しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




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サーブが上手いSさんは、エンドラインギリギリのロングサーブを多用する。軽く下が入った横系のサーブだが、ときにはエンドラインの白線まで来る速くて深いサーブを出すので、来る場所がわかっていても、詰まってバックドライブをミスしてしまう。しかもそれほど回転がかかっていないので、ツッツキよりもバックドライブで返球したいと思わせるサーブなのである。私だって深いサーブを警戒してやや台から距離を取って構えてはいるのだが、自分の想定しているよりももっと深いのである。このサーブをバックドライブで強く返球するなら、台から1メートル以上離れて構えていなければならないだろう。

ここから分かることは、多くの初・中級者はボールの深さにはあまり頓着せずにレシーブを構えているということである。その結果エンドライン近くに来る深い下回転は、バックドライブでは相当返しづらい。切れた浅いサーブよりも、切れていない深いサーブのほうがレシーブミスが多いのではないだろうか。私もそんなサーブが出せたらいいのだが、それよりもツッツキで同じことができないだろうか。
harimoto
張本選手の「遅いツッツキ」というのがプロのレベルでも効果的だと聞いた

先日の練習でバックドライブの得意なOさんと課題練習することになり、Oさんが「バックドライブからの展開を練習したい」というので、こちらがOさんのサーブをバック側へレシーブすることになった。ちょうど深いツッツキを練習する絶好の機会が到来した。

ツッツキと一口に言っても、いろいろなものがある。

・浅い/深い
・速い/遅い
・切れている/切れていない

などが代表的な要素である(他にも打点の早さ、サイドを切る、横回転が入っている等も考えられる)。このうち、私が習得したいのは、

・深い
・速い
・切れていない

である。

私のイメージしているツッツキは、面を斜めに向けてボールの後ろ付近を強く押すようなツッツキである。ペンなので、押すツッツキがやりやすい。切れていて深くて速いツッツキができればそれに越したことはないが、それはコントロールが難しいので、スピードとコントロール優先でナックルのようなあまり切れていないツッツキを練習してみたわけである。冒頭のSさんのサーブもそれほど切れているわけではなく、速くて深いければ相手のミスが誘えるので、ツッツキも、切れ具合より、スピード、コントロール(深さ)を優先したほうがよさそうである。

この練習を通じて気づいたのは、押すツッツキといっても、無意識に切ろうとしてスイングをやや下方向に押してしまっていたということである。スイングを水平にすれば安定するのだが、切るツッツキの癖で、無意識に下方向にラケットを滑らせてしまう。そうではなく、純粋に水平にラケットを移動させれば深くて速いツッツキが安定するように感じた。このツッツキはナックルのようにほとんど下回転が入っていないはずなのに、バックドライブの安定性に定評のあるOさんがバックドライブのネットミスを連発してくれた。相手の練習にならなかったら申し訳ないので、

「ツッツキ、もっとゆっくりのを送りましょうか?」

と申し出てみたのだが、「大丈夫」ということなので、存分に深くて速いツッツキを練習させてもらった。質の高いツッツキと言えば、切れたツッツキをイメージする人が多いので、こういう深いツッツキは効きそうだ(私のレベルなら)。これにストップや逆モーション、コーナーギリギリのツッツキなどをまぜれば、試合でもかなり得点できるのではないだろうか。

【追記】
深いツッツキを安定させるには腕を伸ばさず、前後の移動だけでつっつくのがいいのではないかと練習後に気づいた。


世間ではフォア面に硬いラバー、バック面に柔らかいラバーを使うのが一般的である。私もそれに倣ってフォア面は硬いラバーをずっと使っていた。しかし、最近行き詰まりを感じ、思い切ってフォア面に柔らかいラバーを使ってみることにした。

ラバーのレビューというのをあちこちで見かけるが、私は用具音痴なので、硬い/軟らかい、弾む/弾まない、ひっかかる/ひっかからないぐらいしか区別できない。しかし、世間にはもっと細かい微妙な違いを感じ取れる人がいるらしい。ラバーの性能というのは貼るラケットや、相手のボール、自分のスタイルなどに大きく左右されるので、そういう異なる環境でもラバー単体の性能を判断できるというのは、バリスタやソムリエに匹敵するような鋭敏な感覚を持っているのかもしれない。

私の場合は、いろいろなラケットに貼って長期間試したわけでもないし、いいかげんな感想にすぎない。しかし、硬いラバーから軟らかいラバーに替えたら、どのような変化があったかというのは報告すべき価値があると思い、この記事を書いている次第である。

