しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




2012年03月

前回、サラダ油を使って使い古しのラバーのグリップ力を取り戻そうと試みた。
この結果を記したいと思う。

サラダ油をラバーのトップシートにベッタリと塗り、1回目は乾燥させたが、あまりグリップ力に違いが出たとは思えなかった。そこで2回目はベッタリ塗った後に保護シートをつけ、乾燥しないようにして3日ほど放っておいた。すると一部が乾燥してしまったので、改めてべったり塗りつけて保護シートをつけて油を密閉しておいた。

そして今日見てみたら、ラバーが隆起していた。
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向かって右側が膨らんでいる。剥がしてみるとイカのようになった。


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スポンジ面に有機溶剤を塗ると反り返るが、その逆バージョンである。
そこでスポンジ面にエコセメント(ゴムのり)を塗って対抗してみた。
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トップシートのサラダ油とスポンジ面の有機溶剤(ゴムのり)のせめぎあいの結果、ここまで広がった。
これをラケットに改めて貼りつけてみたのだが、なかなか張り付かない。厚い本を載せて、数時間待ってみた。
一度は貼り付いたものの、また剥がれてしまったので、公認接着剤(フリーチャックⅡ)でくっつけてみたところ、なんとか貼り付いた。

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乾燥させてみたところ、トップシートはサラダ油の影響でしっとりしている。すこしふやけた感じだ。
サラダ油によってラバーが変化・変形したということは、なんらかの化学変化が起こっているようだ。

触ってみた感じはほんの少しグリップ力が戻ったような気がする。しかし当然ながら新しいラバーのようなグリップ力はない。

まとめ
サラダ油を3度塗って十分に染み込ませてみたところ、サラダ油の化学変化でラバーが丸まってしまった。多少表面がしっとりして、グリップ力も少しは戻ったものの、劇的な変化はなかった。効果がないわけではないが、サラダ油によるトップシートチューニングは手間やラバーの変形を考えると、あまりおすすめできない。



今日の世界卓球の日本女子の試合はすばらしかった。この興奮を文字に留めたいと思い、筆をとった次第である。

世界卓球女子準々決勝。日本対韓国の試合は2-2で石川佳純選手とキム・ギョンア選手の最終戦へ。
最終戦でも2-2で最終セットへ。さらにデュースの末、石川選手が敗れ、日本女子の準決勝進出ならびにメダル獲得の目標は潰えた。

この最終戦を結果を知ってから見たとしたら、おそろしく退屈な試合だろう。お互いに緊張しすぎてありえないミスの連発。返球も安定重視でスピード感に乏しい。しかし私はリアルタイムでこのすばらしい試合を見ることができた。本当にすばらしい試合だった。石川選手にお疲れ様と労を労ってあげたい。

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石川選手の今大会の調子は今ひとつ。それでも1試合目の福原愛選手の勝利に続き、2試合目のソク・ハジョン選手をフルセットの末に破り、2-0で王手をかけた。次の平野早矢香選手の試合がすばらしかった。「ここでもし負けたら、試合がひっくり返されるかも」という平野選手の危惧が手に取るように分かった。もし次の福原選手に番が回ったら、プレッシャーに弱い福原選手は負けるような気がした。平野選手は勇気を振り絞って果敢に攻めた。見ているこっちがハラハラするほどに。平野選手はプレッシャーに負けなかったと思う。しかし結果は1-3で敗けてしまった。平野選手は「鬼」と譬えられることが多いが、むしろ「サムライ」だと思う。次の福原選手は案の定、1セットも取れず、簡単に(といったら言い過ぎだが)負けてしまった。2-2に追いつかれ、日本女子の命運は弱冠-1歳、19歳(数え年なら20歳)の石川佳純選手の双肩にかかっていた。

石川選手の戦いはプレッシャーとの戦いだった。もし本調子でプレッシャーがなかったら、簡単に勝てる相手に見えた。キム選手はほとんど攻撃せず、ひたすらミスを誘うだけの昔ながらのカットマンである。敵はキム・ギョンア選手ではなく、プレッシャーだった。試合を見ているこちらでさえ、胃が痛くなるような緊張感があったのだから、試合をしている石川選手の心境やいかに。卓球ファンは言うまでもなく、日本中のお茶の間が固唾を飲んでこの試合を見守っていることは想像に難くない。たとえ世界チャンピオンといえども、同じ条件・立場でこの場に立っていたら、果たしてまともな試合ができたかどうか。舞台は卓球の大会で最も権威のある世界選手権。日本女子はこれまで5大会連続銅メダルを獲得。ここで負けたらその連続記録をストップさせることになるし、ここで負けたらせっかく盛り上がってきた卓球に対する注目度も下がってしまうし、スポンサーも手を引くかもしれない。あまつさえ震災で弱っている日本に勇気を与えるために金メダルを狙うと大口を叩いてしまった。しかもこの世界選手権でいい結果を残せれば、夏のオリンピックにいいメンタルコンディションで臨める。そして相手は格下、というか普通にやったら勝てるはずの韓国である。

これだけ山盛りの負けられない条件が19歳の女の子にのしかかっているのだ。私は石川選手を手の届くような距離で見たことがあるが、テレビでみるよりもちっちゃくてかわいかった。あんな可憐な女の子が日本の期待を背負って一人で戦っているのだ。若い人はこのような重圧の中で簡単に勝負に出てしまう。マンガ『カイジ』の利根川が言っていたように、耐えられないのだ、重圧に。しかし石川選手は違った。私は石川選手が痛々しくて見ているのが辛かった。「途中で諦めて、好きなように打ったらいい。それで負けてもしょうがないよ。」と声をかけてやりたかったが、石川選手は最後の最後まで勝つ可能性をギリギリまで追求していたと思う。普通の選手なら、とうに心が折れてしまい、「ままよ!」とむやみに思い切り打って、負けてしまうところを石川選手は最後までプレッシャーと戦い、最終セットのデュースまで戦った。その精神力の強さは称賛に値する。私は石川選手を大いに褒めてあげたい。よくやった!石川選手。あなたの最後の最後まで戦い抜いた精神力は日本に勇気を与えてくれた。彼女は日本の誇りである。

追記:男子の試合でタイムアウト等でベンチに選手が戻ると、宮崎監督がマシンガンのように注意点を浴びせかけているが、男子選手はうるさいと言わんばかりにほとんど聞いていないように見える。逆にチームメイトのアドバイスにはきちんと耳を傾けているように見える。宮崎監督と男子選手との信頼関係は大丈夫なのだろうか。

