しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




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いいドライブは呼吸している――バックハンドドライブの基本

フォア打ちをするときにリズミカルにぴょんぴょん跳ねるようにフォアロングを打つ人がいる。
おそらく1球ごとに左右に軽く体重移動しながら打っているのだろう。
見るからに軽やかで1球1球の威力も出そうだ。ああやったら安定するのだろうか。

そんなことを考えて真似してみたのだが、そうするうちに何か別のアイディアがムクムクと湧き上がってきた。

左右に体重移動すると同時にもう少し踏み込んで姿勢も低くしたらどうだろうか。
フォア打ちではなく、フォアドライブでこういうのを見たことがある。

フォアハンドのバックスイングをとると同時に右足に体重移動をし、そのとき姿勢も低くする。
次に打球しながらバネのように体を伸ばし、左足に軽く体重を移動させる。
またバックスイングを取りながら右足に体重移動をし、姿勢を低くする。
次に打ちながら体を伸ばし、左足に体重移動する。

なんだか「もぐらたたき」のもぐらのように「ぴょこぴょこ」しながら打っている気がする。

こういう打球しながらの上下運動は大丈夫なのだろうか。

いろいろ動画を見てみたところ、バックハンドドライブでは上下運動をしながら打つ人が多かった。
特にバタフライのページでの林高遠選手の動画に顕著だった。

「ラケットを動かし始める前に姿勢を高くしているのは両足で床を押してスイングに助走をつけるためだ」
「スイングに助走をつけたら斜め上へコンパクトにスイング」
高さ
姿勢を低くしておいて、伸び上がるのはスイングのための「助走」だったのか。

上の図の白線を見てもらえば分かるように、林選手はかなりぴょこぴょこしながら中陣からのバックハンドドライブ(以下BD)を打っているようだ。



「ミスなく連打できる中陣バックハンドドライブ」
https://youtu.be/-FBW3H70tKU?list=PLvjUxcGdF8P-dedONqql2G5WCGx8iSq7I&t=72

上の動画は中陣でのBDだが、前陣でもそんな時間的な余裕があるのだろうか。

「腕だけでなく上体を軽く起こす勢いを利用する」
「足で床を押す勢いを利用して上体を起こす」
前陣BD下
前陣BD上

単に伸び上がるだけでなく、足で床を蹴るようにするといいらしい。


「前陣での高速バックハンドドライブ」

https://youtu.be/kT3SZPOjHq0?t=71

加藤美優選手の「究める!ミドルに来たボールに対するバックハンド」という動画を見ると、加藤選手はこのような「ぴょこぴょこ」をしていないようにみえる。


「ミドルに来たボールに対するバックハンド」


加藤BD下
加藤BD上
しかし、動画を止めて確認すると、ほんの少しだが「ぴょこぴょこ」しているのではないだろうか。

BDといっても、いろいろな情況がある。順回転に対するBDもあれば、強い下回転に対するBDもある。低くて深いボールもあれば、少し浮いたボールもある。そのどれに対しても「ぴょこぴょこ」を使う必要はないと思うが、低いボールに対しては有効だと思われる。

同じバタフライのビデオ「基礎からよく分かる! 黄鎮廷の裏面ドライブ」を見ると、黄選手は顕著な「ぴょこぴょこ」を常に繰り返している。まるで呼吸しているかのようである。


「第1回 基本の裏面ドライブ」

黄BD下
黄BD上

字幕では以下のポイントが挙げられている。

「前傾姿勢を作りスタンスを肩幅より広くして左足前にする」
「ラケットをスムーズに引きやすいようわきを空けてひじを体から離す」
「ラケットの先を自分の方へ向けるように手首をひねる」
「手首をリラックスさせて前腕中心に斜め上にスイング」

以下、黄選手のコメントである。
「飛んでくるボールのリズムに合わせることと手首に余計な力を入れすぎずにスイングすることが大切です」
「スイングでは手首を少し使います」
「打球点は頂点よりも少し前の上昇途中を捉えます」
「打球する位置は体の正面もしくはややバック寄りが裏面ドライブを打ちやすいです」

どういうことだろうか。
・スタンスの広さ
・腕(ひじ)の位置
・ラケットヘッドの向き
・スイング方向
・打点・打球位置
については言及があるが、「ぴょこぴょこ」についての言及がない。ラケットの向きだの、スイング方向だの、そんなことよりも「ぴょこぴょこ」のほうがずっと大切なポイントだと思うのだが…。もしかしたら、この「ぴょこぴょこ」は言うまでもないほど基本的なことなのだろうか。私は今まであまり意識していなかった…。

