然や幸運だけによってもたらされたものではない。第1戦から見れば、「さもありなん」という結果なのだ。

第一試合の丹羽孝希選手と
張継科選手の試合はスコアだけを見れば0-3で丹羽選手の完敗だが、内容は少し違う。
丹羽選手を第一試合に持ってきたオーダーは英断だったと思う。
丹羽選手の最近のブンデスリーガの試合を見ると、ひどい内容だった。やる気のなさそうな試合態度で、全体的に投げやりなプレーが目立つ。慎重にやれば勝てたかもしれない試合でも最後までテキトーにプレーして勝利を捨てていたように見える。チームの勝利のことなど、眼中にはなさそうだ。天才との呼び声高い丹羽選手との対戦を期待していた相手はさぞ興をそがれたことだろう。丹羽選手の態度は最悪だっだと思う。youtubeのコメントにも「コーキは終わった」とか「やる気がないなら帰れ」といったコメントが散見される。


ブンデスリーガ2013:丹羽孝希 対 アポローニャ

そんな「勝てる試合でも適当にプレーして、捨ててしまう」「何をしでかすか分からない」不気味さを丹羽選手は醸していた。その上、丹羽選手は今年の全日本で水谷選手を破って優勝していることから、張継科選手のライバルの馬龍選手を倒したのは運だけでなかったということが証明されている。馬龍選手は丹羽選手に相当苦手意識を持っているのだろう。今回の日本戦ではオーダーから外されていた。「丹羽はどう出てくるのか。もしかしたら、俺まで負けるのではないか」と張継科選手に思わせる不気味さが丹羽選手にはあった。この試合でも丹羽選手はところどころでやる気のなさそうな、不敵な態度を見せた。試合には負けはしたものの、心理戦では負けていなかった。ところどころ光るプレーも見せたし、卓球になっていた。「こいつを調子に乗らせたら、もしかしたら…」というプレッシャーを中国選手に与えることができたと思う。


第一試合:丹羽孝希 対 張継科

もしこの第一試合で2011年の世界選手権、水谷隼選手 対 王皓選手 のような一方的な試合になっていたらどうなっていただろうか。当時、水谷選手は世界ランキングをどんどん上げており、「もしかしたら、中国に勝てるのでは?」という期待を持って試合を観たのだが、蓋を開けてみたら、「王皓選手のサービスが分からない」「皓選手のフォアドライブが止められない」で、水谷選手は防戦一方。相手に全く脅威を与えられなかった。


世界選手権 2011 
水谷隼 対 王

続く第二試合は水谷隼選手と
許昕選手の試合だった。水谷選手は対ブラジル戦で格下のマツモト・カズオ選手にストレート負けしており、調子が心配された。逆に許昕選手は今、上り調子で世界ランキングも2位である。私はこの試合で先の世界選手権のような一方的な試合になるのではないかと心配していたが、杞憂だった。1ゲーム目から水谷選手が優位に立ち、2ゲーム目は落としたものの、3ゲーム目もとり、優位に立った。対する許昕選手はおそらくボールが合わない(一般的な中国選手よりも遅い?)せいか、水谷選手を得意のフォアドライブでしとめることができない。しかもフォアの打ち合いではしばしば水谷選手に打ち負けてしまう。中国選手にとっては第一試合からのイヤな雰囲気がこの試合にも尾を引いているように感じられたことだろう。許昕選手はリードされた4ゲーム目で相当緊張していたように見える。観客席からは「シューシン、ジャーヨー」と脳天気な声援が繰り返される。許昕選手の焦りは如何ばかりか。その後、許昕選手は慎重に戦い、水谷選手のミスにも助けられて、なんとか3-2で勝利した。もし水谷選手の調子が良かったら、この結果はひっくり返っていたかもしれない。

この試合で中国チームに「日本チーム侮りがたし」という脅威を抱かせ、次の第三試合に入ったのである。


第二試合:水谷隼 対 許昕

松平健太選手と丹羽孝希選手の左右ペアのダブルスは実績を残している。最近では、全日本を去年、今年と連覇し、去年のワールドツアー、ポーランド・オープンでは中国ペア(王皓/周雨)を破って優勝している。
健太選手は第三試合で初めて中国選手と対戦するが、緊張しているようには見えない。第一試合で負けた丹羽選手も、全く臆している風には見えない。日本ペアは精神的に負けていない。しかし、日本チームはこの時点で0-2。崖っぷちだ。緊張やプレッシャーがないはずがない。対する中国ペアは2-0で王手をかけているものの、これまでの流れから、「もしかしたら」というイヤな雰囲気がある。ここで崩れたら、中国チームに動揺が走るので、大事に至らないうちに、なんとかここでイヤな流れを断ち切りたい、食い止めたいという気持ちがあったことだろう。
日本ペアは中国ペアの凄まじい攻撃をみごとに受けきり、技術的にも負けていない。両者ともに相当なプレッシャーの中でのプレーなので、ミスが出るのは当たり前だ。というか、両者ともに、よくあのプレッシャーの中でこれだけ普通にプレーができると感心させられた。初めは中国ペアが先行するが、日本ペアは引き離されず、ジワジワと差を縮めてくる。そういう展開が目立った。2-2で並んだ5ゲーム目。中国ペアがリードを広げ、10-5で王手をかけた。「地力の差がでたか。もはやここまで」と思ったが、ここから日本ペアはプレッシャーに負けることなく、怒涛の7点連取で逆転して勝利!「イヤな予感が現実になった…」中国チームはそう感じたことだろう。

続く第四試合は健太選手と許昕選手の試合。
先の敗北からの動揺からか、
許昕選手は積極的な攻撃が影を潜めている。相当緊張しているのがうかがえる。対する健太選手は持ち味を発揮し、前半は互角の勝負をするが、後半の3、4ゲーム目は許昕選手に余裕を与えてしまい、1-3で敗北。しかし1ゲームをとるという意地を見せた。