そろそろ禁煙をしようと思っているのだが、禁煙補助剤はとても高価で買う気にならない。
そこで私の経験から、リコルシェを禁煙補助剤の代用品にしてみることにした。

リコルシェとは?
リコリスlicorice 、ラクリッツLakritzなどとも呼ばれるスペインカンゾウの根から作られたヨーロッパのお菓子である。かわいい名前とは裏腹に凶悪な味である。ソフトキャンディーのものが多いが、ハードキャンディーのものもある。北欧では特に人気が高いらしく、フィンランドではサルミアッキとよばれる、塩味とアンモニア臭のある、さらに強烈なバージョンもあるらしい。こちらも機会があればぜひ試してみたい。

これがどうして禁煙補助剤の代わりになるかというと、とてつもなくまずいのである。初めて食べた時、まずすぎて飲み込めなかったほどだが、あまりにもまずいので1周して「忘れられない、もう一度食べたい」ということになってしまった。

そこでイギリス人の知人に一時帰国した際に買ってきてもらった。
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なんとも毒々しいリコルシェ。こんぶ飴に近い触感だが、独特の臭いと甘みで凶悪な味を醸しだす。

その他にとてもおいしそうなリコルシェも買ってきてくれた。
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カラフルな色が食欲をそそるが、大量の砂糖で作られているため、リコルシェ独特のまずさが消されてしまい、砂糖の塊を食べているような感じ。ちょっと残念。

ハードタイプのキャンディーを日本で探してみたのだが、大手の輸入食品店でも売っていない。店員さんに聞いたところ、リコルシェは日本人の口には合わないので扱っていないとのことである。

アマゾンでハリボーのリコルシェ味が売っていた。
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このグルグル巻を紐解いて少しずつ食べるのである。これは食べやすくてオススメである。

リコルシェはまずい。特に1つまるごと食べると胃がもたれて、何か口直しが欲しくなる。2つ食べると吐きたくなる。それほどの威力があるのだ。強烈といえば、ベトナムにも強烈なお菓子があるらしい(知人は「生ゴミを食べたのかと思った」と言っていた)。これらの世界の激マズ菓子も機会があれば試してみたい。

タバコが吸いたくなったら、この強烈な味でタバコのことを忘れさせてくれるに違いない。
4月からリコルシェで禁煙を始めてみようと思う。

【追記】2013/06/01
ドイツ人の知人に「ラクリッツのハードキャンディーはないか?」と尋ねてみたところ、katjesという製品がハードキャンディーだという。 しかし、どうやらこれは商品名というより、会社名らしい。どこか近所にラクリッツのハードキャンディーが売っていないかな。

【追記】 2013/06/05
ドイツ人の知人が「家族からの荷物の中にあったから」とラクリッツをくれた。
racritz

 

 















これはkatjesのキャンディーの中でも最も硬いタイプらしい。なるほど、確かに今まで食べたソフトキャンディーの中では最も硬い。味の方は予想通りまずくて気に入った。しかし私が以前、イタリア土産でもらったのはハードキャンディーだった。ふつうのアメのようにカリカリしたタイプだ。あれは甘さも控えめでリコルス性がとても高かった気がする。あのまずいハードキャンディーがもう一度食べたい…。

世界卓球2012の予選が始まっている。
日本女子は好調を維持し、予選リーグを1位通過できたが、男子はあろうことか完全に格下のポーランドに負けてしまった。岸川選手は悪くない内容だったにもかかわらず、2敗してしまった。これは運が悪かったと諦めるべきなのかもしれない。

テレビ東京が世界卓球を大いに盛り上げてくれているのは喜ばしいことである。「卓球の鬼 平野早矢香」「若き天才 丹羽孝希」といった二つ名もおもしろい。卓球に馴染みのない人が選手の特徴を捉えやすい。ただ、「強豪ポーランド」「強豪クロアチア」などと、どの国にも「強豪」を付けているのは事実を反映していないので問題である。テレビ的な演出だからしょうがないという向きもあるかもしれないが、「演出なら何でも許される」「おもしろければどんな手法を使ってもいい」という論理では、マスコミとしての誠意が感じられない。そこは、たとえ演出的におもしろくても、事実に反するなら、がまんしてほしい。そうしなければマスコミに対する信用がますます失われていくだろう。

私は樋浦令子さんが好きである。美人だからではない。以前、神戸のジャパン・オープンを見に行った時、無礼な子供たちが選手と見れば、誰かれ構わずサインを求めていた。その求めに誠実に応じていた(さすがにうんざりした表情だったが)のが樋浦さんなのである。それを見て、樋浦さんのお人柄がゆかしく思えた。

その樋浦さんが女子の試合の解説をしている。これがすばらしい解説なのである。1球1球のポイントに対して、ポイントをとられた側はどうしてここでミスをしてしまったのか、あるいはポイントを取った側はどういう戦略でポイントを得たのかプレー鑑賞のジャマにならない範囲で詳しく解説してくれる。私のような下手の横好きにとってはこの解説によって選手の工夫やカケヒキがよくわかるし、卓球をしない人にとっては、この解説がなければ最長5セット×5人もの試合を飽きずに見通すのは不可能だろう。
私はyoutubeやITTVで卓球の試合をよく見るが、自分が卓球をやっているので解説が外国語で理解できなくても楽しめる。しかし卓球をしない人は上手な解説がなければ、どんなすごい試合でも、10分も見たら飽きてしまうのではないだろうか。

私たちは名画や文学といった芸術作品を見ても、それだけで楽しめることは稀である。ルーブル美術館で名画ばかりを見てウンザリしたし、夏目漱石の文学を読んで「また高等遊民か」とバカバカしく思ったりする。専門外の人間にとってはその芸術作品がどんな背景で作られたのか、あるいは従来の作品と比べて、どこが画期的なのかの解説がなければ、鑑賞するのは難しい。

それを考えたら、スポーツにとって解説というものは非常に重要なものだと改めて思った。素材がいくら良質でも調味料が貧弱ではその料理がひきたたないように解説が貧弱なスポーツ中継はおもしろみが半減する。

今回の試合では女子よりも男子のほうがおもしろいと思うのだが、解説が松下浩二氏なのが残念である。松下氏は経験や実績では樋浦さんよりも上かもしれないが、解説はお粗末である。

アナウンサー:今のブロックはすばらしいコースでしたね。
松下氏:ええ、とてもいいコースでした。
アナウンサー:スマッシュ!決まったー!
松下氏:いやぁーとてもいいボールでしたね。こういうプレーで行ってほしいですね。

松下氏の解説には「どうして」がない。なんだか新鮮で上質な牛肉に塩をかけて生で食べているような解説である。スピードが速いとか、きわどいコースに返球したということは、卓球をしない人でも見れば分かる。「どうして良かったのか」「どうしてすばらしかったのか」を解説してほしいのである。アナウンサーの描写や感嘆にただ相づちを打つのではなく、素人にも分かるように回転の具合を説明するとか、逆モーションで返球したとか、どうやって相手の弱点を突きつつ、自分の得意な展開に持っていったのかといった上級者ならではの解説をお願いしたいものである。卓球は見て分かりやすくないスポーツである。特にサービスは同じモーションでいろいろな変化をつけるので素人には非常に分かりにくい。このサービスに対する解説はぜひお願いしたい。

