『卓球王国』2013年8月号で伊藤条太氏がこんなことを書いている。
レベルが低く練習時間が少ないとき、つまり、大半の中学生にとって何よりも優先すべきなのはサービス練習なのである。ラリーの一球目だからという順番の理由だけではなく、回転だけで得点できる卓球というスポーツの特性としてそうなのだ。
ホームランを連発されるようなピッチング(威力のないサービス)をしておいて、守備練習(ブロック練習やフットワーク練習)やキャッチボール(ワンコースで続ける練習)をやっても無意味なのだ。
これは全国大会出場を目指して卓球に全てを捧げている限られた人たちではなく、ごく普通の、県大会に出場できるかどうかというレベルの大多数の中学生を想定しての言葉である。
この記事を読んで改めて練習メニューの選定について考えさせられた。
私も以前「初心者の卓球技術の習得優先順位」「選択肢が多すぎる」で同じような主張をしたが、私たちが何となくしている練習には「仕分け」が必要なのではないだろうか。つまり本当に必要な練習だけを残し、それ以外の練習は積極的に排除すべきではないだろうか。なんとなくいつもの練習メニューはフォア打ち、バック対バック、切り替えや3点フットワークといった練習を取り入れている人が多いが、果たしてそれらの練習は実戦にどれほど役に立っているのだろうか。私もいつか試合で
バック→ミドル→フォア→バック
とフットワークを駆使しながらドライブを連打するようなプレーをしてみたいが、そんな場面は私のレベルでは、ほぼ訪れない。女子のレベルの高い試合にあるようなフォアとバックを交互に繰り返すようなピッチの早い連打のラリーというのもやってみたいが、実戦ではそういう機会もほとんどない。私レベルのプレイヤーには、一にサービス練習、ニにレシーブ練習、三にツッツキ練習、四に対ツッツキのドライブ練習、五にバックのハーフボレー練習。この5つの練習で事足りるのではないだろうか。それ以上の高度な練習、引き合いでドライブの打ち合いとか、複雑で素早いフットワーク練習とかは、上の五つの練習が9割方できるようになってからでも遅くないのではないだろうか。
高度なシステム練習を日常的にしている人でもサービス・レシーブの練習が疎かになっていて、手強いサービスを出す格下相手に負けてしまう人もいると思う。また、試合を振り返ってみると、1ゲーム当たり、すばらしいラリーで5本ほど得点している一方で、サービス・レシーブミスで5本失っているということも珍しくない。高度なラリーのための練習をするよりも、まずサービス・レシーブを完璧にするための練習をすべきなのである。
「そんなことはない。フォア打ちやフットワーク練習は卓球の基本だから意味があるのだ」
という人もいるかもしれない。しかし、それならその意味をきちんと認識した上で練習しないと練習時間のムダになりかねない。フォア打ちは実戦で使う機会は少ないものの、フォームを確認したり、打球感覚を保つために必要なのかもしれない。それなら、フォア打ちは全ての打法の基礎にならなければならないだろう。フォア打ちのフォームとフォアドライブやフォアスマッシュのフォームがかなり違っているのでは、フォア打ちでフォームを確認するという意味が薄れてしまう。例えば、フォアドライブでは腰を回して打っているのに、フォア打ちは手打ちでパチパチ打っているだけではフォア打ちがフォアドライブの基礎とは成りえない。よってフォア打ちはすべてのフォア打法の最大公約数的なフォームでなければならない。フォア打ちを縮めたり伸ばしたりしてスマッシュやドライブに発展できなければ意味がない。そのような多様な打法の中継地点(基本)としてフォア打ちを位置づけなければ、漫然と意味のないフォア打ちを続けて貴重な練習時間をムダにしてしまうことだろう。フットワーク練習も同様である。あらゆるフットワークに応用が効く、フットワークの基本となるなら、そのフットワーク練習は、実戦で直接使う機会がなくても、意味があるだろう。
そしてそのような、応用打法との関連を理解して、意識しながら練習しないと、効果が上がらないと思う。筋トレなら、その練習にどんな意味があるかを考えなくても、ひたすら続けていれば勝手に筋力がつくだろうが、基本練習の場合はそれがどんな意味をもつのか、どういう点に気をつけながら練習しなければならないかを意識しないと効果が半減してしまうだろう。そういう理由で基本練習は漫然と続けるだけでなく、意識を持ちながら練習しないと効果が上がるとは思えない。
中級者の「地に足の着いた練習」として、実戦で直接役に立つ上の5つの技術に絞って、それを完璧にするのが効果的なのか、あるいはあらゆる技術の中継地点としての基本練習に時間を割くのが効果的なのか、どちらがいいのか分からない。ただ、私は今まで、どちらかというと、練習メニューに疑問を持たず、なんとなく基本練習に時間を割いてきたほうだが、戦績はあまりかんばしくなかった。それならフォア打ちなどの基本練習は一切やらず、とにかく練習時間の半分以上をサービス・レシーブの練習に割けば、戦績が改善されるような気がしてならない。