第四試合:松平健太 対 許昕

ふだん、私たちはインターネットのダイジェスト版で試合を観る。ポイントとポイントの間やつまらないミスなどを取り除き、わずか数分にまとめられた試合を観て、試合を理解したつもりになっている。しかしダイジェスト版は多くの情報を取りこぼしてしまっている。緊張感や会場の雰囲気、その日の試合の流れというのもその一つだ。今回、インターネットのライブ配信と、そのダイジェスト版を比較してそれを痛感させられた。上のITTFのダイジェスト版は試合の間やリプレイ、凡ミスなどを完全に取り除いた「超ダイジェスト版」だったので、その違いが際立った。「超ダイジェスト版」からは試合のドラマが伝わってこない。
よく「写真と実物は全然違う」と言われる。いくら生中継だからといって、映像で見るのと、その会場で観戦するのとは、また全く違うものだろう。卓球観戦のおもしろさを十分に味わうためにはやっぱり生での観戦が理想だが、現実には難しいので、映像になる。映像なら完全版の方がいい。といっても、そんなにしょっちゅう省略なしの完全バージョンを観るほど時間の余裕はない。だから、同じダイジェスト版でも、「超ダイジェスト版」ではなく、ある程度試合の雰囲気を伝えるダイジェスト版を観たいと思う。「超ダイジェスト版」というのは次の動画のようなものである。


北京オリンピック:水谷隼 対 エロワ(超ダイジェスト版)

上の動画を見ると、エロワ選手はちょっと独特のフォームで、ミスの少ない、なかなか上手な選手といった印象だが、下のダイジェスト版は、ほんの少し選手の感情が垣間みえる。6:12と7:38のエロワ選手がおもしろい。
フランス人によると、「フランス人とは、いつも何かしら文句を言っている国民で、特にパリ市民はそれが著しい」ということらしい。フランスでは古い制度や習慣を政府が変えようとすると、いつもデモが起こるという。その改革の中身はどうでもよくて、とにかく反対し、議論するのが好きらしい。エロワ選手が失点すると、なにか喚いており、フランス人の面目躍如という感じがする。ダイジェスト版を作ってくれる人には感謝だが、できればもう少し余裕のあるバージョン―試合後の選手の表情などをもう少し映してくれると、試合の雰囲気や選手の人柄が少しは分かってありがたい。一見無駄に思える情報の中にも、実は理解に欠かせないものが含まれているもなのだから。


北京オリンピック:水谷隼 対 エロワ(少し余裕のあるダイジェスト版)


大学卓球部2軍相当の実力――卓球のレベル分けの基準

私は「上級者」になりたいと切に願っている。

先日、関西1部リーグの某大学の卓球サークルにおじゃまさせてもらった。
そのサークルはレベルが高く、「体育会卓球部の下半分より、うちのサークルの上位数人のほうが強い」ということだった。つまり、大学の卓球部の2軍相当ということだろう。関西1部リーグというのは関東に比べると一段落ちるそうだが、それでも十分強い。その関西1部リーグの2軍レベルの人がこれだけ強いということは、体育会卓球部のレギュラーの人はどのぐらい強いのか。さらに関東1部リーグのレギュラー、そういう人たちに勝つ日本リーグの選手たちというのは一体?

私は軽く衝撃を受けた。大学生のサークル、つまり高校までしっかり卓球をやっていたが、卓球で大学に行けるほどではない人たち、おそらく高校時代、県でベスト8前後の人たちというのはこれほど卓球が上手なのか。
そういう上手な人たちの練習をみていると、ボールにスピードが乗っている。ズパーン!ズパーン!と小気味いい音がする。軽く打っているように見えるのだが、ボールが走っている。そしてミスが少ない。上手すぎて、その上位グループの中の誰が一番上手か分からない。その上手さを言葉で表現できないのがもどかしい。

こういうレベルの人たちをこそ上級者と呼ぶべきだろう。しかしそもそも上級者とはどんな人なのだろうか。上級者の定義というのは人によってかなり違う。

WRMのぐっちぃ氏は自称「中級者」ということだが、ぐっちぃ氏のような人が中級者だとすると、世間の上級者というのは卓球人口の1%未満になってしまう。たしかに世界レベルのプロからみたら、ぐっちぃ氏は中級者かもしれないが、多くの人はその認識に違和感を覚えるだろう。

初心者・初級者・中級者・上級者

という区分が人によってバラバラでも不都合が起こらなければ、自己申告でいいと思うが、実際には不都合が起こる。それは卓球教室や指導書などで「中級者向け」となっている場合に、その内実が全国大会で上位を目指すような内容だったり、はたまた「ピンポン」レベルを脱した人を対象にした「横回転サービスの出し方」だったりすると混乱する。また卓球教室で練習相手の組み合わせをする際にも困るし、試合でとんでもなくレベルの違う2人が対戦するという問題も起こる。

私が考える初級・中級・上級は、それぞれのグループ内で練習をして、パートナー同士が練習になるかどうかが判断基準である。
卓球教室や社会人の大会などをみると、フォア打ちとバックのハーフボレー程度ならできるが、ツッツキをドライブで持ちあげられない人がたくさんいる。中高年になって卓球を始めたような人にとっては順回転のボールを打つのがやっとで、横回転や下回転のボールを打つのは非常に難しいのだ。こういう人たちと、回転のかかったボールでもある程度返球できる人はいっしょに練習できない。そこでここには区別を設ける必要がある。初級者と中級者だ。「横回転のサービスが返せる程度の人が中級者?」と思う人もいるだろうが、横回転や下回転を意識できる人なら、ドライブ、カット打ち、バックハンドといった基本的な技術をひと通り身につけている人が多い。また、ボールによってスイングを水平に振るか、下から上に振るかといった技術も回転を意識しないとできない。このように回転が意識できる人なら最低限上手な人の基本練習の相手ぐらいは務まる。たとえば上級者が3球目攻撃の練習をするときに、指定した場所にレシーブすることぐらいはできるし、ドライブの練習をするときにも、それほど回転をきつくしなければブロックで返球するぐらいはできる。
しかし、上手な人が決めにきたときに私たちは返球できてせいぜい1本ぐらいである。「せめてあと1本は返してほしい」。上手な人たちはもの足りなく感じるだろう。その上、私たちは攻撃が安定しないし、コースも甘い。このようなレベルの人たちが上級者を相手に練習できるのは基本練習だけで、応用練習というか、試合を想定したような練習では上級者の練習にならず、いっしょに練習できない。そこで「相手の攻撃を安定して返せる」「自分の攻撃が安定して入る」という人たちと私たちの間には、やはり区別が必要である。それが中級者と上級者である。上級者の中にも県大会上位レベルの人からプロまでいろいろなレベル差があるかと思うが、人口比率から考えると非常に限られた層だし、上級者が卓球教室に通ったりすることもないだろうから、この層はいっしょにまとめて不都合が起こらない。