今回の世界卓球での樋浦さんと松下氏の解説の甚だしい差にスポーツにおける解説の重要さを教えられた次第である。

追記:平野選手の「相手の目を見てガッツポーズ」が威嚇行為とみなされて審判から注意を受けた。長年卓球をしてきたが、こういう行為が反則になるということは初めて知った。だからほとんどの選手は後ろを向いてガッツポーズを取るのか。解説はいろいろなことを教えてくれる。

youtubeにサラダ油を使ってラバーのグリップ力を上げる方法が紹介してあった。

http://www.youtube.com/watch?v=ys13rLMzezM

これが本当に有効かどうか確かめてみたい。

私が求めているのは強烈な粘着力ではなく、使い古しのラバーのグリップ力を元に戻したいだけである。
もしこれが可能なら、ラバーの寿命が格段に伸び、経済的だと思うのである。

使い古しのマークV黒・中。ラバーの中央に白い縦線が浮かび上がっている。典型的な寿命を迎えたラバーである。
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これにサラダ油を垂らして、全体にまんべんなく広げる。

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表面に油のボトルが映っている。

それにクリアファイルを切り抜いたラバー保護シートをつけて、待つこと3時間。

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さらに保護シートを剥がして2時間ほど乾燥させてみた。

しかしあまり変わっていない。youtubeの動画によると、3~5回これを繰り返せと書いてある。サラダ油の代わりにベビーオイルでもOKらしい。

これから世界卓球2012を見ながら、またオイルを塗ってみようと思う。
結果は後日。


卓球インストラクターの新井卓将さんのブログを読んでいると、本当に勉強になる。タクショーさんは卓球の指導を科学的に理論化しようと試みているようだ。

スポーツの指導、ひいては教育というものは、科学や理論とは相性が悪いと感じる。ブッダも衆生を悟らせるには「対機説法」という方法をとる。つまり人によって教え方を変えるということだ。気の弱い人には「自信をもつことが大切だ」と教え、自信過剰な人には「謙虚になれ」と教える。

このように物質とは違う、心を持った人間を対象にすると、どうしても画一的で科学的な指導法というものは役に立たない。

教育の科学といえば、教育学である。しかし教育学の本や論文を読んでも、いい教師になれるとはとうてい思えない。教育学専攻の友人は「教育学では論文に教育的示唆があるかどうかは関係ない」と言っていた。つまり現場で役に立たない研究でも価値があるというわけである。

万人にとってあてはまるように、指導・教育を理論化することは本当に大変だと思う。しかしタクショーさんなら、その難業を成し遂げてくれるのではないかと期待させられる。もしタクショーさんの本が出版されたら、ぜひ読んでみたいと思う。

タクショーさんの「たくしょー掲示板」というページにこんなことが書いてあった。
--------------
参考になるのはバスケットボールとサッカー、そして個人事業の開業についての書籍などです。ビジネス関連の書籍や雑誌もなかなか参考になります。あと、意外に自動車の運転や料理も卓球と似ていたりします。
-------------
http://hidebbs.net/bbs/tacshow?sw=t

卓球の指導法は卓球書だけを参考にしていては発展しないだろう。タクショーさんのように様々な分野の知見を取り入れて初めて土台ができあがるに違いない。私もタクショーさんをまねて、他分野の書籍から卓球に役立ちそうな部分を紹介したいと思う。

次に紹介する本の、以下の一文に「なるほど」と思った。

「何十年も生きている大人でさえ、自分の気持がわからなかったり、わかったとしてもどう伝えて良いか悩むことなど、まだまだいっぱいあります。この世に生まれて数年の子供が自分の気持ちを表現できずに大泣きしたり、怒ったりしても、仕方のないことだと思いませんか。」(石川理恵『子どもの「育つ力」を伸ばす 楽々ファミリーコーチング』山海堂)

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そうなんです。大人だって子供と基本的に変わりません。うまく行かないときに子供は泣いたり、ジダンダを踏んだりといった方法で気持ちに折り合いをつけ、大人は酒を飲んだり、買い物したりといった方法で折り合いをつける。その方法の違いだけで、解決法が分からないのは大人も同じです。

いくら練習しても上手にならない、だんだん意欲がなくなっていく、不満やウップンがたまる…。
こういうときはどうやってヤル気を維持すればいいのか。

岡田祥訓『メンタルを考えよう』(卓球王国ブックス)は、個人の感情のコントロールやチームの運営に関していろいろな示唆があって、とても勉強になる。メンタルトレーニングというのは、試合中にいかに緊張しないようにするかといった試合中の心のコントロールだけかと思っていたのだが、そうではなくて練習中にどうやって集中力を高めるかや、行き詰まりをどうやって解消するか、人間関係の築き方等、人生にも応用できるような幅広いこころの持ち方を扱うもののようである。

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このような卓球書だけでなく、育児書もいろいろな示唆を与えてくれるのではないだろうか。
『楽々ファミリーコーチング』ではコーチングという理論?に基づいて、どうやって子供を育てるべきかのアドバイスをしている。これは指導者として選手を育てるのに応用できるだろう。

まず重要なのは子供を否定しないことである。子供がワガママを言った時、ガマンを学習させようとして、「ダメなものはダメ!」の一辺倒では、子供は何かに取り組む前から諦めてしまうようになるという。だからといってワガママをすべて通せというわけではない。5回に1回ぐらいはワガママを通すとか、条件をつけてワガママを通すということも必要だとするのである。

また、子供に一から十まで指図して、すべてのことを教える訳にはいかないのだから、子供が自ら学ぶように教育するのが効率の良い教育である。その際、頭ごなしにダメと言われると、自分で何かを試してみようという意欲を削いでしまう。「何かを試してみよう」という考え方は子供の可能性を大いに伸ばす。

この「ちょっと試してみよう」と思えるようになるためには自信の裏付けが必要である。「どうせ試しても失敗する」と思わせないために子供の「自己肯定感」を養うべきだという。そのいい方法が「ほめる」ことである。

ただ「上手にできたね」と褒めるのではなく、もっと具体的に「今のバックハンドは全国レベルでも通用するんじゃないか?」のように褒めるといいようだ。

そして「自己肯定感」が生まれたら、次第に創造性や発想力も育ってくる。「あれを試してみたら、うまくいくかもしれない」のように自分で次の発展のステップを考えられるようになるのである。こうなればこっちのものである。いちいち指導しなくても、子供は自分で伸びていく。