フォア面を硬い中国粘着ラバー(テンションなし)から、某社の軟らかい初心者用テンションラバー特厚に替えてみた。すると、ラケット全体の重量がやや軽くなったようで、振り抜きやすくなった。そしてフォア打ちをしてみると、案の定、ボールが飛んでくれない。ボールが当たると、スカスカする感じである。が、ミスをするほどでもない。しっかりラケットを当てれば、ある程度は飛んでくれる。そしてブロック(ショート)は悪くない感じだった。相手の回転の影響をあまり受けず、弾みも控えめなので、押すタイミングを間違えなければ、ちゃんと返球できる。粘着ラバーのときより押すタイミングはシビアではない。

だが、サーブとドライブのときは面食らった。今までの感覚で下回転サーブを切ると、ネットに掛けてしまう。引っかかりが弱いのだろう。工夫して、なんとかネットを越せるようになったが、粘着ラバーと比べて回転は半分ほどになってしまったように感じた。そしてドライブもまったく引っかからない。粘着ラバーのときは、しっかり準備して(下半身を踏み込んで、タメをつくって)最適のタイミングで強いインパクトを発生させれば、ゴリっという、スポンジを押しつぶしたような感覚を伴って、回転量のあるショットが打てたのだが、軟らかいラバーでは、強いインパクトで打っても、スカッという感覚で、スピード・回転のあるドライブが打てない、というより、ネットをギリギリ越えるような浅いドライブしか打てない。中陣からスピードのあるドライブを打つのはかなり難しいだろう。

世間でファア面に軟らかいラバーを使うのが流行らないわけである。そんなこんなで試行錯誤しながら、しばらく打っていて、だんだんこのラバーの扱い方が分かってきた。

フォアドライブはしっかり準備して打っても質のいいショットは打てない。だから、あまりタメを作らず、かつ当てを強くして打つ。当然ながら回転はかからない。スピードもイマイチである。「カッコだけドライブ」と命名した。しかし、このカッコだけドライブは、見た目の割に回転量が少ないため、相手がブロックミスをしてくれることが多い。また、軌道が自然に浅くなってしまうので、思い切り打ってもオーバーミスしにくいし、サイドを切るコースもオーバーしにくい。高性能と言われるラバーのボールを受け慣れている人には受けにくいだろうボールが出る。

特筆すべきはスマッシュが打ちやすいことである。硬いラバーでは安定しなかった低いボールに対するスマッシュ(ミート打ち?)が軟らかいラバーではバシバシ入る。ボールが失速しやすく、台に入りやすいからだろうか?スピードはもちろん大したことはない。しかし、それが分かっているので、質より量で勝負である。スマッシュを打ったら、すぐに連打しようという姿勢になっている。2発、3発打てば、いかに遅いスマッシュでも決まるものである。これからはドライブよりも、スマッシュ主体で行こうと思う。

最後に手打ちでも結構ボールが入るという利点もあった。相手にフォアサイドに飛ばされて、ギリギリ手が届くようなボール――しっかり体勢を整える時間のない場合で、手だけで打ったボールがけっこう入るのである。硬いラバーなら、体勢を崩しながら手だけで打ったボールなんてほとんど入らないだろう(どうしても当てるだけになってしまう)。

質の高いショットでないと、相手に全部カウンターされてしまう、あるいは中陣からのラリーを多用するという全国レベルのプレイヤーから見ると、このような軟らかいラバーは全く使い物にならないと思われる。しかし、卓球人口の大部分を占める初・中級者にとっては、軟らかいラバーをフォア面に貼るというのも意外に悪くない選択なのではないかと思った。ほとんどのボールに対してフットワークを使って姿勢を崩さずに強打を打つなんて、一般愛好家には難しい。軟らかいラバーなら、姿勢が多少崩れても、下半身でしっかり踏ん張らなくても、とりあえず台にボールを入れやすい。

普段の生活で使う車なら、280馬力も要らないだろう。公道では100馬力もあれば十分というのと、軟らかいラバーをフォア面で使うというのは同じような考え方かもしれない。全国レベルの上級者と同じ高性能ラバーを使っても、私ではあまり効果的に使える気がしない。それよりもむしろ軟らかいラバーによるゆっくりしたドライブとスマッシュのコントラストで相手のリズムを崩すような卓球をしてみたい。

フォア面に軟らかいラバーを使うメリット
・相手の回転の影響を受けにくい
・弱いインパクトでも入りやすい
・スマッシュが入りやすい
・ドライブやツッツキで回転がかかりにくいため、相手のミスを誘える
・どうせ質の高いショットは打てないので、力みにくい


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