私は高校では卓球をしていなかったが、高校の時に身を入れて卓球をしていたら、あるいはもう少し上達のスピードが早くなったのかもしれない。私が今の環境で週に2回程度練習しても、一生、上級者にはなれない気がする。
大切なのは卓球に費やした時間の長さではない。中高生のときに良い指導を受けて、強い相手と練習していた人は、その後、現役を退いて週1ぐらいで練習していても上手い。一方、中高生のときはあまりいい環境で練習できなかった人は、その後社会人になって週3ぐらいで練習しても、あまり上達しないような気がする。
長い目で見れば、週3で練習している人のほうが費やした時間は多いはずだ。しかし、中高でしっかりやった人には勝てない。どこで差がつくのか。中高の時だけに鍛えることができる能力というのは何なのだろうか?

上級者は「安定感」がある。これを別の言い方をすれば、「次のボールが予測できるかどうか」「足が動くかどうか」だと思う。ラケットの角度がどうとか、ボールの威力がどうとかは二の次だと思う。中級者でもコースを限定して返してもらえば、かなり安定して攻撃や防御ができる。しかし、試合となると、相手によっては自分の能力の半分も発揮できなくなってしまう。一方、上級者はたいていの相手に対して試合でも自分の能力を安定して発揮できるように感じる。それは自分のレシーブから次のボールをある程度予測して、そこへ素早く移動し、待っているからなのだろう。私は次に相手がどこに打ってくるか、まったく予測できない。それで次のボールへの対応が遅れ、結果として攻撃にも防御にも安定性を欠く。
このような予測能力とフットワークというのは一度身につけてしまえば、その後、頻繁に練習しなくても安定して自分の能力を発揮できるのではないかというのが私の推測だ。相手のレシーブに入る体勢を見れば、自然に足が動く。この能力は社会人になってからは鍛えにくいものらしい。私はこの能力を最優先課題として練習に励みたい。


WRM ぐっちぃ氏の功績―付けたり:王道04インプレッション その1

私はぐっちぃ氏の大ファンである。ぐっちぃ氏は人柄もゆかしいし、卓球も上手いし、知識や交流も広く、熱心である。私は氏とヤッスンのWRMの「卓球知恵袋」を欠かさずチェックしている。
この動画はいつも役に立つ情報に満ちている。
いろいろな卓球指導書やDVDを買って観てみたが、卓球知恵袋のほうが上である。「知恵袋」は私たち初中級者の目線から説明してくれている。私たちが間違いを犯しがちな点に絞ってわかりやすくコツを説明してくれている。
これは本来、無料で見せるような内容ではない。1つの動画につき、100円ぐらいとってもいいぐらいだ。
こんな内容の濃い指導が無料で受けられるなんて、ちょっと大げさに言えば、日本卓球の革命といってもいいかもしれない。

昔も今も卓球が強くなるにはレベルの高い学校やクラブに所属して、上手な人と打たなければならないが、昔(インターネット普及以前)との違いは、今なら指導者や上手な人が周りにいなくても、独学である程度のレベルまでは行けることだ。昔も『卓球レポート』『ニッタクニュース』『TSPトピックス』などといった雑誌があったが、技術指導のページはほとんどなく、独学で上達するのはほぼ不可能だった。しかし、今ならyoutubeには上手な選手の動画があふれ、「卓球知恵袋」のような市井のプレーヤーのための動画も無料で見られる。とりわけ「卓球知恵袋」は日本卓球のレベルの底上げをしてくれているという点で大きな意味がある。

どうしてこんな1円にもならないことのためにぐっちぃ氏(とヤッスン氏)は毎日のように動画を作ってくれるのか。

「WRMの宣伝のためだ」

もちろんそれもあるだろう。しかしそれだけでは説明がつかない。WRMのイメージ向上のためだけに毎日パソコンの前に座ってブログを更新し、自分勝手な「教えて」コメントにコメントを返し、中高生(生意気で無理な要求をする子もいるだろう)の指導のために全国をめぐり、早朝に出社し、動画まで作ってアップしてくれるのか(しかも毎週のように試合に出場しているように思える。いったいプライベートの時間はあるのだろうか?ゴーストライターでもいるのでは?)。会社の規模のずっと大きなバタフライやニッタクなどがこれほどのサービスをほぼ無料で毎日のように提供してくれるだろうか?損得勘定抜きで卓球および卓球愛好者を愛してくれているとしか考えられない。このような奇特な人はそうそういない。若い人たちはぐっちぃ氏のような人が日本にいてくれることを当たり前だとゆめゆめ考えてはいけない。

私の知人で宗教の研究をしている人がいて、有名な神社や寺に非公開の国宝や重文の文書を見せてもらいに行ったりするのだが、そのような文書の中には出版はおろか、見せてもらうのもなかなか難しいものもあるらしい。

「別に減るもんじゃなし、学術的な目的のためなら、もったいぶらずにいくらでも見せてやればいいのに」

素人はそう考える。しかし、現実はそうはならない。
たとえば自分の寺社に縁の深い文書や絵画を何百万円もかけて購入した寺があるとしよう。その金の捻出はその寺社にとって大きな決断だったはずである。そこに東大とか京大の大学院生がフラッとやってきて、「論文を書くのに必要なのでお宅の文書を見せて下さい」といって、全ページデジカメで撮影して「ありがとうございました」。これでは、寺社としてはおもしろくない。

「うちの寺は公共の施設ではない。自腹を切って高価な文書を購入し、大切に保管しているのに、学生がさも当たり前といった顔で閲覧を要求してくるのはガマンならない。あまつさえインターネットで無断公開。これじゃこの文書の価値はダダ下がりだ」