逆に何をやってもうまく行かず、自信をなくしているときは、WHY思考とHOW思考を使って自分で解決させるのがいい。うまくいかない原因を自分で分析(WHY思考)して、その後どうやって(HOW思考)うまくいかせるかを考えるのである。例えばサービスミスが多いから勝てないという原因を分析し、それを解決するために具体的な方法(例えば毎日サービス練習を30分するといった実現可能な低いハードルの方法)を考えだすのである。このHOW思考というのはなかなかできない。頭で考えることはできても、行動に移せる人は少ないのである。

韓国でよく言われる言葉に「始まりは半分だ(=着手してしまえば、物事の半分は終わったことになる)」というのがある。そのとおりだと思う。まず第一歩を踏み出せるかどうかが一番難しいことかもしれない。

選手として優秀な人が指導者になると、「そんな戦術は全国ではまったく通用しない」「台上の処理が下手すぎる」のように自分の経験から厳しい指導をする人がいるが、そういう指導は下の下だろう。選手が自分の問題点を自ら解決できるように自己肯定感を養わないと、良い選手は育たないのだろう。

これらの考え方は指導者としてだけでなく、自分自身を鼓舞する場合にも有効だと思う。卓球だけでなく、人生がうまくいかないときに、どうやって自分のヤル気を取り戻すかを考えるのにも役に立つだろう。

まとめ
育児書は卓球の指導のための参考書としても役に立つし、自分のモチベーションを高めるのにも有効である。
そこで重視されているのは以下の点である。

・ヤル気を維持し、自ら進歩するために、自己肯定感(自信)を養うことが大切である。
・自分のいいところを認める(あるいは人に認められる)と、自信がつき、「これを試してみたらうまくいくかもしれない」と自分でいろいろ模索するようになる。すると自主的に成長するようになる。
・意欲がなくなり、低調な気分のときにはその原因を分析し、具体的な、ハードルの低い対処法を考え出し、すぐ実践に移すことである。

このようにすれば選手(あるいは自分)のヤル気や気分を高めることができる。








表ソフトの人にとって湿気は大敵だそうだ。それどころか、表ソフトはしばらく打ってラバーが暖まってこないと調子がでないということも聞いたことがある。
前者の問題には乾燥剤で対応できそうである。後者の問題には使い捨てカイロで対応できるのではないだろうか。そこで今回は前者の乾燥剤について考えてみたい。

wikipediaによると、乾燥剤は大きく分けて2種類あるらしい。
一つは化学反応などによって乾燥させるタイプ(石灰等)。
もうひとつは物質に細かい穴が空いていて、そこに水分を取り込んで乾燥させるタイプ(シリカゲル等)。
どちらもノリやクッキーなどに使わせれているように人体に害はないらしい。

ノリにはかなり大きな乾燥剤が入っている。シリカゲルはあまり大きなものがなさそうである。

乾燥力の強さでいうと、石灰のほうが強力らしい。石灰ははじめはゴツゴツしているが、それがサラサラになると乾燥力がなくなるらしい。

こういう乾燥剤が個人で使い切れないぐらい大量に、しかも安価で買えないものかと思い、アマゾンで探してみた。(10円未満は切り上げ)。

石灰の乾燥剤

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食品用乾燥剤 20g*6袋入 500円~

よく海苔に入っているヤツである。たった6つで送料込み600円はコスパが低い。

camera kansou

ハクバ写真産業 強力乾燥剤 キングドライ 3パック KMC-33S  530円~

全部で12パック入っているというが、これもコスパが低そう。カメラでも乾燥は重要な問題らしい。こういう乾燥剤を下のような箱に入れて、カメラを乾燥状態に保つらしい。

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HAKUBA ドライボックスNEO 5.5L スモーク KMC-39  1320円~
もっと高いものなら、湿度計が付いているのもあった。


次にシリカゲルの乾燥剤を挙げてみる。

siri


なんでも除湿シリカゲル 20g×20個入り 740円~
これもあまりお得感がない。もっとドバーっと使い切れないぐらい入っていて、数百円というものはないのだろうか。

そこで見つけたのが猫砂である。

neko suna


ジョイペット シリカサンドクラッシュ 4.6L  590円~

これだけドバーっと入って600円以下(送料込み)というのはコスパが高い!天然素材から作られているということで、土に埋めると土に還るそうである。ついでに消臭までしてくれるらしい。
シリカゲルというと、青等の色が付いているイメージがあるが、これは無着色なので真っ白である。形も一定しておらず、適当に砕いただけ。これと、「しっかりパックX型」(卓球用具代用考(ラケットケース)参照)を組み合わせてドライボックスを作ってみた。

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卓球用具代用考(ラケットケース)


入れたラケットは30年ぐらい前のスティガの高級ラケット「ヨハンソン」。バタフライのカーボンラケット(当時8000円)よりも高く、おそらく当時最も高かった(9000円)。昔はとても弾むラケットだと感じたが、久しぶりに使ってみると、重くて全然弾まなかった。キョウヒョウを貼っていたというのもあるが、ものすごい重量感である。
これをドライボックスにしばらく入れておいたら、もっと弾んで軽くならないものだろうか。ちょっと寝かせてみようかと思っている。

さらに湿度計を入れたら、もっと楽しいかもしれない。

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EMPEX (エンペックス) 温・湿度計 高精度UD(ユニバーサルデザイン) 温・湿度計 EX-2831
1500円~

ただ、安い湿度計は精度が悪くあまり当てにならないらしい。しかもでかい(CDサイズ)。

また、乾燥剤は臭くなったシューズやバッグなどにも使えそうで、重宝しそうである。

前回、ラケットコートの代わりに100円ショップで買った水性ニス・油性ニスをラケットに塗り、それにラバーを貼って、剥がしてみた。その顛末を簡単にまとめてみる。

改めて説明すると、水性ニス・油性ニスをラケット1本ずつに3度塗りしてみた。
水性ニスは表面がザラザラする程度でわりと均一に塗れたが、油性ニスは凸凹になってしまった。
油性ニスのほうはヤスリで仕上げをして、凸凹を目立たなくした。油性ニスは慣れないと扱いが難しいかもしれない。

結果、水性ニスを塗ったブレードには薄くニス層ができ、油性ニスを塗ったブレードには厚いニス層ができ、明らかにラケットの表面がはがれにくくなっている感じだった。
ゴムのり、公認接着剤(ファインジップ)で塗ってみたが、問題なく貼れたし、剥がすのも楽だった。
ただ、逆に簡単に剥がれやすくなりすぎた感じがする。
初め、薄めにファインジップを塗ったら、くっつきにくかったので、厚めに塗って、さらに20分ぐらい乾燥させて貼ってみたところ、ちゃんと貼れた。ゴムのりの方は問題なかった。