レベルが低く練習時間が少ないとき、つまり、大半の中学生にとって何よりも優先すべきなのはサービス練習なのである。ラリーの一球目だからという順番の理由だけではなく、回転だけで得点できる卓球というスポーツの特性としてそうなのだ。
ホームランを連発されるようなピッチング(威力のないサービス)をしておいて、守備練習(ブロック練習やフットワーク練習)やキャッチボール(ワンコースで続ける練習)をやっても無意味なのだ。
これは全国大会出場を目指して卓球に全てを捧げている限られた人たちではなく、ごく普通の、県大会に出場できるかどうかというレベルの大多数の中学生を想定しての言葉である。
この記事を読んで改めて練習メニューの選定について考えさせられた。
私も以前「初心者の卓球技術の習得優先順位」「選択肢が多すぎる」で同じような主張をしたが、私たちが何となくしている練習には「仕分け」が必要なのではないだろうか。つまり本当に必要な練習だけを残し、それ以外の練習は積極的に排除すべきではないだろうか。なんとなくいつもの練習メニューはフォア打ち、バック対バック、切り替えや3点フットワークといった練習を取り入れている人が多いが、果たしてそれらの練習は実戦にどれほど役に立っているのだろうか。私もいつか試合で
バック→ミドル→フォア→バック
とフットワークを駆使しながらドライブを連打するようなプレーをしてみたいが、そんな場面は私のレベルでは、ほぼ訪れない。女子のレベルの高い試合にあるようなフォアとバックを交互に繰り返すようなピッチの早い連打のラリーというのもやってみたいが、実戦ではそういう機会もほとんどない。私レベルのプレイヤーには、一にサービス練習、ニにレシーブ練習、三にツッツキ練習、四に対ツッツキのドライブ練習、五にバックのハーフボレー練習。この5つの練習で事足りるのではないだろうか。それ以上の高度な練習、引き合いでドライブの打ち合いとか、複雑で素早いフットワーク練習とかは、上の五つの練習が9割方できるようになってからでも遅くないのではないだろうか。
高度なシステム練習を日常的にしている人でもサービス・レシーブの練習が疎かになっていて、手強いサービスを出す格下相手に負けてしまう人もいると思う。また、試合を振り返ってみると、1ゲーム当たり、すばらしいラリーで5本ほど得点している一方で、サービス・レシーブミスで5本失っているということも珍しくない。高度なラリーのための練習をするよりも、まずサービス・レシーブを完璧にするための練習をすべきなのである。
「そんなことはない。フォア打ちやフットワーク練習は卓球の基本だから意味があるのだ」
という人もいるかもしれない。しかし、それならその意味をきちんと認識した上で練習しないと練習時間のムダになりかねない。フォア打ちは実戦で使う機会は少ないものの、フォームを確認したり、打球感覚を保つために必要なのかもしれない。それなら、フォア打ちは全ての打法の基礎にならなければならないだろう。フォア打ちのフォームとフォアドライブやフォアスマッシュのフォームがかなり違っているのでは、フォア打ちでフォームを確認するという意味が薄れてしまう。例えば、フォアドライブでは腰を回して打っているのに、フォア打ちは手打ちでパチパチ打っているだけではフォア打ちがフォアドライブの基礎とは成りえない。よってフォア打ちはすべてのフォア打法の最大公約数的なフォームでなければならない。フォア打ちを縮めたり伸ばしたりしてスマッシュやドライブに発展できなければ意味がない。そのような多様な打法の中継地点(基本)としてフォア打ちを位置づけなければ、漫然と意味のないフォア打ちを続けて貴重な練習時間をムダにしてしまうことだろう。フットワーク練習も同様である。あらゆるフットワークに応用が効く、フットワークの基本となるなら、そのフットワーク練習は、実戦で直接使う機会がなくても、意味があるだろう。
そしてそのような、応用打法との関連を理解して、意識しながら練習しないと、効果が上がらないと思う。筋トレなら、その練習にどんな意味があるかを考えなくても、ひたすら続けていれば勝手に筋力がつくだろうが、基本練習の場合はそれがどんな意味をもつのか、どういう点に気をつけながら練習しなければならないかを意識しないと効果が半減してしまうだろう。そういう理由で基本練習は漫然と続けるだけでなく、意識を持ちながら練習しないと効果が上がるとは思えない。
中級者の「地に足の着いた練習」として、実戦で直接役に立つ上の5つの技術に絞って、それを完璧にするのが効果的なのか、あるいはあらゆる技術の中継地点としての基本練習に時間を割くのが効果的なのか、どちらがいいのか分からない。ただ、私は今まで、どちらかというと、練習メニューに疑問を持たず、なんとなく基本練習に時間を割いてきたほうだが、戦績はあまりかんばしくなかった。それならフォア打ちなどの基本練習は一切やらず、とにかく練習時間の半分以上をサービス・レシーブの練習に割けば、戦績が改善されるような気がしてならない。