知人はそのような社宝・寺宝の文書を見せてもらうために年に数回、寺社に挨拶に行き、その文書がどのような経緯で収められているのか、どのような由来・価値があるのか等の話を聞かせてもらい、数年それを続けて信頼関係を築き、「じゃ、ちょっと実物をみてみますか?」というご厚意に甘えて、やっと目的の文書を見せてもらえるという。いちげんさんはお断り。信頼のある人の紹介でようやく話だけ聞かせてもらえる。もちろん毎回手ぶらで行くわけには行かないし、コピーなどはさせてもらえない。見せてもらえたからといって関係が終わるかというと、そんなことはなく、その後もずっと挨拶に訪れなければならない。

卓球場で練習していたら、偶然となりの台で有名選手が練習していた。その選手にちょっとアドバイスをしてもらおうと質問してみたらどうなるだろうか?まちがいなく迷惑がられるだろう。

「減るもんじゃなし、教えてくれてもいいじゃない。こっちは熱心に卓球の上達を望んでいるのだから」

いくら減らないからといって、人の知識や技術を教えてもらえるのが当然だなどと思うのは大きな間違いである。長い時間をかけて信頼関係を築き、いろいろな便宜をはかってはじめて上級者は

「いつもお世話になっているし、たまには指導してあげなきゃな」

という気分になるものである。あるいは教室などに通って、ビジネスとして指導してもらうのが普通なのである。

ぐっちぃ氏の場合はそのような常識からかけ離れている。自社の宣伝のためという目的も多少はあるが、それを差し引いても、これだけ惜しげもなく自分の技術を不特定多数の人に教えてくれるなんて慈善事業としか思えない。このような活動で全国に顔が売れることによって、感謝されるどころか、いわれのない誹謗中傷にさらされることさえあるのだ。私がぐっちぃ氏の立場なら、そんな骨折り損の活動などまっぴらごめんだ。

ぐっちぃさん、ありがとう。私はぐっちぃ氏の努力に何らかの形で報いたいと思っている。

前置きが長かったが、そのような感謝の念の発露としてWRM社の王道04中国式というラケットを購入してみた。
そして先日初めて打ってみたのでその報告をしてみたい。

ブレードがこんなに小さいとは思わなかった。世間で言われているように非常に小さい。中国式の中では最も小さいかもしれない。そして軽い。グリップが適度にスベスベしていて、握り心地がいい。グリップレンズがなくてソリッドな印象。高級感がある。
ラバーは以前使っていたオメガIVというラバーを貼って打ってみたのだが、
「あれ?おかしいぞ。」
何度打っても違和感を感じる。特にドライブをかけるとき、非常にイヤな打球感を感じる。ラケットが硬くて、そのビビリがモロに伝わってくる感じ。ドライブを打とうとすると、バイーンとか、ガキーンといった打球感が返ってくる。裏面にボンバード極薄を貼っているために、振動を抑えきれていないのだろうか?あるいは硬いラバーには合わないとあったので、もっとフワフワ、モチモチのラバーでないと合わないのだろうか?世間での評判を聞くと、両面にテンションラバーを貼っているケースが多いので、両面に厚いラバーを貼れば、心地よい打球感を感じられるのかもしれない。

どうも納得がいかないので、長い時間をかけていろいろなラバーを使って再検証してみたい。

ぐっちぃさん、すみません。現時点では王道04の打球感はあまり気に入りません。

【追記】
この記事をぐっちぃさんのブログで取り上げてもらいました。
ぐっちぃの卓球活動日記
大人の事情で一部修正されていました。

ぐっちぃさんには非常に感謝しているが、やっすんのことも忘れていませんよ!
最近はぐっちぃさんに代わって知恵袋を大いに盛り上げてくれていますね。腰を回して打つ動画、とても参考になりました。
「腰を回す」って一言で言うけれど、その指すところは曖昧だ。
本当に雑巾を絞るように回すのか、はたまた外見には分からないほど、微妙に回すのか。やっすんの動画では回すというよりも、一度右に傾けてから、腰を立てるという感じだった。
やっすんは地味にいい仕事をしている。WRMの模木さんともいうべきかっこよさ。

【追記】130902
先日、ある指導者が「ぐっちぃの人気は本当にすごいね。でもみんなどうしてあんなに大騒ぎすんだろうね。もっと強い人や指導のうまい人はたくさんいるのにね。」と言っていた。ぜんぜん分かっていない。だからあなたは指導者として認められないのだろうと思った。ぐっちぃ氏の真骨頂はその人間性なのだ。卓球が強い人や指導理論に明るい人はこの業界にいくらでもいる。しかしあれほど真摯に卓球および卓球人を愛している人は稀なのだ。元世界チャンピオンだろうが、元全日本代表チーム監督だろうが、卓球人を喜ばせたいという篤い志においては、ぐっちぃ氏に及ばないのだ。

「高性能」ラバーの恩恵

「テナジー05はどうもしっくりこない。やっぱり64だな。」
こんなことを以前水谷選手が言っていた。世界レベルの選手ともなると、さすがに細かい。

しかしこんなことを言うのは世界レベルの選手に限らない。
県大会レベルの選手でさえ「5枚より、7枚合板がいいけど、シナリがちょっと」とか「このラバーでドライブをかけると、ボールが軽くなるが、弾道は…」とか言ったりする。

みんなどれだけ感覚が鋭いんだ?

私はラバーだったら

「かたい/やわらかい」
「引っかかる/ひっかからない」
「弾む/弾まない」

ぐらいしか体感できない。

ラケットだったら

「軽い/重い」
「硬い/硬くない」
「弾む/弾まない」

ぐらいしか体感できない。ラケットが「しなる」ってどういうことだろう?ドライブの描く弧線が高いとか気のせいじゃないの?