今のところ、水性ニス・油性ニスを塗ったブレードはどちらも問題ない。弾みが変わるという人もいるが、あまり体感できなかった。同じラケット・ラバーで塗ったほうと塗らないほうを用意して比べてみたら、体感できるのかもしれない。
これでブレードの表面の板が剥がれるとか、ささくれるといった心配は全然なくなったので、所期の目的は達成できたと思う。

「ラケットコート」あるいは「ラケットプロテクト」の代わりに水性ニスはオススメである。
ただし、大きい試合などで違反にならないかどうかは分からない。油性ニスのほうはかなり危なそうである。

【追記】油性ニスを薄めに重ね塗りしてみたところ、とてもきれいに塗れた。かなり厚い層ができた。コツは、スプレーを30センチほど離し、噴射を始めるときには直接ラケットに当てず、横に移動させながらラケットに当てるのである。
ラケットを買うたびに水性ニスを2度塗りすることにしているのだが、経験上、1グラム前後ラケットの重量が増えるかと思われる。

【追記】 131002
市販のラケットコートはまだ使ったことがないのだが、人のラケットで市販のラケットコートを使ったと思しきブレードを触ったことがあるが、100円水性ニスとは格段に違うタッチである。サラサラすべすべなのだ。水性ニスも値段を考えたらいい仕事をしていると思うが、大切なラケットにはやはり市販品を使用することをおすすめする。
 


以前、ジュウイックのミニラケット20(サイン用のラケット)にラバーを貼って使ってみたのだが、ブレードが小さいというだけで、弾みに問題があるわけでもなく、普通にプレイできた。板はベニア板のようだった。「卓球屋」で330円である。ちなみにブレードの幅は130mmである。CDよりも一回り大きいサイズである。

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mini_racket_25_01JUIC ミニラケット25

ミニラケット25のほうなら、子供向けラケットよりちょっと小さい程度だろう。しかしミニラケット25のほうは完売のようで手に入らない。残念である。

バタフライのサインラケットSにもラバーを貼って使ってみたが、こちらも悪くなかった。ミニラケット20とだいたい同じサイズだが、ミニラケット20と比べると、バタフライのほうは作りが安っぽい。それなのに、バタフライのほうが値段が高い。「卓球屋」で420円だった。
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バタフライ サインラケットS

実売300~400円程度のおもちゃのラケットが、私が普段使っている実売4000~5000円程度のラケットと比べて打球感がほとんど変わらなかった。この事実から、私は一つの仮説を提出したい。

ラケットの使いやすさというのは、実はほとんどがラバー次第であって、高級な厚いラバーを貼っていたら、4000円程度の安いラケットと、10000円以上の高級ラケットの違いというのは一部の上手な人(県大会上位とか全国大会出場者とか)を除いて気にならないのではないだろうか。
私は日ペンのことは分からないのだが、分厚い単板の日ペンと薄い合板の日ペンでは違うのかもしれない。またシェークでももちろんカット用の弾みを抑えたラケットと、攻撃用の弾むラケットとの違いは明らかだ。硬さも重さも感じられる。しかし、弾みも硬さも重さもほどほどのラケットなら、打球感はラバーの値段に左右され、ラケットの違いは誤差の範囲にとどまるのではないか。とにかく、私は高級ラケットに値段相応の価値があるか疑っているのである。(追記:最近、やはりラケットの重要性を感じ、考えを変えつつある)

私が使わせてもらった高級ラケットにはだいたいテナジー等の高級ラバーが貼ってあったのだが、あれにヤサカの「オリジナル」みたいなラバーを貼ったとしたら…それでも高級ラケットの味を失わずにいられるのだろうか?私は高級ラケットと安いラケットを同じ条件できちんと比較したことがないので、これは単なる仮説に過ぎないのだが。

そこで私がラケットを買うときはだいたいブレードのサイズや形状で決めている。ブレードの形や大きさが違ったら、スイートスポットの位置などが変わって、使いやすさに違いが出ると考えてのことだ。今回はブレードのサイズについていろいろ考えてみたい。

一般的なシェークのブレードサイズは縦155mm x 横150mmである(訂正157 x 150の間違いでした)。その標準サイズからどのぐらいかけ離れているかで私はそのラケットを買うかどうか決めるのである。
ブレードの大きなラケットには以下のものがある。

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巨大ブレード 
バタフライ ディフェンスX 168x159mm


さらにデカいジュウイック ゴースト
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ジュウイック ゴースト 171x164mm


逆に小さいのは、子供用ラケットである。

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お子様ラケット 
パーソンヤングスター 154x144mm


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入門用ラケット 
エクスターⅡ 152x148mm


パーソンヤングスターとエクスターⅡはどちらもブレードが小さいが、縦の長さはパーソンのほうが2mm長い。逆に幅はエクスターⅡのほうが4mmも長い。つまりパーソンは縦長のラケットということが分かる。

縦長のラケットはドライブの威力が増すに違いない。サービスでもブレードの真ん中よりも先端でこすったほうが回転がかかるぐらいだから、わずか数ミリ先端でこするだけで、ドライブのキレも違うに違いない。

そうすると、究極の縦長ラケットはニッタクのサウンドということになる。
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ニッタク サウンド 165x116mm


これはJTTAAマークもついているし、非常にユニークなラケットである。グリップが異常に長いので、一本差しにちょうどいいと思われる。しかしブレードが小さいので、ボールが側面に当たりやすかったり、空振りをしやすかったりするという難点がある。

これほど極端でなくても、もう少し縦長のかっこいいブレードのラケットがないものか。

ジュウイックのベンクソンバルサCはわりに縦長のラケットだ。

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ジュウイック ステランベンクソン バルサ-C 160x150mm


中ペンはシェークと同じブレードサイズにしている会社もあるが、シェークと中ペンでブレードの大きさを変えているメーカーでは、総じて中ペンのほうが縦長のものが多い。
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バタフライ エクストラウイング 161x150mm


ヤサカはブレードサイズを数種類に限定していて、おもしろみにかけるが、中ペンはかなり縦長である。
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ヤサカ 馬琳エクストラオフェンシブ 163x150mm


シェークでも中ペンに負けないようにもう一がんばりして、165x150というサイズの縦長ラケットはないものか。
シェークで中ペン並みに縦長のブレードはないかと探してみたところ、コクタクの「オールマイティー」にめぐりあった。

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コクタク オールマイティー 165x150mm(2012年カタログ値)


これは長い!しかもコクタク製品の中で最安のクラス(実売2600円~)なので、絶対ほしい!と思ったが、調べてみると、いろいろな店でいろいろなブレードサイズが記してある。165x160だったり、157x150だったり。コクタクのカタログにも明らかに誤植と思われるブレードサイズ(アグレックス44は256x150mmになっている)もあるので、心配になり、コクタクに直接問い合わせてみることにした。


