しろのたつみ



卓球について考えたこと、
気づいたこと(レベル低いです)
を中心に中級者の視点から綴っていきます。




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「あっ!もしかしていけるかも?」
以前プロの指導者に教わったフォアハンドの打ち方のことである。
腰を回してフォアドライブを打つのは昭和の打ち方で、現代では膝で打つのが効率がいいのだという。
そのとき膝で打つ打ち方を試してみたのだが、違和感がひどくて全くものにならなかった。それから2年近くになるだろうか。この間の練習で、ふと膝で打つフォアドライブを試してみたら、今までの打ち方よりも威力が出て、振りも小さく安定するのである。これが現代のフォアハンドの打ち方か。

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最近、「卓球平社員」というチャンネルの動画をよくみる。
https://www.youtube.com/@user-ht5pj9ch9n
hirashain

平社員氏はどうやら日本リーグの選手らしい。フォアハンドはすさまじい威力と安定性だが、バックハンドは(このレベルでは)あまり上手ではないようだ。卓球人脈が豊富で、有名選手を招いて技術動画をよく配信している。今回は加藤美優選手にバックハンド下回転打ちを習うという動画だった。

sekai8i

https://www.youtube.com/watch?v=XSO4whOxuKM

加藤選手は自身のバック下回転打ちのコツを伝授する。
・手は使わず、体重移動で打つ
・体重移動というのは横方向――左から右へ――に体重を移動させるのではない
・体を「絞って」、一度ねじってから、ニュートラルの状態に戻すことが体重移動
・手でバックスイングを引かず、手が体についていくように体の前に置いておくだけ
・下回転打ちは体の前ではなく、やや左で打つ

teuti

平社員氏は加藤選手の指導通り打ち方を試みるのだが、体をひねってバックスイングするのではなく、どうしても手で引いてしまい、振るときも、手が先行してしまうようだ。体と腕が一体化せず、バラバラに動いている感じなのだ。

どうしても指導通りにできない平社員氏を見て、加藤選手はこんなことを言った。

kekkatosite

「(このバックハンドは難しいのはしかたがない。私も)いろいろ考えてやって、今のバックだから、…あれも、これも全部融合してこれだから、…(指導動画が)第三部ぐらいまでないと、分からないよ」

結局平社員氏は、このバックハンドを習得することはできなかった。セミプロの実業団選手でさえ人の技術を我がものとするのは長い試行錯誤が必要なのだろう。

私が膝を使ってフォアハンドを打つというのを教わって、それがストンと肚に落ちて、自分の技術として使えるようになるまで2年近くかかった。加藤選手のバックハンドも、いろいろな指導を受けて、それを自分なりに消化・融合し、さらに発展させて、自分の技術として完成させるまでに数年かかったに違いない。技術を教わって、それを自分のものにするというのは時間のかかるものだと改めて実感した。あるいはいくら時間をかけても身に付かないということもあるかもしれない。

そもそも指導者の指導どおりに人の技術を完全に再現するなどというのは不可能なのかもしれない。指導によってインスピレーション――方向性ぐらいは教わることができるかもしれないが、それを自分の技術として自分のプレーに落とし込むにはどうしても自分なりの工夫や改変を経なければならないのかもしれない。そしてその過程は少なくとも年単位に及ぶのであろう。現役を引退したトップ選手に1回ぐらい個人レッスンを受けたぐらいでは、その技術が身に付くはずがない。それを私は上級者に技術を教えてもらえば、上級者の技術を(質は落ちるにしても)すぐに使えるものだと勘違いしていた。技術というのは結局のところ自分で築き上げるしかないのである。

ツッツキってなんだか捉えどころがない技術だよなぁ。
別にとりたてて難しい技術というわけではないけれど、相手のサービスをツッツキでレシーブするとき、ネットにかけたり、オーバーしたりしやすい。ドライブなら打っていて「これは入る!」という感触のようなものがあり、そう感じた時にはたいてい入るのだが、ツッツキの場合は「これは入る!」と感じたときでもネットにかけてしまったり、オーバーさせてしまうことがよくある。
格下の相手のサービスをレシーブするときは、それほどミスすることはないのだが、格上の相手のサービスをつっつくと、けっこうな確率でボールが思いもかけない方向に飛んでミスをする。

ツッツキをミスしないコツというのはあるんだろうか?
試合でのツッツキの使用頻度を考えると、ツッツキの安定度が試合結果を左右するということも大いにありうる。

ある練習で格上の相手のサーブをひたすら受けていたとき、なんとなく打ちやすそうな瞬間があることに気づいた。ボールが自エンドでバウンドし、「ここだ!」というポイントでつっつくと、サクっとラケットが入り、ボールがすっ飛んでいかずにネットをそこそこの低さで越えて、相手エンドに安定して入りやすいのである(もちろん回転を完全に見誤っていたら、ミスしてしまうが)。なんというか、相手のショットの「ツボ」を突くような感覚である。
aki1
ツボを突くイメージです

そういえば、本当かどうか分からないが、上手な人がこんなことを言っていた。

「下回転のボールがバウンドしたとき、回転が一瞬弱まる。そしてまた回転量が増えていく。この回転が一瞬弱まっている間にドライブをかけると、下回転が簡単に持ち上がるんや」

台とボールが接触した瞬間に回転量が減るというのは理解できるが、その後、再び回転量があがっていくというのは眉唾である。しかし、そのイメージでツッツキをすると、安定して台に収まるのである。

もう少し具体的に言うと、ボールが頂点に達し、少し落ちてくるようなポイントでつっつくのが一番安定するような気がする。

こういうショットの「ツボ」というのはツッツキだけでなく、もしかしたらあらゆる打法にもあるのではないだろうか。そのツボのタイミングでラケットをボールに当てると、回転の影響をあまり受けず、安定して返球できるというタイミングが。

おそらく上手な人はこのツボのタイミングで打っているから、ミスが少ないのではないだろうか。それから私は他の打法――ドライブやミート打ちなどでもツボのタイミングを探してみた。そしてそれらしいものがあると感じた。ドライブやミート打ち、ブロックなどの対上回転の打法では、上体を低くしておいて、むくっと起き上がりながらショットのツボのタイミングでインパクトすると、軽い力でも安定して返球できる。一定のタイミングで打つとよいと言われるが、このようなタイミングを見つけることが最近の私の課題である。

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