私は毎月のようにラケットを替えるし、ラバーの構成もしょっちゅう変える。なので「自分のボール」というのがない。毎週違うボールを打っていると思う。用具がしょっちゅう変わるので、スイングなども微妙に変わっていると思う。おそらく、世間の人は一定の構成の用具を何年も使い続け、「自分のボール」を確立しているのだろう。それで、新しい用具で試打する時、ふだんの「自分のボール」を尺度にして「回転がかかる」とか「ドライブが低く沈む」とか感じられるのだろう。

ところで、弧線を高く描くのと、低く描くのではどちらが良いのだろうか?高く描いたほうが安定性は高くなるだろうし、低く描いたほうが決定率は高くなるだろう。どちらが良いとは一概にいえない。重いボールと軽いボールなら、重いボールのほうがよさそうだが、そのためにスイングの戻りが遅くなるなら、軽くて速いボールのほうがいいのではないだろうか。

よく「○○より☓☓のほうが高性能」と書いてあるのを目にする。
同じようなドイツ製のテンションラバーを使っていたら、どちらが高性能かというのは私には分からない。
もちろん柔らかい・硬いとか、ひっかかりがいい・悪いというのは分かるのだが、柔らかいのと硬いのとどちらが「高性能」なのか分からないし、ひっかかりが悪いよりはいいほうが望ましいというのが一般的な通念だと思うが、人によっては引っかかりすぎてスマッシュが安定しないなどということもあるだろう。「高性能」というのは何を意味するのだろうか?

先日、非常に球威のある人と卓球をした。ラバーはドニックのDESTOとかいうラバーを使っていた。
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ジャスポで4000円弱

その人のボールは非常に重い。ズシッとくる。その人の打つ軽いドライブをドライブで返そうとしたら、うまくドライブできない。うまく説明できないのだが、ボールをミートしたとたん、バーンと弾かれてしまう感じで、ボールが直線的に飛んでいって、相手コートからわずかに出てしまう。うまくドライブがかけられない。気持ち悪い。そこで私なりに原因を分析してみた。もしかしたら、相手のボールのスピードと球威が強すぎて、こちらのラバーがボールをつかむ前に飛んでいってしまうのではないかと。
そこで思い至った。もしかしたら、ラバーによっては相当な球威のボールでもしっかりボールをつかめるラバーがあるのではないかと。世間で言われている「高性能」ラバーというのは、つまりこういうことなんだろうか?
「相当な球威でもしっかりボールをつかんで、回転をかけ返すことができるラバー」
とすると、私のようなヘタクソではなく、県の上位レベルや全国大会レベルのハイレベルなラリーにおいてこそラバーの性能の高さが大きく影響するのかもしれない。逆に言えば、私程度のレベルではラバーの性能が高い・低いというのはほとんど関係なく、柔らかくて引っかかりのいい安いラバー(ヴェガとか)で十分ということではないだろうか?テナジーとヴェガを打ち比べたことがある。確かにテナジーのほうが弾むし、回転もかかる気がする。しかし私にはテナジーの値段分のアドバンテージは感じられなかった。「高性能」ラバーの恩恵に与れる人は、一部の上級者だけなのではないだろうか。


右尻に力を込めて

強いボールを打つためには力を一点に集中しなければならない。
一般的にはスポーツでは臍下丹田に力を込めるといいと言われている。
卓球ではどうなのだろうか?

最近以下のブログを読み返してみた。
今では更新が止まっていて、遺跡のようになっているが、いろいろ興味深い記述がある。

「捻る」

> 膝を曲げて腰をラケットハンドがへ捻っていくとある地点で股関?のあたりがハマるというかロックされてそれ以上動かしづらい位置があります(そのときラケットハンド側のお尻はかなり張っている)ここが腰を捻って卓球に最適な力を生み出す位置になります。
> なのでここまで腰を捻ってから腰を押し出すことでボールに力が大きく加わります!

尻か!右の。

上の説明では「腰を押し出」して力を込めるように書いてあるが、腰に力を込めるというのはイメージしづらい。おしりならそれがイメージしやすい。私は実際に右のおしりに力を込めてスイングしてみたが、イイ感じだった。

スイングをするときに力を込める点がどこかにないと落ち着かない。普段は前腕に力を込めて振っているのだが、そうすると力んでしまい、腕がつかれてしまう。不必要に腕に力が入りすぎている感じだ。それよりもおしりのほうがずっとスマートに振れる感じがする。

そして振る前は「パワーポジション」という姿勢でいるのがいいらしい。
『卓球王国』2013年4月号「体幹トレーニング」によると、「股関節・膝関節・足首の関節が屈折し、骨盤が立っている状態」だそうだ。要するに腰を曲げずに軽く各関節を曲げた状態らしい。その姿勢を基本姿勢として、右尻に力を込めて打つのだ。

反対に力を抜くところはないのだろうか。先のブログでは

サービスに回転をかけるコツ!

サービスのときは指先だけに力を入れてラケットを握るといいと書いてある。
要するに手首の力を抜けということだろうか。これはサービスだけに限らず、いろいろなスイングでも応用できるのではないだろうか。実際に手首の力を抜いてYGサービスをしてみると、とんでもなく速く振れる。

野平直孝氏の『卓球―基本から戦術まで』(日東書院)にも以下の記述がある。

卓球の天才、とはどういうことだろうか。僕は、指の力を抜いた状態でラケットコントロールができる人が天才だと思う。指に力が入るとヒジにも、肩にも力がはいるものだ。【中略】指によけいな力が入らない”天才”は、インパクトまでラケットはゆるく、不安定で、その瞬間だけぴしっとタイミングを合わせることができる。打つ瞬間までよけいな力が入らないから、腕はムチのようにしなり、スイングのスピードが非常に速い。

つまり、スイング中は腕の力を抜いて、インパクトの瞬間だけ指だけに力を込めるのがいいらしい。

まとめ
卓球では腕や手首、指に不必要に力を込めるのはよくないらしい。そうではなく、腰や尻に力を込めて、インパクトの瞬間だけ指に力を入れてフォアを振れば、速くていいボールが打てるようだ。

【追記】
先日、ラージをやった。ラージは腕に力を込めて振ると、かえってボールがネットに引っかかってしまったりするものだ。そこで、インパクトの瞬間に腕の力を抜いて振ってみたところ、イイ感じだった。このことも検証を重ねて後日報告してみたい。

【追記2】
「バタフライコミュニティー」にある「エキスパートに聞こう」で岩崎清信氏が腰を使ってドライブする方法について以下のように述べている。

体を使ってスイングするために重要なポイントは、体重が乗っている軸足(右足)を大きく蹴り上げることでスイングをスタートさせることです。右足を蹴った勢いで左足が浮き、右足がつま先立ちになるイメージで振りましょう。
振り始めるときは、どうしてもラケットを持っている右腕や上半身を意識しがちです。しかし、これでは上半身と下半身がバラバラになりやすく、せっかくためた体の力を生かせません。
下半身を軸にして始動することで、まるで"でんでん太鼓"のように腰、肩、腕がスムーズに連動しやすくなります。