「すみません。御社のシェークハンドラケット、オールマイティーのブレードサイズについてお尋ねしたいんですが。」
「あー?ちょっと待っててくださいね。今測ってみますから…(商品を取りに行く)…え~と、縦が165mmで、幅が157mmですね。」
「ふつうのサイズは155x150mmぐらいですよね?」
「あぁ、これは守備用というわけじゃないけど、オールラウンド用なんでねぇ、ちょっと大きいんですよ。」
「そうですか。どうもありがとうございました。」


どうしてカタログを見るよりも、まず実物を測ろうとするのか。というかカタログを参照しようともしない。「カタログ値と違う」とは言い出せなかった小心な私。製品にバラツキがあるのかもしれないが、カタログ値とはかなりの開きがある、というよりあのカタログ値が誤植だったのではないだろうか。買おうかどうかちょっとためらってしまう。

他にもいろいろ探してみた結果、ジュウイックのハイブリッドがすごく縦長だった。

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ジュウイック ハイブリッド 160x140mm!


しかしジャスポでは160x150mmになっていた。どちらが正しいんだろう。まぁ、どっちにしても1万円を超える高級ラケットなので、私には関係ない。


今度は逆に横長のブレードのラケットも探してみた。シェークではないが、TSPのマルティはまんまるで愛嬌がある。
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TSP マルティ 138x153mm


シェークではヤサカの「スウィーパー」が横長らしい。

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ヤサカ スウィーパー 157x160mm


ジュウイックのラケットはかなりいろいろなタイプがあって、おもしろい。
イセキカーボンとステラン・ベンクソンαは横長のはずだが、写真を見るかぎりあまり横長に見えない。これも誤植ではなかろうか。
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ジュウイック イセキカーボン 150x160mm


benkson
ステラン・ベンクソンα 152x160mm

これらも実売6000円~10000円の高いラケットなので、誤植かどうかあまり興味はない。

これらの横長ブレードの中で私が今、一番ほしいラケットはアンドロのナイトメアである。
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アンドロ ナイトメアALL+ 153x153mm

まんまるで安い上に、この絵。これで子供向けだというのだから恐れ入る。ご丁寧にもグリップのレンズにも不気味な絵が描いてある。このセンス、日本では考えられない!どうしてもほしい!

アームストロングもおもしろいラケットをいろいろ出している。グリップがコルクで飾りっけなし。

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アームストロング
VALU・ATTACK M型 156x156mm



valu attackL


アームストロング
VALU・ATTACK L型 167x157mm


M型はブレードが丸めで、L型は攻撃型なのにブレードがバカでかい!写真からはそんなに大きく見えないのだが、これも誤植か?


おまけ グリップ長
普通のシェークのグリップは100mmである。「サウンド」は例外だが、100mmを超えるグリップ長を持つラケットはあまりない。安いラケットではサナリオンDが比較的長かった。
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ニッタク サナリオンD グリップ長103mm

あまり長いとサービスを出すときにジャマになるから、長いグリップは敬遠されるのだろうが、110mmぐらいのグリップのラケットを使ってみたいものである。一本差しグリップには最適だと思うのだが。

まとめ
今回はとりとめもないことを書いたのでまとめと言えるほどのことはないのだが、ブレード面積155x150mmから外れたいろいろな製品を紹介してみた。私が使ってみたい165x150mmのサイズの安いラケットはたぶんなく、特注にする他ない。もし特注にするのなら、165x140mmとか、150x165mmのようなとんでもないサイズのものを作ってみたい(ラバーの使い回しで困るだろうけれど)。ドニックのパーソン・インパルスが151x158mmというサイズだったらしいが、これもできれば使ってみたい。

しかしよく考えてみたら、特注なんて大仰なことをせずとも、ヤスリで幅を5mmぐらい削ればユニークなラケットができるはずである。今度、左右非対称のブレードを作ってみようと思う。

swing for es

ティバー スウィング フォー エス

こんなのも自作できる?


それにしてもブレードサイズを公表していないメーカーが多くて困る。スティガのラケットは写真ではずいぶんブレードが縦長に見えるのだが、どうもそうではないらしい。XIOMもブレードサイズが分からない。こういう公表しないメーカーは、製品の精度に責任が持てないということだろうか?経年変化で縮んだりするのだろうか?
可能なかぎりブレードのサイズを公表してほしいものである。また、独特の形状のブレードを発売してほしいものである。

追記:バタフライから「レイガンド」というラケットが発売された。ブレードが157x148mmと、かなり縦長でおもしろそうだが、値段が1万円ほどする高級ラケットなので、私の食指は全く動かない。

30年近く前のヤサカのラケット、当時たしか3800円だった。それのラバーを1年ぶりぐらいに貼り替えようと思ったら、表面の板を派手に剥がしてしまった。先日の「王励勤」もそうだが、長期間ラバーを貼りっぱなしの古いラケットは表面の板が剥がれやすいようである。
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特にひどいのが中央。
このラケット、名前は忘れたが、今では珍しいコニックグリップで、6枚合板。ブレードがデカく、ズシンと重いユニークなラケットだった。
さらに中ほどの板も乖離してしまっていた。
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木工用ボンドを流しこんでみたが、うまくくっつかない。未だにペカペカしている。
これを捨てるのも忍びないので、補修してみることにした。

ネットで調べてみると、プラモ用、あるいは木工用のパテというので補修するといいらしい。
ペンホルダーグリップを削りすぎてしまった人が上手に補修しているが、あれはどうやっているのだろうか。
とりあえず、うちにある木工用ボンドでラケットの穴を埋めて、それを紙やすりで削るという安易な方法で表板を補修し、その後、中の板も同じく木工用ボンドを流し込み、厚い本を上に乗せて数日間放置しておこうと決めた。「クリッキープレス」があれば一番いいのだが。

まず表面の板に木工用ボンドを盛った。この手のボンドは乾燥すると容積が小さくなるらしいので、やや多めに盛ってみた。
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これで2~3日放置しておくことにする。
どうなるかはまた後日。

追記:ボンドが乾いたのだが、あまりヒカず、ぽっこりとふくれてしまった。

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紙やすりで必死にこすったのだが、あまり平らにならない。しかも乾いたボンドは弾力がすごく、明らかに木材の部分とは弾みが違うだろうと思われる。このラケットに手を入れる気が失せてしまい、放置状態である。

