しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




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卓球で人生を語る

ちょっと前のWRMやっすん氏の動画。



女子離れしたとんでもなく強い選手だなと思ったら、最近までエクゼディの選手で、今はコーチをやっている人だった。どおりで強いはずだ。
田中彩能




お名前は田中彩能氏。この動画は全日本上位レベルの選手がこれまでどのような練習をしてきたかをインタビューしたものである。

中高――仙台育英時代は、ひたすら基本練習をしていたのだという。この時期は身体の効果的な使い方を習得する期間だったと言えよう。ミスせずに延々とラリーを続けるような練習だったのだという。
もちろんゲーム練習もあったが、それよりはフットワーク練習、サーブからの展開、レシーブからの展開の練習がメインだったようだ。インターハイで団体優勝するようなレベルの人たちでさえ(だからこそ?)基本練習ばかりしているのである。それに対して私のような草卓球レベルの人間はオール練習やらゲーム練習ばかりしている。何かがおかしい…。私は何か大きな間違いを犯しているのではないだろうか。私が遅々としてなかなか上達しないのは「身体の効果的な使い方」を身につけていないせいではないのだろうか。

大学は早稲田で、そこでは特定の指導者に習ったわけではなく、自分で考えながらチームメイトに教えてもらいつつ練習していたらしい。
今までは指導者の言うとおりに卓球をしていたが、大学では自分で勝てるスタイルを築き上げなければならない。田中選手はバックハンドが得意だったのだが、バックで決めるスタイルではなく、あえてフォアで決めるスタイルに変えたのだという。

なぜそんな回り道をするのか。バックが得意なら、バックで決めるスタイルが一番勝てるはずなのに。

それに対するやっすん氏のコメントがよかった。得意な技術(バックや台上、ブロック等)を決定打として使うのではなく、チャンスメイクとして使うのは、非常に有効なスタイルなのだと。なるほど、確かに何もないところからチャンスを作るのと、打てるボールを確実に決めるのを比べると、前者の方が難しい。それで得意な技術をチャンスメイクに使うというわけである。

社会人になってからは日本リーグ所属のエクセディでプレーするようになった。

そこで監督(あるいはコーチ?)に言われたのは、ガッツいてすぐに攻めようとせず、ある程度「距離をとって」ゆっくり打ったほうがいいということだったという。

つまり、少しでも早く攻めたい、相手つけ入る隙を与えたくないというのは誰もが思うことだが、無理な速攻をしかけるのではなく、少し間をとって打つようにしたということである。

田中選手はそれを実践することによって自身の卓球が大きく変わったのだという。

曰く「相手が見えるようになった」と。

今までは自分の技術――ドライブの威力とか、コースの厳しさとかを向上させるのに精一杯で自分のことしか見えていなかったのだが、ゆっくり打つようにしたら、相手の考え、相手の狙いといったことがよく分かるようになったということだろうか。

これはなんだか人生にも通じるものがある。

社会人になると、基本的に仕事はそれぞれの人に任されている。上司や先輩も忙しいので、向こうから手取り足取り教えてくれるわけではない。自分でできる仕事を探して、自分で方法を探りながら、責任をもってやらなければならない。社会人になったばかりのころは、絶対にミスできないと思いつめて、毎日あれこれ準備をしたり、忘れていることがないか必死で確認したりしていて余裕がない。ストレスがたまり、つい周りの人に厳しくあたってしまうこともある。

それが中年になると、仕事の全体像も見えてきて、ミスも少なくなる。心の余裕が生まれてくる。そうすると、周りの人たちのことを思いやる余裕も出てくる。余裕を持ちすぎてミスすることもあるが、「なるようになるだば」と気楽に構えている。若いころには全く見えなかったことが、中年になるといろいろ見えてくるようになる。

いい動画を見た…茶店で霧がかった富士を見た太宰治の気分である。

卓球動画は技術動画や試合動画が多いが、それ以外の方向性を探ったものとして、トップ選手に今までの卓球人生を語ってもらう「むらじの部屋」がある。「むらじの部屋」も非常に内容が濃く、勉強になるが、今回の「やっすんの部屋」もいい動画だった。わずか15分程度の動画なのに満足度が高い!次回作が楽しみである。


型離れ――戦型を考える

ずいぶん昔に大会に出たときのこと。

「次の相手はメチャクチャ強いカットマンですよ。」

そんなことを聞かされて、攻撃型の強い人でなくてよかったとホッとした。

同じ強い人なら、全く攻撃させてもらえず一方的にやられるよりも、ある程度攻撃させてもらえるカットマンのほうがマシだ。どうせ負けるだろうが、少しはカット打ちの練習になるかも、などと思っていたのだが、いざ対戦すると、その「カットマン」はなんと私との試合中に1~2本しかカットを引かなかったのである。サーブは取れないし、レシーブでこちらが打ちにくいところに打っても結局先手を取られて一方的に打たれて惨敗である。あれが本当にカットマンなのか…?

その人は大会の終盤で歯ごたえのある相手にはしっかりカットを引いていたのだが、実力差がありすぎる相手には普通の攻撃型の選手のようにふるまっていた。イメージ的には陳衛星選手のような感じだった。こういう人が強いカットマンなんだろうな。

chen weixin

私の周りには、いわゆる前陣速攻型のペン表の人がいるのだが、その人は型通りの人で後ろに下がらずドライブを打たず、フォア主体である。後ろに下がって攻撃したときやドライブを打ったときなどは「またやっちゃった」と反省している。

「いやいや、中陣からの攻撃も威力がありましたよ。ドライブも裏ソフトの人と違って回転量が読めないので、案外効果があるんじゃないですか?」

とコメントしてみると、ペン表のいいところがなくなってしまうので、できるだけ下がらず、ミート打ち主体でゲームメイキングをしたいのだそうである。なるほど、たしかに前陣の早いピッチでバシバシ打っていくのは表ソフトらしくてかっこいいとは思うけれど、前陣でも中陣でも攻撃できて、ドライブも打てて、スマッシュも打てたほうがいいのではないだろうか。上手な人なら「対ペン表対策」というのがしっかりできているので、型通りの戦術だと老獪な相手には「型に嵌められて」しまうのではないか。

私はたぶん「ペンドラ」という戦型に分類されると思うが、フォア主体でちょっと下がって大半のポイントでドライブを打つという型通りの卓球では意外性がなく、格上には勝てないと感じる。それよりはドライブも引くけれど、台上やスマッシュでも得点したいと思う。

「趣味がないのが不安だから、何か趣味を持ちたい」とか「好きなアイドルの一人もいないのはちょっと…」という人の心理に似ているのかなと思う。自分には戦型がない、というのが不安だから、既存の「ドライブ主戦型」「ペン表速攻型」「カット守備型」などといった型にできるだけ自分を近づけたいという心理の人が多いのかなと思う。

型から離れてしまうと、きっと何か不都合もあるんだろうとは思うが、どんな相手にも一つの型で戦うのではなく、相手のタイプに応じて型を少し変えられるような卓球ができればと思う。冒頭のカットマンのように。といっても私が相手によって戦型を完全に変えて、カットマンとして戦うというのではなく、ペンドラという型のままでも、ときにはその型から離れ、相手によっては台上の細かい展開を工夫したり、あるいは自分から先に攻めずに、先に相手に下回転を起こさせてスマッシュしたりと、そういう戦型の幅のようなものが私の卓球にもあればと思う。




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