「右足がつま先立ちになる」「でんでん太鼓」という比喩を使って表現しているのが素晴らしい。指導経験の豊富な人はイメージの伝え方が秀逸だ。

バックから攻めろ

卓球のサービスから得点までの一連の流れをここでは「ポイント」と呼ぶ。
ポイントはサービスから始まり、レシーブ、ドライブ、ブロック、決定打、ミスのように展開する。
これを序破急になぞらえてもいい。

サービスおよびツッツキ・ストップなどが序だ。
その流れをフリックやドライブなどで破り、ラリーに持ち込み、
ブロックや強打で決める。

この中で私がよくやっている練習は急の部分だ。フォアロングやバックロング、ドライブ対ブロックや切り替え練習など。こういう練習はラリーが続いて楽しい。うまく序・破の部分を越えられれば、急の練習の成果が活かせる。しかし、実際の試合ではこうならない場合が多い。

先日、上手な人と試合をさせてもらった。普段は基本練習ばかりしているので、久しぶりにゲームをしたのだが、まずサービスが取れない。低くよく切れた速いサービスを出されるのだ。取れたとしても、受けるのがやっとでこちらから厳しいコースを突くことができない。そうすると、相手がやりたい放題打ってきて、こちらは全く攻撃させてもらえない。一方的に相手の攻撃にさらされてしまう。

最近、いろいろな技術が安定してきて、少しは上達してきたと思っていたのだが、試合となると、自分の上達した部分を生かせない。もっとサービス・レシーブを磨かなければ。

それと、ゲームをして感じさせられたことはバックからの攻撃ができないと、かなり不利だということだ。バックドライブやフリックはまだ不安定で、相手に迷惑をかけるので、あまり練習していないのだが、これが安定して打てないと、相手に主導権を握られがちだ。上手な人が相手ならなおさらだ。やられ放題になってしまう。

普段、基本練習ばかりやっているのと、切れたサービスを出してくれる相手に恵まれていないので、ゲームでなかなか勝てない。今年は序・破の部分を磨くことが課題になりそうだ。

上手な人(全中に出たことがある?人)に練習メニューについてアドバイスしてもらったのだが、その人によると「本当に試合でよく来るボールかどうかを考えて練習すべし」ということだった。3球目練習にしても、しっかりと切れたツッツキを返してもらい、それをドライブする練習をしていたのだが、その人によると、実際にはそんな切れたツッツキはそんなに多くないから、むしろあまり切れていないツッツキをドライブする練習のほうが実践的らしい。練習メニューの中から、実践的なものと、そうでないボールの感覚をつかむだけの練習というのを区別して練習しなければならないと思った。


見え方が違う 続貂―この1年を振り返って―

そろそろ今年度も終りを迎える。
そこで、この1年の自分の変化を振り返ってみようと思う。
ラバーを表に替えてみたり、高級裏ラバーを使ってみたり、ラケットを弾むラケットに変えてみたり、中ペンに替えてみたりした。いろいろやってみたが、結局裏裏に落ち着いた。

個々の技術
フォアドライブが安定した
フォアのミート打ちはまだ不安定
ツッツキがバウンド直後で掬うように打てるようになった
バックドライブ・チキータはまだ不安定
バックのブロック、ハーフボレーが安定した
サービスが安定した

しかし、こういう技術ではなく、意識の違いのような変化こそが大きな変化だと思う。
下のブログに「上達にしたがってボールの見え方が変わってくる」という記述があった。

強い選手と弱い選手は見え方が違う

最近、サービスをレシーブするとき、前陣にいられなくなった。
以前は、台の裾ギリギリの深いボールが来ても、平気で前陣で受けていたのだが、最近は中陣近くに下がっていないと落ち着かなくなった。前陣で深いボールが来ると、どうしても気持ちのいい打球点で打てない気がして、つい一歩下がってボールを待ってしまう。
ドライブを打つときも以前なら、とにかくどんなボールが来ても自分のいる位置からドライブを打とうとしていたのだが、最近は懐がうまく作れないところで打つのがイヤで、打ちやすい立ち位置に移動してから打とうという意識ができてきた。

「ここで打つのは気持ち悪い」

この変化はすごいと思う。部活をやっていた頃にはまったく育たなかった意識がここ一年で育ってきているのだ。
特に左右のフットワークだけでなく、前後のフットワークを意識するようになってきた。バッククロスに来たボールをドライブで返すとき、グイッと大きく一歩下がって打つようになりつつある。後ろに下がらないと、間に合わず、回り切れないことが多くて気持ち悪いのだ。

また、ラケットの面のどこで打つかという意識も育ってきている。サービスでブレードのどこで切るのかというのはもちろんだが、ドライブやツッツキでも「このボールはブレードの端の方で切ったほうが気持ちいい」と感じるようになった。

最後にスイングについてだが、前陣ならバックスイングをほとんど取らなくても打てるようになった。今まではしっかりバックスイングをとってガーンと打たないと「気持ち悪」かったのだが、最近はバックスイングをとらないで打つのも気にならなくなった。これは腰の回転と無関係ではない気がする。つまり今まではバックスイングのネジリがないと、うまく腰を回せなかったのが、最近は小さなスイングでも腰を使えるようになってきたということかもしれない。

このように振り返ってみると、「気持ち いい/わるい」という感覚が育ってきたことがこの1年の大きな収穫だと思う。「もっと足を使わなきゃ」というのは昔から思っていたことだが、なかなか実践できなかった。頭ではわかっていても体が動かない。頭でわかるのではなく身体で感じることが重要だと気付かされた1年だった。