とりあえずの結論
木工用ボンドだけでラケットを補修しないほうがよい(弾力が木材と違う)。オガクズなどとボンドを混ぜて補修するのがいいのかもしれない。




最近、中国のショッピングモールで卓球用具を買ってみようかと思っている。

Yahoo! Japanと提携している「淘宝(タオバオ)」というサイトは中国最大手のインターネットショッピングモールだそうである。そこで卓球用具を探すと、いろいろおもしろいものが見つかる。

http://search8.taobao.com/search?q=%C6%B9%C5%D2&commend=all&ssid=s5-e&pid=mm_14507416_2297358_8935934

例えば、バタフライの高級ラケット「劉詩雯」はジャスポで約12000円もするラケットである。

liu shiwen
バタフライ 劉詩雯(約300元:3800円)


それがこのサイトでは298元で売っているものを見つけた。現在のレートでは1元が13円ほどなので、3840円で買えるらしい。ニッタクのバイオリンはジャスポでは約11000円だが、99元で売っているのを見つけた。約1280円である。

violin
ニッタク バイオリン(99元:1300円)

どう考えてもニセモノである。

私には中国の卓球事情に詳しい知人がいる。以前「キョウヒョウ3を中国のネットショップで安く買いたい」と言ったら、「中国ではニセモノが横行しているから、やめといたほうがいいよ」と言われたことがある。

「でも、大手の店なら大丈夫でしょ?」
「大手でもニセモノが売ってるから」

そういえば、最近ヤフオクでバタフライのユニフォーム上下(新品)を1500円で買ったのだが、届いたものをみると、中国語のタグが付いていた。日本で普通に買ったら、どんなに安くても5~6000円はするものが1500円(新品で!)だったのだから、思えばあれはニセモノだったに違いない。当然ながらJTTAAタグは付いていない。同様にヤフオクで新品の高級ラケットやラバーがかなり安い値段で売られているが、あれもほとんどがニセモノなのかもしれない。新品の「キョウヒョウ王3」(ジャスポで21000円)がヤフオクで8000円ぐらいで売られていたけれど、新品ならありえない値段だ。

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超高級ラケット キョウヒョウ王3(約500元:6500円)

スティガのエバンホルツNCT Vも。
NCT V
エバンホルツNCT V(約200元:2600円)



それはさておき、中国の知人と上のようなやりとりがあってから、ラケットやラバーの個人輸入のことは忘れていたのだが、淘宝(タオバオ)を見たら、考え方が変わった。

「ニセモノだっていいじゃない!むしろどんな変なモノが届くかおもしろそうだ」

2~3000円で高級ラケットっぽい見た目のラケットが手に入るのなら、それほど痛くない。本物とどのぐらい違うのか比べてみたい。

それに中国のユニークなラケットも使ってみたい。三維というメーカーのテナリーもどきのラケットやハンドソウもどきのラケットも使ってみたい。これらがだいたい1500円以下で売っている。

96shiki三維 テナリーもどき(シェーク)

502gata三維 テナリーもどき(日ペン)
502E三維 ハンドソウもどき

ラバーもずいぶん安い。中国ラバーの「729 鬼釜海绵 729-802」というのが26元だった。340円ほどだ。WRMでは1500円で売っている。
以下のページのレビューによると、悪くないらしい。
http://ttilabo.blog2.fc2.com/blog-entry-157.html

しかし、中国語ができない私としては、漢字の字面を頼りにネットで個人輸入をするほど無謀ではない。
中国人の知人に中国でのネットショッピングの注意点を聞いてから、中国人の知人に中国で注文してもらい、来日するときに持ってきてもらおうと思っていたのだが、そんなことを考えているときにちょうど中国の知人から連絡があり、今月中に来日予定とのこと。パーフェクトタイミング!

いろいろ考えた結果、やはり明らかなニセモノを買うのはやめることにした。
「劉詩雯」とか「エバンホルツNCT V」といった人気ラケットのニセモノに3000円とか4000円をつかうのは惜しい気がしてきた。送料だってかかるのだ。そこで、三維のラケットと729のラバーをとりあえず知人に買ってもらい、近々受け取ることになった。

うまくいくかどうか分からないが、詳細はいずれ。

追記:中国の友人と会えたことは会えたのだが、多忙で用具の注文が間に合わなったという。残念。
ヤフーの「チャイナモール」というページから中国の用具が中国よりも少し割高で買えるのだが、こちらのサービスは2012年5月17日(木)で終了とのこと。また別の友人の来日時に用具を頼もうと思っている。










今回はラケットコートについて書いてみようと思う。
以前、卓球用の接着剤が強力すぎて、接着したラバーを剥がすときにラケットの表板まで剥がしてしまい、その上ラバーのスポンジまでボロボロにしてしまった苦い経験から、ラケットをコートする必要性を痛感していた。そこで100円ショップにあるニスでラケットコートの代用品にしようと思い立った次第である。

市販の卓球用ラケットコート(あるいはラケットプロテクト)には以下の製品がある。
racket protect
ニッタク ラケットプロテクト30ml:590円~


racket court
TSP ラケットコート50ml:430円~

TSPのラケットコートのほうがハケも付いていて、お得である。しかし430円(送料等を含めたら、たぶん600円以上にはなるだろう)は本当にお得なのだろうか。

そこでダイソーで売っている以下の水性ニスと油性ニス(ともに105円)を試してみた。

実験台になるのはJUICのミニラケット20(400円ほど)と、以前ひどい状態になった王励勤である。
suisei nisu  yusei nisu

水性ニスは絵の具のような感じで、かなり水っぽい。上の写真は2度ぬりをした後だが、表面が少しザラザラになっただけで、あまり「塗った」という感じがしない。
一方、油性ニス(アクリルスプレー。アクリル入り)は使った瞬間に強烈な異臭がした。気軽に使うとご近所迷惑になってしまうので、気を付けなければならない。部屋の中で使うのは言語道断である。

下の写真は油性ニスを三度ぬりしたところだが、ベッタリトロッとしていて、例えるなら水飴である。
水性ニスは1時間ほど放置したら、すっかり乾いていたが、油性ニスは2~3日放置していても完全には乾いていないようだった。薄く何度も塗ったらいいのかもしれないが、穴が深かったので、欲張って厚く塗ってしまった。王励勤は本当に現役復帰できるのだろうか。ちょっと心配である。

水性ニスはほとんど凹凸もなく、3度ぐらい塗って仕上げのヤスリをかければ、問題なく使えそうだが、油性ニスのほうはこれから乗り越えなければならない多くの障害を予想させる。