実際に先日の練習で「ぴょこぴょこ」を試してみた。BDでは足で床を蹴るのではなく、腰の曲げ延ばしを使って「ぴょこぴょこ」しながらBDを打ってみたのだが…非常に効果があった。特に低い下回転に対しては安定感が全く違う。ただツッツキ打ちのような比較的時間的余裕のある場合にはできるのだが、ラリーが続いて、ボールのスピードが速くなると「ぴょこぴょこ」を忘れて夢中で単なる腰の回転運動だけで打ってしまいがちである。これを無意識で出せるよう、繰り返し練習し、呼吸のように自然な動きとして身につけることができれば、私のBDはこれまでの数倍の安定性を獲得することだろう。

ドライブにおいて「ぴょこぴょこ」は非常に大切だと思うのだが、どうして世間ではこの重要性にあまり触れられていないのか不審である。

手首・肘・肩 支点のバックドライブ

最近のマイブームは「たくしょー」。

言わずとしれたピンポン・パフォーマー、新井卓将氏である。

卓球のことをあまり知らない読者は、テレビによく出る卓球の曲芸が上手い人というイメージをお持ちかもしれないが、指導者としても一流で、多くのジュニア世代を育てている。

前記事「それってyoutubeの見過ぎだよ」で、上に振るバックハンドドライブの有用性を認識したので、上に振るバックハンドドライブ(以下、BD)の動画を探していたところ、またもやyoutubeのお世話になるという皮肉な結果となった。


バックドライブのコツ(対下回転)

たくしょー氏のBDは力が抜けており、軽く鋭い振りを実現している。
なぜこんなにラクラクと下回転が持ち上がるのだろう。

その秘密がこの動画に隠されていたのである。
手首

対下回転のBDで最も大切なのは手首を利かせることなのだという。

初心者は手首を動かしまくってボールをあらぬ方向に飛ばしてしまいがちである。だから私は初心者の頃から手首を使うのが怖くて、できるだけ手首は固定して打っていた。BDは肘支点で打つといいとよく言われる。それで私は何となく手首を固定しつつ、肘を支点にして車のワイパーのようにBDを打っていたのである。

BDは肘支点で打つという主張は、あちこちで見られる。
たとえば「バックハンド・ドライブの基礎」というページには「バックハンドは、ヒジを支点にしておへその前からラケットを出す動きです。」と説明されている。もちろん肘だけでなく「フリスビーを投げるように手首を返し、強い上回転をかける」と手首を利かせることも重視しているのだが、肘が主で、手首は従という感じである。

荘智淵選手も卓レポの特集で「体の正面で打球できる位置まで動き、ひじを体から離してバックスイングを取ったら、ひじを支点に右斜め上方向へスイングしてバックハンドドライブします。」と述べている。

荘智淵BD

BDは肘支点で打つというのは間違ってはいないだろう。

ただ、これは対順回転のボールや、前に振るドライブの話であって、対下回転では肘を使わないほうがいいらしい。私は上に振るドライブでも前に振るドライブでもどちらも肘が主導するスイングだったためにBDが安定しなかったわけなのだ。対下回転のBDでは手首に力を入れて振るのがいいのである。

たくしょー氏「ラケットに一番近い関節っていうのは、指。指の次に近いのは手首なので、指と手首を使ってスイングできると、台上でも、小さいスイングでもいろいろな回転がかけられる」

手首だけでなく、指も使うというのが興味深い。

肘は使わない


「肘が伸びたり、曲がったりせずに、なるべくこの状態(120°ぐらいの角度?)を維持してスイングします。」

上腕を軸に

そして上腕を外側にひねる(外旋)するようにするのだという。

たくしょー氏の対下回転BDは手首(と指)が主導し、それに付随して上腕の外旋が起こるというものだろう。

説明の中で非常にわかりやすかったのが、釣り竿の喩えである。
自分の体に対してラケットが平行になるように構え、ラケットを釣り竿に見立てる。そしてラケットヘドに付いている糸を引っ張るイメージで、ヘッドを下げ、糸を離したら、ラケットが跳ね上がるように手首でスイングするといいのだという。

釣り竿を引っ張る

離すとピョン

これがたくしょー氏のスイングが軽くて鋭い秘密なのだと思われる。

ここまでをまとめると、肘を中心(手首は従)にするBDは、前に振る、威力重視のドライブ。手首を中心にするBDは安定性重視の力の要らないドライブ。

フラン氏が肘支点、肩支点の特徴を以下のように端的にまとめている。

肘を支点にしてしまえば前方に振る力が強くなってしまいます。
肩を支点にしてしまえば振りが大きくなってしまいがちです。

私が提唱する支点は手首です。インパクト時に手首を支点として肘、肩の関節運動を行うことを提唱します。(「【追記】バックドライブの支点」)

フラン氏は下回転に限らず、すべてのBDを手首中心にすることを条件付きで勧めているようだ。

対下回転は手首主導のBD!

これを先日の練習で試してみた。うまく打てた時はボールがすっ飛んでいかず、低く浅めに安定して入る。スピードはそんなに速いわけではないが、しっかり回転がかかっている感じである。

これからは対下回転は手首主導の上に振るBDで行こうと思う。


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