オーバーミスの原因を探る

最近、ラバーを替えたためか、オーバーミスが多い。
最近、F面をオメガIVの特厚?に替えてみた。
オメガIVはプロだの、アジアだの、いろいろなタイプがあるようだが、中古で買ったのでよく分からない。
ヴェガと同じようにパサパサした感じのスポンジなので、ラバー重量が軽いが、ヴェガよりも弾力があり、弾む。ちょっとテナジーみたなラバーだ。
ヴェガと較べてドライな感じ。もちろん滑るわけではないのだが、私などの球威では、しっかりとラバーに食い込ませるのが難しく、あまりボールを掴んでくれるような感覚が味わえない。掴む前に飛んでいってしまう感じだ。おそらく上級者のインパクトの強さがないと、使いこなせないのだろう。

それでオーバーミスが多い原因を考えてみた。
角度が悪い。
それはそうだろう。しかし角度にもいろいろある。ラケットの面の角度、それからスイングの角度。スイングの角度もZ軸(奥行き)を強めに振っているのか、Y軸(上)を強めに振っているのか。
そういうことは自分では間接的にしか分からない。
道案内を図を使わずに言葉だけでするようなものだ。

そこでビデオカメラで自画撮りをしてみた。
最近のビデオカメラの安さは異常だ。1080Pの動画が取れるビデオカメラが2~4万円で買える。
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価格コムで一番人気のパナソニックの上のカメラは3万弱。ビクターのカメラなら2万円を切るものもある。
最近はコンパクトデジカメでも動画が撮れるが、動きのある動画を長時間とるなら、ビデオカメラのほうが上だ。スマートフォンでも撮れるらしいが、使ったことがないので分からない。

その動画で自分のフォームを見たら、いろいろ問題点が見つかった。

1.間に合っていない=スイング及び、そのスタートが遅い=手元に引きつけすぎ
相手のボールが自コートにバウンドした時にスイングをスタートさせるといいと聞いたことがある。しかし私の場合はそれがやや遅れて、スタートさせたときには自分の体にけっこう近づいている。ボールは自分の体の前で打つのが安定すると思うのだが、最適な遠さを過ぎて、やや横で打ってしまっている。しかもスイングスピードはあまり速くない。

2.フォームが大きくカーブを描いている
途中で角度が間違っているのに気づき、それを調整しようとして無理に上からかぶせようとしている。それが極端になると、スイングの途中でヒジが上がってしまうが、そこまでではないにしても、そういう気味が窺える。そしてスイングが大きいので、次のボールに間に合わない。

3.ボールの後面(自分から見て)を打っている=ラケットが下から出ている
ネットに引っかからないように下から擦り上げる癖がついてしまっている。
もちろん、下回転のときはラケットを下から出し、順回転のときはラケットを横から出し、ボールの上を水平気味にこするというのは頭ではわかっているのだが、動画を見るとそれが徹底しておらず、順回転でもラケットを下から出している感じだ。右利きの私からボールの側面を見ると、下回転なら2~3時近くをこすり、ドライブをかけている。順回転ならもっと上ををこするべきだと思うが、順回転でも2時ぐらいをこすっている。ボールの高さが低いときはそれでも入るが、やや高めにバウンドしたボールを2時でこすると、オーバーミスをしてしまう。

4.連続ドライブをすると、上体が浮き上がってしまう
体幹というのがしっかりしていないのだろうか。ドライブを打って、返球されたボールをさらにドライブしようとすると、体が伸び上がったまま、連続ドライブを打ってしまう。ちゃんともどらなくては。

5.スタンスが狭い
自分では広めにスタンスをとっているつもりなのだが、ビデオを見ると、ほとんど足を開いていない。

以上、いろいろな問題点がビデオを見れば一目瞭然である。

【まとめ】
オーバーミスの原因は角度が悪いから。
その一言では、オーバーミスは減らないだろう。「角度が悪い」にもいろいろあり、私の場合は、ボールがラケットと接する位置が悪く(ボールの上ではなく、後ろをこすっている)、言い換えれば、ラケットを下から出しすぎていたわけだ。さらにスイングのスタートが遅いためにボールを自分の体に近づけすぎて打っていた。
これら、いくつかの要因が複合して「角度が悪い」という結果が出ている。単にラケットの面の角度を変えれば良いボールが打てるというわけではない。

おそらく芸能人は鏡で毎日自分の表情をよくチェックしており、写真をとられるときに自分が思った通りの表情を作れるだろう。それと同じように卓球でも自分が今、どんな姿勢やフォームで打っているかを意識できるのは大切だと思う。そのためにもっと自分のプレーを動画でチェックする必要があると感じた。

フットワーク研究 その1

ラケットに薄く当てるだの、回転の軸を外してドライブをかけるだの、チキータだの、フリックだの、そういうことを追いかけるのはもうやめようと思う。そんな細かい技は、基本がちゃんとできている人にこそ必要な技術であって、私のような基本ができていない人間は、今すぐ身につけなくてもいい技術なのだ。
また、フォロースルーの位置がおかしいとか、シュート気味にドライブをかけるとか、そういう微妙な振り方の問題も後回しだ。

相手のサービスを下回転でしっかりつっつき、相手がドライブを打ってきたら、ブロック、チャンスを見てフォアで決める。

そういう昔ながらのやりかたで強い人は十分強い。フットワークがしっかりしているからだ。最適の位置に移動し、間に合いさえすれば、フォームが多少歪んでいても問題ない。私のような基本ができていない人間はまずフットワークの習得を最優先にしなければならない。



上のビデオを見て、いろいろ発見があった。
卓球のフットワークというのは反復横跳びと同じようなものだと思っていたのだが、全然違う。

A:両足で同時にジャンプ
B:モモの開き具合は常に一定

Aについてもう少し細かくみてみると、

A1:打球時に踏ん張っていない(足の力を打球に伝えていない)
A2:ジャンプしながら、腰を使ってスイングしている
A3:常に小刻みにジャンプしている

Bについてもう少し細かくみてみると、

B1:かなり広めにスタンスをとる
B2:小さく移動するときは膝をあまり使わないで、足首の力でジャンプして移動
B3:大きく移動するときは、一度に大きく動かず、小さなステップを素早く繰り返すことによって移動する

講師の先生は指導経験豊富とおぼしく、ありがちな間違ったフットワークの実演もうまい。あやしげな英語を使うが、聞き取りやすい。途中で質問している人は英語で質問しているのだろうか?私には全く聞き取れず、英語には聞こえなかった。講師の先生も聞き取れなかったらしく、仲間の顔を見合わせてから、”We'll play more" とかなんとか言って、とにかく実演で納得させようという戦略をとっている。