これから油性ニスが乾いたら、ヤスリを掛けてラバーを貼って使ってみようと思っている。

また、水性ニス用のハケについてだが、30mmは大きすぎるので、もっと小さいものがオススメである。
hake


まとめ
油性ニスは素人には危険である。臭い(および人体への害)にも気を付けなければならないし、使い慣れた職人さんでないと、失敗(均等に塗れない)する確率が高い。大きな傷に有効かと思ったが、パテなどで補修した後にニスをつけたほうが有効だと思われる。また、完全に乾燥するまでに数週間かかりそうな気配である。
補修などの問題がなく、単にラケットを保護したいだけ、あるいは熟練していない人には水性ニスがオススメである。
実際の効果はこれから検証しなければならない。ニスが乾いてラバーを使ってみたら、またレビューするつもりである。



今回は卓球用のグルー(接着剤)の代用品について書いてみたい。

※卓球用の有機溶剤のグルーは使用・生産禁止になっています。試合では使用してはいけません。

昔の接着剤はよかった。すぐに貼れて、簡単に剥がせた。そして安かった。
しかし今の接着剤はやっかいなことばかりだ。

高い。皮膜(カス)が残る。そして最悪ラバーのスポンジ、ラケットの表面の板まで持っていく。

himaku
ラバーに残った皮膜。白っぽい部分がそうである。他のラケットに貼るためにこの皮膜をキレイに剥がさなければならないのだが、1時間ぐらいかかる。しかも完全には剥がせない時もある。

世間で一般的に評価されているのは次の接着剤である。

fine zip
ファインジップ25ml:520円~

norisuke
のり助さん40ml:590円~

free chuckII
フリーチャックⅡ20ml:330円~

ファインジップは皮膜(カス)がはがしやすいと評価が高いが、私の経験から言うと、それほどでもなかった。ちゃんと推奨されたスポンジで塗っていなかったからかもしれないが、薄く塗ると皮膜が非常に剥がしにくい。厚く塗ると、皮膜は剥がしやすいが、ラケットの表面を持って行かれてしまう。接着力が強力すぎるのだ。

hagare

ラケットの表面の板が剥がれて、右側にかなり深い穴ができてしまった。orz
それ以外にもささくれたようにかなりたくさん板が剥がれてしまった。このラケット、お気に入りだったのに。
ただ、これはニッタクの古いラケットの特徴なのかもしれない。以前セプティアーの表面の板が剥がれたというレビューを読んだことがある。

のり助さんは卓球ショップの人が勧めていた。今までの中で一番失敗が少ないということだった。

フリーチャックⅡはこの中ではもっとも新しい製品だが、非常に水っぽい。おそらく接着力は一番弱いだろう。しかしそれでも不安なので(「王励勤」の悲劇はもうゴメンだ)、私はラバーを貼る前にラケットを軽く濡らしてから接着剤を塗る。今までのところ、これで板を剥がしたことはない。

他にも接着シートというものがある。

sheet
TSP接着シート:150円~

しかし、1回しか使えないのに150円もするのはどうかと思う。
ただ、これなら貼るときに空気が入らないように気をつければ、非常に安全だ(たぶん)。
私はこの製品を使って、ラバーを貼り、それを剥がしてみた。シートはラケットにくっついていて、ラバーのスポンジは無傷だった。そしてシートはまだ十分な接着力を持っていたので、そのままもう1枚貼って使ってみたが、普通に使えた。

以上、現在の公認接着剤の問題点を指摘してきた。そしてこの現在のグルーに代わるものはないかといろいろ探してみた結果、以下の製品が見つかったので、試してみた。

gom nori
ゴムのり(ノントルエン)85ml:300円ほど

eco cement
エコセメント100ml:800円ほど

valkarn
バルカーン:1100円ほど

どれもマルニ工業の製品で、自転車のパンク修理用の接着剤である。チューブとパッチをつけるための接着剤らしい。

これらは公認接着剤ではないので、個人的に楽しむために使っている。

現在の公認接着剤は木工用ボンドのような白くてドロドロした液体だが、これらのパンク修理用接着剤はやや白濁した透明でトロッとした液体である。

glue

すぐ乾いて、剥がすのも楽(接着力が弱い)。皮膜は薄くほとんど気にならないので、剥がさずそのまま別のラケットに貼り付けられる。

ただ気になるのは人体にどのぐらい有害かということだ。この3つの製品の毒性についてマルニ工業に問い合わせたところ、次の回答を得た。

バルカーンにはトリクレンが含まれますので、毒性の高い有機溶剤となります。

ゴムのり(ノントルエン)にはノルマルヘキサン
エコ・セメントにはメチルシクロヘキサンを含みます。

有機溶剤としましては、ゴムのり(ノントルエン)とエコ・セメントは毒性の低い溶剤となります。

よくわからないが、バルカーンは危ないらしい。
また、接着力はどうか。あまり接着力の強いものは困る。これについては以下の回答を得た。

チューブとパッチでの接着力の強度は次の順番になります。

 バルカーン>ゴムのり(ノントルエン)>エコ・セメント

やはりバルカーンは卓球のラバー接着には適しないようだ。
ゴムのり(ノントルエン)とエコセメントが適当なのだが、値段が倍以上違う。エコセメントにはハケがついていて、少し容量が多いにしても、ゴムのり(ノントルエン)が最も経済的だと言えよう。
そこで私は今、ハケが付いているエコセメントを使っているが、使いきったらゴムのり(ノントルエン)を補充しようと思う。ゴムのり(ノントルエン)は以前使っていて、歯ブラシでラケット・ラバーに塗りつけていたのだが、けっこうロスが多い。
ゴムのり(ノントルエン)は接着にはまったく問題がなかった。エコセメントは貼っただけで、まだ剥がしていないので、剥がす際の問題点を報告できないが、おそらく大丈夫だろう。

まとめ
これらのゴムのりは私的に楽しむ範囲では公認接着剤よりもずっと経済的で機能的で、ラケットにやさしい。
また、スポンジにグルーが染みこんでラバーの反発力が増し、よく弾むようになる(スピードグルーと同様、ラバーが反り返るが)。ボールを売った時の感覚がブルンブルンと心地よい。公式試合に出られないという点を除けば非の打ち所のない接着剤である。

機会があれば、次はより人体に無害な文房具の合成のりなども試してみたい。

追記1:世の中の人は現在の公認接着剤で不便を感じていないのだろうか。先日、初めてスポンジを使って公認接着剤(ファインジップ)でラバーを貼ってみた。すると、けっこう剥がしやすかった。もしかしたら、スポンジを使って塗れば、古いラケットでも問題なく剥せるのかもしれない。

追記2:エコセメントで何度も貼ったり剥がしたりしたが、全く問題なく使えている。ただ、ラケットに水性ニスを塗ると、逆に接着力が弱すぎて、軽く塗っただけでは部分的に剥がれてしまうことが多い。ラケットを回したりして、ラバーの端が指や服に当たったりすると、その部分が剥がれてしまう。ベッタリと十分にエコセメントを塗り、ラバーがラケットからはみ出ないようにカットして使っている。






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