次のビデオはバランスを崩さないことの重要性と、フォアへの飛びつきのコツについて説明している。またヨーロッパ選手と中国選手のフットワークの違いについても触れている。ヨーロッパ選手は回り込んだ後にニュートラルに戻って、バックハンドで打とうとするが、中国選手は回り込んだまま、次のボールをフォアハンドで待つのが一般的らしい。先生の悪い例の実演がまた、上手だ。そしてまた意味不明の質問があって、先生は聞き取れず、苦笑いしている。

ここで学んだことは、次のことである。

C:フォアへの飛びつきでは、大きく足を動かすが、利き足を後ろにして、非利き足と利き足が前後に位置するように動く(アメリカンクラッカーのように左右の足がぶつからない)
D:フォアへの飛びつきでも平行に動く(後ろに下がらない)

Cについてもう少し詳しく言うと、大きく動くとき、足を☓のように交差させないというのが中国式のフットワークだというのは聞いていた。そして「一歩動」などという言い方も聞いたことがあった。
私の以前のイメージでは、右利きの選手が右に飛びつくときは、右足を大きく一歩右に出してフォアを振り、その右足が着地したときに踏ん張って、左に戻るというものだった。
しかしこのビデオを観ていると、一歩だけで間に合う距離ではなく、二歩で大きく動いていた。右利きの選手なら、右に大きく移動するとき、初めに着地するのは左足だった。

つまり、
〈右利きの場合のフォアへの飛びつき〉
右足でふんばり→左足で着地し(この時、左右の足は交差させず、前後に並ぶ感じ)→右足着地+ふんばって→戻る

ということになる(ビデオのモデルは左利きなので反対)。
これは私が無意識にやっていた

左足でふんばり→右足で着地し→また左足でふんばり→右足で着地する

という動きと違う。私が3歩に分けてやっていた動きを、ビデオのモデルは2歩で大きく動いているのだ。

わかりやすく言うと、端から端へ移動するとき、はじめに踏ん張る足は中央寄りの足ということ。
昔、スウェーデンの自動車メーカーでサーブとボルボというメーカーが、凍った道での安定性はFF(前輪駆動)かFR(後輪駆動)のどちらが上かという戦いをしていたが、結局FFのほうに軍配が上がり、ボルボもFFの車ばかり作るようになったという。私はあまり車に詳しくないので、このエピソードはもしかしたら、間違っているかもしれないが、フットワークで踏ん張る足もFFのほうがいいようだ。

次にDについてもう少し詳しく言うと、回りこむ時も、飛びつくときもほとんど平行に移動している。
確かに回りこむ時に微妙に台の縁に沿って移動しているが、基本的には平行だ。つまりあまり「クルッと」回りこんでいない。体を開いて打つ空間を作ることで補っている。逆にフォアへの飛びつきは、ボールの到着の時間をかせぐために、やや斜め後ろに下がりながら移動するかと思ったが、ほぼ平行に移動している。

今度練習するときに上の諸点を頭に入れて動いてみようと思う。

【追記】130906
足を大きく開いて小刻みにフットワークをするためには、上半身の動きとステップを連動させなければならないことがわかった。足だけでは動けないので、上半身のねじる動きとステップを連動させなければならないのだ。つまりフォア側への移動なら、スイングの頂点で右足を出すようにする。足で動くというよりも、上半身の回転の力で右に移動するわけだ。

Liu Shiwen(劉詩文)研究 その4

カタールオープン2013で詩文が丁寧に負けた。
今まで丁寧を寄せ付けなかった詩文がどうして負けたのか。
何度も動画を見て、詩文の敗因を考えてみた。しかし私ごときの目には、どうして負けたのか決定的な理由はわからない。しかし、いくつか気づいたことがある。

・詩文のフットワークが悪くなった。
・丁寧のボールが厳しいコースをとり、かつ、深くなった。

カタールオープン2013



2011 世界選手権


2012グランドファイナル


世界選手権の頃の詩文はすばらしい動きをしていた。右に左に素早く動き、丁寧を後陣に下げ、涼しい顔で左右にやりたい放題に揺さぶっていた。一方の丁寧は基本練習をしっかりやっているのだろう、非常に模範的なコースを突く。練習メニューのようなクロスとストレートを交互に打ち、しかも相手が取りやすいような浅いボールばかり打っているために、詩文にやりたい放題やられている。しかしさすが丁寧、それだけやりたい放題やられているのに、かなり拾っている。
それがカタールオープンでは詩文がフォアハンドで攻めるチャンスが少ない。おそらくフットワークが鈍っているのだろう。そして丁寧が深いボールを打つために詩文は中陣に下げられてしまっている。そして丁寧のコースが厳しくなっているために詩文の得意の前陣での広角カウンターを炸裂させるチャンスが作れない。詩文も衰えたのだろうか。そういえば髪型を変えて(後ろでくくっている)から急に老けたような気がする。生活に疲れた主婦っぽい雰囲気が漂いだしている。打球点が早く、前陣でカウンターを打ってくる相手に対しては、深いボールが効くのかもしれない。

それにしても、丁寧、侮りがたし。

丁寧は容貌通りの男前の卓球をする。直球勝負といった感じだ。しかし丁寧がいやらしい卓球をするようになったら、詩文もうかうかしていられないのではないだろうか。


いろいろ動画を見ていたら、丁寧とパーソンの試合というおもしろい動画を見つけた。




キラースピンのイベントらしいのだが、丁寧の色っぽいこと。こんなかわいい丁寧を見たことがない。"slowmotion studies"などと、もっともらしいタイトルが付いているけれど、こんなエロい衣装を着せて、要はグラビアアイドルの「イメージビデオ」といっしょでしょ。中年エロオヤジの趣味丸出し。

動画ではお互いにリラックスしてプレーしているが、さしもの丁寧もパーソンにはまったく歯がたたないようだ。
女子選手との対戦に慣れているので、ヨーロッパ選手の後陣からのドライブなどは受け慣れていないのだろうか。ある程度球質に慣れてきたら、1ゲームぐらいは取れるのかもしれないが。
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